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{"novel_id": "n0001ho", "chapter": 4, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0001ho/4/", "title": "寂しいよ", "content": "「まだ感覚覚えてるや……」\n\n 1週間は忘れられなさそうだ。\n 葛木くんのチンチンを口に含んだ感覚は。\n 不快だったのはわずかな時間だった。\n 舐めた瞬間の彼の可愛らしい表情を見たら、むしろ心地よく思ったほどだ。\n\n 好きな男の子のチンチンを舐めた。\n そして射精させた。これって自分が思ってるよりすごいことなのでは? そんな考えが何度もグルグルと頭をよぎる。\n\n ────葛木くんのせーし、美味しかったなぁ。\n\n 友人の陸西から聞いたことがある。\n 精液は苦くて不味いと。\n 確かに苦かった。食べるような味じゃなかった。\n なのに、不思議と不快感はなくて。\n 多分葛木くんのだからだと思う。他の男の子の精液じゃそうはいかないはずだ。\n\n「またチンチン舐めたいな……」\n\n ぼんやりとそう思い。\n 布団に潜って、そして。\n\n「んっ……♡ くずき、くん」\n\n オナニーをする。\n おまんこの割れ目に指を引っ掛けて。\n クチュクチュ♡ と音を立てて掻き混ぜる。\n もしこの指が葛木くんのチンチンだったらと考える。私にドキドキして、ムラムラして。ケモノみたいに私を襲ってくれたらなって思う。\n\n「あ、ん♡ や、ぁ♡ くずき、くん……きもちぃ……チンチンぬこぬこ、すきぃ……♡ もっとして、ぇ……♡ あんっ♡」\n\n 止まらない。下の階にいるお母さんに聞こえちゃう。でもオナニーするのが止められなくて。少し前まで抱きしめられていた葛木くんの温もりが冷めてしまう前に早くイキたくて。私はますます指のぬこぬこ♡ を加速させてオナニーをする。\n\n「あ、ぅ、んんっ♡ イクっ、イクイクっ。くずきくんっ、イク、からぁ……♡ あ、あんっ♡ 腟内に出されたいよぉ……♡ 赤ちゃんほしい……♡ ほんと、欲しいからぁ……♡ あっ、イク、イクイク……クる、からぁ、あぁぁ……!!!♡♡♡♡♡♡」\n\n 呆気なく絶頂した。\n 身体がくの字に仰け反り、苦しいほどの愉悦が私の身体を襲う。頭の中が一瞬真っ白になって、次に浮かんだのは大好きな葛木くんの優しげな顔。\n\n(ああ……好きだなぁ)\n\n「葛木、くん……エッチしたい、よぉ……」\n\n こんなこと思ってごめんなさい。\n だけど、それ以外何も考えられなくて。\n 堪らなく愛おしくて。繋がりたくて。\n フェラチオなんかじゃ足りない。もっと近くで彼を感じたい。もっと彼を気持ちよくさせたい。こんなこと思うのはいけないことだろうか。\n\n なかなか寝付けない夜はまだ少し続いた。\n\n※※※\n\n 月曜日。\n 海乃は学校に着いて教室に入る。\n すると友人の空原千夏がいきなり抱きついていた。\n\n「おはよーっ! 美依ちゃんっ」\n「ん、おはよ。千夏」\n「美依ちゃんの匂いだー。おっぱいもふかふか!」\n\n すりすりと海乃のお乳に顔を擦り付ける甘えん坊の空原。海乃はヤレヤレと思うが引き剥がす気にもならず、彼女をそっと撫でた。\n\n「よしよし、千夏はいい子いい子」\n「うわわーいっ。美依ちゃんのなでなでだぁ」\n\n 幸せそうに目を細める空原。\n すると隣で見ていた友人の陸西凛華がこう言う。\n\n「海乃、あんまり空原を甘やかすのはダメだよ?」\n「なんで?」\n「社会に出れなくなるから……?」\n\n 陸西の発言に。\n 空原はギョッした顔で。\n\n「そ、そんなことないよーっ。