| {"novel_id": "n0005cn", "chapter": 108, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0005cn/108/", "title": "108 本物を偽物に", "content": "「どうしましょう……」\n\n どうしたらいいのでしょう、なにをしたらいいのでしょう。\n 思わず呟いてしまうぐらいには焦っています。\n\n そう、ログアウトする直前の話です。\n マトヴィさんに見られました。\n ついでに紫桜さんにも。\n\n 口止めをしなければ。\n 見られてしまったことはもうしょうがありません。\n もう取り返しがつきません。\n でも、それは拡散することは。\n 黙っていてもらうことが必要でした。\n\n 隣には裸で眠っているアイリー。\n 彼女も当事者ですが、彼女に責任はありません。\n いえ、そもそも誰にもありません。\n だから彼女にお願いするというのは筋違いです。\n\n ベッドには他に、リコもティエルもエジアもいます。\n みんな仲良くひとつのベッドで眠っています。\n もちろん彼女たちに文句を言うわけにもいきません。\n\n「ユウカちゃんっ!」\n\n バスルームへと続く扉が開かれました。\n 飛び出てきたのはベッドにいなかった夕凪さん。\n 私よりも早く起きていたみたいです。\n\n「おはようございます、夕凪さん」\n\n「ユウカちゃん、こっちこっち!」\n\n 朝からテンション高く私を手招いています。\n 夕凪さんは下着だけ。\n シャワーでも浴びていたのでしょうか。\n\n 私は裸のままでバスルームへと向かいます。\n\n「じゃ~~ん!!」\n\n 何故か仁王立ちになる夕凪さん。\n もちろん彼女の美しさは十分に存じていますよ。\n\n「ユウカちゃん、下、下」\n\n 夕凪さんの顔を見つめていたら下を見ろと言われてしまいます。\n 指差すところを見ると……。\n\n「わーお……」\n\n いえいえ、おちんちんです。\n 私ではない、夕凪さんの身体におちんちんが生えていたのです。\n\n ハッとして夕凪さんの顔を見つめますが、間違いなく夕凪さん。\n バーチャルな世界を引きずっているわけではありません。\n もちろん私の身体も私のまま、おちんちんも生えています。\n\n「よくわかんないけど、バグなんじゃないかな?」\n\n つまり、バグを引き起こす程度には私は一般的ではないということでしょうか。\n はあ……。\n なんだか現実をつきつけられたみたいです。\n\n「ほらほら、落ち込まないで。」\n\n 抱きしめついでにおちんちんも押し付けてきます。\n 私と夕凪さんは背も同じぐらいなので、ちょうどおちんちん同士が触れ合ってします。\n ですから大きくなってしまうのも当然です。\n\n「あら?」\n\n ちょっと気になったので夕凪さんの隣に並びます。\n 下を見下ろすといつもの風景、大きくなった私のおちんちん。\n 少し横を見下ろすと夕凪さんのおちんちん。\n 私とおんなじ形です。\n\n「もしかして、私のと同じなのでしょうか?」\n\n「あ、やっぱり? ユウカちゃんのみたいだなあって思ってたんだよ」\n\n 大きさとか太さとか。\n 他の人と比べたことはないのですけれど、夕凪さんに生えているものは私のと瓜二つでした。\n つまりは、昨夜身体を入れ替えて遊んだことが原因なのでしょう。\n 身体は元通りに戻っていますけれど、そもそもどちらも女性なのにおちんちんがあってなにやらよく分からなくなってどちらにもおちんちんが生えてしまったと。\n よくわかりませんけれど。\n\n「ところでユウカちゃん」\n\n 昨夜だけだと思っていたおちんちんが生えているのです。\n 夕凪さんの言いたいことも分かります。\n\n「違うよっ、ユウカちゃんはえっちだね。そうじゃなくて、これなら昨日のことにも言い訳がつくんじゃないかってね」\n\n ううっ……バスルームでお互い裸でおちんちんを大きくしてたらやることはひとつじゃないですか……。\n\n そうではなく、昨日の言い訳。\n 見られたことについてです。\n 夕凪さんにおちんちんが生えました。\n マトヴィさんは、もちろん夕凪さんが女性だということを知っているはずです。\n つまり、おちんちんを自由に生やせるんだよって、そういうことでした。\n\n「……すみませんが、お願いしてもいいでしょうか」\n\n「ふふっ、もちろんだよ。それに私も気持ちいいしね」\n\n とりあえずは一安心です。\n そして安心したらやることはひとつです。\n まだ早朝よりも早い時間、バスルームにふたりだけ。\n やることは決まっていました。\n\n「あんっ……」\n\n\n------\n\n\n「なによそれっ!!」\n\n 響き渡るのはアイリーの声。\n 指差されているのは夕凪さんのおちんちん。\n\n「ふふっ、いいでしょ。ユウカちゃんとおそろいだよ」\n\n うう、そんなに煽らないでいただきたいのですけれど。