Krixter/Repo / n0002gf /10.json
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{"novel_id": "n0002gf", "chapter": 10, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0002gf/10/", "title": "七話 〜魔法少女カナデの散華〜 (リョナエロ有り)", "content": " いつだって授業は退屈だ。\n\n 私ーー鷹森カナデは勉強というものが好きではない。\n ついでに言えば得意でもないのだが、これはエミリアとのトレーニング後にやっている(させられている)予習復習で大幅に改善されてはいる。\n\n もっとも、それで授業が退屈でなくなる訳ではない。\n 退屈な授業の合間に考えるのは、やはり魔法少女のこと。\n その戦いが終わりそうだということだ。\n\n 最後に出撃してから今日で一週間が経った。\n その間、クリスタルはごく小さな物がB市で一度発生しただけ。\n\n ハリヤーはこの世界を侵略するために、クリスタルという形で世界の免疫機能を結晶化させて奪い取ろうとする。\n だが、世界の免疫機能に干渉できる期間や規模には限界があり、魔法少女達が妨害し続ければハリヤーはいずれ世界の免疫機能に完全にはじき出される。\n\n つまりそれがこちらの勝利、ハリヤーを二度とこの世界に干渉できなくして、元の世界へ追い返すのだ。\n\n(大規模な発生を防衛し切って、そしてこれだけの長期間ほとんどクリスタルが出ないということはーーまあ、そういうことだろうな)\n\n 油断は禁物だと戒めながらも、終わりが近づいているというのはそれなりに思うところはある。\n なんせ契約してから半年以上、何度も戦い、一度ならず危険もあり、それをくぐり抜けてきたのだ。\n\n 魔法少女活動は、社会的な影響ーー外から見た場合の生活に対する変化というものは非常に少ない。\n というか、そうなるようにマスコットが様々な対策を講じている。\n\n 周囲の人間の認識改変や、睡眠圧縮技術による時間の捻出。\n 他人が見れば、私の生活は何も変わっていない。\n\n でも違う。\n 私は変わった。\n なにもかも変わった。\n なのに何も変わっていない。\n\n 実戦で剣を振るった、剣の稽古は景色が変わって見えた。\n\n エミリアと共に危機を切り抜けて死線を潜った、単なる友人では無くかけがえのない無二の親友となった。\n\n 巻き込まれた一般人や他の魔法少女を助けた、感謝されないこともあったがそれでも、誰かを助けたこと自体が十分な報酬だと思えた。\n\n そして、剣の才を得た。\n 身体は一から作り変わった。筋肉はおろか、神経も骨格さえも剣士として適した肉体へと変わった。\n\n 一挙手一投足が今までと異なる、剣閃は美しさすら感じる。剣を振るうという一事において、私は誰よりも強い、そうなったと思う。\n\n\n でも、私は本当に強いのだろうか?\n\n この剣の才能は私が持っていたものではない、ましてや努力して身につけたものでもない。\n\n 何の対価も払っていないなどとは言わない。\n 一度ならず危険はあった。\n 恐ろしい目にもあったし嫌な物も見た。\n\n でも、それだけだ。\n\n 私は知っている、私だけが知っている。\n 私が弱かったことを知っている。\n 今の私はかつてと全く違う事も、今もあの時と変わらずに私のまま変われていないことを知っている。\n\n 日々は変わっている。\n 新たに得た物も失った物だってあって、その中で戦った。\n\n 戦う中で変わった物もあって。\n それでも、私は一歩も進んでいないのではないかと思えてしまって。\n\n(私は、強くなれるのかな)\n\n あまりにも漠然とした問いは口に出すこともなくて、ただただ思考を掻き回すだけ。\n だから、久しぶりにミックから通信が入ったことはありがたくすらあった。\n\n『カナデ、エミリア。\n 近隣二箇所にごく小さなクリスタルが発生した。\n どちらも怪人が出てこられるようなサイズではないし、距離もさほど離れていない。\n 二手に別れて一気に制圧、撃ち漏らしたり、万一危なくなったら救援に行ける。\n 次に近いのはミオだけど、それなりに距離があってね。頼めるかい?』\n\n『アタシは構わないわよ、カナデは?』\n\n『問題ない、行こう』\n\n 認識阻害が教室に展開したのを確認して、変身を行う。\n\n 黒髪のポニーテールが銀色に染まっていき、全身に力が漲っていく。\n 狐の耳が頭から飛び出し、全ての感覚が鋭敏になっていく。\n 制服が解けて巫女服と剣道着を混ぜたような衣装が構成されていく。\n\n 最後に左の腰に魔力が集結し、一振りの刀が生まれる。\n\n 魔法少女・カナデ、私の戦装束。\n 戦うための姿。\n\n この姿になると、少し気分が高揚する。\n\n 別に戦うこと自体が好きな訳ではない、命の危険もある以上恐怖もある。\n\n だが、力が増すこと自体の高揚。\n そして剣を実戦で振るうことで、その先に私が『強くなる』ことができるかもしれない。\n それが人助けであれば尚更だ、私に戦いを拒否する理由は無かった。\n\n でも、自分は強くなれたのか、わかりはしない。\n\n\n グルグルと思考を弄びながらも、身体は淀みなく動く。\n 窓を開けて校庭へと飛び降りる。