| {"novel_id": "n0005cn", "chapter": 124, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0005cn/124/", "title": "124 ペットと妊婦", "content": " 目の前にはぽっこりと膨らんだお腹。\n それ以外は、昨日ログアウトしたままの光景でした。\n\n 私もティエルもヨウも裸のままで、ベッドの上に横になっています。\n ついでに卵も一緒です。\n ……ログアウトしている間は時間はカウントされないのでしょうか。\n まだ孵化する様子はありません。\n\n ……現実の0時から6時がゲームの6日間と等しいと思っていましたけれど、眠りにつく時間もありますし少し余裕をもたせているのかもしれませんね。\n\n そうですね、まだ外は暗いままですし、料理でもしながら卵と一緒に時間でも潰しておきましょう。\n\n\n テーブルの上に卵を置いて、ちくちく裁縫をしています。\n 料理は簡単なものをパパっと作りました。\n そろそろ凝ったものも作りたいのですけれど、偏った材料しかありませんから。\n 調味料なんかも揃えたいですね。\n\n 裁縫は最近作っていなかった下着です。\n いつアテルダムに戻れるか分かりませんが、下着自体は間違いなく全てが売れていることでしょう。\n 思ったよりも売れ行きがいいようなので、多く作っておくことに越したことはありません。\n\n ……ただ、今までと同じものを作っても売れ行きは落ちていくでしょう。\n 私のスキルレベルが上がることで少しは装備の性能も上がるのでしょうが、できたら根本的なところを解決したいですね。\n 今以上の素材を、どうにか探したいですね。\n\n「なっ……なんでですかああ~~!!」\n\n 静寂の時間を破ったのはリコの叫び声でした。\n バタバタ走る音が聞こえたと思ったら、バンと扉が開かれます。\n 現れたリコはなぜか裸でした。\n\n「ユウカさぁぁぁん!! 私の身体がぁぁぁぁ!!」\n\n リコがそのまま抱きついてきました。\n 泣いて……はいないようですね。\n なにか変なところも……ないようですけれど。\n さっきまで見ていたリコの身体と同じように見えました。\n\n「どうしたの? いつものリコのままじゃないの?」\n\n「そうですけど、違うんですぅ! 私は今日をずーっと楽しみに待ってたんですよお!」\n\n ……ああ!\n\n「生えてませんね?」\n\n「そうですよう! どうして夕凪さんと違うんですかあ!」\n\n 一歩離れてみたリコの身体には、ログインする前と同じようにおちんちんは生えていませんでした。\n\n どうしてなのでしょうか。\n 夕凪さんと同じようにしたはずなのですけれど。\n ゲームにログインする前は、ちゃんとベッドの機能で身体を入れ替えてえっちをしましたし。\n\n うーん、夕凪さんが特別だったのでしょうか。\n 遺伝子的な?\n ……いえいえ、それはないでしょう。\n 彼女はしっかりと女性です。\n\n まあ、相性というのはあるのかもしれません。\n 私とリコでは体格が違いすぎたので、おちんちんが生えなかったということも考えられます。\n\n そんなことを考えていると、リコの叫び声のせいなのか夕凪さんとアイリーが起きていらっしゃいました。\n\n「リコちゃん、朝っぱらからどうしたの」\n\n「リコ、あんたのせいで眠れなかったじゃないの」\n\n「ううう、だってぇ……」\n\n 涙目のリコが説明します。\n それに対して、夕凪さんもアイリーも思い当たることがあるようでした。\n\n「リコ、ちゃんとアップデートのチェクはしなさいよ」\n\n「そうそう、ちゃあんと理由も載ってるよ」\n\n「そんなの見てないですよう……」\n\n アップデートなんてあったんですね。\n どうやらすぐに確認できるようですけれど、まったく知りませんでした。\n\n 私も自分のウィンドウを操作してアップデートの情報を確認してみます。\n\n────────────────────\n【追加】\n・一時的に身体部位を変化させるジョークア\n イテムを追加しました\n【修正】\n・特殊なログイン方法を用いることで身体が\n 変化する不具合を修正しました\n────────────────────\n\n この修正内容……明らかに夕凪さんに生えたおちんちんのことなのでしょう。\n 確かに不具合なのでしょうか、こんなに早く修正されてしまうんですね。\n なんだか残念です。\n\n 気になるのは追加内容です。\n おちんちんの生えるのと一緒ということは、アイテムで生やすことができるようになったのではと。\n そう考えてしまうのは間違いなのでしょうか。\n\n「アイリー! 一緒にアイテムを探しましょう!」\n\n「当然よ」\n\n リコとアイリーも同じ考えみたいです。\n 早くもやる気に満ちていました。\n\n 本当におちんちんの生えるアイテムだったらいいですね。