| {"novel_id": "n0005cn", "chapter": 10, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0005cn/10/", "title": "010 あと、足りていないものは?", "content": " 温かい陽光に包まれる感覚に、ゆっくりと目を開きます。\n 目の前にはリンカの顔。\n まだ眠っていますね。\n\n 私たちは昨夜浴槽で楽しんだ後、ベッドに移動したら2人して裸で抱き合って眠りにつきました。\n 声が漏れたらいけないので、さすがに何もしてませんけどね。\n\n あらためて確認します。\n 昨夜、リンカは私を受け入れてくれました。\n そう思うと、そのリンカの寝顔は今まで以上に素敵に見えてくるのです。\n\n ……いつまでも寝顔を眺めていてもいけません。\n 今のうちに朝食の用意をしてしまいましょう。\n\n 作るものはおにぎりです。\n 他の食材はお肉しかりませんからね。\n どうせなので【料理】スキルを使ってみましょう。\n\n\n お米とお塩を用意して、スキルを実行します。\n すると簡単におにぎりが出来ました。\n これは楽ですね。\n MPの消費もたった1と効率がいいです。\n 時間とMP消費の兼ね合い次第では結構いいスキルみたいですね。\n\n「ユウカちゃん、おっはよー」\n\n「おはようございます」\n\n「……おはよ」\n\n 夕凪さん、リコさん、アイリーさんも起きてきました。\n\n「はい、おはようございます。おにぎりですがもう出来ているので食べていてくださいね。私はリンカを起こしてきます」\n\n テーブルを示してから私はリンカを起こしに向かいます。\n\n リンカはまだベッドの中でした。\n もしかしたら朝に弱いのかもしれません。\n\n「リンカ、朝ですよ」\n\n 声をかけて軽く揺すりますが、リンカは起きません。\n こんなときは、あれですね。\n\n ちゅ……ぐちゅ……。\n\n リンカの唇に私の唇を重ねます。\n それだけでなく、私から舌を伸ばし、彼女の閉じた口をこじ開け、リンカの舌に私の舌を絡ませていきます。\n 彼女の口内を嬲っているとすぐに反応が帰ってきました。\n リンカの反応も荒くなり、その手は私の頭を押さえつけます。\n\n いけません。このまま流されるわけにはいきません。\n\n「リンカ、もうみなさん起きていますよ」\n\n 一度離れて声をかけると、ん……なんて惜しがりつつも目を開けてくれました。\n\n「おはよう、ユウカ。着替えるから手伝ってくれるかい?」\n\n もちろんですよ。リンカ。\n\n リンカに示された場所から服を持ってきます。\n 下着にシャツにパンツです。\n 私のもそうなんですが、リンカの下着も残念なデザインですね。\n なんとかしたいものです。\n\n リンカはベッドに腰掛け、私の成すがままになっています。\n 片腕がないというのは予想以上に不便みたいですね。\n 私が必要だったんだと自覚できるのは嬉しい事ですね。\n\n 着替えたリンカとともにリビングへと向かいます。\n 既にみなさん食事は終えたようで、テーブルの上にはおにぎりが4個残っていました。\n そういえば私もまだ食べていなかったので、リンカと一緒に食べることにしましょう。\n\n\n「それじゃ今日の訓練の説明をするよ」\n\n 私たちはみんなテーブルに付き、ご飯を食べながら喋るリンカの説明に耳を傾けます。\n\n「まずはユウカ。今覚えているスキルを教えてくれるかい?」\n\n「はい。【看知の瞳】【短剣】【夜目】【隠密】【料理】の5つですね」\n\n「そうか。既に【夜目】と【隠密】は覚えているんだな。それじゃ今日は【気配察知】を覚える訓練にしようか」\n\n 【気配察知】ですね。\n どうやら隠れているモンスター等の気配を察知するスキルのようです。\n これがあると狩りの効率が更に良くなることでしょう。\n\n\n 全員で北門の外へ向かいます。\n 訓練は壁外でするみたいです。\n\n 街壁からあまり離れていない場所に位置を取りました。\n どうやらここで訓練をするみたいですね。\n 壁に近いのでモンスターもほとんど湧きません。\n モンスターを相手にするんじゃないんでしょうか?\n\n「それじゃみんなはこれを持って」\n\n 私以外に渡されたのは石でした。\n ああ、なんだか嫌な予感がしてきます。\n\n「ユウカはこれを付けて」\n\n 目隠しです。\n どう見ても目隠しでした。\n もう嫌な予感しかしませんね。\n\n「私たちはユウカを囲んでこれからこの石を投げつけるから、ユウカはそれを躱すんだ。回避するために動くのはいいが、むやみに走り回ったりはしないようにね」\n\n うわあ。\n 予想以上に厳しい訓練になりそうです。\n ほら、みんなも戸惑っていますよ。\n\n「これは別にダメージを与えるような石じゃない。だから遠慮する必要もないよ。じゃなきゃ訓練にもならないよ」\n\n うーん。