\n 二階の高さなら問題はない、念のため一階の半ばで校舎の壁に少し足をかけて減速してから着地。\n\n 隣には既にエミリアが降り立っている。\n 一瞬アイコンタクトをして走り出す。\n\n「大差はない距離だけど、遠い方がアタシ、近い方がカナデね」\n\n「ああ、問題ない」\n\n 走りながら短く言葉を交わす。\n 私達の速度なら数分と経たずにそれぞれのクリスタルに到着するだろう。\n\n もしかしたらこれが最後の出撃かもしれない、そう思ったからか、ふとエミリアに聞いてみたくなった。\n\n「なあ、エミリア。\n 私は、強くなれたと思うか?」\n\n「え?」\n\n 怪訝な顔をされる。\n 当然だ。\n\n 魔法少女の契約時、私は「剣才に溢れた肉体への改造」を願った。\n 当然、見た目も大きく変わる事になるしそのままでは不自然極まりない。\n だからこういった願いには周囲への認識改変が半ばセットになっている。\n\n 私は初めからこういった体格や才能、またはそれに近い物だったというように、不自然がないように周囲の人間の認識を誤魔化すのだ。\n\n それは当然、エミリアも例外ではない。\n 私が契約した当時はエミリアはまだ魔法少女でも無かったし、そもそも魔法少女相手であっても認識阻害は問題なく作用するとミックは言っていた。\n\n\n だから、エミリアの中では私は初めから背が高く、剣を振るえば誰よりも鋭い生粋の剣士だったことになっている。\n\n そんな私が、突然こんなことを言えば当然の反応だろう。\n\n「いや、すまない、気にしないでーー」\n\n「なんだかわかんないけどさ、前より良くなったと思うわよ、カナデは」\n\n「良くなった?」\n\n「うん、なんか前は余裕ない感じって言うか。\n なんか塞ぎ込んでること多かったし?\n いや、今も考え込んでることはあるけどさ、それもなんか前向きになってる気がするわよ」\n\n「前向き、か? 私が?」\n\n 私はいつだって、ぐるぐると悩んでばかりで、劣等感を感じてばかりで、前向きなんて言葉は似合わないとしか思えない。\n\n「うん、自分を良くしようって思ってる。\n 考え込んでる時もさ、凹んでるんじゃなくて、前に進もうとして悩んでるみたいな?\n 話してればなんとなくわかるけどさ、カナデは前向きになったわよ。\n うん、それを強くなったと言えばその通りじゃない?\n カナデは強くなってるわよ、だって前に進もうとしてるじゃない」\n\n\n 前に進もうとすること、それ自体が『強さ』だと。\n そう、エミリアは言った。\n\n そんなこと、考えたこともなかった。\n だって私は、いつも足りなくて焦がれていて飢えていて、その浅ましさこそが弱さだと。\n\n でも、彼女は言った。\n 毎日休まずに鍛錬をこなし、勉学を積み上げていて、社交的な彼女は。\n\n そう、誰よりも私が憧れている私の友達は、そうやって私を肯定してくれた。\n\n「カナデ?\n え? なに? なんか悪いこと言った?\n ちょ、ちょっと? なんでいきなり黙ってるの?」\n\n「ああ、すまない。少し、考えてな。\n ……その、エミリア、今日も放課後はトレーニングをするだろう?\n その後で、なんだ、たまにはケーキでも、食べに行かないか。\n 道場の近くに、喫茶店がある」\n\n「……ん、いいわよ!\n 放課後になったら行きましょ!」\n\n\n 魔法少女になった対価の願いを、私はエミリアに教えていない。\n\n でも、今ならそれを言える気がした。\n\n きっと、エミリアはちゃんと聞いてくれるだろう。\n 私は、今までずっと黙っていた色んな事をエミリアに話せるだろう。\n\n それが、素直に楽しみだった。\n\n\n\n =======================\n\n\n\n ミックに知らされた現場はいわゆるシャッター商店街の中心部、ちょっとした広場になっている場所だ。\n\n 結界が発生していなくとも人はいなそうだな、などと考えながら探索しているとクリスタルはすぐに見つかった。\n\n ビー玉程の小さなサイズ、出現できるハリヤーのキャパシティがクリスタルのサイズに依存することを考えれば、下級戦闘員が多少群れてくる程度だろう。\n\n\n いや、そもそもハリヤーはまだ到着していないようだし、このままクリスタルを確保して退避してしまってもーー\n\n「まあ、そこまで簡単にはいかないか」\n\n 建物の陰に隠れてこちらを窺う気配が複数。\n\n\n『狐』の魔法少女は五感が強化される。\n 自らの意思で特定の感覚を強化できるだけでなく、通常時の感覚も獣の鋭敏さを誇る。\n\n 魔力で武器を生成できる以外では唯一の特技と言えるだろう。\n エミリアの『吸血姫』やチエリさんの『天使』といった幻想種に比べればささやかなスキルだが、こういった場面では中々に優秀だ。\n\n ミックの話では、『狐』は後天的に『妖狐』に変わる場合もあるというが、まあ例外事象だ。\n\n\n ともあれ、刀を抜きはらう。\n\n ハリヤーもこちらが感知したことに気づいたのだろう、ぞろぞろと姿を現してくる。\n\n 敵は全員戦闘員、前方に八体、後方に二体、右に一体。\n\n まずは後方の二体を斬る。\n 動き回るスペースを確保してしまえばこっちのものだ。\n\n 下級戦闘員の反応速度では、ジェネラルの指揮でもない限りは私の剣に追いつけない。\n そもそも下級戦闘員の打撃力であれば私には大したダメージにもならない、\n\n つまり、私にとっては大した脅威も無い相手であるのだ、が。