| {"novel_id": "n0001dl", "chapter": 17, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0001dl/17/", "title": "第12話 酒場、一夜の過ち", "content": "さて、街に着いた後俺たちは助けた一行とともに異世界おなじみの冒険者ギルドに向かったわけだ。\nそこで冒険者としての登録とか諸々手続きを終えて、俺たちは街を回ることにした。\nこの街はこの地域でもそこそこ大きい方のようで、石畳で舗装された通りが特徴だ。\n大通りにはいろんなお店があって買い物には困らなさそうだし、露店もいっぱいあって見たことない商品が並べられていて見ているだけで楽しい。\nなんというか海外に観光に来た気分で俺は回ってしまってるんだけど、ソーマとコサメはギルドでもらった街の見取り図とにらめっこしながら、これまた同じくギルドで教えて貰った冒険者として用意しておくべき物品の購入の計画を立てていた。\nあのゴブリンの群れから剥ぎ取った素材を売って儲けたお金をうまいことやりくりしよう、ということらしい。\nそういう頭脳労働は2人に任せて俺は近くの露店をウィンドウショッピングしよう。\n正直相場とかがわからないからぼったくりとか怖くて手が出せないよなー。\nまあお財布はソーマが握ってるから買おうにも買えないんだけどね。\n\n「カエデ!あんまりフラフラして迷子になるなよ!」\n\n「やーい迷子の前科持ちー!気をつけろー!」\n\n後でコサメは締めるとして、俺ってそんなに迷子になりそうに見えるかな?\nとりあえず手をひらひらさせて返事をしておく。街中で大声出すってなんか恥ずかしくない?\nまあそれはさておき、雑貨屋らしき店の前に来た。そこそこオシャレな門構えで気に入ったのでちょっと入ってみる。\n店の通りに面した部分は全部開かれていて中はよく見えるから、2人が俺を見失うこともないだろうし。\n\n「らっしゃい、べっぴんの嬢ちゃん!」\n\n中には小太りのおっさん店主。商品の並んだカウンターの向こうに立っている。\n視線に嫌なもんを感じないのは好感度が高いな、うん。\nとりあえず壁の棚を見て回ろう。\n調理器具から部屋を飾る小物類まで幅広く並んでる。\nお、この猫の置物なんかかわいいな。まあこれから旅をしていくのに置物とか邪魔でしかないから買わないけど。\n\n「嬢ちゃん、見ないなりだな。どっから来たんだ?」\n\n「向こうの森の奥。鬼人族って知ってる?」\n\n「おうとも!なんでもめっちゃつえぇってな!でも滅多に人の世には出ねえって話だなあ」\n\n意外と、よく知られているみたいでちょっとびっくり。\nどうもこの世界では亜人族に対する差別とかはほとんどないらしい、というのはこの街への道中で聞いた話。\nまあそうでなきゃ村の中央が俺らの旅立ちを認めんわな。\nこっちが村を出ることになった経緯、と言っても大したもんではないけど、まあそれを話しつつ引き続いて商品を見て回ると、棚の隅っこにあるものに目が止まった。\n草を編んでできた小さなカゴの中に大量に並べられた彩豊かに光沢を放つそれ。\n一つ手にとってじっと見つめる。\n\n「これって……」\n\n「そいつぁ避妊具だな」\n\nなんでもないことのように言う店主を思わずまじまじと見てしまった。\n明らかにこれ、前世でいうところのコンドームじゃん。\n包装とかないことにすごい不安を覚えるけど、そんなことより存在すること自体に驚きだわ。\n\n「その隣のはローションだな」\n\nさすがにこれはセクハラだろ、ってことでギロリと睨めば口笛を吹いて明後日の方向を見る店主。