| {"novel_id": "n0002lz", "chapter": 30, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0002lz/30/", "title": "今日、僕は裏アカ男子を始めてからのこの一ヶ月間を振り返った。", "content": "裏アカ男子に身をやつし、日記を書き始めて一ヶ月。\n今日はこの一ヶ月を振り返ろうと思う。\n\n\n僕が裏アカ男子になったそもそものきっかけは元彼女だった。\n元彼女は隠れて裏アカ女子をしていた。\nひょんなことからそれを知り、僕はショックを受けた。\n自分の彼女が見も知らぬ男性に裸体をさらしているのだから当然だろう。\n\n一体どういうことなんだ?\n\nだから僕は本人に問いただした。\n「なぜ、裏アカ女子なんかしているのか」と。\n\nすると彼女は「ごめん、びっくりしちゃった?」くらいのテンションで、あっさりと「ただの暇つぶし」と答えた。\n\n僕は意味がわからなかった。\n\n暇つぶしでそんなことができるの?\n僕の頭の中には「自分の裸体を撮る」という選択肢はどこを探してもない。\nしかも、それを人に見せるなんて考えられない。\nさらに、それを不特定多数の人間が見るネットにアップロード?\n\n裸体どころじゃない。\n自慰動画も撮っていた。\nそれも一回や二回ではない。\n中には僕の知らない男の名前を呼びながら果てているものもあった。\n\n言葉もない。\n\n「一体なに考えてるの?」\n\n――結局、僕は様々な思いを言葉にすることはできなかった。\nだから僕はずっと、あの時の元彼女の気持ちを知りたいと思ったまま過ごしている。\n\n「本当に暇つぶし以上の意味はなかったの?」\n\nもう、元彼女にそれを聞くことはできない。\nそれなら……それなら、誰でもいい。\n裏アカ女子なら誰でもいい。\n\n一体、どんな気持ちで裏アカ女子をしているんだ!\n\nそんな思いで、僕は裏アカ男子になった。\n裏アカ女子と仲良くなって、その気持ちを知るために。\n\nそして、一ヶ月――。\n\n本来ならここで「この一ヶ月間、本当に色んなことがあった」と言いながら、おもしろエピソードを語る場面なのだが、僕は何も語らない。\n\nなぜなら、何も起きていないからだ。\n\n「僕も少しは裏アカ女子の気持ちがわかるようになってるだろうか?」と、「大丈夫、なってるよ」というツッコミ待ちをする場面なのだが、僕は何もわかるようになっていない。\n\nなぜなら、仲の良い裏アカ女子はできておらず、特別深い話を聞くこともできていないからだ。\n\nただ、ひとつだけ、わかったことがある。\n僕は何も起きなくても一ヶ月くらいなら日記を書き続けることができる、ということだ。"} |
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