\n\n「は?」\n\n 戦闘員たちは、おもむろに武器を取り出した。\n 剣、斧、槍ーー弓矢まである。\n\n いや待て、おかしい。\n なぜ戦闘員達が武器を持っている。\n\n 魔法少女に通用する武器を作れるのは、ごく一部の怪人ーー私たちが戦っている相手だとジェネラルーーだけだ。\n だが、この場には怪人などいない。\n\n 事前に怪人が作った武器を戦闘員が持ち込むことはできないはずだ。\n\n 武器や武装の類は戦闘員や怪人よりもこちらの世界に送り込むコストが高く、そんなことはあり得ないはずだ。\n\n 仮想体なんていう、コストを切り詰めるために能力をナーフした形で侵略している相手だ。\n そんな費用対効果の悪い代物を使うはずは無い、のだが。\n\n\n キリ、と弓を引く音が聞こえた瞬間、身体は弾けるように動き出した。\n\n(なんでもいい、動け! 動け!!)\n\n 前を向いたまま後ろへ跳ぶ。\n 視覚で補足できない位置にいる戦闘員を、聴覚と触覚で捉えて射程へと捉える。\n\n 左腕と胴体の間、肘の下を通すように刀を通す。\n\n「ギィイイ!!?」\n\n 戦闘員の悲鳴が響く。\n\n 背と袖に隠れた突きは威力こそ無くとも不意打ちとしては有効だ。\n そして相手の居場所が正確にわかっていれば、軽く刺すだけでも有効な急所に切っ先を合わせることは可能。\n 鷹森流『裏傘』の不意打ちは完全に決まった。\n\n 戦闘員に突き刺さった刀をあえて抜かずに、突進の勢いを利用してぐるりと立ち位置を入れ替える。\n\n ヒュッと息を吐く音を耳が拾う。\n 全速力で身体を屈めて刀を引き抜く。\n\n 一瞬前まで自分の頭があった辺りを斧が薙ぎ払う。\n ゾッとする暇もなく風切り音。\n\n 伏せた体勢のまま斜め後ろに転がるように回避、一本の矢が地面に突き刺さり、もう一本の矢が肩をかすめる。\n\n 必死で距離を取りながら剣を構える。\n 戦闘員達は槍を持った者を先頭にして距離を詰めてくる。\n\n(バカな! ジェネラルもいないのに戦列を組むだと!?\n 中級戦闘員であってもそんなことはしてこなかったはずだ!!)\n\n いや、そもそも反応が速すぎる。\n 不意打ちに対して、横にいた戦闘員が間髪いれずに反応してきた。\n\n 斧の速度も異常だ、コンマ一秒でも遅れていれば間違いなく頭をたたき割られていた。\n\n\n(異常だ! いくらなんでも強すぎる!!\n 単なる戦闘員じゃないのか!? いや、まずはこの場を切り抜けろ!)\n\n 逃げるしかない、だが向こうには弓矢がある。\n 完全に後ろを向けて逃げれば撃たれるだけだ。\n\n(撃たせる、そして躱す。 その間、槍や斧をしのぎつつ逃げ出せる状況を保持する)\n\n 射手は二体、二発の矢を避けた瞬間に駆けだせば逃げ切れる。\n\n ーー否、それ以外に目はない。\n\n 背筋を絶望が撫でる。\n\n 勝てない、それはつまり死ぬということだ。\n 殺されるということだ。\n\n 嬲られて踏みにじられて泣き叫びながら惨たらしく殺される。\n いや、あるいはーー自ら死を願うことになるだろう。\n\n(考えるな、集中しろ! エミリアも、ミオも向かっている。\n この場さえ切り抜ければ良い!)\n\n 恐怖を振り払うように一歩踏み出す。\n 一足一刀の間合い、槍であれば届く間合い。\n\n 無防備な程に射程に踏み込んだ獲物に槍の穂先が殺到する。\n\n 右肩、左肩、左足。\n ご丁寧に振り下ろす軌道と薙ぎ払う軌道を織り交ぜている。\n\n 狙いは正確だ、回避は不可能。\n 受ければ後手に回り、斧で叩き砕かれる。\n\n つまり踏み込むしかない、被弾を前提とした突貫。\n 脚を狙う槍だけを刀で逸らし、左肩を狙う槍を躱しながら強引に身体を前に一歩飛び込ませる。\n\n 踏み込んだ右肩に一本の槍が食らいつく。\n 穂先こそ外したが強かな打擲。\n 構わない、痛覚制御がある以上、動きを止める程ではない。\n\n\n 一歩で槍襖の内側に踏み込む。\n 言うほどに容易くはない。\n 凡百の魔法少女であれば間違いなく死体を晒している。\n\n 剣士たる業、修練の果ての理合。\n\n だが、その程度は無論ハリヤーとて弁えている。\n\n\n 戦列という物は、槍を先頭に置き、その間に剣が控える物だ。\n それはこうして槍を超えた敵手に振り下ろすためにある。\n\n 振り下ろされる剣を阻む物は無い。\n 脚を狙った槍を捌くために刀を下に向けている以上、今更振り上げたところで間に合うはずもない。\n\n だから、右足はもう動いていた。\n\n 上体を倒しながら下から上へ、振り上げるように脚先が三日月を描く。\n 皮膚感覚でタイミングを合わせる、振り下ろされる剣を握るハリヤーの拳に向けて、カウンターのような形で、魔力で編まれた靴の爪先を叩きつける。\n\n「ふっーー!!」\n\n 鈍い音がグシャリと響く。\n あのハリヤーはもう片手を使えまい。\n\n 浮いた上体、背中に衝撃と痛みが走る。\n 別の戦闘員に斬り付けられたのだろう。\n\n それなりに深く斬られた。\n 本来は身体の硬直を避けられない程の痛みのはずだが、痛覚制御がある以上は無視できる。\n 背後を一顧だにせずに前方へ突貫、片手を潰したハリヤーを突き飛ばして戦列の中に潜り込む。\n\n 斧を構えたハリヤーの首筋を撫でるように刀を走らせる。\n 突き込まれる剣を躱しきれずに皮膚が裂ける。