| {"novel_id": "n0001dl", "chapter": 18, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0001dl/18/", "title": "第13話 立ち寄った村にて1", "content": "「魔物の退治、ですか……」\n\nソーマは真剣な表情で目の前の老人に聞き返した。\n\n「ええ、ええ、すでに森に入った男衆が2人、殺されておりまして……田畑や家畜にも被害が……冒険者様方を見込んでこの通り、お願いいたします。どうか…どうか…」\n\n目の前の老人、この村の村長は深く腰を曲げて頭を下げながら俺たちに懇願した。\n俺たちはすでに街を発っていて、次の街に向かっている途中に立ち寄った村にいた。\n最初入ってすぐに村の雰囲気がどことなく暗いことに気づきはしていたけど、なるほど、防衛手段の乏しい村落においては魔物の出現は死活問題だろう。\nソーマは俺とコサメにアイコンタクトをした。\nもちろん俺もコサメも承諾に否やはない。\n\n「頭をあげてください。もちろん、ご協力させていただきます」\n\n「おお!本当ですかな!?」\n\n「はい。俺たちでよければ是非」\n\n村長の表情は打って変わって明るいものとなった。\n村というものを背負う彼には今回の件は非常に厄介な悩み事だったのだろう。\n\n「ありがとうございます……ありがとうございます……それでは……」\n\n身長の話では、なんでも退治がで完了するまでの間の衣食住のうち食住は保障してくれるとのこと。\n報酬はなくとも、小さな村からしたらよそ者3人を養うのはかなり多大な出費だろう。\nまして俺たちが飯だけもらって全く働こうとしないような輩だったりしたら、多大な出費とかの話どころじゃなくなるし、かなりリスクを背負ってるよな。\nさらに俺たちは村人が魔物に殺された時の状況を聞いたりして、すぐに村人への面通しをし、その後村長宅に招かれた。\n\n\n「とりあえず、カエデは昼間は留守番だな」\n\n意外と大きかった村長宅では俺たち3人にそれぞれ部屋が割り当てられた。\nその中のソーマの部屋に集まり今後の話し合いをし始めたところでソーマがそう言った。\n\n「えー、なんで!」\n\n「もし万が一、カエデが相手を見つけるより早くカエデが見つかったら、今回の魔物はどっかに隠れて、村から俺たちがいなくなるまで出てこなくなるだろうからね」\n\n村長の話からするに、今回の魔物はそこそこ頭が良く、狡猾であるらしいことが俺たちの見解だった。\n以前殺された村人は2人とも、集団からはぐれて1人になったところを狙われており、また田畑や家畜は必ず夜、人の気配が無くなったところで襲っているとのことだった。\nそんなわけで、確かに神祖返りで魔物に本能的に強さを察知されてしまう俺が先んじて見つけられてしまうと、その魔物は隠れて出てこなくなるだろうというのはわかる……わかるけども!\n\n「いや、絶対私のが先に見つけるって、だからさ、ね?ね?」\n\n俺が手を合わせてお願いしてもソーマは首を縦に振ってくれない。\n\n「いーや、ダメだ。この村の人たちの未来がかかってるんだ。リスクは冒せない」\n\nうがー、と俺は後ろに体を倒した。\nそれってなんか穀潰しみたいでやだなー。\n\n「大丈夫さ。さっきの顔合わせでみんなカエデの実力の一端は感じ取ってくれただろうし」\n\nなんの話かというと、実は先ほど行われた面通しのとき、俺たちの実力を疑う声があがったので俺が高速移動で村人たちの一人一人の隣に移動して肩を叩いて声をかけるというのをやってのけたのだ。\nほとんど影分身みたいな感じになってて、声もめっちゃ重なってたから結構度肝を抜いたらしい。\n何人か腰を抜かしてたし。\n\n「俺とコサメで昼間は森の見回りをしよう。といってもそんなに成果は見込めないとは思うけど。