私ちゃんと生きてけるもん」\n「じゃあ学校卒業して私達がいなくなっても生活できる?」\n「……う。それは」\n「でしょ? ……まあ、いなくなったりしないけどね」\n「よほほーい! 凛華ちゃん大好きっ」\n「ちょ、いきなり抱きつくなバカっ」\n\n 今度は陸西にまで抱きついてくる空原。\n 海乃はその様子を微笑ましく思ったあと。\n 次に、相変わらず自分の席に突っ伏して寝ている葛木を眺める。\n\n(……今なら話しかけられるかな)\n\n 陸西と空原は二人で話しているし。\n 周りの生徒もその和気あいあいとした雰囲気に目を奪われている。今ならバレないはず。\n 海乃はそっと葛木のもとに行き、彼に話しかけた。\n\n「ね、葛木くん」\n「……んー」\n「起きてる……?」\n「起きてるよ……眠い」\n「土曜日はありがとね」\n「別に、感謝されるようなことしてない」\n「もぉ、また捻くれムーブかましちゃって」\n\n 相変らずその子は人の感謝を素直に受け取らないなと呆れ笑いが出る。でもそれは照れ隠しなんだと知っているから、可愛らしく思う。\n\n「ね、葛木くん」\n「なんだよ」\n\n 机に突っ伏したままの葛木に。\n 海乃は顔を近付け、耳元でこう囁いた。\n\n「……またチンチン舐めてあげよっか」\n「っ!」\n\n ガタッという音と共に。\n 椅子から転げ落ちそうになる葛木。\n そんな彼の様子にけたけたと笑う海乃である。\n\n「あははっ、驚きすぎだって」\n「いや、だってなあ」\n「ふふ、葛木くんは可愛いなぁ」\n「男に可愛いは止めろって」\n「ホントに可愛いもん。チンチンも勃ってるし」\n「ちょ、それ言うなっ」\n「ホントに勃ってたんだ。冗談だったのに」\n「……お前なぁ」\n\n またしても海乃に騙された。\n 悔しい思いをする葛木。\n だが勃起は収まらず、ズボンをグイグイと押し付け続ける。\n\n「ね、勃ってるってことはさ」\n「なんだよ」\n「私の腟内に挿れたいってことだよね」\n「……違う」\n「じゃあなんでチンチン膨らませてるの? 風船なの?」\n「風船じゃないし……これは生理現象だ。眠い時とかにも……勃つし」\n「じゃ眠くない時また誘惑しよっと。そしたら勃たないよね?」\n「……」\n\n 勃起する自信しかない。\n だって海乃美依は滅茶苦茶可愛いのだ。\n パッチリとしたアーモンドアイに、プルっと潤んだ唇。サラサラの茶髪に、高い身長。そしてでっかいおっぱい。これほどまでに男を魅惑する女子はいない。誘惑なんかされたら即勃起してしまう。\n\n「……ねぇ、葛木くん」\n「なんだよ」\n「……えっと」\n「どした」\n「えへへ。またぎゅーってされたい」\n「……今日はちょっと」\n「なんで? この前はしてくれたのに」\n「いや、だってなぁ」\n\n こんなにムラムラした状態で海乃とハグなんかしたら、興奮が抑えきれずに襲ってしまうかもしれない。好きな女の子にそんな乱暴できるわけない。だから葛木は断った。\n\n だが海乃は不服だったようで。\n 唇を尖らせてこう言った。\n\n「してくれないと、やだよ」\n「拗ねるなよ」\n「拗ねてないもん。葛木くんのばか」\n「拗ねてるだろ」\n「分かるの?」\n「そりゃ、見れば分かるよ」\n「ふーーん」\n\n 少し嬉しく思う海乃だ。\n 葛木が自分のことを知ってくれて。\n だから彼女はニコニコ笑い。\n\n「えへへ。葛木くん」\n「どした」\n「なんでもないよ。えへへ」\n「海乃」\n「なぁに?」\n「いや、別に?」\n「えへへ」\n\n お互いに名前を呼び合い。\n 存在を確認し合う二人だった。\n\n※※※\n\n「でさー、先生ったらまた私のお菓子没収したんだよー? 酷くなーい?」\n「お菓子持ってくるのもう止めなって」\n\n 昼休みの時間。\n 海乃とその友人の陸西と空原は食堂で会話をしていた。