\n 振り下ろされた斧を刀の柄で横から殴り飛ばす。\n スネを強かに蹴り付けられて足運びが一瞬止まる。\n\n 風切音、矢が飛来する。\n\n 躱せ、躱せ躱せ躱せ躱せ躱せ\n\n これを躱せなければ意味がない。\n\n『逃げる私を仕留めるため』に使われないように、わざわざリスクを冒して踏み込んだんだ。\n 背中を向けて逃げている時に射掛けられれば、どうしようもない。\n そのまま足を射抜かれるか、回避行動を取ったところを追いかけてきた他の戦闘員に抵抗もできず捕まるだけ。\n\n だが『暴れる私を仕留めるため』に使わせれば、これさえ躱せば逃げることができる。\n\n ほんの少しだが可能性がある、ここまできた、手繰り寄せた、これさえ躱せば希望がある。\n\n 身体を捻る、心臓目掛けて飛来する矢を後ろに流すように、全身を無理やりに回す。\n\n 矢が到達する。\n 胸元の数ミリ先、掠めるように横切っていく。\n\n 一射、躱した。\n\n 第二射が迫る音がする。\n\n 一射目とは違う角度。\n 問題ない、人間の耳と狐の耳、四つの感覚器が正確に矢の位置を捉えている。\n\n 狙われているのは腰、重心の位置、最も動かしづらいそこを狙う射撃は極めて躱しづらい。\n だが、その高さは私以外ーー戦闘員達が容易く遮蔽物となる位置でもある。\n\n 槍を中程に持って突きかかってきた戦闘員の一撃を、あえて躱さない。\n 左脇に抱え込むように透かして前に踏み込む。\n\n わずかに脇腹が切り裂かれるが無視。\n 敵の速度はまだギリギリで私の反応速度で捕らえられる。\n 向こうが対応していない今しかない。\n\n ギッ、と短い悲鳴があがる。\n\n 槍を持った戦闘員に矢が突き立った事を確認もせずに、私は全力で走り出す。\n\n 向かうは右前方。\n 僅かな包囲の切れ目、唯一の活路。\n\n 脇目も降らずに逃げだした私に、数体の戦闘員が気がついて剣や斧を慌てて突き出してくる。\n\n 捕らえられない。\n 微かに身体を切り裂かれるが、その程度で止まりなどしない。\n\n ここを逃せば目は無い。\n 今、矢がこない今この瞬間に逃げきる。\n それしかーーー\n\n\n\n どすっ、と鈍い音がして、体が右に傾いた。\n\n 右肩を突き飛ばされたような衝撃は、私の疾走を一瞬止めるには十分で。\n 私の逃走経路には、すでに剣が並んでいた。\n\n ああ、なんて馬鹿な。\n 少し考えれば想定できただろう。\n 乱戦で使いづらい槍を、弓に持ち変える奴がいてもおかしく無いと。\n\n\n でも、まだだ。\n まだ私は生きている。\n\n 矢は刺さったままだが腕は動かせる。\n 脚はやられていない。\n 魔力もまだまだ残っている。\n\n 次がないということは、他に弓がないか、あっても持ち変えるつもりがないのだろう。\n\n 先程よりも条件は厳しくなったがそれだけだ。\n 今度こそ成功させる。\n\n ここを切り抜ける。\n そう強く意思を固めて、次のチャンスを求めて切り込んでいく、刀を振るう。\n\n\n もう無理だと、悟ってはいたけれども。\n\n\n =======================\n\n もう、どれほど経っているのだろう。\n 何時間も経っている気もするし、ほんの少ししか経っていないような気もする。\n\n 地面にへばりつきそうな足を無理やりに動かして槍を躱す。\n 背中を槍が掠める。\n\n 既に身体は傷だらけで、矢さえ突き立っている。\n 私はエミリア達のような自己治癒能力は無い。\n\n 失血か、疲労か、滲む視界に戦闘員達がニヤニヤと笑う光景が浮かんでいる。\n\n 突き込まれる槍を、倒れ込むようにして躱す。\n 右手から飛んできた蹴りを辛うじて受け止めるも、踏ん張ることもできずに体が浮く。\n\n ガツンと左手から衝撃が伝わった。\n 殴られたのか、でもその程度かまってる暇はない。\n\n すぐに切っ先を左へ向けて振りぬこうとしたの\n でも、何故か刀は動かない。身体だけが左を向いてしまう。\n\n バカな、何を、私は何をしているんだ、刀はどうなっているんだ\n\n いや、刀を握っている手は\n\n ああ、動かない訳だ。\n\n 左腕が、深々と切り裂かれていた。\n 白い骨が見えて、もう、動かせない。\n\n それを理解した時には、もう地面に叩きつけられていた。\n\n 転がって逃げ出そうとするより早く、足首を掴まれる。\n\n「あーー」\n\n 浮遊感、掴まれた足首を中心に、身体が宙を舞う。\n 半円状に弧を描いた私の身体は、そのままアスファルトに叩きつけられた。\n\n「ごーーはーーー!!」\n\n 衝撃が全身をバラバラに砕いた。\n 身体が繋がっていない、手と胴と頭と足が全てバラバラだ。\n\n 息ができない、指一本動かせない。\n\n 歪んだ視界に映る空から、砕けたアスファルトの破片がパラパラと降りかかる。\n\n 死んではいない。普通の人間なら間違いなく身体がグチャグチャに潰れていたが、こうして生存し、意識を保っているのは魔法少女の肉体保護の賜物だろう。\n だが、今の激痛はーー\n\n(痛覚制御が、切れているーーつまり、もう、戦闘能力は)\n\n 力が、入らない。\n 今の私は生身と変わらない。\n\n それでも、手放さないでいた右手の刀を強く握りしめて。\n\n 右の手首を、戦闘員に掴まれた。\n\n「あ、ぎいっ!?」\n\n 激痛。\n ミシミシと骨が軋む音。\n\n ただ単純に力を込められている。