Krixter/Repo / n0005cn /175.json
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{"novel_id": "n0005cn", "chapter": 175, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0005cn/175/", "title": "175 空前のブーム", "content": " 模擬戦を終えた後、全員でエストさんからお話を聞きました。\n 私が見ていない時に夕凪さんもエストさんと模擬戦をしていたようで、私たち全員がエストさんにのされた格好です。\n\n エストさんの話はある意味単純で、そして面倒な話でした。\n\n どうして種族にレベルがあるのか。\n それはもちろん種族も成長、または進化するからだそうです。\n 条件は簡単で、レベル100になったら該当のクエストを受けるだけ。\n ただ面倒なのは、そのクエストを発行してくれるNPCは完全にランダムで、探しだすのが大変ということでした。\n\n「夕凪あたりは知ってたはずだろ。種族カンストしたらスキルがめちゃくちゃ成長しにくくなるから、優先的にクエストを探さなきゃならねーって」\n\n「そうだけどさぁ……。だって、面倒じゃない?」\n\n とにかくめんどくさいので有名なのだそうです。\n 実は掲示板でも種族進化の話題は禁止になっているのだとか。\n 情報もろくに集まらず、クエストを発行してくれるNPCはどこの街にいるのかもわからない。\n だったら多少成長し難いぐらいなら気にしなくてもいいじゃないと、そう結論付けたそうです。\n\n ただ、いい話もありました。\n あくまでもうわさ話にすぎないのですが、対象のNPCはまだ行ったことのない街にいる可能性が高いのだそうです。\n 少なくともエストさんたちはそうでした。\n 私たちが行ったことのない街というと、南西の樹都、それに南東の闘都になるでしょうか。\n 竜都を含めた、訪れるのに条件がある街は除外していいでしょう。\n 海都は……樹都と闘都にNPCがいなければ探せばいいでしょうか。\n\n お話が終わるとエストさんはすぐに帰っていきました。\n これで砂漠も怖くないのだそうです。\n 1着だけ失敗してしまったお詫びに一つアイテムをプレゼントしました。\n 役に立ってくれると良いのですけれど……。\n\n\n------\n\n\n「それじゃあ今後の方針だけどさ」\n\n エストさんが去った後、みんなで今後の話し合いです。\n 最近スキルレベルが上がらないなぁなんて思っていたのですが、きちんと原因があることが分かりました。\n しかしどうでしょうか。\n これ以上スキルを上げる必要はあるのでしょうか。\n 現状で困っていることは、正直な所ありません。\n でも新しい街には興味があります。\n 樹都は大木の中に街があると聞きますし、闘都は全体がコロッセウムのような街並みなのだとか。\n 観光を目的に、ついでにクエストを探せば良いのではないでしょうか。\n ただ……。\n\n「ティカとユリをこのまま放っておくことはできません」\n\n「分かってるよ。まだちっちゃいもんね。連れて行くにしろ置いていくにしろ、せめてもう少し大きくなってもらわないとね」\n\n ……連れて行く?\n その考えはなかったかも。\n そういえばこの子たちが成長するとして、やっぱり戦うようになるのでしょうか。\n 今はまだ想像できませんけれど。\n\n「確か、一週間ぐらいで大きくなるのよね。そこまではゆっくり過ごしたらいいんじゃないの」\n\n「……そうなの?」\n\n「うん……掲示板で見たことだから、もしかしたら違うかもしれないけど」\n\n そうなんだ……。\n ……ということは、この小さい赤ちゃんでいるのもあと数日だけ?\n なんということでしょう。\n それなのに私はろくにお世話もせずにいるだなんて。\n 残り数日しか無いのなら、積極的にティカとユリに関わるしか無いではありませんか。\n\n「……まあ、ユウカちゃんがショックを受けたところでこのお話はここまでかな」\n\n ……えーと、ああ、つまりは子どもたちが大きくなるまでは考えないということですね。\n\n\n「問題はもうひとつのほうね」\n\n「もうひとつ?」