すると陸西がこう言う。\n\n「そういえばさ、海乃。好きな人との件どうなった?」\n「えっ?」\n「あ。あんま聞かないほうが良さげ?」\n「いや、全然大丈夫だけど……」\n「そ? なら良かったけど。で、どうなのよ」\n\n どうと言われても。\n なん答えていいのか分からない海乃。\n フェラチオしたのは関係が進展したということだろうか。そんなことを考えていると、陸西がこう訊いた。\n\n「エロいことした?」\n「っ!」\n「あ、やっぱりしたんだ。やるじゃん」\n「えー?! 美依ちゃん大胆!」\n「あー、えへへ。まあ、ね」\n\n 隠す必要もない。\n そもそもこの二人、特に陸西に隠しごとはできない。海乃の発言に二人の友人はキャッキャとはしゃぎ出す。\n\n「どこまでしたの?」\n「……本番はまだだよ」\n「じゃあ手でとか?」\n「いや、口で」\n「やるじゃん」\n\n 顔が真っ赤になる海乃。\n 陸西はこう続けた。\n\n「で、その子の反応は?」\n「……あんま変わらないかなぁ」\n「えー? そうなんだ」\n「美依ちゃんにご奉仕されていつも通りなんて、その人鈍感なのかな」\n\n せっかく勇気を出してフェラチオしたのに。\n 関係があまり進展しないことに不安を覚える海乃。それに、自分からアプローチしてばかりで葛木のほうから自分に言い寄ってこないのも不安だ。もっと彼に責められたい。そんな乙女心を抱く高校生の海乃だった。\n\n そんな時、陸西が言う。\n\n「じゃさ、その子を家に誘ってみたら?」\n「家に……?!」\n「そそ。学校とか遊園地じゃなくて、自分のプライベート空間に招き入れたら親密度もグッとアップするかもよ」\n「そう、かな」\n「やってみるだけやってみたら?」\n「私、美依ちゃんの恋応援するー!」\n「分かった。やってみる」\n\n 友人の提案により。\n 海乃は葛木を家に誘うことを決意するのだった。\n\n※※※\n\n 海乃がバイトを終えたのは夜の10時過ぎだった。\n カフェでの仕事は大変だ。メニューを沢山覚えなければならないし、客商売だから時には迷惑な人にも対応しなくてはならない。\n だが海乃は嫌ではなかった。以前ならはやく辞めたいと思っていたが、今は心の支えである葛木怜也がいるから。だからもう怖いものなんてない。\n\n 家に帰ってシャワーでも浴びようとしていると。\n 母親がやってくる。\n\n「あ、美依。ちょっといいかしら」\n「ん? どしたの」\n「さっき電話があって、県外に住んでる親戚の人が亡くなったらしいのよ。その人にはお母さん色々お世話になっててね。顔を見に行きたいから日曜日家を留守にしようと思うんだけど……」\n「そうなんだ。行ってきなよ」\n「少し心配なのよね。ご飯とか作れる?」\n「大丈夫だって。私ももう高校生だよ?」\n「そう……? ならいいけれど」\n\n 海乃は持ち前のニッコリスマイルで母親を安心させるのだった。\n\n※※※\n\n「じゃあお母さん行ってくるから」\n「うん。行ってらっしゃい」\n「今日の分のゴミは出しといたから」\n「大丈夫だって。ゴミ出すのくらいできるって」\n「冷蔵庫に1万円挟んどいたから、これで何か食べるのよ」\n「はいはい、早く行きなって」\n「もぉ、ツッケンドンなんだから……じゃあ行ってくるわね」\n「……うん。行ってらっしゃい」\n\n ツッケンドンなのは寂しさの裏返しである。\n 母親は出かけていった。家には1人だけだ。\n 今日一日海乃は一人ぼっち。\n だけど何とかなるだろう。バイトも休みだし。\n 自分の部屋に行って自主勉を始める海乃だった。\n\n※※※\n\n「すーすー……ん……んん」\n\n いつの間にか寝てしまった。\n 寝ぼけ眼で時計を見ると、夕方の5時過ぎ。\n だいぶ寝てしまったようだ。