| {"novel_id": "n0005cn", "chapter": 149, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0005cn/149/", "title": "149 25の終着", "content": " 目覚めると目の前には女の子の身体。\n 起き抜けに美しい光景を見られることのなんと幸せなことでしょう。\n まだ眠っているヨウの身体に触れていきます。\n\n「……」\n\n ピクンとヨウの身体が反応しますが、どうやら眠ったままです。\n 隣にはアイリーの姿もありますけれど、やっぱり眠ったままみたい。\n\n 私とヨウとアイリーはテントではなく、適当に作った小屋の中で眠っていました。\n ミーオさんとミドさんがやってきて、さすがに男の子と一緒の部屋はどうだろうという話になって急遽作りました。\n 本当に適当な作りの小屋なので、殴ったら簡単に崩れてしまいます。\n 激しい行為も厳禁なので、こうやって触ることしか出来ません。\n\n ……ふう、堪能しました。\n それでは今朝の準備を始めましょう。\n\n 私の一日は料理から始まります。\n いつもは朝食を作るだけなのですが、今日はお弁当も一緒に作ります。\n お昼は戻れませんから、ホームに残る皆さんの分も作らなければなりませんね。\n\n といっても、主食はパンですからね。\n できるものに限りがあります。\n\n お昼はサンドイッチでいいでしょう。\n お肉や野菜を挟むだけでいいですからね。\n\n 問題は朝食です。\n さすがにパンというのは適当過ぎますね。\n なにかないでしょうか……。\n\n 目の前にカマドがあります。\n 何か焼きましょうか?\n ピザ……は小麦粉がありません。\n そうなると、グラタンがいいでしょうか。\n チーズもミルクもありますからね。\n\n\n------\n\n\n「今日もよろしくおねがいしますね」\n\n 朝食の後はお迎えです。\n 海漢さんたちは今日も元気がありそうです。\n\n「こちらが今日のお弁当です」\n\n「おう、悪いな」\n\n サンドイッチを皆さんに渡しました。\n 彼らの中に【料理】スキルを覚えている方はいないそうですが、昨日まではどうやって食事していたのでしょうね。\n\n「俺たちはすぐにダンジョンに潜るわ。ユウカたちも後から頼む」\n\n「ええ、分かっていますよ」\n\n 海漢さんたちはすぐにダンジョンへと潜って行きました。\n 私達も準備をしましょう。\n\n ダンジョンへ行くメンバーは私とアイリーの2人です。\n ええ、本当はヨウやミドくんも考えていたのですけれど。\n 【水泳】も【潜水】も覚えていないので、ダンジョンへ入ることができないのです。\n\n「……ごめんなさい」\n\n これはしょうがないことですからね。\n 別に怒ったりなんてしません。\n 保護者役として残る夕凪さんと一緒にホームの開発に力を入れてくれたらそれでいいのです。\n\n「プレイヤーの数が少ないと、こういう時に面倒ね」\n\n「そうですねえ。リコがいたらよかったのですけれどね」\n\n「まったくよ。いったいどこに行ってるの」\n\n 本当にその通りです。\n リンと一緒に出掛けて未だに戻ってきていません。\n 何か探しものをしているのでしたっけ?\n これでしょうもないものなら、お仕置きをするしかありませんね。\n\n「ユウカちゃんのことだから大丈夫だとは思うけど、無理はしないようにね」\n\n「ええ。夕凪さんも皆さんのことをお願いしますね」\n\n どのクエストを進行させるかは夕凪さんに一任です。\n とはいっても、昨日の続きになることは間違いないでしょう。\n おそらく広場を最優先に、完成し次第家へと取り掛かる予定です。\n 正直なところ、私もそちらを手伝いたいくらいです。\n\n\n アイリーと一緒にダンジョンの入口へとやってきました。\n 相変わらず見た目はただの水たまりです。\n\n「アイリーもスキルは覚えましたね?」\n\n「当然よ。