Krixter/Repo / n0002jy /29.json
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{"novel_id": "n0002jy", "chapter": 29, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0002jy/29/", "title": "モヤモヤからの、スッキリ。", "content": "翌日の夜。\nワタシはさっそく、交換した連絡先から\n小鳥遊に電話をかけていた。\n\n\n『もしもーし、こんばんは、かいちょー』\n\n「あぁ、こんばんは。\nすまないな、急に連絡してしまって」\n\n『うぅん、大丈夫!\n今ちょうど勉強の休憩取りたかったからね\nで、何か用事あった?\nもちろん、ただお話したかっただけでも\nどんとこーい!』\n\n「いや、なに。\nセイジさんと会う日取りが決まってな。\n柄にもなく緊張してきたから\n誰かとおしゃべりしたくなってしまったのだ」\n\n\nそう、ワタシはセイジさんに近々会うことにした。\nあまり日を空けると決意が鈍りそうだったから。\n\n『ご指名ありがとうございますー、なんでも話してね』\n\n「とはいえ、話す内容も特に考えてなかったから話題という話題もないのだがな…」\n\n\n『話題かー、話題…\n……あ、ねね、かいちょー。\nかいちょーのスマホに入ってるシューヤの写真だけどさ』\n\nドキッとした。\nま、まさかワタシが柊のおチンポで自慰をしたのがバレたか…\nい、いやそんなことはないはず。\n\n\n「ひ、ひひひ柊の写真がど、どうしたんだ?」\n\n『その様子…もしかして気が付いた?』\n\n\n「なな、なななんの事かな?\nワタシは、別に何もしてないぞ?」\n\n『かいちょー…噓ヘタだね…』\n\n\nうっ…ワタシの気にしてることを…\n何故かワタシの噓はすぐにバレてしまうのだ。\n何故だろう…\n\n\n『えへへぇ♡見た?シューヤの、ア♡レ♡』\n\n\nワタシは観念する\n\n「み、見た。す、すまない。画像は消そうと思ってたのだが…」\n\n『………興奮、した?』\n\n「と、とても…♡」\n\n『オナニー、捗ったでしょ♡』\n\n\n「う、うむ。すごく…大きくて、一人で盛り上がってしまった…\nすまない…小鳥遊の彼氏なのに、自慰に使ってしまって…」\n\n『ぜーんぜん!私ね、シューヤのすごいところ、もっと色んな人が知ってもいいと思ってるんだぁ♡』\n\n\n「そ、そうなのか。器が大きいというか、なんというか…」\n\n\n『あ、でね?私、一個提案があるの』\n\n「提案?なんだろうか?」\n\n\n『かいちょー、シューヤとエッチしない?』\n\n\n?!?!?!?\n\n「エ、エッチ?!いやいや、待て待て!\nお前、柊の彼女だろう!?\n何を言ってるんだ!?」\n\n\n『えっとね、順を追って話そうか。\n私思ったの。\nかいちょーが婚約者の人と話をしても\nもしかしたら不満は解消されないのかもしれないって。』\n\n\nその恐れは、ある。\nセイジさんに、何かしら隠し事とか、理由があったとして\n話した結果、どうしようもならない事だってあるかもしれない。\n\n\n『…私ね、シューヤと付き合う前に付き合ってたヤツがいるの』\n\n「…あぁ、山田の事だろう?\nワタシも、風のウワサだが\nある程度の顛末は聞いたことがある」\n\nいわく、山田が酷いDV彼氏で、そこを柊が助けたとか\n山田に脅されて関係を持っていたが、柊に助けてもらったとか。\n\nウワサだから、尾ひれは付いているだろうが\n山田と付き合っていた時の、小鳥遊の貼り付けたような笑顔を見たことがあったから\nある程度真実が元になっているのだろうとは\n容易に想像がついた。\n\n\n柊といる時の小鳥遊は、本当に幸せそうだったから。\n\n\n『あ、かいちょーも知ってたんだね。\n…私ね、ちょっと理由があって\n好きでもないコウタと付き合ってたんだけど\n結構しんどかったんだ。