\n 鉄を捻じ曲げることもできる力で、私の右手首を刀ごと握りしめられているのだ。\n\n「あ、があ、ああ……!!」\n\n 刀を振ることができない。\n 右手を動かすことができない。\n\n 仰向けのまま、右手を中心に地面で無様にもがきながら、縫い留められたように動けない。\n\n 左手で戦闘員の手を引きはがそうとして、別の戦闘員につかみ取られる。\n\n「ひぐっ、うう……!」\n\n 無論、そんなことをされれば傷口は開く。\n 電撃を浴びたように身体が硬直し、噛み締めた歯から悲鳴が漏れる。\n\n 足は逃げるように空をかき混ぜて、無様に身体を踊らせる。\n\n 生きたまま標本にされた虫のように踊り狂う私を戦闘員がゲタゲタと嘲笑う。\n\n 面白い、無様だ、もっと見せろ、もっと苦しめ\n\n むき出しの悪意だけが叩きつけられる。\n 嗜虐欲が暴力を伴って向けられている恐怖が痛み以上に全身を突き刺す。\n\n\n「ぐ、あ……が!」\n\n べき、と鈍い音が響く。\n 右手の小指が折れたか、すくなくともヒビがはいったのだろう。\n\n カランと軽い音を立てて、右手から刀が転げ落ちる。\n\n「ぐう…… ふ、ぐ……」\n\n(いよいよ、万策尽きたか……)\n\n もしも刀を取り返すことができても、小指を折られていては最早まともに保持することさえ不可能だ。\n\n つまり私にできるのは、ただ助けを待って耐えるだけ。\n でもそれは、つまり。\n\n 二体の戦闘員に両の足首を掴まれ、無理やりに足を開かれる。\n 同時に、無数の手が私に殺到した。\n\n 巫女服のような前面の合わせに力任せに腕がねじ込まれ、剥ぎ取るように左右に割り開かれる。\n 色気のないスポーツブラジャーは邪魔だと言わんばかりに引きちぎられて、乳房が露わになる。\n\n「や、やめ、つっ!」\n\n パンっ、と軽い音。\n うるさいとばかりに頬をひっぱたかれた。\n 拳ですらなく、平手で。\n\n まるで子供を叱るように、しつけるかのように、大した力も込めずに、平手ではたかれた。\n\n 勿論、コイツらに私の体を気遣うような思いなどあるわけがない。\n 頬をはたいてきた戦闘員は、私の目を見てニヤリと悪意に満ちた笑みを浮かべて、もう一度、反対の頬をはたいてきた。\n\n「き、キサマぁっ、いぎいっ!?」\n\n 思わず激昂した瞬間を狙い澄まして、乳首を思いっきりつねり上げられる。\n 敏感な部位へのキツすぎる痛みに情けない悲鳴をあげてしまえば、これを待っていたと言わんばかりに戦闘員達はゲタゲタと爆笑し、私を嘲笑う。\n\n「くっ……」\n\n わかっている、敗北した魔法少女は嬲られる。\n 犯され、殴られ、嘲弄されて心身を踏みにじられる。\n\n そうして殺された魔法少女も知っている。\n 助けが間に合わず、無残としか言えないような惨憺たる死体を見たこともある。\n\n 覚悟している。\n ここは戦場だ、殺されることも、嬲られることも当然のこと。\n 敗北するというのはそういうことだ。\n\n(耐えてやる、せめて耐える。\n エミリア達がいつ助けにきてくれるかはわからないが、それまで耐えきるーー!)\n\n ギリギリとつねりあげられる乳首の痛みを歯を食いしばって耐える。\n\n 声なんてあげてやるものか。\n 私の貧相な胸を弄んで良い気になるなんて滑稽なぐらいだ。\n こんなことで挫けたりなんてしてやるつもりはない。\n\n 私に馬乗りになった戦闘員を睨みつける、それしかできない。\n 仰向けのまま四肢を押さえつけられ、胴体に馬乗りになられている。\n 胸をこね回され、つねりあげられ、ニヤニヤと嘲弄される。\n\n くそ、手が動けば、脚が動けば。\n その脚が引っ張られる感覚、ちがう、これは。\n\n「っつ、くーー」\n\n 抵抗することさえできなかった。\n 袴状のスカートが無理矢理に引き摺り下ろされ、パンツが晒される。\n\n 別にこだわりがある訳でもない、色気も何もないスポーツタイプのボクサーパンツ。\n それが視線に晒されている。\n\n 見られている、視られている、視姦されている。\n 顔が熱くなる、羞恥が襲う。\n 突き刺すような視線を、獲物を前にした歓喜の叫びを浴びせられる。\n\n 意識したことなんてなかった、自分が『女』として嬲られようとしている。\n『女』として踏み荒らされようとしている、踏みにじられようとしている。\n\n 怖いーーでも、耐える。耐えると決めた。\n\n「ぐ、うーー」\n\n パンツを、股間に食い込むように上に引き上げられる。\n 腰が持ち上がるくらいに乱暴に引き上げられて、股間の柔らかな肉が痛みを訴える。\n\n(クソ、ゲスが!! きつ、い……!)\n\n ゲラゲラと笑いながらパンツが引き上げられる。\n 尻肉がキツく搾り上げられて、布が集められて褌のように食い込んでいる。\n 少なくない布地が食い込んで、腰を持ち上げられている。\n 当然、足先はがっしりと地面に押さえ込まれたままでだ。\n\n「あ、ぐ、くーー」\n\n 羞恥と痛みに声が漏れる。\n 少しでもずらそうと腰をねじってしまう。\n よじれて前後に触れる尻を、良い見世物だと囃し立てられる。\n\n(くそ、クソ! 離せっ……!)\n\n 何をしても無駄だとわかってはいる、それでも抵抗しないではいられない。\n\n 唐突に、ふっと腰が浮いた。\n 引き上げられていたパンツから手が離れた、腰が落ちた。\n\n 次の瞬間に、ずるりとパンツを引き下ろされた。