| {"novel_id": "n0005cn", "chapter": 123, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0005cn/123/", "title": "123 Real Part6", "content": " 身体中が揺れていました。\n 地震のような細かい揺れではなく、波に身を任せているような揺れ方でした。\n いえ、それ以上にゆっくりな……。\n\n ジェルというのは不思議です。\n ジェル自体は水よりも重く、恐らくジェルベッドに飛び込んでもジェルが飛び散るようなことはないでしょう。\n それでいて身体にこびりつくようなこともありません。\n\n 目を開けるとジェルが波打っていました。\n ゆっくりとした波の動きが、私の身体を揺すっています。\n\n『燈香ちゃん、もしかしなくても一晩中大きなままだったんだね』\n\n 上半身だけをベッドから出した夕陽さんが、小刻みに揺れていたのです。\n ジェルに包まれた私の耳は、不自然に震える彼女の声を捕らえました。\n\n「夕陽さんこそ、朝からお元気ではないですか」\n\n 体を起こして夕陽さんに微笑みます。\n 私のおちんちんが一晩中大きかったのはもう驚くことではありませんが、それに彼女が付き合う必要は無いのですから。\n\n「私はこのままでもいいのですけれど……」\n\n「ふふっ、どうせならシャワーでも浴びながらにしようか」\n\n つながったままに身体をベッドから起こします。\n 夕陽さんのほうが少し背が高いので、お互いがつながったままでも脚は地に着いたままでいられました。\n 少々ぎこちない動きをしながら、ふたりでシャワーを浴びに行きました。\n\n\n スッキリしたなら朝の準備です。\n とはいってもふたりとも早起きだったので、まだ家を出るまでには時間がありました。\n\n「……言いにくいだろうから、私から聞くんだけどさ」\n\n 朝食の用意をしていたときです。\n 夕陽さんからお話がありました。\n\n「燈香ちゃんさ、変に私に遠慮してるんじゃないかなって思うんだけど」\n\n「遠慮……ですか?」\n\n「そう。遠慮っていうか、変に気を使ってるっていうのかな」\n\n なんとなく、思い当たることがありました。\n 気付かれているとは思いませんでしたけれど。\n\n「そう……ですね。実はずっと、気になっていることがあったんです」\n\n 例え言葉に出したって、やっぱり不安なことはありました。\n 好きだよって言ってくれたって、それを一から十まで信じられるかは自分と相手によるでしょう。\n もちろん私は夕陽さんのことを好きですし、夕陽さんの好きという言葉を疑っているわけではありません。\n\n ただ、我慢させているのではと思ってしまうのです。\n\n 特定の相手はいなかったそうですが、一時期はマトヴィさんと動いていたそうです。\n それに、夕陽さん自身の口からも、女の子相手でもいけるということをうかがっています。\n\n 今の状況、私の相手ばかりが増えて、夕陽さんの相手は私だけというのは、とても歪んでいるのではと思うのです。\n\n そういう意味で、ティエルの存在は助かりました。\n ティエルが相手なら、私は夕陽さんに嫉妬せずにすみますから。\n\n そういう話を、しどろもどろながらもなんとか伝えました。\n\n\n「確かに、全く我慢してないというと嘘になるかもしれないね」\n\n ああ……。\n\n「でもね、やっぱりそれは燈香ちゃんの気の使いすぎだよ。私にとって、燈香ちゃんと一緒にいるということはその我慢をする価値のあるものなんだからね」\n\n「そうなんですか……?」\n\n「今までの私は本気じゃない、遊びだったんだよ。それは一度だけの付き合いだったり、一月だけの関係だったりね。ずっと付き合い続けたいと思うのは燈香ちゃんだけ、そして本気になった私が燈香ちゃん以外の子とも付き合うというのはとっても難しいことなんだよ」\n\n とても真面目な夕陽さんの表情。\n\n「私は燈香ちゃんのことを尊敬するよ。私にも亜衣里にも凛心にも等しく本気なんだから」\n\n その言葉はすっと私の中に染み込みました。\n\n「それにね、間違いなく亜衣里も凛心もおんなじ考えだよ。みんな燈香ちゃんのことが大好きなんだよ」\n\n その言葉は、私の理性を吹き飛ばすに十分なものでした。\n 夕陽さんが気絶するまで抱きました。\n\n\n------\n\n\n『鍵は入り口のポストへと入れておいてください。愛しの燈香より』\n\n ちょっとだけ恥ずかしい書き置きを残して出社しました。\n 早起きをしていたのでどうにか遅刻せずに済みそうです。\n\n 出社した時、皆さんが私を見てました。