\nまあでもローションの入った瓶も手に取る。確かに粘性の高い液体が入ってる。\n\n「…この避妊具、素材は?」\n\n「おう、どこにでもいる無害な小せえスライムをちょちょいと加工してるらしいぞ。デカくて毒性の強い奴らだと成分的に作れねえらしいな。ちなみに色は染料を混ぜてるとか」\n\nなるほど、スライムってやっぱどこの世界でも(いろんな意味で)便利要因なんだな。\n\n「ちなみにうちが扱ってんのは高品質かつ超極薄のだ!まるで生の感覚、ってな!」\n\nそう言って胸を張って偉そうにしてるけど、言ってる内容なかなかひどいぞ。\nでもまあこの世界にコンドームあるってしれたのは朗報かもな。\n使う機会あるかは知らないけど。でも使用済みコンドームってエロいしなぁ。\n\n「どうだい!買ってくかい」\n\n「悪いな。私金持ってないんだ」\n\nにこやかに言う俺。にこやかにその言葉を聞く店主。\nしばし無言のまま見つめ合ってたけど、すぐに店主の怒声が鳴り響いた。\n\n「冷やかしは帰ってくれ!!」\n\n\n\n\n\n\n\n「依頼されてた量の採集はこれで完了だな」\n\nソーマの言葉で今日の依頼もほぼ完了である。\nまあ依頼はあれだ。RPGで言うところのクエストってやつだ。\nあとはギルドに採集した風邪に効く薬になるらしい薬草を納品すれば本当に依頼完了である。\n\n「んー!しっかし、駆け出しだからあ仕方ないとはいえこう採集ばっかだとさすがに飽きるな」\n\n「カエデ姉はほとんど見張りしかしてないじゃん!見つけるために式神ガンガン飛ばしてるウチの大変さわかってるー?」\n\n「あーはいはい、頑張ったね」\n\n「扱いが雑っ!」\n\nコサメととりとめもない会話をしつつ荷物をまとめる。\nもちろん俺はちゃんと採集していたとも。本当だぞ?\nまあそれはさておきそろそろ討伐とかの依頼も受けたいところだ。\nこの前ゴブリンの群れが出たことを考えると、きっと新しく巣が出来たんだろうし。\nでもやっぱ駆け出しにはそういうのはやらせてくれないのかなぁ。\n\n「まあまあ2人とも、受付の人によると、ここら辺はわりかし平和だから採集以外の依頼はそうそうないんだってさ。あってもランクの高い冒険者に取られちゃうし、仕方ないよ」\n\nソーマは困ったような笑みを浮かべながら言った。\nていうかいつの間にそんな話を……\nさすがにギルドで説明受けるときはちゃんと話聞いてたと思うんだけどな。\nまさかいつの間にかあの受付嬢と仲良くなってたのか?その甘いマスクで虜にしたのか!?\n\n「か、カエデ、なんか顔が怖いけど……」\n\n「む、ああ、ごめん、なんでもない」\n\nいかんいかん、ソーマと受付嬢のめくるめくラブロマンスを想像していたら思わず眉間にシワが寄ってしまった。\nそれを柱の陰から覗き見る俺……なかなかいいかもしれん……\nっと、だからそんなこと考えてちゃあダメなんだって。\n\n「でも簡単なのばっかだけど少しお金にも余裕出てきたね!村にはお金なんてなかったから最初はちょっと手間取ったけど、このお金っていうの考えた人は天才だよね!!」\n\n「村では基本物々交換だもんな。それにしても余裕か……なら今夜は宿の一階の酒場で酒盛りでもするか!今更だけど、私たちの出立を記念してさ」\n\nそこまでの余裕あるかなぁとかソーマは呟いてるけど、あの緩んだ顔を見る限り今夜は飲むことになりそう!\nいやあ前世以来の飲酒だからワクワクが止まらんね!異世界のお酒はどんなんだろう?\nなんか魔法とかのおかげで意外と技術力高いし、そこそこいいお酒ありそうだよなー。