\n\n「ひゃっ!? う、くうぅっ……!」\n\n 思わず声が漏れた。\n 外気が当たっている、秘すべき場所に当たっている、視られている。\n 顔が赤く染まる、同時に血の気が引く。\n\n いよいよ、犯される。\n\n 馬乗りになっていた戦闘員が私から降りた。\n 視界が開けて、むき出しにされた私の下半身が映る。\n\n 真っ白い肌に幾条もの傷がついていて、血で汚れている。\n 見慣れたはずの私の下半身、なのに今、それはまるで別の誰かの物のようで、でも間違いなく私の物で。\n\n 脚の間に、戦闘員が入り込んでくる。\n ニヤニヤと笑いながら、既に勃起した汚らしい物を見せつけるように取り出している。\n\n「く、ぐうっ……!」\n\n やめろ、近づくな、動けない。\n 節くれだった指が乱暴にソコに触れる。\n\n「ひっーー」\n\n 思わず、声が漏れる。\n ごわごわと硬い物が、決して触れられてはいけない場所に触れている。\n\n「く、そ……!」\n\n やめろと叫んでも意味はない。\n だが嫌悪は抑えられない。\n\n 自分でもロクに触ったことも無い柔らかい場所を、無遠慮な指が弄り回してくる。\n 敏感なソコは当然痛みを訴えるがお構いなしだ。\n\n 秘裂をなぞり、確かめるように指をねじ込んでくる。\n いや、事実確かめているのだろう。\n 今からねじ込む穴の位置を確認して、確かめているのだ。\n\n 別に、処女にこだわりはない。\n エミリアのように気になる男子がいるわけでもないし、恋愛に憧れがあったわけでもない。\n 敗北したら犯されることは覚悟していた。\n\n でも、怖い。\n 今から犯されるということが目の前にやってきて、怖くて歯が震えている。\n\n 私の秘裂に、ぐちゃりとした肉の感覚が届く。\n 押し付けられている。\n 照準を合わせるように、突き付けられている。\n\n「ふーーーー」\n\n 思わずギュッと目を閉じる。\n 見たくない。嫌だ。\n\n そんなこと、何の意味も無かった。\n\n\n「あ、ぐううううううっ!!?」\n\n 身体が引き裂かれた。\n そうとしか形容できなかった。\n\n 全く濡れていない性器に、ガチガチに硬い棒を無理矢理にねじ込まれて、ブチブチと音を立てて肉が引き裂かれていく。\n 出血するのも当然だ。こんなの、斬りつけられているのと大差はない。\n\n「ぐ、うううう……! あ、あがっ、ぐ」\n\n 歯を食いしばる。\n\n 一突きで半ばまでねじ込まれた長大な肉の槍が、ゆっくりと、でも抗えない強さで、私の身体をこじ開けていく。\n\n 身体が覆われる。\n 私を犯している戦闘員がゆっくりと覆いかぶさってきて、磔にされたように動けない私の身体を押しつぶしていく。\n\n「ひーーぎゃっ」\n\n ごりゅっ、となにかを踏みつぶしたような音がして。\n 私の『奥』は犯された。\n\n「あ、か、はーー」\n\n 内側から押し潰されている。\n 中から張り裂けそうだ。\n\n 下腹部に無理やりに突き込まれた異物が内臓を押しのけて存在を主張している。\n 身体を、犯されている。\n\n ギイギイと戦闘員が快哉をあげる。\n 犯してやったぞと、お前を打ち倒してねじ伏せて犯したと、叫んでいる。\n\n「ふっ、ふぅーーふ、くーー」\n\n 五月蝿い、煩い、うるさい。\n 黙れ、だまれ。\n 溢れ出る感情を押し殺して呼吸を整える。\n 痛みを抑える、荒れ狂う怒りを抑える、溢れ出す悲しさを抑える、気が狂いそうな惨めさを抑える。\n\n(今は、耐える。その後で、殺してやるーー!)\n\n 意思を固めて奥歯と一緒に噛み締める。\n\n 異物感と不快感こそあれ、痛み自体はそこまで厳しいわけではない。\n むしろ身体中の切り傷の方が痛いぐらいだ。\n 叫ぶほどではーー\n\n「う、ああっ! が、うご、うあっ!」\n\n 引きずり出されて、突き込まれた。\n 言ってしまえばそれだけ。\n\n それだけで悲鳴を上げてしまう。\n\n「ぎ、いぎっ、が、ぎゃ」\n\n 何度も何度も何度も、腹の中を引きずり出されて次の瞬間に奥を殴りつけられる。\n 衝撃が腹から肺にまで伝わって悲鳴が吐き出される。\n 叩きつけられる腰に下腹部が押し潰される。\n\n 悲鳴をあげる度にゲラゲラと嘲笑される。\n クールぶっていたくせに、肉棒一つでこのザマか、惨めで滑稽だ、弱くて無様だ。\n そんな風に、嘲笑われて。\n\n 私が、弱くて。\n 叫んだ。\n\n「あ、あ\"あ\"あ\"あ\"あ\"!!! くそ!! くそ!! クソおおお!!!!!」\n\n 惨めだった。\n 無駄だとわかっていた。\n 喜ばせるだけだとわかっているのに。\n\n 叩きつけられる腰は勢いを増していく。\n 髪を後ろ手に掴まれて、顔を引き上げられる。\n\n いつの間にか浮かんでいた涙でボヤけた視界に、私を犯している戦闘員のニヤけた顔が映り込む。\n\n そして、胎の中に濁流が注ぎ込まれた。\n\n「あ、あああ、う、ぐううううーー」\n\n 涙を堪えられた自信はない。\n 決定的に汚された、犯された。\n 胎の中に精液を注ぎ込まれた。\n\n ハリヤーに孕まされた魔法少女は珍しくない。\n 敗北して犯されるならば、当然とも言える残酷な事実。\n それでも、今自分にふりかかっているそれは本当に怖かった。\n\n なによりも、この程度で終わるはずはないということが本当に怖かった。