\n\n「そうよ。夕凪、もう一度教えてよ」\n\n あら、今後の方針はもう決まったと思うのですけれど。\n まだ何か話がありましたでしょうか。\n\n「ユウカちゃんたち、バルラーウに行った時に新しい魔法について聞いてきたでしょ? そのことについて、エストに聞いてみたんだよ」\n\n「ああ、そんなのもありましたね」\n\n そうでした。\n 新しい、呪文を使わない魔法についてどうしようかと話したのでした。\n 急ぎではないから結論は出さないままにしていたのですが、情報を得るに越したことはありません。\n\n「ちょっと面倒かもしれないんだけどね」\n\n 一言置いてから、夕凪さんは語ってくれました。\n\n ある条件をクリアしないと訪れることができない街というのが3つあります。\n 一つは私たちも訪れたことのある竜都バルラーウ。\n それに南の砂漠の先にあるという魔都、そして北東の山岳の上にあるという天都の3つです。\n\n エストさん達は砂漠の魔都への道を見つけました。\n そして、そこでも新たな魔法の話があったのだそうです。\n 詳細は教えてもらえませんでしたし、夕凪さんも教えていません。\n ただ、砂漠で覚えられる古の魔法は、相手に触れないと使えないものなのだそうでした。\n そして、私たちの時と同じように、古の魔法ということで覚えてしまうと他の古の魔法は覚えられなくなるそうでした。\n\n「これを聞いて思ったのがさ。竜都、魔都に古代魔法があって、天都に無い理由は無いよねってことなんだよね」\n\n「……そうですね。そう考えるのが自然だと思います」\n\n「うん。それでね、ここからは私とエストの予測なんだけどさ……」\n\n なんだか言いにくそうにしている夕凪さん。\n 面倒なお話なのでしょうか。\n\n「前にさ、アテルダムの図書館で歴史を調べたんだけど、この世界って異様に3すくみの関係が多いんだよ。今でこそ表立って争ってはいないけど竜人と天使と悪魔の諍いとか、それぞれの街が3つずつでセットになっていることとかね」\n\n 種族については以前にも夕凪さんから聞いたかもしれません。\n 街の話は初めて聞きましたが、言われてみると確かにそうです。\n\n ゲームを初めて比較的スグに訪れることの出来るアーバウンド、セールリ、アテルダムの3つの街。\n 3つを地図上でつなぐと小さな三角形になります。\n これらの周囲に出てくるモンスターはいずれも弱く、その街にとどまっている限りは初心者なのだとか。\n\n ついで海都、樹都、闘都の3つの街。\n レベルさえ満たしていると訪れることができる街。\n もちろん自分で移動して赴く必要はありますが、入場自体に制限はありません。\n ……海都は泳げる必要こそありますが、クエストをクリアする必要はありませんからね。\n 北の海都、南西の樹都、南東の闘都の3つで大三角形ですね。\n\n 最後に竜都、魔都、天都の3つの街。\n あるクエストをクリアしないとその街を見ることすらできない街。\n こうしてホームをいい場所に確保できたのもある意味このクエストのおかげでしょう。\n 位置関係は北西の竜都、南の魔都、北東の天都となります。\n\n「夕凪さぁん。3つの関係が多いっていうのはわかりましたけれどお、なにが面倒な話なんですかあ?」\n\n リコが良い質問をしてくれました。\n 実は私も夕凪さんが何を言いたいのか、よく分かっていなかったのです。\n どうでもいいですが、最初にプレイヤーが選べる種族も3種類でしたっけ。\n\n「ああ、うん。私は常々思ってたんだよ。プレイヤー同士が争うようなイベントが不思議なほどに存在しないなってね」\n\n「──ああ、つまり夕凪は、その古の魔法が集団戦のトリガーになってるって言いたいのね」\n\n アイリーは夕凪さんの言いたいことがわかった様子です。\n アイリーの答えを聞いたあとも、私とリコの頭にはクエスチョンマークが浮かんでいます。\n\n「つまりね、古の魔法を覚えたら、残りの2つの魔法を覚えている陣営それぞれと戦うんじゃないかなって、私とエストは考えたの」\n\n\n------\n\n\n 私、夕凪さん、アイリー、リコ、それに狩りから戻ってきたヨミさんを加えた5人でバルラーウへとやってきました。\n\n「おお! 