| {"novel_id": "n0005cn", "chapter": 171, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0005cn/171/", "title": "171 新たな魔法?", "content": " 昼食の時間です。\n 基本的には皆さんで集まって食事を取ります。\n といっても、数人は抜けているものですけれどね。\n\n「皆さんも集まったことですし、この時間にこのアイテムの使い方を考えましょう」\n\n テーブルの上にダンジョンでドロップした各『塊』『魂』を並べます。\n 見た目はどれも丸いのですが、『炎塊』だったら赤かったり、『糸魂』だったら糸玉だったりとしっかりと特徴は見えてます。\n\n「『水魂』と『炎魂』は、石に埋め込んだら効果を発揮したのよね」\n\n「ということはぁ、他のも石に埋め込めばいいんですかぁ?」\n\n さて、どうなのでしょうね。\n 少なくとも『糸塊』は他の糸と混ぜて使うもので、決して石に埋め込むわけではありません。\n\n「『水魂』を最初に使ったのはアマエでしたか?」\n\n「……なんとなく使い方が分かっただけよ。他のなんて知らないわ」\n\n なんとなく、ですか。\n 私も見た目でなんとなく『糸塊』をほどいて分かったことですからね。\n ただこれから予想できることは……。\n\n「少なくとも、単体で使うものではなさそうですよね」\n\n「そうね……だとすると、これなんかは想像がつくわ」\n\n アイリーが置かれていた『蔓塊』や『木魂』を手に取ります。\n\n「蔓も木も地面に埋めたらなにか生えてくるんじゃないの?」\n\n なるほど。\n 確かに試してみる価値はありそうです。\n\n「あと……これ、明るいから洞窟に使えるんじゃない」\n\n ほんのり温かく、そしてほんのり明るい『炎塊』です。\n この広間自体が明るいためはっきりとは言えませんが、真っ暗な洞窟の中では十分な光量になるのではないでしょうか。\n\n「アマエ、あんたがやりなさいよ。どうせ暇なんでしょ」\n\n「……わかりました」\n\n あら?\n なにやらアマエが素直ですね。\n アイリーを怖がっているようですから、当然の態度なのかもしれませんけれど。\n\n「あとはどうでしょうか。『泥塊』なんかはレンガを作るときに一緒に混ぜるとよさそうですけれど」\n\n「わかったの。やってみるの」\n\n でもねえ。\n レンガを鍛えたところでどうするのという話です。\n ……あら?\n そういえば、レンガにもグレードがあったんでしたっけ?\n 鍛冶に用いるカマドの質に関わってくるんでしたっけ。\n もしそうならば、裁縫に使う『糸塊』と一緒に数が必要そうなアイテムですね。\n\n「ねえユウカさあん。わからないのって、もうそのままで売っちゃってもいいんじゃないですかぁ?」\n\n「使い道の分からないアイテムでも売れるのでしょうか?」\n\n「そんなの関係ないですよう。プレイヤーに売るのなら問題かもしれませんけれど、NPCに売っちゃえばいいんですもん」\n\n ……あ。\n そういえばそうでしたね。\n 『糸塊』を麻良さんのところに卸すことになったので、他のものも麻良さんに売るつもりになっていました。\n 確かにその通りです。\n NPCに売っちゃえば出処は綺麗さっぱりわからなくなりますし、下手な問題も起こりません。\n\n「どうせなら今すぐ行くべきよ。ヨミだってまだ魔法を覚えてないんでしょ? それじゃあ装備が出来たところでレベル上げもままならないもの」\n\n ということで、お昼のあとは予定していた作業を切り上げて街へと向かうことになりました。\n\n\n------\n\n\n 久しぶりに竜都バルラーウへとやってきました。\n やってきたのは私と案内役のエジア、魔法を覚えたいヨウにリコ、そしてアイリーの5名です。\n\n「じっくりと街を見るのは初めてですけれど、幻想的な雰囲気ですね」\n\n「ああ、そういえばごめんなさい。私がいきなり連れ出してしまいましたからヨミさんはアーバウンドをあまり見まわっていませんよね」\n\n「気にしないでください。ああいうこともありましたし、あまり滞在したくはありませんでしたから」\n\n ヨミさんはログイン直後に露出狂の被害にあいました。