Krixter/Repo / n0005cn /109.json
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{"novel_id": "n0005cn", "chapter": 109, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0005cn/109/", "title": "109 目の前には野菜の宝庫", "content": "「お前ら、何してるんだっ!」\n\n 聞こえてきた険のある声につい駆け出しました。\n その場にはリコ、ティエル、そしてヨウ。\n これは分かっていた通り。\n 彼女たちに加えて、カマをもった少年がいました。\n\n「どうしましたか?」\n\n 急いで駆け寄ります。\n とても穏やかという雰囲気ではありませんでしたから。\n\n「どうしたもこうしたもあるか! ここで何をしていたんだ!」\n\n さて、少年は落ち着かない様子です。\n そして彼の様子。\n カマを持っているということは、使うつもりがあったということで。\n\n「……もしかして、ここはあなたのものでしたか?」\n\n「……べつに、そういうわけじゃない」\n\n ……はて?\n てっきりこの麻畑は彼のもので、だから怒っていると思ったのですけれど。\n\n「すみませんが、私たちにはあなたがどうして怒っていたのかが分からないのですけれど……」\n\n「ふんっ! お前たちがここをうろついてたからだ!」\n\n ……ちょいちょい。\n リコを手招きます。\n\n「私たちって、そんなに怪しかったでしょうか?」\n\n「そうは思わないんですけれど……」\n\n そうですよねえ。\n 皆女の子です。\n 怪しいはずがありません。\n\n「……このへんで見ない顔が揃ってたんだ、怪しいと思うのは当然だ」\n\n 私とリコがこそこそ会話してたら、当たり前だろうという様子で話してくれました。\n\n むむ。\n 彼の立場で考えてみましょう。\n NPCということは捨て置いて。\n カマを持っている様子から、彼は日常的にこの場に麻を刈りに来ていると思われます。\n そこに、初めて見る人間の集団がいました。\n さて、どう思うでしょうか。\n\n もしも私だったら、隠れて様子を見るかもしれません。\n そして彼は、隠れずに話しかけることを選んだと。\n そういうことなのでしょう。\n\n「すみません、挨拶が遅れました。私たちは旅をしている途中で、今日は街道の宿屋に泊まるつもりなのです。今はちょっと様子を見ようと周辺を探っていただけなのです」\n\n さらに考えます。\n 恐らく彼の村は結構近くにあるのでしょう。\n 私たちが立ち寄る可能性もあります。\n 果たして突然やってきた旅人は安全なのでしょうか。\n 盗賊という可能性ももちろんあります。\n あの村のように、村の中も安全地帯ではない可能性もあります。\n そうなると様子を見るだけでは足らず、声をかける必要もあるでしょう。\n 私たちには、悪いことはしませんよというアピールが必要なのです。\n\n「そこでこの辺りに来たところでたまたま麻畑を見つけたので、ついでに刈らせていただきました。ここにいる皆さんの服は私が縫ったんですよ。そうそう、あなたの村で糸を手に入れることはできないでしょうか。麻はこうして見つけましたけれど他の糸も今足りてないんですよ。あと魔物の素材もですね。魔物といえばこのあたりにいる魔物はとても弱いですよね。何か特殊なものを落としたりしないのでしょうか?たくさん倒しているんですけれど何も落としてくれないんですよ」\n\n「いや、もういい、お前たちが怪しくないのはわかったから……」\n\n「そうですか?」\n\n あらあら、いけませんよ。\n いまのなんてむしろ怪しくて怪しくてしょうがないでしょうに。\n\n「俺はよく分かんないから、何か聞きたいことがあるなら村の人に聞いてほしい」\n\n どうやら案内してくれるみたいです。\n アイリーとリコの合流を待って、村まで案内してもらうことになりました。\n\n\n------\n\n\n 歩いている途中に少年から村の話を聞きました。\n まず人口は50人ぐらい、とても小さいです。\n 老若男女と揃っていますが、増える見込みは無いそうです。\n 農耕をメインとし、特に育てているのはピーマンだそうでした。