\n\n\n------\n\n\n テーブルの上にはアイリーのを除いた5つの卵。\n\n みんなで朝食をとった後、もうすぐということなので卵の孵化を待ちました。\n 眺めているとたまに卵の中からカタカタと音がしています。\n\n でも皆さんの視線は卵の一点に集中しているわけではありませんでした。\n それ以上にティエルのお腹が気になっているみたいです。\n ……ええ、説明しないわけにはいかないでしょう。\n ペットが孵化したあとできちんと説明しますから。\n\n そうこうしていると、まずはマトヴィさんと紫桜さんの前においてある卵の震えが大きくなりました。\n パキンと卵が中から割れて、出てきたのは……。\n\n「「スライム?」」\n\n 皆さんの声が重なりました。\n マトヴィさんの卵から生まれたのは、見たそのままのスライムだったのです。\n クチバシで卵を突くような音がしていたのですけれど、どうやら演出だったみたいです。\n\n「そっちは……よくわかんないね」\n\n 紫桜さんの卵からは黒い幽霊みたいなものが生まれました。\n 紫桜さんが手を伸ばしていますが触れられません。\n なんだか残念そうでした。\n\n「どう? ステータスとかは見れるのかな」\n\n「どうやら種族と名前しかわからないみたいね。名前は今決めるみたい」\n\n「紫桜さんのペットは初めて見ますけれど、なんていう種族なんですかぁ?」\n\n「えーっと……ティーン? だって」\n\n ふうん……不思議な格好ですね。\n 触れられないのにどうやって倒すかのほうが気になってしまいます。\n 見た目は顔が大きめのせいなのか、思ったよりも可愛らしいですね。\n 見た目が少年の紫桜さんには似合っている気がします。\n\n「そっちもそろそろ何じゃないの」\n\n マトヴィさんの指摘に自分の卵へ目をやると、残った3つの卵が震えています。\n まずはリコから。\n\n「これは……可愛いです!」\n\n 中から現れたのは小人でした。\n コロボックルという種族だそうです。\n 戦えないそうですが、かわりに身の回りの作業を手伝ってくれるのだとか。\n\n「私のは予想通りかな」\n\n 夕凪さんの卵からは白いふくろうが生まれていました。\n ベビーキラーというそうです。\n そういえば以前に出会ったフクロウのモンスターも似たような名前でしたね。\n\n 最後に私の目の前の卵です。\n うふふ、つい昨夜のことを思い出しますね。\n コウモリのドロップ品に私達の体液を全部吸収させました。\n もう何が生まれるのか分かりますよね。\n\n そう思っていたのですけれど。\n\n「……蛇?」\n\n 私の目の前の卵が割れて。\n その中から現れたのは、小さな小さな蛇でした。\n\n その蛇はすぐに私と視線を合わせると、私の指に絡まってきます。\n 可愛いです。\n 小さな身体、黒い鱗、赤い瞳。\n 小さいからこそなのかもしれませんが、ペットとして愛せます。\n けれどです。\n どうして蛇なのか、さっぱり分かりませんでした。\n\n「ユウカさん、どうしたの?」\n\n「えーっとですね、卵には昨日手に入れたコウモリの血とか羽とか牙を捧げていたのに、どうして蛇が生まれてきたのかが分からなかったんですよ」\n\n 首を傾げていたところ、アイリーから聞かれます。\n でもアイリーももちろんわからず、私と一緒に首を傾げることになりました。\n\n「種族名を見たらはっきりするかも?」\n\n そんなわけで種族を確認するのですけれど。\n 『サウザンド』という、やっぱりよく分からない種族でした。\n\n あら、思ったよりもステータスは見えますね。\n 種族と名前に加えて、今のレベルとあと満腹度が表示されています。\n ということはご飯が必要なのですね。\n 私達と一緒の食事でいいのか不安です。\n\n おっと、まずは名前です。\n 可愛がるためにも名前は必須でしょう。\n\n「あんたの名前はデコンだよ」\n「黒影って名前がカッコ良いよね」\n「コロちゃん!」\n「んー……、ハッキでいいかな」\n\n 皆さん続々と名前を決めています。\n ひとつだけ気になる名前がありましたがまあいいでしょう。\n 私はなんて名付けましょうか。\n まずは……オスかメスかを知るべきでしょう。\n\n 小さな身体をまさぐります。\n ひっくり返して色々眺めますが、おちんちんは見当たりません。\n ところで蛇って交尾するんですし、おちんちんの有る無しで判断していいんですよね。\n でも見当たりません。\n でも隠されているかもしれませんから、これでメスだと断定することはできません。\n\n ……分かりませんが、メスの可能性が高いということで女の子の名前をつけてあげましょう。\n どうせ私だけの問題ですしね。\n\n とは言ってもすぐには思いつきません。\n 蛇の読み方は……ヘビ、ジャ、それと干支からミとも読みますね。\n それに私の名前からも取りましょう。\n\n 悩みましたが『カーシャ』という名前にしました。