\n\n「ずるいわよ! 私はなんにもできなかったのに……」\n\n「ふふん、機械音痴なアイリーが悪いんだよ」\n\n アイリーもそんなにショックを受けないで。\n また遊びに来たらいいんですよ。\n\n「……別に、おちんちんが生えてほしいわけじゃないし」\n\n「ユウカちゃんとおそろいってのが羨ましいんだよね」\n\n「っ、夕凪っ!」\n\n まったくもう。\n\n\n「それじゃあ私は隣に行ってくるからね」\n\n 朝からマトヴィさんのいる部屋に突撃、そして一日掛けて説得してくれるそうです。\n 秘密の薬で一時的に生えたという話にするのだとか。\n 果たして信じてもらえるのでしょうかね。\n\n 私たちは今日も周辺の探索です。\n 思えば晴れの中で狩りをするのも久し振りです。\n それになによりも新たな土地です。\n きっと色んなものが見つかるでしょう。\n\n「野菜みたいなモンスターがいましたよっ! きっと野菜の種も落としてくれますよ!」\n\n あの村で手に入れた情報では、野菜は西から運んできているという話でした。\n 今私が手に入れているのはカブの種だけ。\n もっともっとたくさんの種を手に入れたいですね。\n\n「昨日はどのあたりを見てきたんでしょうか」\n\n「えっと、はいマップデータです」\n\n リコからマップを貰います。\n 最近知ったのですが、クランメンバーが一度行った場所だと詳細な地図データを共有できるのだそうです。\n これで大きな街でも情報収集が簡単になりそうですね。\n\n マップを眺めると、この宿を中心にしてほぼ均等に詳細な部分が広がっていました。\n これは……どこにいけばいいでしょうね。\n\n「昨日この辺りを見まわって、何か気になったものはなかったの?」\n\n「うーん、特に何もなかったですねえ」\n\n「そう……ティエルとエジアとヨウもおんなじ意見?」\n\n ヨウは夕凪さんが隣の部屋に入ったらすぐに追い出されていました。\n ありがたいことですね。\n\n「うふふ、ユウカ様の行きたいところへ付いて行かせていただきますよ」\n\n「お姉ちゃんと一緒なの」\n\n「……」\n\n 皆さん特に何も無いみたいでした。\n 昨日一緒にいたアイリーは私と同じ立場ですし。\n\n「……北に向かいましょうか」\n\n 選んだ理由は簡単です。\n まず、街道は東西に伸びています。\n どうせ移動で通るので排除です。\n 北と南では、海が北にあるからですね。\n 目的はあくまでもクランのホーム探しですからね。\n\n 今日の探索する場所も決めました。\n それでは出発、その前に。\n\n「アイリー、前に作ってあげた装備品を出してもらってもいいですか?」\n\n「……えっ!?」\n\n いきなりで驚いたのでしょうか?\n\n「エジアの装備品なんですけれど、前にアイリーに作ってあげたカーゴパンツがちょうどいいと思うの。ポケットもたくさんあるし、多分いまの作業着風の服と変わらずに使えるんじゃないかと思うの」\n\n アイリーは、なんだか泣きそうな顔をしています。\n\n「アイリー、どうしたの?」\n\n「ユウカさんっ、ユウカさんっ」\n\n クイクイっとリコに引っ張られます。\n\n「ユウカさんに作ってもらった装備だからずっと取っておきたいんですよ。私もこの作ってもらったユウカさんの装備を他の人にあげるからって言われたらショックですもん」\n\n ううん、なるほど?\n 言われてみるとたしかに失礼だったかもしれません。\n アイリーに上げたのですからもうアイリーの装備品ですもんね。\n\n「ごめんなさい、アイリー。とっても失礼なことを言ってしまいましたね。エジアもごめんね、今はちょっと素材を切らしていますけれどあとでちゃんと服も作ってあげますからね」\n\n「私こそ……ユウカさんは別に、悪くないし……」\n\n「期待して待ってるの」\n\n そうそう、装備品を作れないのです。\n モンスターを狩るよりも、糸の素材を探したほうがいいかもしれません。\n ちょうどいいことに北方面は深い草原です。\n 麻なんかもきっと生えているでしょう。\n\n\n「リコは薬はまだ余裕があるの?」\n\n「あんまり薬は使ってませんからねえ」\n\n そういえばあまり狩りには出ていませんからね。\n 街に引きこもっていたようなものですから。\n\n 今のメンバーで【工人の瞳】を持っているのは恐らく私だけ。\n 素材を探すにも私が見つけなければいけません。\n 私は遠くを見たり近くを見たり左右も行ったり来たりです。\n ちゃんと視界に収めないと素材の名前がわかりませんからね。\n\n そんな私に皆さんは付かず離れずです。\n ティエルだけは私の後ろ。\n 彼女だけは純粋な魔法使いですからね。\n\n「ユウカさん、あれが昨日見たモンスターですよ!」\n\n ハッとしてリコの指す方向を見つめます。\n\n「……にんじん?」\n\n オレンジ色の体に、髪の毛っぽい部分だけが緑色です。\n 短いですけれど、ちゃんと手足も生えています。\n 胴体が縦に長い逆円錐です。