リンカは思ったよりもスパルタですね。\n 今朝は可愛い感じだったのに残念です。\n\n それでは、目隠しをおろして訓練開始です。\n\n\n 私の周囲、私を囲むように4人が立っているはずです。\n もちろん私には分かりませんけれど。\n 投げる気配、石の気配を察知して事前に躱すことが目的ですが、出来る気がしませんね。\n\n ぱちっと、右腕に刺激を感じます。\n どうやら石が当たったみたいです。\n もちろん当たるまで石が投げられたことにも気付きません。\n 痛くはないからいいんですけどね。\n\n その後も訓練は続きます。\n もちろん私は石に当たり続けています。\n もっと集中しないといけません。\n\n かさっと、草を踏みしめる音が聞こえました。\n 石を投げるときに足を一歩踏み出したのでしょう。\n その音に反応して、横に一歩動きます。\n 体に刺激は感じません。\n どうやら石は回避できたみたいです。\n\n「出来る限り足音をたてないように。音で躱されないように気をつけて投げるんだ」\n\n リンカ、さすがにスパルタ過ぎませんかね?\n\n 更に集中していくと、投げる際の衣擦れの音が聞き取れるようになりました。\n これで投げるタイミングが分かり、先ほどのように回避ができるようになってきました。\n この調子でいいのかな、なんて思ったのがいけなかったのでしょう。\n\n「ユウカ、今度はこれも付けるんだ」\n\n 付けるんだ、といいながらリンカが付けてくれました。\n はい、耳栓ですね。\n 音に頼るなということなんでしょう。\n\n 石に打たれる時間が長く続きます。\n 痛くはないですけど、さすがに回避できない時間が続くとイライラしてきます。\n しかし目も見えず、音も聞こえずですとなかなかに厳しいです。\n\n 今私は視覚と聴覚を塞がれています。\n 残る感覚はなんでしょう。\n 味覚。これは無意味でしょう。\n では嗅覚? 石の匂いなんて分かりません。\n 最後は触覚。石が当たったことは分かりますが、回避するには既に遅し、です。\n\n これ、無理じゃないんでしょうかね?\n それとも第六感的な何かが必要なのでしょうか?\n もちろんそんなのは感じません。\n 適当に動いてしまいましょうか。\n\n 後ろに一歩、下がります。\n\n「よし、これで訓練は終わりだ!」\n\n ……おや?\n とりあえず耳栓を取って目隠しを外します。\n 開始時よりも日が昇っていますが、思ったよりも時間は経ってないみたいですね。\n\n「ユウカ、ステータスの確認をしてみてくれ」\n\n 言われたとおりに確認しました。\n\n────────────────────\n気配察知Lv1 (New), 超聴覚Lv4 (New)\n────────────────────\n\n おやなんとまあ。\n 既に【気配察知】を習得しているではありませんか。\n おまけに【超聴覚】まで。\n 聴覚はまあ分かりますが、気配なんて未だにわからないんですけど?\n\n なんてスキルを確認しながら思っていたら、いきなり背筋にビクッときたので横に一歩動きました。\n 先ほどまで私がいた場所を、小石が飛んでいきます。\n おや、今の感覚が【気配察知】なんでしょうか?\n\n これはつまりどういうことでしょうか。\n みなさんで話し合って結論付けました。\n\n 【超聴覚】については、視覚を塞いだ状態で音を聞き取ること。\n これを繰り返すことで覚えられるのではないかということです。\n\n 【気配察知】については、視覚と聴覚を塞いだ状態で、なんらかの回避をすること。\n この際はヤマカンでの行動でおっけーです。\n\n 【超聴覚】はもとからある感覚なので鍛えることで、【気配察知】は第六感ともいえるので行動に対してスキルが付随するみたいでした。\n それにしても疲れました。\n このゲームを始めてから、一番集中した気がします。\n\n「それじゃ訓練はここまでだね。あとは自由にするといいよ」\n\n そういってリンカは街の中へと戻って行きました。\n やけにあっさりしています。\n ちょっと寂しいですね。\n\n「さて、訓練も終わったことだし狩りにでも行くかい?」\n\n 夕凪さんのさわやかな声に考えます。\n 狩りもいいですけれど、先にやりたいことをしたいですね。\n\n「できたら私は街の服屋を見てみたいですね」\n\n「私は……できたら製薬しておきたいかな」\n\n そういえば昨日の薬草とかはまだそのままでしたね。\n\n「それじゃ私がリコと一緒に製薬するわ。二人は別行動ね」\n\n アイリーさんがリコさんの話に反応してとっとと引っ張っていっちゃいました。\n うーん、アクティブというかなんというか。\n 残ったのは私と夕凪さんだけ。\n\n「あはは。それじゃ一緒に服屋を巡ろうか」\n\n「はい、お願いしますね」\n\n 未だ座り込んでいた私を起こそうとしたのでしょう、差し出された手をしっかりと握ります。\n ついでにそのまま腕を組み、街へと向かいました。