\n ちょっと人っぽいかもしれませんが、それは私の未練が残っているからかもしれませんね。\n\n\n ペットについてひと通り落ち着いたので、残るは皆さんが一番気になっている話題です。\n その視線を集めているティエルは平然としています。\n 羨ましい限りです。\n\n「ティエル、そのお腹なんだけどさ……」\n\n「はい、妊娠しました」\n\n 恐る恐る尋ねた夕凪さんに対して、ティエルはあっさりと答えます。\n そして答えたと同時、ティエルを見ていた皆さんの視線は私へと集中したのです。\n 最後に一緒にいたのは私ですから、まあそれも当然かもしれません。\n\n「えっと……私の子で間違いありません」\n\n そのあとはひどい騒ぎになりました。\n まずアイリーとリコが一緒になってわめきます。\n 一番が良かっただの、先にやられただの。\n もう、リコは仕事はどうするのですか、アイリーなんてまだ学生でしょうに。\n\n マトヴィさんからはどうやったのかを問いただされます。\n そこを取り持ってくれたのは夕凪さん。\n 例の薬に決まってるじゃない、だって。\n ついにはリコとアイリーと一緒になって合成できるように素材集めを頑張る、だそうですって。\n まあ、仲良くなるのはいいことです。\n\n「それで妊娠したのは分かったけどさ。ティエルはお腹いたくない? 移動しても大丈夫なのかな」\n\n ああ、そうでした。\n 本来ならばそれは私が確認することのはずです。\n いえ、それ以上にもっと大事なことを伝えていませんでした。\n\n「ティエル、遅れてごめんなさい。妊娠したの、とっても嬉しいです」\n\n「うふふ、ユウカさまに褒めていただけるなら嬉しい限りです。それと移動は大丈夫ですよ、まったく痛くありませんから。でも戦うようなことはできないでしょうね」\n\n もちろん誰もティエルに戦えだなんていいません。\n 移動できるというだけで十分です。\n\n「ええっと、妊娠したのは昨日のはずなのに、ずいぶんと成長が早いんだね」\n\n「あらあら、これぐらいは普通ですよ」\n\n「へえ、そうなんだ……」\n\n まあ、ぽっこりお腹が膨らむのは仕様ということなのでしょう。\n 作物はすぐ育ち、モンスターは勝手に生まれてくる中で、NPCの子供だけ普通通りの成長だなんて逆におかしいですからね。\n\n 移動できるとなると、残る問題はひとつです。\n\n「それで、いつ生まれるの!?」\n\n 最初こそショックを受けていましたが、アイリーがティエルのお腹を触っています。\n 案外子供好きなのかもしれません。\n\n「うふふ、心配しなくても、ユウカさまのお家を建てるまでは時間がありますよ」\n\n ……おや?\n\n「……クランのホームのことなら、すぐに見つかるとは限らないわよ?」\n\n「大丈夫ですよ。少々時間がかかっても無事に生まれますからね」\n\n なんだか咬み合わない会話です。\n 首を傾げていると、夕凪さんとマトヴィさんに引っ張られます。\n\n「これは、アレだね」\n\n「アレねえ」\n\n「えーっと?」\n\n「つまり、クランのホームを持たないとティエルはずっと妊婦のままだってことだよ」\n\n「下手に流産になるよりは全然マシだけど、何もできないってのも困りモノね」\n\n「そんな言い方するもんじゃないよ。それに、時間がかかるとは限らないじゃないの」\n\n「まあ、そうよね」\n\n よく分からない話は、よく分からないままに決着をつけたようでした。\n\n「つまり、これからはホーム探しを最優先にしようってことだよ」", "afterword": "名前:ユウカ\n種族:人間Lv72\n職業:隠密Lv3, 復讐者Lv39\nクラン:Crystal Vespa\n-\nHP:3700/3700\nMP:3700/3700\n-\nSTR:310\nVIT:120\nAGI:870\nDEX:670\nINT:350\nポイント:440\n-\n【パッシブスキル】\n短剣Lv100, 投擲Lv28\n看知の瞳Lv32, 工人の瞳Lv11\n夜目Lv38, 超聴覚Lv67, 気配察知Lv75\n農業Lv18\n【アクティブスキル】\n影魔法Lv100\n隠密Lv47, 解錠Lv20\n料理Lv32, 裁縫Lv81, 釣りLv8, 製糸Lv26\nポイント:189\n【レジストスキル】\n幻惑耐性\n-\n【実績】\n復讐達成+5, 性豪+10, 信頼+5, 呪文個性+8\n-\n【資産】\n1,700,750e\n-\n【装備】\n武器:短刀・黒光、短刀・白光\n防具:速度低下耐性の和服、隠密補正の帯\n 雨蜥蜴のアーミーベスト\n 鰐皮の篭手、鰐皮の脛当て\n 隠密補正のマフラー\n 認識阻害のアームカバー、認識阻害のタイツ\n 速度低下耐性のサラシ、黒い下着\n装飾:婚約の腕輪+6\n 転移のイヤリング"} |
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