\n\n\n =======================\n\n\n「あっ、おあっ、ひっ」\n\n 痛い、キツい、吐きそうだ、裂けそうだ。\n いや、もしかしたらもう裂けているかもしれない。\n\n 私は、目の前で胡座をかいた戦闘員に抱きつくような形で犯されながら、後ろから、別の戦闘員に肛門を貫かれていた。\n\n「あっ、あ、おぐっ」\n\n 行き止まりのない内臓を深々と突き込まれる。\n 尻を思い切り突き込まれて背骨が痺れる。\n\n ロクな抵抗もできないと判断されたのだろう、三人目に犯されたあたりで四肢を拘束されることはなくなり、その分様々な犯され方をするようになった。\n\n 無論、抵抗しようとした。\n そしてその度に容易く抑え込まれた。\n\n 膝蹴りを押さえ込まれて足を割り開かれて犯された。\n\n 目を狙った腕を押さえられ、捻りあげられたまま後ろから犬のように押さえ込まれて精液を注ぎ込まれた。\n\n 逃げ出そうとしたら背中から踏みつけられて、潰れたカエルのような姿勢のまま代わる代わる犯された。\n\n\n 元から、戦闘で疲労は限界だった。\n 無数の切り傷は今もそのままで、肩に刺さった矢は半ばから折れてそのままだ。\n\n 出血はだいぶおさまってきたが、それでもジクジクと全身を濡らし続けている。\n 魔法少女の生命維持機能がなければとうに死んでいるだろう。\n\n だからもう、ロクに叫ぶこともない。\n 突き込まれる肉槍の衝撃に、壊れた玩具のように音を出すだけだ。\n\n 何も考えない。\n 考えたって無駄だし、ダメージが増えるだけだ。\n 諦めて、心を塞いで、自分を単なる『物』にする。\n\n されるがままの肉塊として、何も考えない、何も動かない。\n 声だってもう悲鳴でもなんでもない、単に空気が漏れているだけ。\n\n コイツらも今はまだ腰を振っているが、いずれ飽きるだろう。\n いつになるかはわからないし、考えもしないが、いずれは終わる。\n\n\n だから、挟み込まれた私に、横からもう一体の戦闘員が近づいてきたことには直前まで気がつかなかった。\n\n そいつはグリグリと私の乳房を弄ってきた。\n 幾度も弄ばれて噛み付きもされたそこは、乱暴に弄り回されて痛みを訴える。\n\n だが、今更だ。\n どうせ体を動かすこともできない、されるがままに弄ばれるだけだ。\n\n\n でも、次にきた痛みは無視することができなかった。\n\n「ぎっ!? ぐ、う!?」\n\n くそ、こいつ、まさか、脇腹の切り傷に指を突っ込んでくるなんて!?\n\n 魔法少女には生命維持機能がある。\n あらゆる致死の要因に対して通常の人間の何倍も耐えられるし、エミリアのような幻想種特有の自己治癒能力がなくとも、傷の治りは普通よりずっと早い。\n\n だから、脇腹を浅く切られた傷はまだ残っていても、出血はだいぶ収まっていた。\n\n「あ\"、ああああ…… か、ぎ……」\n\n その傷を、指を突っ込んで、えぐり回して、割り開かれる。\n ミチミチと音をたてて肉が裂ける。\n 剥き出しにされた傷口から血液が噴き出す。\n\n 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い\n\n いや、痛いだけじゃない、いくら魔法少女が頑丈でも、出血が過ぎれば当然死ぬ。\n そもそも、通常の人間ならとうに死んでいるのだ、これ以上の出血は命に関わる。\n\n だというのに、傷口を開く指は止まらない。\n いや、止まった。\n 傷口を割り開いて、内側を晒すような状態で。\n\n そして、傷口に、柔らかくて硬くて熱を持った物が、押し当てられて。\n\n 挿入された。\n\n「〜〜ーー〜!!? あ!!? な!? なに、をあ\"!?」\n\n 信じられない、あり得ない、あり得ない。\n なんだそれは、そんなことあるはずがない、なぜそんなことを。\n\n でも、間違いない、現実だ。\n\n 傷口に肉棒を突っ込まれて、抉られている。\n\n「や、やめっ!? ぎゃっ、ま、て、やめ」\n\n ブチりと音がして、傷口が広がる。\n 切り裂かれた肉は柔らかで、グリグリと肉棒で抉られれば引き裂かれて血を流す。\n 流れた血を潤滑油に、更に勢いづいた肉棒が傷を割り開く。\n\n「嫌だぁ!! やめろ! やめろおっ!!」\n\n もう何の余裕もない。\n 前後の穴を抉られていることさえ超える不快感、痛み、そして生命の危機に叫ぶ。\n\n でも、こいつらがそれを聞いて喜ばないはずがない。\n\n 左腕を掴まれる。\n 骨が見えるほどに深く切りつけられた左腕に、グリグリと肉棒が押しつけられて、傷を引きちぎって押し込まれる。\n\n「ぎゃああああああ\"あ\"あ\"あ\"!!?」\n\n 痛い気持ち悪い怖い痛い怖い気持ち悪い痛い怖いーーーー\n\n やめてくれ、やめてくれ、頼む、もうやめてくれ、お願いだからやめてくれ。\n\n 忘れるなと言わんばかりに前後の穴が突き上げられる。\n 脇腹の傷にねじ込まれた肉棒が肉の切れ目を破壊しながら擦り付けられる。\n 左腕は肉も骨も痛みで支配されて千切れそうなのに、抱え込まれて動かすこともできない。\n\n「あーーー!!? あ、あ\"あ\"あ\"あ\"あ\"あ\"!!!\n や、やめ、て!! やめてくれぇぇぇ!!!!」\n\n 無理だ、もう無理だ。\n 許して欲しい、やめて欲しい、壊さないで欲しい。\n\n 涙が流れている、血が流れている。\n もう嫌だ、怖い、死ぬ、死んでしまう、殺される。