\n とっても気になります。\n くんくん。\n あのあとさすがにシャワーを浴びる時間は残っていませんでした。\n 変な匂いはしないと思うんですけれど……。\n\n そして就業時、普段とは違うおかしな光景がありました。\n いえ、普段以上にというのでしょうか。\n\n いつも以上に凛心のテンションが高かったのです。\n\n『センパイ、今日は遅かったですねっ』\n『センパイ、ここはどうするんでしたっけっ』\n『センパイ、センパイ……』\n\n それは、思わず上司が声をかけてしまうほどでした。\n\n「どうした、何があったのか」\n\n 仕事に真面目な方ですから、自ら雑談を振るというのは珍しいことでした。\n\n「今日はこのあとセンパイと一緒にご飯にいくんですよぅ」\n\n「へえ、なるほどね……」\n\n 視線が私に向けられます。\n やめてください、私は普通なんです。\n いえ、その視線は私を憐れむようでしたので、きちんと勘違いなさっているようでしたけれど。\n\n「さすがに何度も誘いを断るのは申し訳ないと思いまして……」\n\n「えへへ、これが粘り勝ちですね」\n\n「そうかい、まあほどほどにね」\n\n 今思えば凛心からはゲームで知り合う前から熱烈なアプローチを受けていたように思います。\n だから私が食事に付き合うことも、凛心のテンションが高いことも不自然ではなかったのでしょう。\n 今までの私はその熱意にすら気付いていませんでしたけれど。\n\n そして本日は水曜日。\n いくら職場と家が近いといっても飲みすぎると翌日に響きます。\n ありがたい忠告を受けて、本日の仕事を終えるのでした。\n\n\n「ええ~! それじゃあ夕陽さんをほっといたまま家を出ちゃったんですか!」\n\n「だってしょうがないでしょう。仕事に遅れるわけにはいかないのですからね」\n\n「私だったら目が覚めて燈香さんの姿が見当たらないとショックを受けちゃいそうです」\n\n そう言われるとなんだか不安になってきてしまいます。\n 夕陽さんは朝目覚めることはありませんでした。\n 朝目覚めて他人の部屋にひとり。\n その時の気分はどのようなものなのでしょう。\n\n いえいえ、そこは夕陽さんですからね。\n 気落ちするようなことはないでしょう。\n\n「それじゃあ明日は凛心を朝早くに起こさないといけませんね」\n\n「わ、私はいつも早起きですからねっ! 明日は私が燈香さんを起こしちゃいますよっ!」\n\n 職場の皆が知っていることです。\n 凛心はいつも遅刻ギリギリ、間違いなく朝は苦手なのでしょう。\n\n\n「そういえばぁ、亜衣里と夕陽さんとはお話しましたか? おふたりとも一緒に暮らすことは賛成でしたか?」\n\n ちょっとだけ頬を赤く染めた凛心が尋ねてきます。\n\n そういえば、どうでしたでしょうか。\n 亜衣里とも夕陽さんともきちんと話したわけではありません。\n でも、反対という雰囲気は感じませんでした。\n\n「どうでしょう。亜衣里は前向きな気がしますけれど」\n\n「亜衣里はそうですよね! あとは夕陽さんなんですけど、どう思ってるんでしょうかねえ」\n\n 片付けられたテーブルに凛心が突っ伏します。\n 分かりにくいというふうな凛心の言い方です。\n まあ、分からなくもないですけれど。\n\n「大丈夫ですよ。夕陽さんも多分賛成してくれますよ」\n\n「多分じゃダメですよぉ。ちゃんと話を聞いてくれないとぉ」\n\n「自分のことを聞くのは恥ずかしいじゃないですか」\n\n みんなで一緒に暮らしませんかだなんて、なんだか同棲するみたいです。\n 別に珍しいことでもありませんし、友達同士でシェアすると考えたらいいんですけれど、そう割り切ることはできませんし、実際に違いますし。\n 私にとってはプロポーズに近い行為なのです。\n もうちょっと配慮してほしいですね。\n\n「でもぉ、それじゃあずっとこのままなんですかぁ? 私はそんなの嫌ですよぅ」\n\n ……確かに、考えなければいけないのかもしれません。\n ずっとこのままでいいのでしょうか。\n 個人的にはこのままの状態で続いてくれることを願います。\n でもそれは難しいでしょう。\n\n 世間で言うならば、結婚するのが常識です。\n 同性同士の結婚も今では珍しくもありませんが、それは一対一に限ります。\n そして私はひとりだけを選ぶことができない以上、結婚というスタンスを取ることはできません。\n\n ならば、せめて形だけでも近いものにするべきでしょう。\n まずはやはり一緒に暮らすべき。\n なによりも優先すべきことです。\n\n ……そうですね、恥ずかしいだなんて言ってられません。\n まじめに引っ越すことを考えなければならないですね。\n\n「……そうですね。