| {"novel_id": "n0005cn", "chapter": 103, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0005cn/103/", "title": "103 ユニークトカゲ", "content": "『この道はまだ繋がっておらず\n この先を行きたくばここのつのしるしを捧げよ』\n\n────────────────────\n『ざいにんをささげよ』\n依頼主:\n ---\n依頼内容:\n 3/9\n報酬:\n スキル「幻惑耐性」\n────────────────────\n\n\n『この途はまだ完成しておらず\n この先を行きたくばななつのしるしを捧げよ』\n\n────────────────────\n『ざいりょうをささげよ』\n依頼主:\n ---\n依頼内容:\n 2/7\n報酬:\n スキル「幻惑耐性」\n────────────────────\n\n\n 石碑とクエストの関係はほぼ分かりました。\n もちろん受けたクエストだけなんですけれど。\n\n 家主を殺した翌朝、私たちは小川へと向かっています。\n 目的はもちろんレンガ。\n うまくいけば今日でこの村ともお別れできます。\n\n「そっかぁ。結局よくわからないままか」\n\n「ええ。もしかしたら何か法則があるのかもしれませんけれど、残念ながら私には分かりそうにありませんね」\n\n「でももうひとつのほうは簡単なんだろ?」\n\n「そうですね。うまくいけばすぐに終わるのではないでしょうか」\n\n 道ができていないから材料のレンガを集めろ。\n それで済むはずですからね。\n\n「報酬が同じなら簡単な方がいいからね」\n\n 本当にそう思います。\n それにしても気付けば村への滞在も今日で4日目ですか。\n さすがに飽きてきましたよ。\n\n なによりも、大きなお部屋がないのがいけませんね。\n\n\n 昨日と同じ小川です。\n NPCも昨日と同じように川底の泥を集めていました。\n\n「おはようございます。今日も手伝わせてもらえませんか?」\n\n「お……おお。今日は大勢だな」\n\n 合計9名ですからね。\n おじさんが驚くのも分かります。\n\n「手伝ってくれるのはありがたいが、こんな川だからなあ。……そうだな、手伝うのは5人までとしてもらおうか」\n\n むむ……。\n クエストのレンガの残りが5つ、手伝うのは5人。\n つまりそういうことなんですね。\n\n 今眼の前では彼女たちがじゃんけんをしています。\n 負けた人たちが泥集め、勝った人は狩りに行きます。\n 私とエジアも狩りに行く予定です。\n 昨日レンガあげただろ? って言われちゃいましたから。\n\n 泥集めが面倒なことも伝えているので皆さん結構必死です。\n ……狩りに比べるとどうしても単調になりますからね、気持ちはわかります。\n\n「負けたっ! 夕凪、代わってくれ!」\n\n「うーん、ちょっとムリかなぁ」\n\n そのちょっとは絶対ですよね。\n\n 結局、泥集めはアイリー、リコ、マトヴィさん、紫桜さん、そしてティエル。\n 狩りにいくのが私、夕凪さん、エジア、ヨウとなりました。\n あまりよくないバランスな気もしますがこれもじゃんけんの結果です。\n シャワーリザード対策は万全ですので問題はないでしょう。\n\n「ユウカさん……」\n\n そんな目をしてもダメですよ。\n 頑張ってと声をかけて、私たちは村の外へと向かいます。\n\n\n------\n\n\n「なんか分かったかもね」\n\n 村の入口へと向かう道中、夕凪さんが口に出します。\n\n「レンガ集めなんて、もう一個のクエストに比べるとすごく簡単に思えたけど、多分その理由がわかったかなあって」\n\n「……もしかして場所でしょうか?」\n\n「そうそう。家主に襲われるのは何もしなくても自動的に襲われるし、それでクエストにも気付けるけどさ。レンガ集めのクエストって、あの場所に行かなきゃ始まらないんだよね」\n\n ここの村、入り口からはわからないほどに内部が広く作られています。