\n でもね……。\n\n「私も同じような目に会いましたけれど、気にすることはありませんよ。ああいうのはどこにでもいるのですからね。笑って忘れてしまいましょう」\n\n ああいうのはどこにでもいるものです。\n 特にこのゲームでは犯罪ですら無いのですからね。\n いちいち気にしてはいられません。\n\n「なんだか不思議な町街並みね」\n\n ここにいる中で、私とエジア以外は皆さん初めてのバルラーウです。\n 継ぎ目のない白い家は全て竜骨という石のようなものを削りだして造っているのだとか。\n 不思議というよりも、常識から考えるとなんだか不気味です。\n\n\n「おお!? そこ行くお嬢ちゃん! もしかして家畜を飼ってるんじゃないのか!?」\n\n エジアの案内で魔法を学べる聖堂まで向かっている途中、私たちの前に不審な男性が立ちふさがりました。\n\n「えーっと……」\n\n「まあ待て、みなまで言うな。もちろんお嬢ちゃんたちの求めているアイテムも用意している。コレだろう? コレさえあれば放牧している家畜もすぐに近寄ってくるというスグレモノのアイテムだ。これが今ならひとつ1万eだ。どうだい、人数分そろってるぜ」\n\n 不審な男性は私たちに笛を差し出してきます。\n この笛を吹くと放牧している家畜が近寄ってくるのでしょうか?\n\n「ほんとにこの笛を吹くだけで近寄ってくるんですかぁ?」\n\n 私と同じくモンスターをテイムしているリコは興味を持っているみたいです。\n もちろん私も興味はあります。\n でもね……わたしたちにいきなり話しかけてきたこの男性が怪しくてしょうがないのです。\n\n「それってほんものなの?」\n\n「お、もちろんだぜ? ただこれは珍しいアイテムだからな。これ以上は買ってくれなきゃ何も教えられないぜ」\n\n う~ん……どうしましょうか。\n 本物だったら確かに欲しいアイテムではあります。\n ホームの放牧エリアは広いですし、リコはブルカウからミルクを取るために毎朝探しまわっているみたいですから。\n 値段は……そこまで高くはないのですよね。\n 私たちの資金なら、1万eぐらいははした金とも言えましょう。\n\n「……わかりました。それではひとつだけ売ってもらってもいいでしょうか?」\n\n「ひとつだけか? いいのか? もう二度と手に入らないかもしれないんだぜ?」\n\n そう言われると悩んでしまいます。\n けれどね、そこまでテイムしたモンスターも多くはありません。\n ひとつで十分ではありませんか。\n\n「ええ。ひとつで構いません」\n\n「そうか。それなら1万eだ」\n\n そうして笛を手に入れました。\n これでリコもミルクを取りやすくなりますし、私もセイレーンを呼びやすくなります。\n あの草原に篭っていても暇でしょうからね。\n もっと構ってやらなくてはなりません。\n\n「へえ……この辺りはお店も充実してるのね」\n\n「そうなの。もうちょっと進むとこの前おねえちゃんが買い物したお店もあるの」\n\n そういえば、指輪を買ったのもこの辺りでしたっけ。\n あとは色々装飾品も買いましたが、あまり有効活用はできていませんね。\n\n「あら……ねえユウカさん、これって」\n\n お店に並んでいる商品を見まわっていたアイリーが何かを見つけたみたいです。\n 私もアイリーが何を見つけたのかを見てみます。\n\n「あら……あらあら、もしかして、やられちゃったのでしょうかね」\n\n「はあ、そうみたいね」\n\n 小さなお店の店頭に飾られていた商品。\n それは先程私が売られた笛とまったくおんなじものでした。\n しかも、ひとつ1,000eです。\n\n「さっきのってNPCでしたよねえ? NPCにも詐欺師っているんですねえ」\n\n「……不思議なところでリアリティを出してくるのですね」\n\n 私も驚きです。\n まあ偽物ではないようですし、この笛の紹介手数料だと思えばそう痛くもありません。\n そう思っておきましょう。\n\n はあ……。\n\n\n やっと聖堂へとたどり着きました。\n 最近は新たな魔法も覚えていませんでしたから、私もなんだか楽しみです。\n 何か新しい魔法はあるのでしょうか。\n\n まずはヨミさんに【聖魔法】を覚えてもらいます。