カエデはその間村に魔物が侵入してこないか気配を探っててくれ。くれぐれも村の外には出ないように。なんなら家の外にも出ないでほしいけどね」\n\n「さすがに村の中が見える位置まで奴さんが近づいてきたらわかる……と思う」\n\n多分だけどね。ゼンが作ったペンダントの気配遮断の能力でソーマに気づかなかったりしたから、万能ではないのはわかってるし。\n\n「まあ、一応注意してくれ。夜は田畑の方の監視だな。夜目が聞いて視力もちょっとおかしいカエデなら適任だろうと思う。幸い田畑や家畜小屋のあるとこは広くないしね」\n\n視力がちょっとおかしいってなんだコラ。\n\n「ウチが結界とか張らなくてもいいの?」\n\n「多分、その変化を向こうが感じ取っちゃったらカエデが見つかるのと同じことが起きるんじゃないかなぁ。最悪、一月経っても進展がなかったら申し訳ないけどコサメが張る結界で我慢してもらおう。街もそんなに遠くないから、今度は正式にギルドの方に依頼を出してもらうまでのつなぎってことで」\n\nちょっと慎重すぎやしないかと思うけど、まあこういうの考えるの面倒な俺がどうこう言うことでもないかな。\n\n「じゃあそんな感じでいこう。頑張ろうね、2人とも」\n\n「おう」\n\n「うん!」\n\n\n\n\nその日の夜、夕餉の準備ができたから、とのことで居間に行けば村長老夫婦と見知らぬ子供がいた。\n\n「さあどうぞ、粗末なものですが、召し上がってください」\n\n村長の奥さんがそう言って俺たちに着席を促す。\n誕生日席に村長。そのそばに奥さん。その隣にコサメ。\n奥さんの目の前にソーマが座り、その隣に俺。村長さんの反対側、逆お誕生日席てきなところに男の子が座った。\n\n「紹介がまだでしたな……そこに座っておるのがわしの孫でしてな……ほれ、ユーリ、挨拶なさい」\n\n村長がそう言うと男の子、ユーリは露骨に顔をフンっとそらして口を尖らせながらぶっきらぼうに言った。\n\n「お前らがいなくても俺が魔物なんてやっつけてやるんだ!」\n\n「これ!ユーリ!お前はなんてことを…」\n\n「まあまあ、村長さん、俺たちは気にしてませんから…」\n\nソーマの言う通り、俺たちは別に不愉快には思ってなかった。\nむしろ俺とコサメはそのあまりの可愛らしさに思わず微笑んでしまったくらいだ。\nユーリは大人な対応をするソーマをちょっと恨めしげに睨み付けた後、俺を、というか俺の胸元を横目でチラリと見てうつむいて料理を見つめた。\nん?と俺が首をかしげていると、コサメと目があう。\n今度は俺がコサメに恨めしげに、心底恨めしげに睨み付けられていた。\nふふん、と俺が胸を張れば、俺の自慢の双乳がボンと自己主張する。\n今度は歯ぎしりしながらその俺の乳を恨めしげにコサメは見つめると、自分の胸元に両手を置き、くっ、と敗北感に打ちひしがれたらしい。\n\n「お前ら…なにしてんだ……」\n\nソーマが呆れたような口調でため息まじりに言った。\nそこでハッとなってここが食事の席だったのを思い出す。いやあお恥ずかしいところを。\nちなみにいつの間にか顔を上げていたユーリ君は張られた俺の胸をガン見していた。\n\n\n\n\n早速今夜から働こう、ということで、俺は村長の家の高い屋根の上で気配を絶ちながら田畑の方向を監視していた。\nここからはかなり距離があるし、月光以外光源のない宵闇で本来なら遠くを見通すことなんてできないんだろうけれど、ソーマ曰く夜目が効いてちょっとおかしい視力のある俺の眼ははっきりと田畑に茂る作物一つ一つまで見分けていた。\nそこの森に近い方にはまだ魔物に荒らされた形跡が残っている。\nこんな小さな村にとって、あそこで取れる作物は生命線の一つだろうに……。\nそんなことを考えていると、俺は屋根になんとかよじ登ろうとする気配を察知した。