\n\n 四本の肉棒をぶち込まれて犯されて殺される。\n 本当に死んでしまう。\n\n なのに、いつの間にか私の周りに集まっている戦闘員は増えている。\n\n 肛門の肉棒が震えて、精液が注ぎ込まれた。\n こんな時でさえ少しも薄くならない不快感に背筋が震える。\n そして射精した戦闘員が引き抜くや否や、新しい肉棒がズブズブと突き入れられる。\n\n そうか、こいつらは、順番待ちをしていたんだ。\n 二人しか私を犯せないから、他の戦闘員は待っていた。\n でも今、四人が犯している。\n\n それはつまりーー\n\n 私の、犯されていない方の脇腹に、剣が向けられている。\n 傷が無い方、穴が無い方に。\n\n「ひっーー」\n\n 剣が怖い、切っ先が怖い、刃物が、凶器が、悪意が怖い。\n\n だって死んでしまう、殺されてしまう、腹を切り裂かれて肉棒を突き込まれて死んでしまう。\n\n 嫌だ、死にたく無い、死にたく無い、死にたくないーー!\n\n\n だから、仕方ないんだ。\n\n\n 剣を持っていた戦闘員は、本当にすぐ近くにいた。\n 肉棒を、右手で掴めるぐらいには。\n\n だから、私は、それを、扱いた。\n\n はじめ、肉棒を掴まれたソイツはビクリと驚いたように震えた。\n そして、私の手が、上下に動いたのを見て、醜く口元を歪めた。\n\n 必死だった。\n 聞きかじった女性誌での知識を、私の前でこいつらがやっていた事を思い出していた。\n 爆笑と呼ぶにふさわしい嘲笑の轟音に全身を打ちのめされても、必死で手を動かした。\n\n 掴んだそれを上に動かして、下に扱いて。\n 手の中のおぞましさも、自分の惨めさも無視して必死にそれを扱いた。\n\n 上から被せられた手が、やり方を教えるように動き、力を込める。\n どの程度力を込めれば良いのか、どうやって動かせば良いのか、私は必死で覚えた。\n\n だって死にたく無い。殺されたく無い。\n こんな風に死ぬのは嫌だ。\n\n 顔の前に肉棒が突き出される。\n 迷わずに咥え込んだ。\n\n 私の肛門を犯していたそれは排泄物の味がした。\n 吐き気を必死で堪える私の頭を乱暴に掴んで、肉棒を扱き上げるように前後させられる。\n\n 覚えろと、奉仕の仕方を教え込むようにゆっくりと口を使われた。\n\n すぐに覚えた。\n 自分から頭を動かして、おぞましい腐肉にすがりついた。\n\n 膣を犯していた戦闘員が腰を掴んで奥を抉った、肛門を犯していたヤツが尻に思いっきり腰を叩きつけた。\n\n わかった、わかったから。\n そっちも使ってくれて良いから。\n\n だから、傷口を抉るのはやめてくれ。\n ほら、こんなに奉仕しているんだ、お願いだから、傷口を犯すのはやめてくれ。\n\n 左腕が解放されない、肉も骨も肉棒を擦り付けないでくれ。\n 脇腹を貫かないでくれ、傷口を穴のように何度も何度も突き込むのをやめてくれ。\n\n 右手で肉棒を扱き上げる。\n 口で咥えてすがりつく。\n\n 惨めに無様に奉仕して許しを乞うているんだ。\n もうやめてくれ、殺さないでくれ。\n なんでもするから、なんでもする。\n\n 謝れというなら謝るから、もう歯向かわないと誓うから\n\n\n\n\n 剣なんてもう握らないから\n\n 殺さないでくれ\n\n\n\n 脇腹に、傷口に、精液がぶちまけられた。\n\n「あーーひーーー」\n\n いままでのどの陵辱よりもおぞましい感覚。\n あり得ない場所にあり得ない事をされている。\n\n 今だけは死の恐怖も忘れて、おぞましさに硬直する。\n\n ああ、でも、良かった。\n 脇の傷口からは、肉棒が抜かれて。\n\n\n また、新しい肉棒が突き込まれた。\n\n「あ\"あ\"あ\"あ\"あ\"あ\"あ\"あ\"あ\"!!!?\n なん、なんで、ぎゃあああああああ\"あ\"あぁ!!!??」\n\n そんな、なんで、だって、こんな、命乞いまで、して\n\n 左腕の傷口にも、精液がぶちまけられる。\n そしてすぐに次が来て、傷を割り広げて犯される。\n\n「あ、ああーーご、ぶ」\n\n 休むなと言わんばかりに顔面に腰が叩きつけられる。\n\n 肉棒を握った手はもう勝手に使われている。\n\n\n ああ、そっか、それは、そうだ。\n\n 剣が煌めく。\n 傷の無かった方の脇腹が切り裂かれて、新しい穴を作っていく。\n\n\n 当然のことだった、命乞いなんて、聞いてもらえるはずがなかった。\n\n\n 傷口を犯される、膣を犯され、肛門を犯され、口を犯されて、それでも足りないと穴を増やされて犯されて壊されて傷が増えて血は止まらなくて。\n\n\n だって、弱いから、言うことなんて、聞いてもらえるはずがない。\n\n 弱くて、価値がない相手は、踏みにじられて、殺されるだけなんだ。\n\n\n 汚濁が注がれる。\n 口の中に、胎の中に、腹の中に欲望をぶちまけられる。\n\n 痛みか、それ以上の恐怖か、それ以外か。\n 射精されたことで込み上がったそれが、最後の一押しだった。\n\n 私の意識は、暗転して、もう、そのまま\n\n\n\n\n\n\n\n魔法少女カナデ 死亡:戦闘による疲労と失血に加え、全身の傷口を犯され割り開かれて出血を続けたことによる失血死。\n 死亡後も何箇所か傷を付けられて全ての穴を精液で汚された後、遺体をハリヤーに持ち去られた。"}

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