\n\nカエデ姉はお酒飲んだことある?いや、ない。とかすでに飲む気満々の会話をしながら俺たちは街へ向かって歩く。\n意外と俺たちのいたところから街は近くてそんなに時間はかからず、ギルドで納品する際に受付嬢とソーマのやり取りを盗み聞きしたり(こういう時神祖返りの体は便利だ)、\n雑貨屋の店主に酒場によくあるお酒でオススメの酒を教えてもらったり(何も買わなかったらまた怒鳴られた)、\nそんなこんなで日が傾いてもうすぐ沈みそう、というときに俺たちはあの助けた一行の人たちから教えてもらった駆け出し冒険者にオススメの宿に戻ったのであった。\n\n\n\n\n\n\nそして現在。\n\n「ぅー…ん、もぅらめぇ……」\n\n「ん……カエデ………」\n\n俺の目の前でテーブルに突っ伏すソーマとコサメ。\nソーマに関しては額の角がテーブルにブッ刺さってるけどこれ弁償案件?\nま、まあ今は置いておこう。\nテーブルの上には大量の酒瓶が転がってる。\nいや、最初の一杯目飲んで、まるでジュースに感じたからさ、あれ?とか思いつつガンガン行ってたんだよね。\nで、ソーマもコサメもお酒飲むの初めてだから俺のペースが普通と思って同じようにグイグイ飲んじゃってさ。\nうん、まあ神祖返りって内臓関係も強いんだなって、あはははは。\n………い、いやあ、こんだけ飲んでもほろ酔い一歩手前とか、うーん、強すぎるのも、お酒が楽しみきれなくてよくないね。\n酔おうにも多分今現時点でお金が結構ギリギリっぽいし、これ以上頼むのはなあ。\nもう外は真っ暗で、この酒場を照らすのは点々と壁に備えられたガラスに覆われた燭台と、テーブルの上で灯ってるろうそくだけ。\n仄暗さが大衆酒場っぽい内装に反してなかなかロマンチックな感じだ。\n目の前で潰れてる2人と大量に転がる酒瓶を見なければ。\nまだ飲みたいけど、もう飲めないもどかしさを持て余しつつ両手でグラスをもてあそぶ。\nうーん、しゃーない。今日は引き上げるかー、って腰を上げようとした時だった。\n\n「お隣、いいかな」\n\n後ろから男の声が。耳障りのいいテノールボイスは酒を摂取した脳にはちょっと心地よかった。\n振り返れば金髪碧眼の貴公子然とした青年がジョッキ片手に立っていた。\nこんな遅くまで酒場に残ってる数少ない人間として気配は認識してたけど、声をかけられるとは思ってなかった。\nほんとに。\n\n「んー?見てのとおり、連れがいるんだけど」\n\n俺は指で潰れてる2人を指し示す。\nその言葉に青年は大仰目に肩をすくめると(しかもそれがいやに似合ってやがる!)言った。\n\n「でも、その人たちはもう貴女と楽しむことはできないみたいだ。よければ、お相手するよ」\n\n嫌味にならない爽やかな笑みを浮かべながらそうのたまう青年。\n俺は知ってるぞ。こういう人畜無害そうな奴ほどいろんな意味で危ないんだ。\nそもそもこんな時間まで酒場に残って連れの潰れた露出の激しい女に声をかける時点で色々お察しだね。\n特に露出の激しい女ってところが重要だね、うんうん。\n\n「ふーん……お酒、奢ってくれるならいいよ」\n\n俺はそれ以外興味ありません、といった感じで体の向きを戻してジョッキいじりを再開する。\n\n「君、とりあえず、エールを2杯お願い」\n\n望んでか不運にもなのか知らないけどこんな街が寝静まった時間まで働いてるウェイターを捕まえて青年は注文をつけると、テーブルに備え付けられた長椅子の、俺の隣に座った。\nかなり大胆なようで、結構距離が近い。\n\n「これでいいかな、お嬢さん」\n\n「ゴチになりまーす」\n\n俺は肩をすくめる。視線をぼうっとソーマに投げかける。