\n 入り口のすぐ目の前に民家が密集しているので一見狭そうなのですが、林や畑なども村の柵の中に入っているので思った以上に広いです。\n 私がレンガのクエストを見つけたのも村の中を彷徨った結果ですからね。\n\n「では、もしかしたら残りの石碑に対応するクエストも村の中にあるのかもしれませんね」\n\n もう石碑の内容も覚えていませんけれど。\n\n\n「それで、本当にエジアちゃんも戦闘に参加させるの?」\n\n「私も不安なんですけれど……」\n\n「まかせてなの。竜族は戦闘が得意なの」\n\n エジアの強いアピールに折れた形です。\n まあこの辺の敵は安全に狩れるので、様子を見ながらというところです。\n\n ただ、エジアの戦闘スタイルなんですけれど。\n どうやら素手らしいのです。\n モンスターを殴ったり蹴ったりと、私以上にモンスターに近寄るスタイル。\n いざというときのフォローが出来るかどうかが不安です。\n\n「来ましたね」\n\n まず現れたのはシャワーリザードが2体。\n エジアのフォローを念頭に戦いましょう。\n\n「私の側から離れてはいけませんよ」\n\n「わかったの」\n\n ああ、不安です。\n\n 短刀を構えた私とヨウがエジアの両隣につきます。\n 夕凪さんは槍を構えてエジアのすぐ後ろ。\n どこからでも彼女をフォローできる構えです。\n\n 鈍重なシャワーリザードのターゲットを私がとり、横からエジアが殴りつけました。\n 吹き飛ぶようなことはありませんが、HPゲージが少し減りました。\n 言うだけあって素手なのに攻撃力はあるみたいです。\n\n シャワーリザードの尻尾に対してはヨウが対応します。\n 後ろから攻撃しては尻尾を回避し、エジアにまで尻尾のビンタが届かないように配慮しています。\n こういう動きはさすがでしょう。\n\n「くるよっ! 下がって!」\n\n シャワーリザードが光ると同時に夕凪さんから大きな声。\n エジアも遅れずに、私と一緒に夕凪さんの後ろへと回り込みます。\n 飛んできた水の粒は夕凪さんが構えた盾でしっかりとガード。\n うん、思った以上に問題はなさそうですね。\n\n「ガアッ」\n\n 噛み付いてきたところをバックステップで回避。\n 私は丈夫な盾は持っていないので、シャワーリザードをその場に固定するということはできません。\n なので攻撃する皆さんも一緒に動きまわることになるのですけれど、その動きに皆さんきちんと付いてきてくれています。\n まあ、動くといっても一歩二歩ですからね。\n\n 結局は問題など起こらずに狩ることができました。\n エジアの攻撃は素手である以上私たちの中では一番低いのですが、それでもしっかりとダメージは与えていました。\n 今後はしっかりとした武器防具を揃えてあげなければなりませんね。\n\n エジアのレベルはいくつぐらいなのでしょう。\n 見た目通りに低いのだとすると、今後の成長にもちょっとだけ期待してしまいます。\n\n\n その後も安定して狩りを続けることができています。\n エジアは素早い動きで殴って避ける、というよりもどっしり構えて一撃をしっかり入れる動きです。\n そのため、私たちがいかにしてモンスターからターゲットをとり続けるかが重要になります。\n\n 一番簡単なのは、強い攻撃を入れること。\n 今のところエジアの攻撃力はそれほどでもありません。\n だから私や夕凪さんやヨウが攻撃を入れるだけでターゲットは移るので、エジアが直接攻撃されるということはありませんでした。\n でも今後、エジアの攻撃力が高くなった時のことを考えると不安になります。\n 確かリコには盾職だけあってターゲットを惹き寄せるようなスキルがあったような気もします。\n リコと組ませるのが一番安全なのかもしれません。\n\n 素手でも相手の攻撃を弾くようなことはできるのでしょうか。\n 尻尾ビンタにタイミングを合わせて殴るとか。\n それが有効ならば、急いでエジアの装備を作ったほうがいいでしょうね。\n 丈夫なグローブと丈夫な靴。\n シャワーリザードの革はそこまで立派ではありません。\n 何かいいものがあるといいのですけれど……。