\n別れるとかも、無理だと思ってたし』\n\n別れられないという状況は、ワタシにも通ずるものがある。\nとはいえ、ワタシの場合、セイジさんがヒドい人ではないのだが…\n\n『そんなある日、仲良くしてたシューヤに抱いてもらったの』\n\n「……山田と別れる前に、肉体関係があった。ということか?」\n\n\n『うん、世間的には、浮気になるんだろうねぇ。\n…でもね、私はシューヤがいてくれたおかげで\n耐えられた。\nシューヤが、私を満たしてくれたから\nかろうじて私は私でいられた。\nシューヤが居なかったら、私は壊れていた』\n\n\n\n………羨ましいと、思ってしまった。\n無い物ねだりだとは思うが、ワタシもそういう人がいたら\n万引きなんかしたりしなかったのかもしれない。\n\n\n『だから、かいちょーも、シューヤとエッチしない?』\n\n「話の飛躍がすごいな!?」\n\n『でもさ、かいちょー、シューヤのこと好きでしょ?\nいや、好きとまではいかないかな?\n気になってる、好ましく思ってるくらいかな?』\n\n\n「そ、そそそんなこと!?\nな、ない…ことも…ない…かな?\nうん…そうなんだろうな」\n\n…実際、柊の事は好きなんだろう。\n\n出会った時はただの不良だと思ったが\n会話を重ねるたび、印象が変わっていった。\nいつしか、淡い恋心をいだいていた。\n\nだが…\n\n「柊との関係は、無理…だな。\nワタシはな、婚約者に操を立てているのだ。\n家と家の繋がりとの意味合いもあるから\n純潔は結婚初夜まで取っておく必要があるんだ…」\n\n\n\n『……大きくなったシューヤのおちんぽ、すごいよ?\n彼に抱かれると、全身が満たされるんだ♡\n彼に突かれるたびに、幸せが溢れてくるんだぁ♡』\n\n\nそ、そんなにか…そんなに、すごいのか……\n\n「う〜…そんな話するなぁ…\n揺らがせるなぁ…\nうぅ…いぢめっこめぇ………」\n\n『にひひっ♪まぁ選択肢の一つとして、考えておいてよ\n刺激が足りない、ってことには絶対ならない生活にはなるだろうからね』\n\n\n「いや、でも、君は彼女だろう…?\nそんなこと提案していいのか…?」\n\n\n『あ、シューヤには私の他にセフレもいるよ?\n私も仲良くさせてもらってる人で、すごくエッチな素敵な人♡』\n\n………またワタシの中の常識が壊れる音が聞こえた。\n\n\n\n数日経って。\nセイジさんと会うために、彼の会社へと向かう。\n\n当たり前だが、社会人の方は皆働いている。\nこういう場面を見ると学生はラクなのだなと\n改めて実感する。\n\n「やぁ、カナエさん。ようこそ我が社へ。\n暑かったでしょう、どうぞこちらへ」\n\nセイジさん自ら社長室へと案内してくれる。\n豪奢ではないが、質のいいインテリアが彼のセンスなのか、先代のセンスなのかはわからないが\nとてもいい趣味をしている。\n\n\nセイジさんに促され、対面でソファに座る。\n秘書の方がお茶を用意してくれた。\n\n\n「なにか、話したいことがあるとの事でしたが\nどういった要件でしょうか?」\n\n「わざわざ時間を取ってもらってすみません。\n出来れば、二人きりで話をしたいのだが…」\n\n「ふむ…わかりました。\nアキエくん、悪いが席を外してくれ」\n\n\n\n秘書の方が出ていく。\n\n……さて。\n\n「単刀直入にお伺いします。\nワタシに、何か隠していることはありませんか?」\n\n\n「………どうして、そう思われたのですか?」\n\nその返しは、何かある証拠なのだがな…\n\n\n「特に、これと言った根拠があるわけではないのですが、強いて言うなら日々の積み重ね、でしょうか。\n貴方は、素晴らしい婚約者ですが\nふとした時の違和感が拭えないのです。\n何度も逢瀬を重ねていると、その違和感が\n無視出来ないほど、大きくなってきて…」\n\nセイジさんが、俯いて動かなくなる。\n黙っている、ということは逆に言えば\nワタシに対して噓をついていないということでもある。