ちゃんとレベル10まで上げてるわ」\n\n 海漢さんたちから、【水泳】と【潜水】はそれぞれLv10ぐらいまであげたら十分だろうと伺っています。\n その通りに私もアイリーもスキルポイントを振りました。\n ポイントは有り余っていますからね。\n こういう時にまでわざわざ練習する必要はないでしょう。\n ……水着もまだ作っていませんし。\n\n 水中で動きが遅くならないように、装備品をインベントリへとしまいます。\n 誰かに見られたら困る格好ですが、そんなことにはならないように海漢さんたちには先行してもらっています。\n ……出口で待ってたりしませんよね?\n\n 水中でもはっきりと目を開けることが出来ます。\n これがスキルの恩恵なのでしょうか。\n 【水泳】スキルは泳げる距離を。\n 【潜水】スキルは潜っていられる時間をそれぞれ伸ばしてくれるのだそうです。\n 速度に関してはその人がどれだけ泳ぎが上手いかにによって変わってくるそうです。\n\n ほとんど初めて泳ぐ私はとても遅いのでしょう。\n アイリーがちらちらと泳いでいる私の様子をうかがっています。\n きっと私の泳ぎは不格好なのでしょう。\n 恥ずかしいのであまり見ないでほしいです。\n\n 水中は一本道の洞窟です。\n 岩肌がゴツゴツしていて、触ったりしたら怪我をしちゃいそうです。\n でも一人で泳ぐ分には十分な幅がありました。\n\n 少し進むと水中が明るくなっています。\n きっとあそこが出口なのでしょう。\n 私とアイリーはゆっくりと光に向かって進んでいきます。\n\n\n「……大丈夫みたいね」\n\n 顔だけ水面へ出して周囲を見渡しますが、どうやら人影はありません。\n 急いで身体全てを水上へ移動し、すぐに装備を身に付けます。\n ふぅ、これで見られる心配もありません。\n\n あらためて周囲を見渡します。\n 周囲は全て岩に覆われています。\n 見える範囲では一本道に進んでいるようでした。\n\n「確か、先に進むと分岐してるのよね」\n\n 入り口近くにおいてあった地図を見ながらアイリーがしゃべります。\n\n「そうですね。確か上下左右に分かれているんでしたっけ」\n\n 地図は海漢さんが用意して置いてあるものです。\n 地図には一番先まで記されています。\n 先に進むと上下左右に分岐し、さらに進んでも上下左右に、さらに上下左右に……という感じで、合計4度の分岐の先に終着があるみたいです。\n\n 一番向こうにはボスがいる部屋があると考えられていますが、未だその部屋は見つけられていません。\n ボスがいなくても強いモンスターや宝箱があり、それを見つけるとこの入口まで自動的に戻されるという話でした。\n\n「なんか、偏ってるわね」\n\n 終着点は全部で25ヵ所あります。\n そのうち、下側の終着点についてはバツマークがついています。\n そこにはもう彼らがたどり着いたという意味でしょう。\n\n「どうやら下から順に探しているみたいですね」\n\n 今チェックが付いているのは全25ヵ所中の9ヵ所です。\n ここ数日で調べたのでしょう。\n さて、私たちは……。\n\n「上ね」\n\n「上から調べましょう」\n\n どうやら同じ意見のようでした。\n 彼らと同じように下側から調べて、実は被っていましたという結果になってしまっては無駄ですからね。\n\n\n 早速洞窟の中を進んでいきます。\n 聞く限りでは隠し扉はトラップなんかは全く無く、警戒する必要はないという話です。\n\n しばらく進んでいくと、聞いていたとおり分岐点が現れます。\n 一本道だった洞窟が、上下左右へと分かれているのでした。\n\n「……上って飛ばなきゃダメなのね」\n\n「……そうみたいですね」\n\n 考えてみたら当たり前かもしれません。\n 狭い洞窟の中で分岐しているのです。\n もちろん階段なんてものはありませんでした。\n\n ぴょんと上の分岐へ飛びます。\n この辺りはステータスが関係しそうです。\n 海漢さんたちは飛べないから下から調べているのかもしれませんね。\n\n「ふっ!」\n\n 私にならってアイリーもジャンプしました。\n しかしステータスが足りないせいか、装備が重いせいか、飛び乗ることは出来ませんでした。