\n\n そんなことを考えてしまったからでしょうか。\n\n「おおきいの」\n\n「大変大きいです」\n\n「ちょーっと大きすぎかなあ」\n\n それはちょっとじゃありませんよね?\n\n 目の前にはシャワーリザード、の見た目をしたオオトカゲ。\n 通常のシャワーリザードは尻尾を入れても全長2mに満たない程度、胴体だけならそれほどでもありません。\n でも今目の前に現れたのは、ゆうに倍以上あります。\n 胴体も太く、半端な攻撃では通りそうにありませんでした。\n\n「どうする? 逃げよっか?」\n\n「でも、逃してくれるでしょうか」\n\n 大きなシャワーリザードはしっかりとこちらを見据えています。\n 下手に逃げ出したりすると追いかけられそうですね。\n 身体が大きいぶん足も早いでしょうし、簡単に逃げられるとも思えません。\n 覚悟を決めて立ち向かうことになりました。\n\n「私が正面を受け持ちます! 皆さんは回避を念頭に動いてください!」\n\n 幸いなのは身体が大きいぶん、初動が目立つということでしょうか。\n これならエジアでもなんとか避けられるかもしれません。\n\n 夕凪さんには弓に持ち替えてもらいました。\n 近寄らないことが一番安全ですからね。\n\n 私の目の前にシャワーリザード。\n 口が大きく、下手をすれば丸呑みされてしまいそうなぐらいです。\n 大きく広い口ととがった牙が目立ちます。\n けれど恐れてはなりません。\n 所詮は安全に倒せるシャワーリザードなのですから。\n\n「はあっ!」\n\n まずは口をかすめるように斬りつけます。\n ほんとうにただかすめただけ、思った以上に斬り込めません。\n 大きくなった分革も暑く、防御力が高くなっているようですね。\n これは時間が掛かりそうです。\n\n「グアアッ!」\n\n 目の前に大きな口が迫ります。\n 思いっきり横へジャンプ。\n 私の足先で蜥蜴の口がばくんと閉じます。\n うわあ……一瞬で噛みちぎられそうです。\n\n エジアは基本的に夕凪さんのすぐ側に。\n チャンスがあった時だけ蜥蜴に駆けよって一撃、そしてすぐに戻るということを繰り返してもらっています。\n 夕凪さん、ナイスな指示です。\n これなら不安はあまりありません。\n\n ちくちくと小さなダメージを与え続けます。\n 素早さの高い私のステータスのおかげか、今のところ致命的なダメージは受けていません。\n たまにかすめて少しHPが減っているぐらいです。\n\n ヨウも頑張っています。\n さすがにこの大きさで背後に回りこむのは危険なので、一番動かない前足の後ろ辺りの胴体へと攻撃しています。\n 尻尾も届くか届かないかの場所なので、逃げるにも結構安心です。\n\n そうして少しずつ少しずつダメージを与えていると、蜥蜴の身体が光り出します。\n\n「ふたりとも、こっち!」\n\n 盾を取り出して構えた夕凪さんが叫びますが、さすがにそこまでは下がれないでしょう。\n ヨウと目配せし合い、お互いに呪文を詠唱します。\n\n「──サーブルハイド!」\n\n 身体を高くして光っている蜥蜴の足元まで走ってその影に隠れます。\n ヨウもなんとか間に合ったところで蜥蜴の全身から水の粒が飛び出しました。\n\n これが小さな蜥蜴との違いなのでしょうか。\n 小さなシャワーリザードの水の粒は、全身から対象に向かってのみ飛んでいきます。\n けれど大きなシャワーリザードの場合は、地面を除いた全方向へと飛んでいっているみたいです。\n 誰かを囮に、という手段は取れないみたいですね。\n 幸いにして威力は変わらないらしく、夕凪さんは無事にやり過ごせたみたいでした。\n\n「──シャドウアーム!」\n\n 影に潜んだまま、呪文を唱えていました。\n 蜥蜴が水の粒を吐き出し終えたと同時に身を出し、その身を縛り付けます。\n 蜥蜴の影から何本もの黒い腕が伸びて、その脚と尻尾に絡みついていきます。\n でも。\n 蜥蜴がほんの少し身動ぎするだけで、黒い腕は簡単に散ってしまいました。\n\n「ユウカちゃん! ユニークに状態異常は効きにくいよ!」