Krixter/Repo / n0001dl /10.json
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{"novel_id": "n0001dl", "chapter": 10, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0001dl/10/", "title": "幕間 彼の話", "content": "カエデと出会って早17年、一緒にいるのがもはや当たり前になってしまっているけれど、そうだとしてもカエデが俺にとってとても大事な人であるのは揺るがない。\nカエデとの出会いは僕たちが物心つく前に済まされてしまったからその瞬間の思い出はない。\nカエデは時折、お前は初めて会った時から云々と俺に言ってくるけれど、さすがに本当に覚えてるってわけじゃないと思う……多分…\nカエデはよく俺を性的に襲ってくる。\n時も場所もあまり選ばずに襲ってくるものだから、口では色々文句を言ってしまうんだけど、正直まんざらでもない。\nだってあんなに可愛くて強い女の子が、自分という男に興奮してくれているっていうのはすごく男冥利に尽きるし、村でも人気のあるカエデのそんな姿を見られるのはすごく優越感も感じられてしまうんだから。\nもちろん俺は昔からカエデのことが好きだから、そうしてイケナイことを2人でするのが嬉しいってのもある。\nそんなカエデが俺との初体験を迫ってきたのは確かお互いに12歳のときだったかなぁ。\nそれまで俺を性的に襲ってきても、どこか一線を引いてそれを越えてこようとしなかったカエデが、その日に限ってすごく発情した様子でその線を越えてきたから俺はすごくびっくりした。\nでも同時にすごく嬉しくて、その日は俺にとって人生で一番の思い出の日だ。\nそれから俺とカエデは何度か肌を重ねてるけど、実は日に日に煽情的な体つきに育ってゆくカエデと何度もそんなことをしてしまったせいで俺は他の村の女の子で下半身が反応しづらくなってきてしまったのだ。\nまあカエデがいるわけだから問題はないといえばないんだけども、どうにも男としてカエデに調教されてしまった感があって複雑な気分になる。\nでも、いつも行為が終わった後の、カエデの照れたようなはにかみ顔を見れば、そんなことどうでもよくなっちゃうんだけどね。\n\nカエデで困ったことといえば、やっぱりその寝坊癖だと思う。\n俺とコサメと、そしてカエデのお母さんのユズハさんがどんなに頑張っても改善させることができなかった代物だ。\nユズハさんなんて一時期はカエデが呪いでもかけられてるんじゃないかと本気で疑ったほどだ。\n成人して一人暮らしを始めてからもその寝坊癖は健在だ。\n最初は何度か起こしに行ってたんだけど、その度にベッドに引きずり込まれてあの大きなおっぱいに頭を押し付けるように抱きすくめられてしまい、しまいには俺が我慢できなくなって事に及んでしまうから最近は起こしに行ってない。\n寝坊させないために行ったのに結局は2人ともお昼近くに家を出ることになってしまって意味がないどころかマイナスになってしまうのだ。\nそんなときのコサメのあのなんとも言えない生温い眼差しは忘れられない。カエデは気にしてないみたいだけど……\n\nこの前、いつも通り寝坊だと思ったのにカエデが俺とコサメに追いついてこなかった日は、それまでそんなことはなかったから結構心配をしてしまった。\nあのゼンが償いをしたいって言ってきただけでも驚きの日だったのに、そんなことも重なるとなると、事件っていうのは重なるんだなぁと思ったり。\nしかもカエデの行方を知ってるか聞くために立ち寄ったゼンの家ではちょうどゼンが誰か女の人とことを致してる最中だったらしく、しかも俺とコサメと玄関先で話してる間も止めなかったんだから困ってしまった。\n一度、戸の中から微かに高い声が聞こえて、戸がガタリと揺れたときは普段反応しづらい俺の下半身が反応しそうになってしまってすごい罪悪感が湧いてしまった。\nカエデを探しに来てるのに、カエデ以外の人の痴態のその断片で反応してしまうなんて、なんとなくカエデに悪い気がしたんだ。\n結局その日はコサメの言葉に従ってカエデのことは様子見ということになった。\n\nその次の日、カエデはお昼過ぎ頃に俺のとこにやってきて、前日俺とコサメとの約束をすっぽかしたことを謝った。\nそのときカエデはいつになく息を乱して、肌をほんのり朱に染めていたからどことなく色っぽかった。\nなんでもすっぽかすなんてのは初めてしてしまったことだからかなり焦って全速力で俺のとこに来たらしい。