\n\n「………父には、内密にしておくと約束します。\n……話して、くださいませんか」\n\n\n\n意を決した様子のセイジさんが、ソファを立ってワタシに向かい頭を下げてくる。\n\n「……申し訳ございません…っ!\n私は、カナエさんに隠れて、お付き合いしている方がいるのです……っ!」\n\n\nあぁ…なるほど。\nワタシは得心が行った。\n彼は、龍ケ崎家に怯えていたのではなく\nワタシ自身に引け目を感じていたのか。\n\n「…頭を上げてください。詳しく教えてくださいませんか?」\n\n\nセイジさんが座り直す。\n相手は先ほど席を外した秘書のアキエさんだそうだ。\n\n会社の経営が厳しくなってきた時も\n微に入り細に入り、セイジさんをサポートしてくれたようだ。\nそしていつか恋仲になったようだ。\n\nセイジさんは再び、席を立ったかと思うと\n今度はワタシに土下座をしてきた。\n\n「お願いしますっ!カナエさんと結婚するまでには\n彼女と別れます!\nどうか…どうか婚約はこのまま継続してもらえないでしょうか…っ!」\n\n…以前も説明したが、この会社は龍ケ崎グループから見放されると後がない。\n\nワタシを、龍ケ崎家を裏切る行為がどういうことか分からない人でもない。\n\nだが、それでもアキエさんと付き合っていたのか。\n\n「……彼女とはすぐに別れず、ゆくゆくはワタシと結婚しようと。\nそう、仰るのですね?」\n\n我ながら、酷い言い方だと思う。\nまぁ、裏切られたのはこちらの方だから\nこれくらい言ってもいいよ…な?\n\n「それは………」\n\n「…ひとつ、お聞きしたいことが。\nあ、頭を上げていただいて結構ですよ。\nそのままだと喋りにくいですし」\n\n「申し訳ございません…」\n\nセイジさんがソファに座り直す。\n\n「自意識過剰に思われるかもしれませんが\nワタシのプロポーションは整ってるものだと\n自負をしております。\nけど、婚約者の貴方から性的な視線を受けることが\n一切ないのも気になっていたのです。\nそれは、アキエさんの為でしょうか?」\n\n「…自意識過剰などとんでもない。\nカナエさんは、とても魅力的です。\n正直、そういう目で見そうになったこともあります。\nですが、仰るとおり、アキエくんに申し訳なくて\n必死で見ないようにしておりました」\n\n\nうーん、アキエさん愛されてるなぁ…\nいいなぁ、そういう関係。\n羨ましい…\n\nうーーーん、それだったら…\n\n「ここから先は、アキエさんを交えて話しませんか?」\n\nセイジさんが、アキエさんを呼んでくる。\n彼女は顔面蒼白だった。\nそうでしょうね、自分のせいで婚約が\nご破断になるかもしれないって状況だし。\n…ワタシも、最近そんな顔色になったから\n気持ちはわかる…\n\n「さて。\nセイジさん。貴方はワタシと結婚するまでは\nアキエさんとは別れず、会社も救ってほしい。\nそんな欲張りなことを考えていると。」\n\n二人の関係が、羨ましくて\nついつい嫌な言い方をしてしまう…\nうぅ…ワタシは器の小さい人間だなぁ…\n\nセイジさんはキツく拳を握りしめている。\n…血が滲んじゃわないかな?\nあれ?嫌な言い方しすぎた…?\n\n\n「……はい。私は、アキエくんも会社もどちらも大切なのです……っ!\n軽蔑されようが、罵られようが、私は諦めたくないのです…っ!」\n\n「…ふむ。ならもっと強欲になってみませんか?」\n\n「………は、はい?そ、それはどういう…?」\n\n「その答えをする前に。\nアキエさん、セイジさんは会社の事を考えると\n将来ワタシと結婚することは確定しています。\n…それでも、彼と一緒にいたいと思いますか?」\n\n「……はい。私は元々、会社も社員も大切にする彼に惹かれて、彼を支えたいと思いました。\n私は、彼と別れるその日まで彼を愛し続けます」\n\nわぁ、ラブラブだぁ…くそぅ…\n\n「よろしい。\nセイジさん。ならワタシと偽装結婚しませんか?」\n\n「は、はぁ…偽装結婚…ですか…?」