\n\n「僕、レオンって言うんだ。君は?」\n\n青年はそう名乗った。なんというか名前もかっこよくてちょいムカつくな。\nそこでジョッキに入れられたエールが2杯運ばれてきた。\n\n「カエデ」\n\n乾杯もせずすぐにジョッキを口に運ぶ。\n一気に半分以上飲み干して一息。\n美味しいけどやっぱ弱いんだよなー。\n\n「ふふ、いい飲みっぷりだね。見たところ、鬼人族みたいだけど、鬼人族はみんなそんな強いのかい?」\n\n「目の前の奴ら見ればわかるだろ」\n\n確かに、とレオンはクツクツと笑ってジョッキを煽った。\nどうも仕草が様になるやつだよなーとか横目でレオンを見つつ思う。\n服装を見るに、冒険者なんだろうけど、どこかの貴族の子弟とかって言われた方が納得だわ。\n\n「僕がどんどん頼むから、どんどん飲んでくれていいよ。飲み足りなくて、不満だったみたいだし」\n\nおまけに気配りもできる!いやあ、二枚目だねえ。\nグイッとエールを飲み干す。\nそれを見て次のお酒を俺の分注文するレオン。\nそれから俺に向き直って再び口を開いた。\n\n「珍しいよね、鬼人族。それが3人もいるなんて、驚いたよ」\n\n「そこで潰れてる奴が、言い出してな」\n\n「冒険者になろうって?」\n\nコクリと頷いて、新しく運ばれてきた琥珀色のお酒の入ったグラスに口をつける。\n爽やかな香りとともに、カアっと熱さが喉を通り抜けて行った。\nうんうん、お酒ってこんなんじゃないとね。\nもう一回グラスを煽る。\n\n「豪気だね、彼」\n\n「普段はヘタレの鈍感野郎だがねぇ」\n\n「ふふ、そうなのかい?」\n\nレオンもエールを飲み干したようで、今度は2人分、新しくお酒を注文していた。\nふとレオンの碧い目と目があう。そういえばいつの間にか普通にレオンの方に首向けてたな。\n\n「まーね、まあ色々とね」\n\n「色々?」\n\n「色々」\n\n「例えば?」\n\nソーマの方に目を向けた。\n\n「まあ、ヘタレだから主導権はいつも私だし、鈍感すぎて人がすぐ近くでいかがわしいことしてるのに気づかなかったり、とか?」\n\nレオンは俺の言葉に肩を震わせて笑った。\n次のお酒が来るのが目に入ったから、いま手に持っていたグラスを煽って空にする。\n\n「主導権?それに、いかがわしいこと?」\n\n「そうそう、私の尻に敷かれてるんだ、いつもね」\n\nあえていかがわしいことについては言及を避けた。\nなんか誤魔化しようもないし。\nコトリと2つグラスがテーブルに置かれた。今度は透き通った水色が印象的。\nグラスを手に持つと、レオンとまた目があった。\nどちらともなくグラスを差し出してカチン、とグラス同士を打ち鳴らした。\nまた、強いお酒だった。\n\n「カエデさんみたいな綺麗な人に尻に敷かれるなんて、彼が羨ましいな」\n\n「ふーん?マゾなの?」\n\n「さて、どうかな」\n\n2人でクスクスと笑い合う。\n\n「…今の話を聞くに、彼とカエデさんは恋人同士なのかい?」\n\n「んぅ……」\n\nレオンがそう言った時、コサメが小さな声を上げて身じろぎした。\n俺とレオンはそれを息を飲んで見つめ、再びコサメが寝息を立て始めたのを確認すると、2人してホッと一息をついた。\n別段とりわけ悪いことをしてるわけでもないのにお互いがそんな反応をしてしまったことが滑稽で、2人でまたクスクスと笑い合った。\n\n「…ふふ、さあ、なんとも言えない関係かな……恋人、っていうほど、はっきりした関係ではないと思う」\n\nでも、とレオンが口を開くのに被せるように、俺は再び口を開く。