\n デフォルメされた人参のキャラクターです。\n\n「名前は……『キューロット』ですか」\n\n なんとも微妙な名前です。\n ただ人参なので、もしかしたら種を落とすかもしれませんね。\n\n「エジアちゃん、お願いできますか?」\n\n「任せるの!」\n\n リコの指示でエジアがキューロットに向かいます。\n キューロットは見た目通りに目がないのか、その場をウロウロし続けるだけでした。\n そのキューロットめがけてエジアが思い切り脚で蹴り上げました。\n キューロットは手足が生えているといっても高さは50cmもないでしょう。\n つまり、吹き飛んでいったのです。\n\n ちょっと大きな人参が放物線を描いて飛んでいき、途中でその身体を消失させていました。\n 見た目通りに弱いのですね。\n\n「このへんのモンスターは全部弱いみたいなんですよお。昨日は夕凪さんがぜひエジアちゃんにってことだったんですけれど、ほんとにエジアちゃんだけでずーっと倒してましたからね」\n\n 夕凪さんもエジアを鍛えようとしてくれたみたいですね。\n それにしても、こんなに弱いのですか。\n\n「ちなみになんですけれど、リコは攻撃を受けましたか?」\n\n「一応盾で受けましたけど、ダメージなんてありませんでしたよう」\n\n これはマトヴィさんに確認しとけばって言われたそうです。\n しかし攻撃力もなくすぐ死んでしまうのなら、まったく危険はないといえるでしょう。\n 私は無視して素材探しですね。\n\n その後も北へ向かいながらウロウロし続けます。\n キューロット以外にも野菜のモンスターは表れました。\n\n まずは『オニオンズ』。\n 名前の通り玉ねぎですね。\n 目がないのも手足が生えているのもいいのですが、それが頭でくっついているのです。\n 複数の玉ねぎ、複数の手足。\n でも頭の上から生えている芽はひとつにくっついているのです。\n 動くとめちゃくちゃ気持ち悪いですね。\n 弱いからいいんですけれど。\n\n 次に見かけたのは『ほうれんソード』。\n ほうれん草がほうれん草を振り回しているのです。\n 人間を模しているほうれん草と、剣を模しているほうれん草のふたつで一組みたいです。\n もちろんほうれん草なのでまったく痛くありません。\n なんなんでしょうね。\n\n ドロップはなにもありません。\n 種はレアなドロップだとして、野菜ぐらいは落としてくれてもいいと思うのですけれどね。\n 昨日もたくさん倒したけれど、ドロップはまったくなかったみたいです。\n 戦闘で気を使わないのはいいんですけれど、さすがに弱すぎる気もします。\n\n そんなこんなで進んでいき、やっと麻畑を見つけました。\n とりあえずは一安心、これで糸の素材も何とかなりました。\n 麻糸だから太くなりがちですけれど。\n\n「私は適当に集めているので、皆さんはゆっくりしててくださいね」\n\n 麻を刈っていると最初の頃を思い出します。\n あの時は夕凪さんとふたりだけで麻畑まで行ったんでしたよね。\n そうそう、その後は初めてPKの被害にあったのでした。\n う……へんな想像をするんじゃありませんでした。\n あのあと夕凪さんに襲いかかったことを思い出して、ついおちんちんが服を圧迫してきます。\n\n 少し落ち着こうと、一心不乱に刈り取ってから皆のところに戻りました。\n エジアとアイリーは狩り、リコとティエルとヨウはその場で待っていてくれています。\n その場に戻ったのですけれど。\n\n「お前ら、なにしてるんだっ!」\n\n 直前、大きな声が聞こえました。", "afterword": "名前:ユウカ\n種族:人間Lv64\n職業:盗賊Lv94, 復讐者Lv32\nクラン:Crystal Vespa\n-\nHP:3300/3300\nMP:3300/3300\n-\nSTR:255\nVIT:120\nAGI:755\nDEX:590\nINT:350\nポイント:300\n-\n【パッシブスキル】\n短剣Lv100, 投擲Lv28\n看知の瞳Lv32, 工人の瞳Lv11 (↑4)\n夜目Lv31, 超聴覚Lv51, 気配察知Lv54\n農業Lv12\n【アクティブスキル】\n影魔法Lv100\n隠密Lv47, 解錠Lv20\n料理Lv32, 裁縫Lv81, 釣りLv8, 製糸Lv26\nポイント:172 (↑1)\n【レジストスキル】\n幻惑耐性\n-\n【実績】\n復讐達成+5, 性豪+7, 信頼+3, 呪文個性+8\n-\n【資産】\n1,702,765e\n-\n【装備】\n武器:短刀・黒光、短刀・白光\n防具:速度低下耐性の和服、隠密補正の帯\n 雨蜥蜴のアーミーベスト\n 鰐皮の篭手、鰐皮の脛当て\n 隠密補正のマフラー\n 認識阻害のアームカバー、認識阻害のタイツ\n 速度低下耐性のサラシ、黒い下着\n装飾:婚約の腕輪+6\n 転移のイヤリング"} |
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