\n\n\n------\n\n\n「それで、何を見に行くんだい?」\n\n 夕凪さんの腕の柔らかさを堪能してたところで質問が入りました。\n\n「その……普段着と、それとよければ下着もですね」\n\n「なるほどね~。普段着だったらいくつか売ってるお店も分かるけど、下着は難しいかもねぇ」\n\n「そうなんですか? 下着も需要がありそうなものですけれど」\n\n「下着の販売も盗賊ギルドが独占しててねぇ。いわゆる夜の仕事の人たちにしか販売されないんだよ」\n\n なんと。\n それじゃ私はずっと下着はこのままなのでしょうか。\n 夜の仕事に就けば買えるのかもしれませんが、それは無理な話ですし。\n\n「それじゃ自分で作るしか無いんですかねぇ」\n\n「そうだねぇ。そういうわけで普段着を見に行こうか。こっちにお店があるよ」\n\n お店につきました。\n いわゆる服飾店ですね。\n ここは店主が作っているわけじゃなく、何人かの【裁縫】スキル持ちの人たちと契約を交わして服を入荷しているそうです。\n そのおかげかたくさんの種類の服がおいてありました。\n\n ちなみに、普段着と装備品の違いは特にありません。\n 見た目だけですね。\n 普段着にももちろん防御力は設定されてあります。\n\n「夕凪さんもここで買物をしてるんですか?」\n\n「そうだねぇ。ここらの服に上から武器屋で買った胸当てとかを着ける感じかな」\n\n 夕凪さんと雑談しながら物色していきます。\n 確かに色々あるんですが、私の欲しいものはなさそうですね。\n\n「あ、これなんか夕凪さんに似合うんじゃないでしょうか?」\n\n 見つけたのはショートパンツとトレンカです。\n 個人的にですが、夕凪さんみたいなさっぱりした性格の方には、こういう健康的な服装が似合うと思うのです。\n それに、今の服装はちょっとボーイッシュに過ぎるといいますか、色気が足りませんし。\n\n「これは……さすがにちょっと恥ずかしいかな」\n\n うーん。\n あまり乗り気じゃないでしょうか。\n それとも、もうひと押しでいけるでしょうか。\n\n「それよりも、ユウカちゃんはどんな服が欲しいのさ」\n\n「私ですか? 私は暗殺者っぽいのを目指そうと思っています。小袖の袖を手が見えないほどに長くして、そこにこの短剣なんか仕込もうかなと思っています」\n\n「ふーん……着物かぁ」\n\n 奇抜なデザインを伝えるのは難しいですね。\n それにお店で手に入れることも難しいですし。\n そうですね。\n 下着、私の服、そして夕凪さんの服。\n 全部作ってしまいましょうか。\n 夕凪さんも、プレゼントという形だったら受け取ってくれるのではないでしょうか。\n\n「夕凪さん、私決めましたよ。下着も服も自分で作ることにします!」\n\n お店を出てから高らかに宣言します。\n こういう時は勢いが大事ですからね。\n\n「あはは、そんなに下着が欲しかったのかい?」\n\n「それもありますけど、ちょっと特殊な服が欲しくなった時に、自分で作れたほうがいいかなと思いまして」\n\n「そうだねぇ。職人と仲良くならない限りはワンポイントのアレンジすら出来ないしねぇ」\n\n「やっぱりそうなんですね。知り合いの職人もいないので、自分でつくろうと思います」\n\n しかし、服飾といってもさすがに経験はありません。\n まずはマフラーを編んで、スキルがどうなるかを確認するべきでしょう。\n 暗殺者のマフラー……ありですよね?\n\n「ユウカちゃんは服も縫えるのかい?」\n\n「いえ、さすがに簡単な編み物しか経験は無いですね。それでなんとかなるといいんですけれど……」\n\n「たしか【裁縫】スキルは【料理】スキルほどシビアじゃなくて、面積次第でどーのこーのって聞いたことがあるよー」\n\n 面積、ですか。\n たとえば10cm×10cmの布を編んだら、100cm×1cmでも50cm×2cmの布でも再現できるということでしょうか。\n それだったら非常に楽になるかもしれませんね。\n 材料は無駄になるかもしれませんが、大きな布を編んでから服を縫えばいいのですから。\n\n 早速、私と夕凪さんは編み物の道具を買いに行くのでした。", "afterword": "名前:ユウカ\n種族:人間Lv7\n職業:盗賊Lv11\n-\nHP:400/400\nMP:400/400\n-\nSTR:100\nVIT:120\nAGI:170\nDEX:170\nINT:40\nポイント:40\n-\n【パッシブスキル】\n看知の瞳Lv1, 短剣Lv15, 夜目Lv3, 超聴覚Lv4 (New), 気配察知Lv1(New)\n【アクティブスキル】\n隠密Lv8, 料理Lv19\nポイント:12\n-\n【資産】\n2,100e\n-\n【装備】\n武器:短刀・愛切、短刀・哀切\n防具:旅人の服、ただの肌着"} |
Xet Storage Details
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