\n\n「それと、カエデ、でいいよ」\n\n俺はグラスをテーブルに置いて、レオンの目を見て行った。\nレオンは一瞬驚くような素振りを見せて、すぐに微笑むと、わかった、と小さく頷いた。\n\n「でも、カエデは彼のこと、好きなんでしょ?」\n\nその言葉に俺は少しどきりとする。なんだかんだ、言葉にすると気恥ずかしいものがあるのだ。\nそこで、俺のテーブルの上に置かれた右手に、レオンの左手が重なった。\nキュッと握られ、すぐに俺が指を緩めたので、指と指が絡み合う。\nそれぞれの指を曲げたり、指を組み直したりしながらしばし2人で興じ合う。\n2人とも無言で、お互いの手の動きをじっと見つめていた。\n\n「………まあ、好きかな」\n\nギュッと、恋人繋ぎで掌同士が強めに絡み合った。\nお互いの親指をスリスリとさせ合いながら、俺とレオンは目を見合わせた。\nレオンの透き通るような碧い瞳を見つめる。\nレオンが座る位置をより俺に近づけた。\nそして俺とレオンはそのまま顔を近づ始める。\n\n「なんだか、彼に嫉妬しちゃうな」\n\nちゅっ、と唇同士が触れ合った。\nほんのりとお酒の芳醇な香りが漂った。\n\n「どうして…?」\n\n俺は、少し顎を引いて上目遣いに問うた。\n\n「カエデが、とても魅力的だからさ」\n\n再び、唇が重なる。今度はさっきよりも少し長めに。\nその甘美な感覚に、とろん、とまぶたが少し下がってしまった。\n\n「ん……ふふ、嬉しい」\n\nレオンはそこで、グラスを煽った。\nそしてまた、口づけ。\n\n「ん……ぁ……」\n\nトクリトクリと、口移しで口内に注がれる酒。\nそれの熱さと唇の甘美な感覚を感じながら嚥下する。\n\n「……ん、おいし…」\n\n俺とレオンはまた見つめ合う。そして再び口づけを交わした。\nレオンの舌先に唇をツンツンとされたから薄く口を開く。\n差し込まれがレオンの舌が、口内を蹂躙する。\n口の中の隅々までを舐め上げられ、そのままに舌を絡め合わせる。\n粘膜と粘膜が絡み合う心地よさに身を震わせる。\nそこで、今度はソーマがうめき声を上げながら身じろぎした。\n俺は視線をレオンから外してソーマを見つめる。\nだけど今度は俺もレオンもその動きを止めることなく舌を深く深く絡み合わせる。\nじっとソーマを見つめる。\nソーマに起きる気配がないことを確認しても俺はソーマから目を離さない。\n\nソーマ、早く起きないと……\n\nそんなことを考え始めたところで繋がっている右手がギュッと強く握りられた。\nどうやら自分に集中しろ、ということらしい。\n再びレオンの瞳を見つめ、舌の交接に集中する。\n\n「ん、はぁ……」\n\nふと、唇を離す。乱れた呼吸を整えようと大きく息を吸った。\nそこでレオンが口を開いた。\n\n「ねえ、さっき言ってたいかがわしいことって…ん」\n\n俺は口づけでレオンの言葉を遮る。すぐに舌を絡めてレオンから流し込まれる唾液を味わう。\nするりと繋ぎ合わされた手が解かれ、レオンの左手が俺の太ももに触れた。\n背筋がぞくりとし、触れられた部分がレオンの手の体温を感じ取って官能を煽った。\nさわさわと触れられる感覚がゾクゾクとした感覚を生み、秘所が濡れ始めたのがわかった。\n俺はキスを続けながら身体をレオンの方に少し向ける。\nレオンは右手を俺の開いた襟元の中に滑り込ませ、直接俺の乳房を揉みしだいた。\n\n「ん……ぁ……んふ…ぁん…」\n\n乳房と太ももからの甘い快感が身体を火照らせる。\nうっすらと身体が汗ばんできて、一層キスに熱がこもる。\n口の端から唾液が漏れ、同じように秘所もじんわりと愛液を滲ませ始めていた。\nちゅぷ、と舌が互いの口から引き抜かれた。