\n アイリーは上半身だけを通路に乗せて、下半身はぶらりと垂れ下がる格好になってしまいました。\n\n「……ユウカさん、助けて」\n\n うふふ。\n 運動神経がよくても、こういうところはしょうがないのですね。\n 思わず微笑んでしまいます。\n 謝るのであまり睨まないでほしいです。\n\n アイリーに手を伸ばして引き上げます。\n さあ、それでは先へと進みましょう。\n\n\n ある程度進むと綺麗な部屋へと辿り着きました。\n 今までは岩肌の見える通路だったのに、そこは綺麗に削られた四角い部屋です。\n 足を踏み入れると煙が立ち込めます。\n 煙はすぐに晴れ、そして中央にはモンスターが一匹。\n\n「たしか、分岐ごとにモンスターの部屋があるんでしたよね」\n\n「そうだったわね。そして倒さないと先に進めない」\n\n 目の前のモンスターは、身体が泥でできているように見えます。\n 見た目だけは人の形です。\n 動きは早そうではありません。\n\n「せいっ!」\n\n アイリーが飛び出して、その太刀でモンスターに斬りつけます。\n アイリーの太刀は簡単にモンスターを引き裂き、その腕を斬り飛ばします。\n 思っていたよりも強くないようでした。\n\n 私も遅れてはいられません。\n アイリーと一緒にモンスターを攻撃しました。\n\n\n 次の分岐も上へと進み、同様にモンスターの部屋へと辿り着きます。\n 今度現れたのは先ほどと同じ人型、しかし身体は木の蔓が束ねてできているみたいでした。\n 先ほどよりもよほど斬れやすそうな見た目です。\n\n「ふんっ!」\n\n 事実、先ほどの泥人形以上に簡単に腕が吹き飛びます。\n これもアイリーと一緒にザックザクに斬りました。\n\n ……ただしさすが植物というのか、切り飛ばした腕がまた小さな身体となって私達へと襲ってきました。\n さすがの生命力といえましょう。\n 斬るのは簡単ですが、細切れにしなければ死んでくれませんでした。\n\n\n 三度目の分岐を越えました。\n 相変わらず洞窟の中を進んでいます。\n こうも景色に変化がないと、今何度の分岐を迎えたのかを忘れてしまいそうになります。\n\n「あと1回分岐したら終着ですね」\n\n「その前にモンスターだけどね」\n\n そうですね。\n 油断してはなりません。\n\n 3つめの小部屋に現れたのもやはり人型の人形みたいなモンスターでした。\n 身体は氷で出来ているようでした。\n\n『炎の矢よ、敵を貫け! ──フレイムアロー!』\n\n モンスターに向けたアイリーの手の平から炎の矢が飛び出していきます。\n アイリーの呪文は短さを追求したもので、一息で全てを言い終えています。\n ……私ももっと短い呪文を考えたほうがいいのでしょうか。\n\n 炎の矢は氷のモンスターの胴体へとあたりました。\n 貫きこそしませんでしたが、ジュッと音を立てて水蒸気が立ち込めます。\n はっきりとは見えませんでしたが、上気の隙間からは体積を非常に減らしているように見えました。\n\n『──フレイムアロー!』\n\n すかさず追撃の炎の矢を放ちます。\n それでおしまいです。\n 魔法の二発だけで決着しました。\n\n インベントリに新たなアイテムが増えていきます。\n このダンジョンで手に入れたのは『マッドクーカの泥塊』『プラントクーカの蔓塊』、そして今ドロップした『アイスクーカの氷塊』です。\n 残念ながら見てもどういうアイテムなのかはいまいち分かりません。\n 持ち帰ってからのお楽しみですね。\n\n「……モンスターが弱いのはいいんだけどね」\n\n「そうですね。聞いていた以上に長く感じます」\n\n これは私達が上へ上へと進んでいることも影響しているのかもしれません。\n 上へと進んでいくということは、つまり坂道を登っているということです。\n それよりも通路が長いことのほうが問題ですけれどね。\n 分岐が多いと、他の通路とぶつからないために長くなってしまいのかもしれませんね。\n\n\n そして最後の分岐を越えました。