Krixter/Repo / n0002jy /10.json
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{"novel_id": "n0002jy", "chapter": 10, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0002jy/10/", "title": "柊シュウヤくんへの興味。", "content": "今日もまた遅刻しそうになった。\n\n最近、頻度が増えてきて嫌になる。\n\n\nお昼休み、朝渡せなかったお弁当をコウタに渡す。\n「コウタ、はいこれ。」\n\n「ん?あ、わり!今日田中たちと\n外に食いに行くって言い忘れてたわ!」\n\n\nうちの学校は昼休みが長い。\n外に食べに行く人や、食後に運動したりする人たちもいるくらいだ。\n\n\n「え!?ちょっと!なら昨日言ってよね!」\n\n「だから悪かったって!\nあ、田中たち待たせてるから、じゃあな!」\n\nバツが悪そうに、逃げるように出ていくコウタ。\n\n\n教室に取り残される私。\n今の言い合いで、周りから視線が集まる。\n\n言いようのない、やるせなさを感じる。\n\nこのまま教室で一人で食べても\n惨めな気持ちになるので\n私はコウタの分のお弁当を持ったまま\nそそくさと教室を出た。\n\n\n\nどこか、一人で食べられる場所はないかと\nふらふら歩いていたら\n屋上へと続く階段を見つけた。\n\nここなら誰もいないかもしれない。\n\n\n\n「あら?」\n「ん?」\n\n階段を上りきった屋上へのドアの付近に\n先客がいた。\n柊くんだ。\nお昼ごはんなのか、菓子パンを持っている。\n\n\n柊くんは、私の表情を見て\nそれから私の後ろに誰もいない事に気付いて\n事情を察したようだった。\n\n\n\n「あー…ここなら人が来ねぇからよ。\n一人で静かに過ごせるぜ。\nじゃあ、また教室でな」\n\n「ま、待って待って!\n先に居たのは柊くんだもん。\n私が他の場所探すわよ」\n\n\n「気にすんな、一人になりたかったんだろ?\n俺は毎日ここで食ってるからわかるが、ここはホントに誰も来ねぇからよ。\n今の小鳥遊には丁度いい場所だろ?」\n\n\n柊くんの気遣いが、心に染みてくる。\nこの人なら、一緒にいても嫌な気持ちにはならなさそう。\n\n\n「じゃあさ、一緒にここで食べよ?」\n\n「……まぁ、小鳥遊が大丈夫なら\nご相伴に預からせてもらうかね。\nあ、奥の方がくつろげるから、使ってくれ」\n\n「ふふっ、ありがと」\n\n\n\n友達と呼べるかわからないくらいの\nクラスメイトと一緒にご飯を食べる。\n不思議と気まずさは感じないけど、変な感じ。\n\n\n柊くんは、私に気を使って\nこちらを見ないように\n背を向けて食べている。\n\n\n「………ねぇ、柊くんはいつもここで食べてるの?」\n\n柊くんがこちらを向く。\n\n\n「まぁな。あ、俺の場合、別に一人になりたいとかではないけどよ」\n\n「ふーん…?じゃあ、なんで?」\n\n\n「あー…………入学したての頃は俺も教室で食べてたんだがな」\n\n\n\nそれは私の記憶にもある。\nまだ、柊くんの為人が\n掴めていなかった頃だから\n怖い人がなんか普通にお弁当食べてる!って思ったほどだ。\n\n\n「クラスの奴らがよ、飯食いながら\n雑談してて、テンションが上がったのか\n大声で笑いだしてよ。\nその後、ハッとした顔でこっちを見て\n気まずそうに小声に\nなっちまったことがあってよ」\n\n\nそんなことあったかしら?\nでも、柊くんが教室で食べてた頃は、みんな結構静かだったのはたしかだ。\n\n\n「俺は別に騒がしかろうが気にしねぇけどよ。\nほら、俺、こんなナリしてんだろ?\nそんな俺が騒いでもいいぜ、なんて言ってもどっちにしろ気を使われそうでな」\n\n\n\n「だから、教室で食べるのをやめてここで食べるようにした?」\n\n「イグザクトリーだ」\n\n\nやっぱり、この人は周りに気を使える優しい人だ。\n今も、私の事を詮索しないしね。\n\n\n「……このお弁当のこと。聞かないんだね?」\n\n\n「あー…まぁ…小鳥遊が山田に弁当渡してるのは\n何度か見てるしな。\nで、ここに山田がいないとなれば、なぁ…?」\n\n\n「うん…田中くん達と外に食べに行くんだって。先に言えって話よね…」\n\n「すまん、クラスの男を代表して謝るぜ。\n申し訳なかった」\n\n「ふふっ、なにそれ。\nどうして何も悪くない柊くんが謝るのよ?」\n\n\n「いやぁ、俺たちの年齢の男は総じてバカだからよ。俺も反省しねぇとなってな」\n\n\n柊くんは、反省する必要もなさそうだけどね。\nきっと、私を和ませるために\nあえてこんなことを言ってるんだろう。\n\n\n\n「お弁当といえば、柊くんってお弁当じゃなかった?何度か見た記憶あるんだけど」\n\n\n「まぁ前の日の晩飯が残ってるときは\n弁当に詰めてくることもあるが\n買うのと半々くらいだな」\n\n\nその言い方をするってことは\n彼も自分で作ってるみたいね。\n柊くんって、どんな生活してるんだろう?\n\n\n「……ねぇ、よかったら、このお弁当食べてくれない?」\n\n\n「………いいのか?ドタキャンされたとはいえ、彼氏の弁当だろ?」\n\n\nあ、柊くんは私とコウタが\n付き合ってると思ってたんだ。\n\n…まぁ、説明したことないし\nいつもコウタと一緒だから\n勘違いされても仕方ない、かな?\n\n\n「彼氏じゃないわ。\nコウタとは、幼馴染なの。\n私、母子家庭で\nお母さんも帰りが遅かったりするから\nコウタの家に昔からお世話になってるの」\n\n\n「っ、そうか、悪いこと聞いちまったか…?」\n\n\n「ううん、大丈夫。もうそこまで子供じゃないしね」\n\n\n「そうか、強いな、小鳥遊は。\nそれだったら、弁当、もらっていいか?\n朝、コンビニでの争奪戦争に負けてよ。\nこれしか残ってなかったんだわ」\n\n\n「ふふっ、それは辛いわね。\nどうぞ、召し上がれ」\n\n「ありがとよ、じゃあ遠慮なく。\n…………おぉ、すげ。\n山田、いつもこんな美味そうもん\n貰ってんのか。\nそいじゃ、いただきます…\n………うま。この卵焼きとか、手作りか?」\n\n\n「う、うん。口に合うといいんだけど…」\n\n\n「めっちゃ美味いぜ?\nこれ出汁効いてるなぁ。\n何もかけなくても、これだけで十分だわ」\n\n\n……すごく、美味しそうに食べてくれる。\n冷凍ものも入ってるけど\nちゃんと私が作った物がどれか気付いてくれる。\n\n………比べるつもりは、なかったけど\nお米こぼしながら、美味しいとも言わず\n味わってるのかどうかもわからないコウタとは\n大違いだなって思っちゃった。", "preface": "10話目!\n本日2度目の投稿ですー!", "afterword": "ちなみに、原作エロ漫画では\n二人はこういうやり取りはしてません。\n原作での柊シュウヤは普通に不良なので\n学校に律儀に通ってないのです。"}

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