\n俺は頰を上気させ、荒い息で太ももと胸を触られながらレオンを見上げた。\n\n「……続きは、僕の部屋でしようか」\n\nレオンのその言葉に俺はコクリと頷く。\nレオンはウェイターを呼びつけると、自分が頼んだ分のお代は後日自分が払うことを伝えた。\nそれ以外の俺やソーマ、コサメが頼んだ分は明日、ソーマが払うことを俺が伝えると、レオンはソーマをおぶり、部屋に連れて行くと言った。\n俺もコサメを抱流と、レオンを連れ立って自分たちの部屋に向かった。\n\n「3人とも、同じ部屋かい?」\n\n「うん、2部屋借りるほど、お金に余裕ないから」\n\n暗い部屋に入って、コサメをベッドに寝かせる。着替えさせることはできないけど、風邪をひかないように毛布をかぶせてやった。\nそこで、レオンが俺を後ろから腰に腕を回して抱きしめ、首筋に顔をうずめてきた。\n\n「ん……カエデ、姉?」\n\nコサメがぼんやりと、薄く目を開けて声を上げた。\nちゅ、ちゅ、と首筋に落とされるキスの甘い感覚とお尻に感じる怒張の感覚に耐えながら、俺はコサメの口元に人差し指を当てる。\n\n「しー……今はぐっすり、ね?」\n\n続いて掌をコサメのまぶたに優しく重ねて、そのまぶたを閉じさせる。\nコサメが再び寝息を立て始めたのを確認して、俺は身体を起こす。\nキュッと回された腕が締まり、レオンが口づけを落とす過程で肩まで肌けた服がよりずり落ちる。\n俺は胸元に腕を置いて、胸元が丸見えになるのを防ぐ。\n\n「レオンの部屋、いこ」\n\nレオンは腕を解いて、今度は俺の腕を取って歩き出す。\n俺は一瞬眠るソーマを見て、すぐにレオンに着いて部屋の外に出た。\n扉を後ろ手に閉めればやんわりとその扉に押し付けられて、かろうじて片腕で着物が全てずり落ちるのを防いでいる胸元に舌が這わされる。\n\n「ん、ぁ…ぁあ……こんなとこでぇ」\n\n俺の言葉も意に介さず、レオンは俺の乳房をチュゥっと吸い上げて、キスマークを付けた。\nそして顔を上げると、またディープキスをする。\n俺はレオンの首に腕を回す。\nレオンはそのまま俺を横抱きに、つまりお姫様抱っこすると俺と目を見合わせてあの貴公子然とした微笑みを見せた。\n俺は胸が高鳴るのを感じながらその胸元に顔を埋めた。\n\n\nそのままレオンの部屋に着くと、俺はベッドにそっと降された。\nベッドの枕元の脇に小さなテーブルがあり、その上の燭台が灯された。\n暗い部屋を照らす明かりはそれだけだった。\n俺は自分で帯を外して着物の合わせを開いた。レオンの目の前に自分の身体を晒したのだ。\n\n「綺麗だ」\n\nレオンが言った。俺はその言葉でジュンッと愛液が溢れたのがわかった。\nレオンは自分で服を脱ぎ捨てると、燭台の明かりにその身体を晒した。\n細身ながらも鍛え抜かれた肉体。その肌には大小様々な傷跡がある。\n外気にさらされたペニスは立派に反り返ってビクン、ビクンと脈動していた。\n俺はその身体を見てほうっと熱いため息を漏らした。\n早くその身体に包まれ、抱かれたかった。\n\n「きて…」\n\n俺は自ら両脚を大きく開いて、レオンを誘った。\nレオンがベッドに乗り、ギシリとベッドが軋みながら沈んだ。\n俺にレオンが覆いかぶさり、秘所に亀頭があてがわれた。\nすでにそこはぐっしょりと濡れている。\n\n「入れるよ、カエデ」\n\n耳元で囁かれたその言葉に何度も頷きながら、レオンの首に腕を回す。\nズププププ、とペニスが挿入され、熱く濡れそぼった秘所がそれを受け入れた。\n\n「んはぁ……っ」\n\n熱い吐息が漏れ、ギュッとレオンにしがみついた。