\n\n カブに続いてピーマンが手に入りそうです。\n\n 少年の後ろを歩いて行くと畑が見えてきました。\n 育てているのはもちろんピーマン。\n そして……どうやら畑は村の囲いの外にあるみたいです。\n まあ、出てくるモンスターは弱いですしね。\n\n「ユウカさん、勝手に村まで行って大丈夫なの?」\n\n「今日中に宿に戻れば問題ないでしょう」\n\n 夕凪さんたちは宿屋にいますからね。\n さすがに勝手に泊まるようなことまではしません。\n\n「あなたの村には商店みたいなものはありますか? できたら糸を購入したいのですけれど」\n\n「あるけど……何を売ってるかは分からない」\n\n まあそういうものかもしれません。\n 見たところ彼は麻を刈るのが仕事のようです。\n 用事がなければ行かないですからね。\n\n そうして村の入口までやってきました。\n 一応簡易な木の柵で囲われているのですが、ただ跨ぐだけで超えられるぐらいの簡単なものです。\n きっと平和な村なのでしょう。\n 家屋は20戸ぐらいでしょうか、いくつかは空き家かもしれません。\n\n「ちょっと待っててくれ、人を呼んでくる」\n\n 私たちを村の入口に放置して彼はどこかへと去ってしまいました。\n とりあえずは待機です。\n\n「なんか……特に何もない村ね」\n\n「そういうのが普通だと思いますよ」\n\n「そうですよう。全部の村に特徴持たせたりしたらすぐに村が無くなってしまいますもん」\n\n 特徴ある村ばかりだったら、特徴のない村が存在しないということで、それは村の数が少なくなってしまうことにつながります。\n カリスマアイデアマンがいたら別でしょうけれどね。\n\n このVRゲームの全盛期、それも視覚だけではなく全身型、または没入型ともいいましょうか。\n このタイプのゲームの開発にあたって一番変化したところはマップの広大化だと聞いたことがあります。\n 今までは例えば歩く速度なんかも一定で、だから動ける範囲は小さなもので済みました。\n だけどそれはプレイヤーが見下ろしているからこそできたことです。\n こうしてバーチャルの世界に入って体験するにあたっては、既存のフィールドでは狭すぎたのです。\n\n だから大きなフィールドが必要。\n 大きな街が必要。\n なによりもたくさんの街が必要。\n その分ひとつひとつは薄味に。\n\n 昔ながらのゲームのプレイヤーは、こういったVRの薄味な世界が苦手な人もいるそうです。\n なんとなく理解できる気もします。\n こういうゲームは助長に過ぎるということですね。\n\n とまあ私のにわかなゲーム談義は置いておいて、この村です。\n 特徴がなくて当たり前、けれど小さな特徴はあります。\n おそらくそれがピーマンなのでは、と思うのです。\n\n「あっ! 来たみたいですよっ!」\n\n 向こうから少年と、ちょっと綺麗なお姉さんがやってきます。\n この場合のちょっとは、ちょっと信じられなくらいという意味ですね。\n つまり、とても綺麗なお姉さんでした。\n\n「怪しいってのはこの子たちのことかい?」\n\n まあ、まあまあまあまあ。\n 少年は結局私たちを怪人として紹介したみたいです。\n まったくなんてひどい話でしょう。\n まあお姉さんは笑っているので冗談なんでしょうけれども。\n\n「ご紹介にあずかりました、怪しい女のユウカと申します」\n\n「この子がどうやら失礼なことをしたみたいでごめんなさいね、この子の姉のミーオだよ」\n\n ミーオさんは笑っています。\n 私の悪乗りにも悪い気はしていない様子です。\n\n「それで、なにか聞きたいことがあると聞きました」\n\n ミーオさんはこの村唯一の商店のお嬢さんだそうです。\n あれ、弟さんなのに何が売っているかも知らないんですね。\n\n「店番は女の役目ですからね。男は村の外にでるものなんですよ」\n\n なんとも不思議な……いえ、昔なら当たり前だった風習なのかもしれませんけれど。\n\n ミーオさんに付いて行って商店の中を見せていただきます。\n お聞きしていたとおりに小さな商店です。\n 小物の雑貨がいくつか置いてあるぐらい。\n 食べ物なんかはありません。\n そういうお店はないのでしょうか。\n\n お店を確認するのは私だけで十分なので、皆さんには村での情報収集をお願いしました。\n まずはピーマンの種です。