\n俺はなんだかカエデがそんなにも俺たちのことを想ってくれているというのが嬉しくてすぐに許してしまった。\n約束をすっぽかした理由は、なんでもカエデの「役目」に関わることで村の中央に行かなければならなかったからとのこと。\n役目というのは成人した鬼人族に村から課される労役のことだ。\n例えば俺は幼少組に剣の稽古をつけること、コサメは術の授業をすることだ。\nカエデはその神祖返りとしての戦闘力を買われて村近郊の森の警邏だ。\n村には警備隊っていう組織もあるんだけど、彼らは基本的に村の北側で接する森から侵入してくる強力な魔物を警戒することで、村全体の警備には手が伸びにくい。\nそこで村の住人の中で、力のあるものにはその手が届かない部分の警邏が役目として課されるのだ。\n役目は毎日ではなく週2、3日ほど。多くはないんだけど、2人とは成人するまでほとんど毎日一緒にいたから、俺としてはこの役目で一緒にいる時間が削られるのは結構嫌だった。\n週に2、3日と言っても、毎回同じ日に3人が役目をこなすわけでもないしね。\nまあそれはさておき、カエデは俺と話し終えるとコサメのところにも行くと目にも止まらぬ速さで飛び出していった。\nなんだかすぐに許してしまったことを後悔しつつももうすぐ俺もコサメもさっき言った役目が始まりそうだったから、仕方ないといえば仕方ないのかな。\n\n最近珍しくうちの村にやってきた行商人が言うには、村の外、つまり人や鬼人族以外の亜人族が住まう世界には冒険者という職業があるらしい。\n種族も老若男女も問わず、腕っ節や能力で生きる人々。\n未開拓地や迷宮の探索や魔物退治、あるいはただ旅をするだけ。\nそれらを生業とする彼らの話は村しか知らない俺にはとても魅力的だった。\n一緒に話を聞いていたコサメとカエデの反応は真逆だったっけな。\n意外にもコサメはその話をキラキラとした目で聞いていて、行商人のおっさんはその小柄な体躯でもって見上げながら話に聞き入るコサメに気を良くして商品を1つサービスしていた。\nそれを見たカエデは「コサメ……恐ろしい子っ……」とか言ってたけど、どういう意味だったんだろう?\n対してそんなカエデは、ふーん、と言った感じでおっさんの話を聞いていた。\nなんだか元から知ってたことを改めて聞かされたような感じだったな。\nまあ昔からカエデは妙に物知りだから気にはしないけどね。\nただ、カエデは胸の下で腕を組みながら話を聞いていたので、そのおっぱいが殊更強調されていた。\nおっさんはそれに鼻の下を伸ばして、また商品を1つサービスしてた。\n商人そんなんでいいのか。\nそれを見たコサメは「くっ……これが差か……ッ」とか妙に渋く呟いてたけど、一体どういう意味なんだろう?\nまあとりあえず、自由に世界を駆ける冒険者の話は俺にとってすごく魅力的なものだった。\n村の外にはまだ俺の知らない世界があって、そこを役目だとかとは無縁に自由に闊歩する人々がいる。\n俺はそれがたまらなく羨ましく思えた。\n\n………カエデともっと長い時間一緒にいたい……\n\nきっと、そんなわがままな気持ちが一番そう思わせているだろうことに目を逸らしながら、俺は胸に湧き出た村の外への憧れ、欲求を持て余した。\n\n「ま、よく考えろよ、ソーマ」\n\nそんな俺の背中をバンと叩いて、カラカラと笑いながらその場を歩き去ったカエデ。\nなんだか自分のことを何でも見抜いてしまうカエデに恨めしさと同時に、誰よりも自分を理解してくれていることに嬉しさを感じつつ、俺は昔のことを思い出した。\n\n『ソーマは外に行きたいと思わねーの?』\n\n初体験から何度目かの行為の後、隣り合わせで寝転びながらカエデが突然聞いてきたことがあった。\n\n『うーん、わかんない…カエデは?』\n\nまだ外というものがなんだかわからなかった俺はそう曖昧に返したのを覚えてる。\n\n『私?はは、そうだな、ソーマが行くなら行くぞ』\n\nカエデは今も変わってないカラカラとした笑みでそう返した。\n\n\nカエデの言う通り、よく考えなきゃな。", "preface": "感想とかでちょっと思うところができたので予定を変更してソーマくんの話。\n\nこれ投稿したら予定通りの話を執筆開始する予定。", "afterword": "カエデ「外興味ねーの?」(ファンタジー物の閉鎖社会に住む主人公なら外目指してなんぼやろ(テキトー))\n\nカエデ「ソーマが行くなら行くぞ」(決まった(ドヤァ))"}

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