\n\n「偽装結婚だと意味合いが少し違うかもしれませんね。\n白い結婚、とでも言えばいいのでしょうか。\nワタシとは籍だけ入れて、アキエさんと付き合い続けるということです」\n\n「そ、そんな!私は、今まで貴方を騙し続けてきたのです!\nそれなのに、さらに龍ケ崎家を裏切ることなんて…っ!」\n\n「アキエさん、どうでしょう?\n貴女は生涯、セイジさんとは結婚は出来ません。\nそれでも彼と一緒にいたいと思いますか?」\n\nアキエさんは、話についていけなかったのか\n少し呆けていたが\n次第に涙を流しながら\n\n「ごめんなさい…ごめんなさいセイジさん…\n私、貴方を諦められない…っ!\n愛しているの…結婚出来なくてもいい…っ!\n貴方と…一緒に、いたい……っ!!」\n\n「アキエくん…いいのかい…?\nこんな私でも、愛してくれるのか…?」\n\nセイジさんも、涙ぐみながら\nアキエさんを抱きしめる。\n……………ワタシ、空気になってないか?\n\n「コホン。一応、セイジさんと籍を入れた後はこの会社を辞めてもらうことにはなると思います。\nアキエさんには家事手伝いとして、家で雇うか、ワタシが秘書として雇うか。\nこの辺りは追々詰めていきましょう」\n\n「…私たちにとっては、最良の未来です。\nですが、これでは余りにもカナエさんが報われないではないですか…っ!」\n\n…よし、ここからが交渉タイムだ。\nがんばれ、ワタシ!\n\n「あー…うむ。\nすまない、ここからは\n素のワタシで喋らせてもらう。\nまず大前提として、ワタシはセイジさんに恋愛感情を持っていない。\n誠実な人だと思うし、人としては尊敬しているがな。\nとはいえ、ワタシも龍ケ崎家を継ぐ身。\n政略結婚として、セイジさんと結婚する事は納得している」\n\n「…はい。私としても、カナエさんは素晴らしい方だとは思います。\nですが、恋愛対象では、ありませんでした…」\n\nそりゃそうよね!\nそんだけラブラブしてるもんね!\nチクショウめ!\n\n「………時に、下世話な話になるんだが\n二人は、に、肉体関係はあるのだろうか…?」\n\n「………はい、その意味を含めて愛し合っております」\n\n「そ、そうか。えっとな、ワタシは、一応婚約者として、セイジさんに操を立てていてな。\nあ!いや、二人が謝ることではない!\nワタシが勝手にそういうものだと思っていただけなのだ!」\n\n親からも操を立てろ、とは言われてない。\nというか、別に避妊をするならしてもいいと言われていたしな。\nなんとなく、セイジさんとセックスをして、彼の子を成すのだろうと思っていて\nそれまでは、処女でいようと\n勝手に思っていただけだ。\n\n「そ、それでな。\nえっと、その。ワタシな。\n気になってる男性がいてだな。」\n\nアキエさんがまぁ!といった顔で目を輝かせる。\n\n「で、だ。も、もしかすると\nその人に、抱いてもらえるかもしれないんだ。\nそして、ワタシたちが籍を入れても\nその関係が続けてもらえる…かもしれなくてな」\n\n先日小鳥遊が、言っていた。\n彼はワタシが望めば、ずっと抱いてくれるかもしれない、と。\n\n「ど、どうだろうか。ワタシはワタシの為に、この取引を持ちかけている。\nもちろん、一緒に暮らすことになるし\nパーティや必要な時には、夫として振る舞ってもらうことになるが\nそれ以外は、お互い、好きな人と愛し合う生活をしないか…?」\n\n「…カナエさんにも、そんな恋する乙女な一面があったのですね。\n私は、龍ケ崎家のお嬢さんとしての顔しか知りませんでした。」\n\n「まぁ、セイジさんと会うときは、龍ケ崎家の娘として会っていたからな…」\n\n「…貴女の恋が、上手くいくことを願っております」\n\n「じゃ、じゃあ!」\n\n「えぇ、契約成立です。これからもよろしくお願いします」\n\n\nセイジさんと握手を交わす。\n\nワタシは、ワタシの恋をがんばるぞ!", 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