\nきっとユーリなんだろうけれど、こんな暗い中で屋根に登ろうとするのは危ないよなーとか思いつつ、まあそれで怪我するのも男の子のお勉強かなーとか、本当にあぶなくなったら助けようとか思ってとりあえずスルー。\n\n「んぐ、ょぃ…しょ……」\n\nなんとか登り終えたユーリは、キョロキョロと周りを見ながら恐る恐る屋根の上を歩く。\nどうやら暗いのと、俺が気配を絶ってることから俺が見つけられないらしい。\n俺が座っているところのすぐ隣に来てもまだ見つけられていないので、仕方なく声をかけてやる。\n\n「私ならここにいるよ」\n\n「わあっ!?」\n\n案の定驚いて転げ落ちそうになったから服をぐいと摑んで落ちないようにしてやる。\n\n「そんなんで魔物を退治すんのか」\n\n俺がそう言えばユーリは顔を赤くしてうるさいと叫んだ。\nそして俺の隣に腰を下ろし、俺と同じ方向を見つめ始めた。\n\n「………………」\n\n「………………」\n\nしばらくそのまま無言の時が過ぎる。\nその沈黙を破ったのはユーリだった。\n\n「……ねぇ」\n\n「んー?」\n\n「本当に見えてるの?」\n\n非常に疑わしげな声音だったので思わず笑ってしまった。\n何がおかしいんだよ、とこちらを見上げてくるユーリ。\n\n「ふふ……見えてるよ。見えてなきゃ監視にならないだろ?」\n\n「そうやってみてるフリかもしれないだろ!」\n\n「そう言われてもなぁ……私が見えてるものを伝えても、お前に見えてないんだから嘘だって言われても反論だきないし……ま、ここは信じといてくれよ」\n\n俺がそう言うと、ユーリは不服そうに顔をしかめてまた田畑のある方に顔を向けた。\n夜風が吹いて、ユーリが身体を震わせた。\n特別寒い地域でなくとも、夜は気温が下がるし、そこに風が吹けばなお寒い。\n俺は立ち上がってユーリの後ろで再び腰を下ろした。\nそして自分の両足の間にユーリをすっぽりと収め、両手で後ろから抱きしめてやる。\nむにょんとおっぱいがユーリの背中から首筋のあたりに当たった。\n\n「あ、な、な、な、なにしてんだよ!」\n\nユーリは真っ赤になって言った。その初心な様子がなんだか昔のソーマに似てて可愛らしい。\n俺は自然とニマニマとした笑みが広がるのを感じながら口を開く。\n\n「いやー?ユーリ君が寒そうにしてたからあっためてあげようかと思ってさー」\n\n俺がギュッとユーリを抱きしめてあげて、その体をより抱き寄せる。\nよりおっぱいがユーリの背中に押し当てられ、ユーリはさらに顔を真っ赤にした。\n\n「こ、この…バカにして!」\n\n「ならやめるか?」\n\nその言葉にユーリは、ぐっ、と押し黙った。\nそしてうつむき気味にボソボソと何か言った。\nもちろん俺の耳はそれを聞き取ってたけど、それじゃあつまらないから問いただす。\n\n「んー?聞こえんなー?」\n\n「ぅぐ……ゃ、やめなぃ……」\n\n耳まで真っ赤に染めてそう答えるユーリがあまりにも可愛らしくて思わずより強く抱きしめてその頭に頬ずりしてしまう。\n柔らかな髪の毛がくすぐったい。\nユーリは真っ赤になって縮こまってしまった。\n\n「名前……」\n\n小さくなったユーリがポツリとつぶやいた。\n\n「ん?」\n\n「名前、ちゃんと聞いてない」\n\n「ああ、私はカエデ。好きに呼べよ。一緒にいた男はソーマ。もう1人のガキんちょみたいな女がコサメだな」\n\nユーリはカエデ、と何度か口の中で反芻した。\n\n「なんで、カエデたちは旅なんてしてるの?」\n\nユーリは顔を上げて、村の田畑の方向を眺めながら言った。\nなんで、かぁ。答えは単純なんだよね。\nソーマが行くって言ったから、これだけ。\nまあとりあえず、行商人が来たところから話し始めればいいかな。\n\n「…うちの鬼人族の村はさ………」\n\n\n\n「そんなわけで、村の外に…ってあれ?」\n\n腕の中のユーリを見てみればすでに寝てしまっていた。