せめて一緒に暮らすぐらいはしなければなりませんね」\n\n 口に出すと自覚できます。\n そうですね、探さなければなりません。\n 凛心に任せるのではなく、きちんと自分で探しましょう。\n 私の好みも、皆の好みもちゃんと聞いて。\n みんなで過ごす家を探そうではありませんか。\n\n「あとでどんな家に住みたいのかを教えて下さいね。きちんと探してみようと思います」\n\n「わかりましたっ!」\n\n 凛心は私が決断するのを待っていてくれたのでしょう。\n 今日一番の笑顔でした。\n\n\n------\n\n\n『燈香ちゃん。今日はとっても楽しかったよ。また今度遊ぼうね。 夕陽』\n\n 戻ったらもう夕陽さんの姿はなく、私の残した書き置きに続けて書かれていました。\n どうやら彼女の機嫌を損ねることはなかったようで一安心です。\n\n「そういえば、凛心の実家は農家なんでしたっけ?」\n\n「田舎ですけどそういうわけじゃないですよぅ。ただ家庭菜園をやってただけですよぉ」\n\n「そうですか。どちらにしろお庭はほしいところですね」\n\n 私も興味はありますし、簡単な野菜なら作れるにこしたことはありません。\n でも土いじりが好きならゲームでやればいいのでしょうか?\n そちらのほうが汚れを気にしなくていいのかもしれませんね。\n どれほど本格的なものなのかを体感する必要がありそうです。\n\n「アスパラなんかは買うよりも育てたほうがいいですよね。あとはブルーベリーなんかも結構収穫できると思いますよぉ」\n\n なるほどなるほど、確かに小さくて高いものは自分で育てたほうがよさそうですね。\n そうなるとそれなりの庭が必要になるので、必然と一軒家しか選べなくなりますね。\n いえ、庭付きのマンションなんかもあるんでしたっけ?\n きちんと調べなければなりませんね。\n\n どちらにせよ今スグにできるわけではありません。\n ゆっくりと調べていくことにいたしましょう。\n\n「あのお……」\n\n せっかく凛心とふたりきりなのです。\n 家探しに時間を使うのはもったいないではありませんか。\n\n「燈香さん、楽しいですか?」\n\n ちっちゃな凛心を膝に抱いてそのお腹をぷにぷにしてます。\n 凛心が一番肉付きがいいですからね。\n 触ってるだけで幸せな気分になってきます。\n\n「ええ。凛心が一番触り心地がいいですからね」\n\n「うう~……、ダイエットしたいです……」\n\n 凛心は痩せたいみたいですけれど、別に太りすぎというわけではありません。\n 周りが細すぎるだけですよ。\n\n「そしたら凛心とこんなことができなくなるからダメですよ」\n\n 太すぎず、細すぎず。\n 今が最高ではないですか。\n\n「それもやですぅ」\n\n うふふ、凛心も抱きつかれるのが好きなんですね。\n\n この後はいつものように。\n もうご飯は食べたので、一緒にシャワーを浴びて、いったんまぐわって。\n 同じようにふたり一緒にベッドに沈んでいきました。\n\n 凛心は小さいので、私でも簡単に運ぶことができます。\n ええ、一度リビングに腰を下ろしてから、凛心は一歩も歩いていません。\n 私が服を脱がせ、私が彼女をお風呂とベッドへ運んでいったのです。\n\n「これで私にも燈香さんとおんなじのが生えるんですねえ」\n\n「凛心もおちんちんが欲しかったの?」\n\n「燈香さんと一緒だからいいんじゃないですかあ」\n\n おちんちんなんて、無い方がいいと思いますけれど。\n 気持ちいいのは否定しませんが。\n\n「あ~……、亜衣里の相手はしてみたいですねぇ」\n\n「凛心は亜衣里と仲がいいですからね」\n\n「えへへ~」\n\n いい関係だと思います。\n 小さな凛心と大きな亜衣里だと見た目には違和感がありますが、ふたりは歳が近いですから。\n いえ、私も含めてみんな若いんですけれど。\n\n「それじゃあ、また向こうで会いましょうね」\n\n「はい! 向こうでも抱いてくださいね!」\n\n 気持ちいいことにはみんな興味津々です。\n 向こうで凛心はどれほど感じてくれるでしょうか。\n それを楽しみに、私達は瞳を閉じました。"} |
Xet Storage Details
- Size:
- 15.9 kB
- Xet hash:
- 29c14f73ec58631e79ec661732bd5c9e1a4dfe9d4a9efd2303369cb6e37e0ef9
·
Xet efficiently stores files, intelligently splitting them into unique chunks and accelerating uploads and downloads. More info.