\n\n「もしかしたらボスがいるのかもしれないのよね」\n\n「あら、私たちは一番面倒な通路を選んできたのですから、宝箱が待っているかもしれませんよ」\n\n「……それだったら、正解のルートってことで強ボスが待ってるかもしれないじゃない」\n\n そう言われると……。\n 一番最後の部屋にはちょっと強めのモンスターか、もしくは宝箱があったと海漢さんより伺っています。\n 彼らが最初に行ったであろう、下ばかりを選ぶルートでは何があったのか気になりますね。\n\n 少しだけドキドキしながら進みます。\n もしもこのダンジョンのボスだったらどうしましょう。\n もちろん私とアイリーだけでは倒せないでしょう。\n 全滅前提で強さを確かめようではありませんか。\n\n そして最後の小部屋へと辿り着きました。\n 小部屋というには、今までの分岐の先にあった小部屋よりも幾分大きい気がします。\n 部屋が大きいということは、現れるモンスターも大きいということでしょうか。\n ちょっとだけ不安になってきます。\n\n 足を踏み入れると、今までと同様に部屋には煙が立ち込めます。\n 今までよりも煙が濃い気がしますね。\n その煙はすぐに部屋の中央へと収束していきました。\n そして部屋の中央に現れたのは──。\n\n「……宝箱、ですか?」\n\n「宝箱ね」\n\n 現れたのは宝箱でした。\n 一安心です。\n 巨大なモンスターは先日戦った週ボスで今はお腹いっぱいです。\n\n 早速宝箱を調べてみましょう。\n どうやら鍵はかかっていないみたいです。\n とりあえず覚えた【解錠】スキルですが、日の目を見ることはできるのでしょうか。\n\n ワクワクしながら宝箱を開くと、中には『金属塊』というアイテムがひとつ入っていました。\n\n「……これはアタリでしょうか?」\n\n「エジアに見せないとわからないかもね」\n\n アイリーは武器から武器への形状の変化はできますが、自分で鍛冶ができるわけではありません。\n 金属の鑑定もまた、鍛冶師のスキルなのでしょう。\n\n「それではこれは持って帰るとして、あとは自動的に入り口まで戻れるんでしたっけ」\n\n「そうね、でも何も起こら……」\n\n その瞬間、私のアイリーの身体は部屋から掻き消えるのでした。\n\n\n------\n\n\n「……戻ったわね」\n\n「戻りましたね」\n\n 一瞬でダンジョンの入口へと戻ってこれました。\n 景色がゆっくり歪んでいったりとか、何かしらの兆候がほしいですね。\n\n「お、もう戻ったか」\n\n 振り向いたら海漢さん。\n どうやらちょうど休憩中のようでした。\n\n いい時間なので私達も一緒にお昼としましょう。", "afterword": "名前:ユウカ\n種族:人間Lv98\n職業:隠密Lv49, 復讐者Lv67\nクラン:Crystal Vespa\n-\nHP:5000/5000\nMP:5000/5000\n-\nSTR:450\nVIT:320\nAGI:1560\nDEX:900\nINT:350\nポイント:100\n-\n【パッシブスキル】\n短剣術Lv46, 投擲術Lv12\n看知の瞳Lv33, 工人の瞳Lv15\n夜目Lv42, 超聴覚Lv85, 気配察知Lv89\n農業Lv18, 水泳Lv10 (↑9), 潜水Lv10 (↑9)\n【アクティブスキル】\n影魔法Lv100\n隠密Lv47, 解錠Lv20\n料理Lv38 (↑2), 裁縫Lv83, 釣りLv8, 製糸Lv31\nポイント:243 (↓16)\n【レジストスキル】\n幻惑耐性\n-\n【実績】\n復讐達成+12, 性豪+10, 信頼+5, 呪文個性+8\n-\n【資産】\n1,620,150e\n-\n【装備】\n武器:短刀・黒光、短刀・白光\n防具:速度低下耐性の和服、隠密補正の帯\n 鰐皮の篭手、鰐皮の脛当て\n 隠密補正のマフラー\n 認識阻害のアームカバー、認識阻害のタイツ\n 速度低下耐性のサラシ、黒い下着\n装飾:婚約の腕輪+7\n 転移のイヤリング"} |
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