\n 他にもわかるならば、周辺のモンスターについて聞き出せたらいいですね。\n\n さてさて、まずはお目当ての物をっと。\n 麻糸は置いてありますね。\n あとは綿糸も。\n 残念ながら他にはない様子です。\n\n「とりあえずはこちらとこちらの糸をお願いします」\n\n お店が困らない程度にたくさん買わせていただきます。\n これでわざわざ麻を狩る必要もなくなりました。\n 手元に残るのは先程まで刈っていた大量の麻。\n\n「すみませんが、こちらの買い取りは可能でしょうか?」\n\n「ああ、それなら問題ありませんよ。ただだいぶお安くなってしまいますけれど」\n\n もちろん構いません。\n 喜んで全部差し出しました。\n\n そして用事も終わりです。\n これからは情報収集の時間でした。\n\n「はあ……」\n\n ……。\n\n「はあ……」\n\n 何を話しかけようかな、と思っていた時です。\n ミーオさんが目の前でため息を付きました。\n\n さて、これは初めての経験です。\n 基本的にNPCというのは自発的な行動はしません。\n 少なくとも私はそう思っています。\n\n 例えばティエル。\n 彼女と初めてであったとき、彼女はただの娼婦でした。\n 気持ちよくさせてあげることで仲間になりましたが、それだけです。\n えっちな事が大好きなので、定期的にえっちをしてあげないとすねます。\n でもそれはそう設定されているということで、それ以外で彼女が自分から何かをしたり、話しかけてきたりということはありません。\n\n 例えばエジア。\n 彼女には鍛冶師になるという目標がありました。\n それを手伝ってあげたことでパーティーの一員となりましたが、それ以降はティエルとおんなじです。\n 別にえっちなことが好きということもありません。\n もちろん誘えば応えてくれますが。\n ああ、そういえばそろそろいい時期かもしれません。\n いえいえ、話がそれました。\n\n ミーオさんが目の前でため息を付きました。\n 彼女の仕事は商店の売り子、つまり客商売することが彼女の仕事です。\n ため息を付くことではありません。\n その彼女が私の目の前でため息を付きました。\n さて、これは何を意味するのでしょう。\n\n「……お疲れのようですが?」\n\n 悩んだ結果、このような質問になりました。\n\n「ああ、ごめんなさい。別に疲れているわけではありませんよ。ただあなた達を見ていると、私の仕事ってなんだろうって思ったんです」\n\n「お仕事について、ですか?」\n\n「……そうね、あなたになら話してもいいかもしれませんね」\n\n ミーオさんが語ってくれます。\n\n「ええ、そうなんです。ほら、こんな小さな村の商店でしょう? だからお客さんなんてほとんどいなくて、毎日暇なんですよ」\n\n「それは、もっと大きな街でお仕事をしてみたいということでしょうか?」\n\n「いえ、今の暇なのもいいんですよ。……ただね、私が生まれた時からこんな感じなの。毎日代わり映えもしなくて、ただここに立っているだけ。そんな私から見ると、遠くからやってきたあなた達がとっても眩しく見えるのよ」\n\n ……なんとなく、わかる気がします。\n たとえ代わり映えのない仕事でも、毎日がそれなりに忙しいとやりがいも出てきます。\n でも忙しくなかったら。\n そもそも存在する意味すら無いのではと考えてしまいますから。\n\n「ええっと……私たちと一緒に来ますか?」\n\n 出たのは誘いの言葉です。\n 綺麗なお姉さんが増えることは大歓迎ですからね。\n\n「うふふ、ありがとう。でもごめんなさい、私はずっと村に住んでいるから、とてもあなた達みたいにモンスターと戦うことなんてできないの」\n\n ……あら?\n てっきり仲間になってくれると思ったのに、断られてしまいました。\n\n「でも、そうね……一度でいいから──」\n\n ──。\n とっても小さな声でしたが、聞こえてしまいました。\n でも、そうですか。\n それは今すぐには叶えられません。\n 明日、ですね。\n 明日もう一度この村へとやってきましょう。\n\n「ミーオさん。今日はありがとうございます。ところで明日もここにいらっしゃるのでしょうか?」\n\n「ええ、私はこの店の売り子ですから」\n\n ミーオさんの前を辞去します。\n 彼女については、明日。\n 明日ではっきりするでしょう。\n\n\n 村の入口で皆さんと合流します。