\n\n 文句なんてありません。\n これは私が知っておくべき知識でしたから。\n\n その後はふたたび避けてはちくちく攻撃するというパターンに入ります。\n このペースだと、あとどれくらい続けたらいいのでしょうね。\n なんとか狩れそうですけれど、すごい時間がかかりそうです。\n 何かがあれば……。\n\n 気になっていることがありました。\n この蜥蜴、頬の部分が少しだけ赤くなっているのです。\n 頻繁に顔を振るのでなかなか攻撃できないのですが、とっても気になります。\n 少しだけリスクを背負ってみましょうか。\n\n そういえば、実践で使うのは初めてです。\n\n「目に見えるものが正しいとは限らない」\n\n 無事に釣られてくれるか少しだけ不安です。\n\n「あなたの怯える心は違う相手を見せるでしょう」\n\n 攻撃されたらどうなるのかも不安ですが、ここはやる場面でした。\n\n「──ポイントシフト」\n\n 詠唱を終えると、私の身体が地面に沈んでいきました。\n 私のちょうど隣から、私と同じ姿をした影が盛り上がっていきます。\n 蜥蜴のターゲットは私のまま。\n そのまま、蜥蜴は身動きを止めた私の影へと噛み付きました。\n\n「おねえちゃんっ!」\n\n 影の身体が食べられたところで私は地面から浮かびます。\n どうやら強制的に浮かばされてしまうようでした。\n 蜥蜴は影に噛み付くために、その身を一歩乗り出しています。\n 私の横に噛み付いたということは。\n 目の前に、蜥蜴の側頭がありました。\n\n 目の前の赤い頬に向かって短刀を突き刺します。\n リスクを背負って思い切り深く。\n\n「ガアアアアアッ!!」\n\n 蜥蜴が悲鳴を上げ、その身を高く持ち上げました。\n どうやら弱点だったみたいです。\n HPは今までの攻撃よりも目に見えて減っていました。\n\n「夕凪さん! 頬の赤い部分を狙ってください!」\n\n ここからは夕凪さんの出番です。\n 彼女の弓の腕前はなかなかのもので、大蜥蜴の頬を狙うぐらいなら余裕でしょう。\n 私が噛まれたことにエジアと一緒にフリーズしていましたが、すぐに弓を構えてくれました。\n ……そういえば、この魔法は夕凪さんにも教えていなかったかもしれません。\n\n あとは簡単でした。\n 私が噛み付きを回避して、身体が伸びきったところに夕凪さんが矢を放ちます。\n ターゲットが大きいので簡単に矢は刺さり、ごりごりと大蜥蜴のHPを削ってくれました。\n 倒し方が確立した後は簡単です。\n 躱して隠れて攻撃して、なんとか大蜥蜴を倒すことができました。", "afterword": "名前:ユウカ\n種族:人間Lv64 (↑5)\n職業:盗賊Lv94 (↑9), 復讐者Lv32 (↑2)\nクラン:Crystal Vespa\n-\nHP:655/3300 (↑250)\nMP:2250/3300 (↑250)\n-\nSTR:255 (↑10)\nVIT:120\nAGI:755 (↑55)\nDEX:590 (↑45)\nINT:350\nポイント:300 (↑50)\n-\n【パッシブスキル】\n短剣Lv100, 投擲Lv28\n看知の瞳Lv32, 工人の瞳Lv7\n夜目Lv31, 超聴覚Lv51 (↑2), 気配察知Lv54 (↑2)\n農業Lv12\n【アクティブスキル】\n影魔法Lv100\n隠密Lv47, 解錠Lv20\n料理Lv32, 裁縫Lv81, 釣りLv8, 製糸Lv26\nポイント:171 (↑12)\n-\n【実績】\n復讐達成+5, 性豪+7, 信頼+3, 呪文個性+8\n-\n【資産】\n1,702,765e\n-\n【装備】\n武器:短刀・黒光、短刀・白光\n防具:速度低下耐性の和服、隠密補正の帯\n 雨蜥蜴のアーミーベスト\n 鰐皮の篭手、鰐皮の脛当て\n 隠密補正のマフラー\n 認識阻害のアームカバー、認識阻害のタイツ\n 速度低下耐性のサラシ、黒い下着\n装飾:婚約の腕輪+6\n 転移のイヤリング"} |
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