\n\n「呪文……ですか?」\n\n「ええ。あらかじめ用意されているのですけれど、自分で考えることもできるんですよ。その分覚えるまでに時間は掛かってしまいますけれどね」\n\n「ええと、それでは早い方で」\n\n うん……興味がないとそうなりますよね。\n\n「すみません。この方に【聖魔法】を覚えさせたいのですけれど」\n\n「ようこそ聖堂へ。魔法を覚えるのは初めてですか?」\n\n「ええ、こちらの方は。それで、できればどなたか魔法を教えていただける方を紹介していただければと思いまして」\n\n「ああ、分かりました。それではあなたはこちらでお待ち下さい」\n\n ヨミさんだけが聖堂の内部へ連れて行かれてしまいます。\n なんだか不安そう。\n\n「もしかしたら時間は掛かるかもしれませんが、何も怖いことはありませんよ。連絡をいただければすぐに迎えに来ますからね」\n\n これで安心させることが出来たのか、私にはわかりません。\n 本当ならずっと一緒にいてあげたらいいのでしょうけどね。\n でも【聖魔法】は、聖職者しか覚えられない魔法なのだそうです。\n\n これから私も聖職者になりましょうか。\n 出来ないことは無いでしょうが、とてつもなく時間も掛かりそう。\n ここはヨミさんに我慢していただくしかありませんでした。\n\n「あなた達は何か魔法を覚えますか?」\n\n 残った私たちも、どうせなので魔法を覚えようと思います。\n\n「【影魔法】の新たな呪文はありますか?」\n\n「【火魔法】よりも強い魔法を覚えたいわ」\n\n「畑に使える魔法が覚えたいですぅ」\n\n 私とアイリーとリコ、3人一緒に話してしまいました。\n\n「……申し訳ございません。【影魔法】については現在のところ新たな呪文はございません。【火魔法】よりも新たな魔法についても申し訳ございません。畑に使える魔法ですが、【土魔法】はいかがでしょうか。直接作物に関係する魔法はありませんが、土をならすのは簡単になりますよ」\n\n 受付の方はそんな私たちにもしっかりと答えてくれました。\n 残念ながら、返事はあまり期待したものではありませんでしたけれど。\n\n「それじゃあ私もいってきます! タイミングが会えばヨミさんも連れて帰りますよぉ」\n\n リコも魔法を学ぶために聖堂の奥へと消えていきました。\n 魔法を学べない以上、リコとヨミさんをただ待つのはさすがに暇です。\n 私とアイリー、それにエジアでホームへと帰ろうと、聖堂を出たところでした。\n\n「お、おおおおおお前さんたち! ちょーっと待つんじゃ!」\n\n 私たち目掛けて駆けつけてきたおじいさん。\n さっきの押し売り……とはちょっと様子が違います。\n\n「お前さんたち! 新しい魔法を覚えたいのじゃろう? どうじゃ、今までとはまったく違う魔法を覚えてみたくはないか!」\n\n「まったく違う……ですか?」\n\n「うむ。興味があるなら見せてやろう。こっちに付いてくるんじゃ」\n\n 私たちに駆け寄ってきたと思ったらすぐに背中を向けて歩き出すおじいさん。\n どうしましょうかとアイリーと目を合わせますが、なにやら興味はあるみたい。\n そうですね、どうせなので見るだけは見ておきましょう。\n\n 聖堂の裏は何もない広場です。\n そこにおじいさんは立っています。\n\n「この魔法はな、なんと呪文が不要なんじゃ! ワシの杖をよく見ておくんじゃぞ」\n\n 魔法使いらしく杖を持っているおじいさん。\n その杖を地面に突き立て…‥はせずに、先端を私たちに向けて持ち上げたのでした。\n\n プルプル震えるおじいさんの杖。\n 力が無いのでそれも当然でしょう。\n 無理はするものではないと止めさせようとしたその時です。\n\n その杖の先端が、ぼんやりと光ったのでした。\n\n おじいさんは杖を震わせながら、空間になにかを描いていきます。\n 軌跡をなぞっても文字には見えません。\n せめて光が残っていてくれたらいいのですが、どうやらそういうものでもない様子です。\n\n おじいさんは引き続き杖を震わせていきます。\n さて、一体何が起きるのでしょうか。\n\n 何がを描ききったのか、おじいさんは杖を地面におろしました。\n その瞬間、先程まで杖を向けていた場所に光球が生まれたのでした。