\n俺の胸に体を預けてかなり安心しきった様子。\nつまり俺は子供に寝物語を聞かせるお母さんのようなことをしてしまった、と。\nその時、ひょいと屋根の上にソーマがやってきた。\n\n「あ、やっぱりユーリ君、ここにいたか、って、どんな状況?」\n\nどうやらユーリを探しに来たらしい。\n俺の腕の中にすっぽりと抱かれているのには驚いたのか、ちょっと訝しげだ。\n\n「ああ、ごめん。村長さんたち探してた?」\n\n「うん、少しね。で、どういう状況?」\n\nあえてスルーしたのに引っ張ってくるソーマ。\nなんだなんだ、今日はいつになくしつこいぞ。\n\n「なんだよ、しつこいな。普通に寒そうにしてたからこうしてあっためてあげただけ。んー?なんだなんだ嫉妬かー?こんな子供にぃー?」\n\n俺がにやにやと言ってやると、ソーマはわたわたとべ、別にそんなんじゃないし、とか言って否定した。\nいやいやぁ、わかり易すぎますよ、ソーマさん。\n\n「と、とりあえず、もう寝ちゃってるみたいだし、俺が下に帰しとくよ」\n\nそう言って俺の腕の中からひょいとユーリを持ち上げるソーマ。\nうーん、腕と腕の間、足と足の間から温もりがなくなってちょっと寂しい。\n\n「ユーリ君は、両親を小さい頃に亡くしてるんだってさ。お母さんは出産直後に、お父さんは街へ作物を売りに行く途中で魔物に襲われたらしい」\n\n「ふーん」\n\nまあ、この世界ならよく話だろうと思う。\n俺の父さんだって、警備隊の隊長として村を守るために魔物と刺し違えて死んでる。\n……まあ、よくあるかどうかと、本人が悲しいかどうかはまた別か。\n\n「なら、ソーマはお父さんとかお兄ちゃんとして接してやれば?その子、素直じゃないだけで結構可愛げあるし、ぶっきらぼうな態度とりつつもなんだかんだ嬉しいと思うよ」\n\n「なら、カエデはお母さん?うーん、恐ろしい母だろうなあ」\n\n「おい、どういう意味だこら」\n\n「ぷっ、くく、ごめんごめん……ならコサメは?」\n\n「え、そりゃあ」\n\n「「妹?」」\n\nそこで2人して声を出して笑いあう。\nひとしきり笑いあった後、じゃあ俺は連れて戻るから、とソーマは下に戻って行った。\n今の所、魔物が森から出てきて村に侵入してくる気配はない。\nこれは長くなりそうだなあ、とか思いながら世は更けていった。", "preface": "お待たせしました。\nエロだと思った?残念!導入だけで非エロでしたぁー!\n\nいやほんとすみません、どんなエロ書くかとか色々考えてて筆が進まなくて……導入書いてたらいつの間にか5000字超えてたから分割したんですほんとすみません。", "afterword": "ソーマ君とカエデのイチャイチャ?を書いて終わりのご様子。\n誠に申し訳ない。\n\nエロシーンはどうしようかな、あんまNTR要素は強くならないのかな。\nまあみんなきっとおねショタ好きだよね。\n\n活動報告でちょっとお聞きしたいことがあるので良かったら見てみてください。\nそこに寄せられたコメントで別段この作品の内容に影響が出るかというとわかんないですけど。\nちょっとおねショタについて、皆さんにお伺いしたくてですね。\nまあどんな趣向の人がいるのかな?みたいな個人的な興味です。\n\nそれでは、感想・批評お待ちしております。"} |
Xet Storage Details
- Size:
- 17.6 kB
- Xet hash:
- b6df0eab0374b4bc801ba694965276a33ad065ea9bb09d439d732cbf7f5e659d
·
Xet efficiently stores files, intelligently splitting them into unique chunks and accelerating uploads and downloads. More info.