\nコツコツと奥を小突かれながら、膣壁がグネグネとレオンの怒張を刺激した。\n\n気持ちいい……\n\nただ単純に、そう思った。\nギシッ、ギシッとレオンの腰の動きに合わせてベッドが軋む。\n腰が打ち付けられるたびに肉と肉がぶつかる乾いた音も鳴った。\n愛液が飛び散り、身体の下に敷いた着物を濡らした。\n\n「あ、ああん、あ、あ、はっ、ぁ、ん、いいっ、レオンっ、すごくいいよぉっ」\n\n「はっ、はっ、カエデも、熱くて、ギュウギュウ締め付けてっ、ヌルヌルと絡みついてきて、最高だっ」\n\n俺とレオンは自然と両手を恋人繋ぎで繋ぎ合っていた。\nレオンの腰の動きに合わせて乳房が大きく揺れ、その大きさを強調する。\n俺とレオンの情欲に濡れ切った瞳が見つめ合う。\n膣壁が擦れあげられ、奥を小突かれる悦楽に浸りながらも、レオンから目を離すことはしなかった。\n\n「はっ、はっ、ふっ、く、あ、はぁ、はっ、カエデ、好きだ、カエデっ」\n\n「あっ、あっ、あん、ん、お、あぁ、あんっ、私、私も、好きっ、レオン、レオンっ」\n\n互いにひたすら情欲を満たすことしか考えていない目で見つめ合いながら、そう言葉を交わす。\nただただお互いに興奮を煽るためだけに愛を囁き合う。\n\n「あっあっあっあっすごっはげしっイくっイくイくイくぅぅぅっ!!」\n\nレオンの腰使いが激しくなり、俺が一度、腰を激しく痙攣させながら絶頂した。\nギュウギュウと膣が収縮してレオンの怒張を締め上げるも、それはビクビクっと数度痙攣したのみで射精することはなかった。\n\n「はぁ、はぁ、カエデ、四つん這いになって」\n\n俺は一度レオンのペニスを引き抜いて四つん這いになる。\nすぐにレオンが腰を掴んで、ゆっくりと挿入してくる。\n俺はレオンのペニスが膣内に侵入してくる感覚を恍惚とした表情で感じ入る。\n半開きの口の端から唾液が垂れる。\n\n…ん、おっき……\n\n全部入りきると、俺は腰を前後左右に小さくフリフリする。\n\n「ん、ぁ、ぁ、ぅ、うごいて、きて、ね?ね?」\n\n少しはしたないけど、どうにも我慢できなくておねだりしてしまった。\nパンッ、パンッと数度思い切り打ち付けられる。\nベッドのシーツを強く掴んで衝撃と、絶頂しそうなほどの快感に耐える。\n的確に膣内のザラザラとした弱いところと、一番奥を擦り抉られ、一突きごとに絶頂させられそうになる。\n\n「んぉ、おっ、お、お、んぐぅ、ん、ん、ああっ、あん、あん」\n\nおもむろにレオンは腰から手を離し、俺にのしかかるように覆いかぶさってきた。\n身体と身体を密着させ、片腕をベッドに立て、もう片方の腕を乳房に向かわせた。\n搾乳するように乳房を絞られ、先端で自己主張する乳首をぎゅむっと丁寧に潰されこすられる。\nチュゥっと今度は首筋を強く吸われた。\nおっぱいとおまんこからの強い刺激に頭がショートしそうになりながら快感に耐える。\nパンッパンッギシッギシッ、と音を響かせながら、獣のように激しく交わる。\n\n「く、ぉ、はっはっはっ、ぐ、ふっ、射精るよ、カエデっ」\n\n「ん、あっ、おっおっおっあ、あ、あ、あ!きて、きてぇっ!」\n\n「射精るっ、射精るっ!!」\n\n後背位で一番深く繋がったところでビュルッ、ビュルルルっと子宮にザーメンが注ぎ込まれる。\n目を閉じて熱いその奔流をしっかりと子宮で受け止めながら、絶頂に腰を振るわせる。\nあまりの快感に声も呼吸も忘れながら、その快感に感じ入る。\n\n\n2人でしばらく絶頂の余韻に浸った後、レオンは微笑みながら、まだできる?と尋ねてきた。\n俺はそれにキスで応じながら、さらなる快感への期待に心躍らせた。