最近バイト漬けの生活だったことにプラスして何時間もぶっ通しで勉強をしたのがいけなかったのか。\n\n 部屋を出て、リビングに向かう。\n 当然誰もいない。キッチンにも廊下にも、誰もいないのだ。だって母親は県外にいるのだから。\n\n(寂しいよぉ……)\n\n 急に心細くなった。\n 悲しみを共有する相手は誰もいない。\n あんなに家に居づらかったのに、いざ母親が家にいなくなると途端に寂しく思う。\n 陸西や空原に来てもらうことを考えたが、まさか親が一日いないだけで泣きそうになっているだなんて恥ずかしくて言えるわけがない。\n\n シーーーン、と。ただひたすらに張り詰めた空気が居心地悪い。人の温もりが欲しい。\n\n(重い子でごめんなさい……寂しいよ)\n\n 不安で不安で。\n 最終的に頼ったのはやっぱり彼で。\n\n『……もしもし、葛木くん……ごめん、たすけて』\n\n もう海乃はこの男に首ったけなのかもしれない。\n\n※※※\n\n「海乃? どうしたんだよ……?」\n『えへへ……やぁ』\n\n 家でくつろいでいたら。\n 海乃からいきなり電話がかかってきた。\n しかも震える声で『たすけて』だなんて。\n まさかまた外にいるんじゃないだろうな。\n 俺は海乃を落ち着かせようと、できるだけ落ち着いた声で彼女に言う。\n\n「なにか、あったのか」\n『……今ね、お母さんいないんだ……』\n『そうなんだ。出かけてるの?」\n『……うん、亡くなった親戚の顔見に行くって』\n「そっか。じゃあ今は家にひとりなんだ」\n『うん……』\n\n 明らかに元気のない声の海乃。\n これは返答をミスるとまた厄介なことになるぞ。\n 俺は優しい口調でこう言った。\n\n「今はどこにいるの?」\n『自分の部屋の中……布団に潜ってる』\n「そのままちょっとお話しよっか。外に出ちゃダメだよ」\n『寂しいよ。葛木くんに会いたい』\n「大丈夫。ここにいるから」\n『うん……』\n\n 話しているうちに少しずつ落ち着いてくる海乃。\n この子は……正直ちょっと重い子だ。\n 普段バイトや勉強を頑張っているからこそ、何かの拍子で糸が切れるとすぐにダメになってしまう。危なっかしくて、見てるとヒヤヒヤする。\n\n『葛木くん』\n「声震えてるじゃん。大丈夫?」\n『うん、大丈夫……』\n\n あー、これ大丈夫じゃないやつだ。\n 時刻は6時過ぎ。まだ夕飯の時間じゃない。\n ──ところで、俺は一人暮らしをしている。\n 両親は二人とも県外で仕事をしている。\n だから幼い頃は親が家にいない生活に慣れなくて、寂しい思いをしたこともある。だから海乃の気持ちは痛いほど分かる。\n\n『……葛木くん』\n「どした?」\n『……ごめんね、重い子で』\n「別にいいよ。俺も昔、親が家にいなくて寂しかったし」\n『葛木くんは一人暮らしなの?』\n「実質そうだな。何ヶ月に1回は帰ってくるけど。だから寂しい気持ちは分かるよ。そういう時、誰かの声聞きたいよな」\n『……うん』\n\n 他愛ない話をポツポツとしていると。\n ふと海乃がこう言った。\n\n『少し落ち着いた、かも』\n「そう。良かった」\n『今度さ、ウチに遊びに来てよ』\n「いいの?」\n『うん……』\n\n しばらくの無言が続く。\n あー、これ家に来て欲しいやつだ。\n だって急に遊びに来て欲しいだなんて言うんだから。これは直接「今すぐ家に来て欲しい」と言えないからだ。\n\n「じゃあ、今から向かっても……」\n『……えへへ』\n「弁当でも持っていくよ」\n『うん……! 待ってる』\n\n 明らかに声のトーンが高くなった海乃。\n 嬉しそうで良かった。\n 俺は電話を切ると、身支度をして海乃の家に向かうのだった。"}

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