\n\n「これは新たな魔法、【道術】じゃ」\n\n「【道術】、ですか?」\n\n「うむ。わしは古文書を集めるのが趣味でのう。いろんな本を漁っていてたまたま気付いたのじゃ。今とは明らかに違う魔法が載っていることにのう」\n\n それでは目の前のおじいさんは、昔の魔法をみつけたということでしょうか。\n\n「ただのう……その古文書をよく調べると、どうやらワシが見つけた【道術】以外にも古い魔法はありそうなのじゃ。ただワシは【道術】しか教えられん。どうじゃ、興味は出てきたかの?」\n\n 再び顔を見合わせる私とアイリー。\n\n「【道術】ってのは、武器を振って魔法を使うみたいね」\n\n「ああ……先ほどの杖を振っていたのが呪文の代わりなのですね」\n\n「それと最後の話だけど、【道術】を覚えたら残りの古い魔法は覚えられないって意味じゃないかしら」\n\n「そうなの?」\n\n「多分だけど……そんな気がするわ」\n\n もしそれが本当だとすると、ここで返事をするのは軽率でしょう。\n 皆さんにも相談しないと。\n 残っている古い魔法はもっといいものかもしれません。\n 一度きちんと調べたほうがよさそうでした。\n\n「ええと……ここでお返事をしないと、【道術】は教えていただけないのでしょうか?」\n\n「そうじゃ! と言いたいところじゃが、そんなことはない。ワシはいつでもここにおるから、悩みたいだけ悩むといいじゃろう」\n\n どうやら猶予はたっぷりとあるようです。\n おじいさんにはまた後で訪れることを約束してその場を離れました。\n 皆さんときちんと話し合うべきでしょうね。\n\n\n------\n\n\n 広間で裁縫の続きをしながら夕凪さんに相談しました。\n\n「へえ……【道術】なんて初めて聞いたよ。アイリーもだよね?」\n\n「そうね。掲示板でも見たことはなかったわ」\n\n「そうなると他のプレイヤーに直接聴きこまなきゃダメかな」\n\n 情報収集は夕凪さんとアイリーに丸投げです。\n ゲームに慣れているこの2人にお任せするのが一番信頼できますからね。\n\n 私は2人の話を聞きながら、ヨウと一緒に裁縫をしています。\n ヨウは【製糸】を覚えることが出来ました。\n 今は一緒にヨミさんのローブを縫っている最中です。\n どうせなので純白のローブにしようと思います。\n\n ヨミさんは魔法を覚えて戻ってくることでしょう。\n 服は私が作りました。\n 武器はアイリーがどこかから調達してくるという話です。\n\n 明日はヨミさんのレベル上げが出来るでしょうか。\n あとは畑作業もしなければなりません。\n\n ヨミさんとリコが戻ってくるまで、夕凪さんとアイリーの相談は続きました。", "afterword": "名前:ユウカ\n種族:人間Lv100\n職業:隠密Lv51, 復讐者Lv67\nクラン:Crystal Vespa\n-\nHP:5100/5100\nMP:5100/5100\n-\nSTR:450\nVIT:320\nAGI:1570\nDEX:910\nINT:350\nポイント:120\n-\n【パッシブスキル】\n短剣術Lv58, 投擲術Lv12\n跳躍Lv2\n看知の瞳Lv33, 工人の瞳Lv15\n夜目Lv42, 超聴覚Lv86, 気配察知Lv89\n農業Lv18, 水泳Lv11, 潜水Lv11, 調教Lv1\n【アクティブスキル】\n火魔法Lv7, 水魔法Lv4, 影魔法Lv100\n隠密Lv47, 解錠Lv20\n料理Lv38, 裁縫Lv85, 釣りLv8, 製糸Lv31\nポイント:148\n【レジストスキル】\n幻惑耐性\n-\n【実績】\n復讐達成+12, 性豪+13, 信頼+6, 呪文個性+8\n-\n【資産】\n1,610,150e (-10,000)\n-\n【装備】\n武器:短刀・黒光、短刀・白光\n防具:速度低下耐性の和服、隠密補正の帯\n 鰐皮の篭手、鰐皮の脛当て\n 隠密補正のマフラー\n 認識阻害のアームカバー、認識阻害のタイツ\n 速度低下耐性のサラシ、黒い下着\n装飾:婚約の腕輪+7\n 転移のイヤリング"} |
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