\n\n\n\n\n\n\nあれ、ウチ…いつ寝たんだっけ……\nもう、朝?空、白んでる……\nうっ、頭痛い…気持ちもなんだか悪いし…そういえば、お酒飲んで、それで…\n\n「ぅ、あ、カエデ、あ、あぁ、すご、カエデの膣内、いいよっ」\n\nウチ、ドキッとしちゃった。\nだってソーマ兄がこんな声出すの、カエデ姉とエッチしてる時だけだもん。\n目をソーマ兄のベッドに向けてみれば、そこでは案の定カエデ姉がソーマ兄の上で腰を振ってた。\n\n「ん、あ、ソーマ、きもちいいんだ?ふふ、私も、きもちいいよ?」\n\nジュプッジュプッとカエデ姉のお股からはしたない音が聞こえた。\nウチは、気怠くてそれを見てるだけだったけど、逆に言うと目を離せなかった。\nカエデ姉のエッチな腰のグラインドは、同性のウチも魅了してやまなかった。\n\n「あ、あ、か、カエデ、そう、いえば、その、おっぱいの、赤いの、どうしたの、首筋にもっ、あ、うあっ」\n\nソーマ兄のその言葉に、カエデ姉は悪戯っぽく、それでいてとても艶美に微笑んで言った。\n\n「これ?これはね、あ、ん、ちょっと悪い虫に刺されちゃっただけっ、ん、あん、あん」\n\nいや、それって絶対……\nウチは自分のお股がジュン、とちょっと濡れてきちゃったのがわかってしまった。\nでも頭痛と気持ち悪さで、そこをいじる気にはならない。\nそれがどうにももどかしい。\n\n「あっ、あっ、あっ、カエデ、も、もうっ!」\n\n「ん、いいよっ、射精して、いっぱい射精して、せーえき上書きして?」\n\n「うわがっ、んん!?」\n\nカエデ姉はソーマ兄に何か言わせる前にソーマ兄にキスをしてその口を塞いだ。\nそのまま腰を激しく動かしてソーマ兄をイかせると、ソーマ兄はキスと射精で何が何だかわからなくなっちゃって白目を剥いてしまっていた。\nカエデ姉、今のは危なかったんだなあ、って思っていたら、キスをやめて体を起こしたカエデ姉がこちらを向いて、目があった。\n胸がドキッとしてしまったのもつかの間、またカエデ姉は悪戯っぽい微笑みを浮かべて、人差し指を立てて自分の口元に持って行った。\n\n「しー……ナイショだよ、ね?」\n\nウチはそのエッチで綺麗なカエデ姉に、コクコクと頷くことしかできなくて、すぐに寝返り打って反対を向いちゃった。\n\n後ろから、多分カエデ姉がソーマ兄のおちんちんをお掃除フェラしてる音が聞こえてきた。\nきっと、昨晩カエデ姉は他の男の人にも同じようなことをしてたんじゃないかな。\nそれで興奮しすぎて、無防備だったソーマ兄を襲っちゃったんだろうなあ。\n\n「あ、ぁ、カエデ、待って、それ、また勃っちゃ、ああっ」\n\n「もっと、できるでしょ?てかできなきゃだーめ」\n\n「そ、そんな、うあぁ……」", "preface": "気がついたら1万字超えてた。\n分割は面倒だったからしなかった。\n許してね!\n\nNTRというか浮気?そんな感じ。", "afterword": "どうでしたでしょうか?\nアダルティなお話を書こうと意識して書いてみたのですが……ちょっとエッチシーン短かったかもしれませんね。\n\n今回の話は、もし男性であるあなたが、バーで彼女寝ちゃって手持ち無沙汰なときに、お姫様のような美人が同席を申し出てきたらどうするか、と考えながら読むと、果たしてお持ち帰りしたのはレオンなのかカエデなのか、ってなる話。\n\n最後はキスマークを虫刺されと言うシチュエーションが書きたくて笑\n\n感想・批評お待ちしております。"} |
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