\n\n「ユウカさん、分かったわよ!」\n\n「お野菜たくさん手に入りますよっ!」\n\n 笑みを浮かべる彼女たち。\n どうやらいい情報を得てくれたみたいです。\n\n「なんとっ! 手足だけを切り落としたら野菜になってくれるらしいですよっ!」\n\n「あの弱い野菜のモンスターだけど、どうやら手と足だけを斬ったらただの野菜になってくれるみたいよ」\n\n うん、おんなじ内容ですね。\n ほらほら、別にどっちが最初に言ったかなんていいではないですか。\n\n「アイリー、それにリコも。聞き出してくれてありがとう」\n\n 言われてみたら確かにと納得できますが、気付かなかったことでもありました。\n モンスターを倒していたのは基本的にエジアです。\n エジアは徒手空拳が主体なので、胴体を殴って蹴ってで手足を切り落とすなんてことはできません。\n アイリーも手伝っていましたが胴体ごと真っ二つ。\n これではドロップしようもありませんね。\n\n「それでは帰りは私とヨウで戦ってみましょうか」\n\n「わかりました」\n\n なんだか納得していない方もいますが、今日は確認のためですからね。\n 確認できたらみなさん自由にしていいのですから、そんなに不満な顔を浮かべないの。\n\n\n------\n\n\n たくさんの野菜を手に入れながら宿へと戻ってきました。\n にんじん、たまねぎ、ほうれん草にじゃがいも。\n 他にもいくつか野菜を手に入れることができました。\n 残念ながら種は手に入りません。\n 種のドロップはまた別の条件なのでしょう。\n\n「ユウカちゃん、おかえりっ!」\n\n バンと扉が開いて、部屋で休んでいた私たちを驚かせる夕凪さん。\n その顔はとてもスッキリしていて、お肌もつやつやになっています。\n 何よりも、その身体。\n 素っ裸でした。\n 裸のまま廊下を歩いてきたのでしょうか、とっても気になります。\n\n「夕凪さん……はしたないですよ」\n\n「あはは、ごめんね。でもマトヴィ達は勘違いさせることができたからね。これで一安心だよ」\n\n そうですか、それは朗報です。\n 何をしてきたかなんて聞きませんけれど。\n\n このあとは情報交換です。\n とは言っても私たちが一方的に話すだけ。\n 村を見つけたこと、そして明日も赴くことを伝えます。\n\n「ふうん……それはとっても愉しみだねえ」\n\n にやにやしています。\n その気持はとっても理解できますけどね。\n\n 情報交換が終わると夜の時間です。\n 恒例のえっちな時間です。\n\n みんなで裸でベッドの上へ。\n 今週のおちんちんはふたつあります。\n これなら皆さんを相手にしても余裕です。\n 私はアイリーとリコの相手。\n 夕凪さんはティエルの相手。\n エジアは今日もトレーニング。\n ヨウは向こうの部屋へと戻ってしまいます。\n\n それでは、明日もいい日でありますように。", "afterword": "名前:ユウカ\n種族:人間Lv64\n職業:盗賊Lv94, 復讐者Lv32\nクラン:Crystal Vespa\n-\nHP:3300/3300\nMP:3300/3300\n-\nSTR:255\nVIT:120\nAGI:755\nDEX:590\nINT:350\nポイント:300\n-\n【パッシブスキル】\n短剣Lv100, 投擲Lv28\n看知の瞳Lv32, 工人の瞳Lv11\n夜目Lv31, 超聴覚Lv51, 気配察知Lv54\n農業Lv12\n【アクティブスキル】\n影魔法Lv100\n隠密Lv47, 解錠Lv20\n料理Lv32, 裁縫Lv81, 釣りLv8, 製糸Lv26\nポイント:172\n【レジストスキル】\n幻惑耐性\n-\n【実績】\n復讐達成+5, 性豪+7, 信頼+3, 呪文個性+8\n-\n【資産】\n1,700,750e (-2,015)\n-\n【装備】\n武器:短刀・黒光、短刀・白光\n防具:速度低下耐性の和服、隠密補正の帯\n   雨蜥蜴のアーミーベスト\n   鰐皮の篭手、鰐皮の脛当て\n   隠密補正のマフラー\n   認識阻害のアームカバー、認識阻害のタイツ\n   速度低下耐性のサラシ、黒い下着\n装飾:婚約の腕輪+6\n   転移のイヤリング"}

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