待っておったぞお前さんたち! それじゃあ早速道術を覚えてもらうとするかの」\n\n もちろん、古の魔法を覚えるためです。\n あの後も話し合ったのですが、たとえ時間を置いたところで古の魔法について新たな情報が出るとは限りません。\n もしも古の魔法を覚えたからといって、絶対に戦わなきゃいけないなんてことはあり得ないでしょう。\n そもそも、争う事自体がただの予測です。\n それに、どうせならみんなで同じ魔法を覚えてみたいではありませんか。\n そんな話が出てきたので、それならということで早速魔法を覚えに来たのでした。\n\n 道術を教えてくれるというおじいさんは、以前と同じ聖堂の裏庭に佇んでいました。\n\n「それでは早速……と言いたいところなのじゃが、道術を覚えるためにはある道具が必要なのじゃ」\n\n「道具ですか?」\n\n おじいさんは条件を示してきます。\n そのまますんなりと覚えられないとは思っていましたので、心構えはできています。\n\n「うむ。道術はこのように武器を振って使い物じゃ。道術に使う武器にはの、ある道具を埋め込まなければならないのじゃ」\n\n「その道具を集めてきたらいいのでしょうか?」\n\n「いや、その道具はわしが持っておる」\n\n ……では何が問題なのでしょう。\n\n「お前さんたちにはの、ずばりこの道具を扱える術士を探してきてほしいのじゃ」\n\n 私の目の前に、魔石によく似た石が現れました。\n 手にとってみるとウィンドウが表示されます。\n 『導きの石』だそうですって。\n\n「この道具を混ぜ込んで作った武器を持ってきた時、お前さんたちの仲間に術士がいると認め、道術を教えてやろう」\n\n\n------\n\n\n────────────────────\n『道術を覚える』\n依頼主:\n 導師ホアキム\n依頼内容:\n 『導きの石』を混ぜ込んだ武器の作成\n報酬:\n 『道術』\n────────────────────\n\n 結局話を聞いただけで何もせずにホームに戻った後、受けたクエストを眺めます。\n ……あのおじいさんの名前、ホアキムというのですね。\n いえ、まあそれはいいとして。\n\n「不思議な話し方をされる方でしたね。術士を探してほしいと言っていたのに、武器を持ってきたらいいだなんて」\n\n ヨミさんの感想は最もですし、以前の私なら同じように感じたことでしょう。\n でも、今の私には答えることができます。\n\n「ヨミさん、それはですね、自力で作れない人たちの為なんですよ」\n\n この『導きの石』を扱うには、間違いなくなんらかのスキルなり職業なりが必要だと思います。\n もしも個人で道術を覚えようとしたら、そのためだけにスキルなり職業なりを覚えなきゃいけなくなってしまいます。\n もしかしたら不要なスキルは覚えたくない人もいることでしょう。\n そのために、武器を持って来いと言っているのではないでしょうか。\n\n「ああ、それでは私たちも『導きの石』を扱える術士を探せばいいということなのですね」\n\n ヨミさんの言うことはその通りなのでしょう。\n そうは確かにそうなのですが。\n\n「アイリー、どうですか?」\n\n 私たちには錬金術士のアイリーがいます。\n おじいさんの言っていた術士って、錬金術士のことだと思うのです。\n\n「……ダメね。『導きの石』のステータスを見ても使い方はさっぱり分からないわ」\n\n「そうですか……」\n\n「でも、もうすぐで職業がカンストするから、進化したら扱えるようになると思うのよ」\n\n ああ、そういえば錬金術士はレベルが上がりにくいと以前にボヤいてしましたね。\n では……?\n\n「だから、何か必要な物があったらなんでも言ってほしいのよ。出来る限り早くレベルを上げたいの」\n\n\n「はいはいはい! 農具を作ってほしいです!」\n\n「ちょっと、それだったら普通にエジアに頼めばいいじゃない」\n\n「違うますぅ。武器でも使える農具がいいんですっ!」\n\n 最初にアイリーに仕事を頼んだのはリコでした。\n しかもちょっと面倒くさそうなお願いです。\n\n「農具って……なに、クワで戦うつもりなの?」\n\n「無理ですか?」\n\n「無理っていうか、一緒にいるのが無理よ。クワを振り回すリコと一緒になんて戦いたくないわ」\n\n「そんなぁ……」\n\n 私は有りか無しかで言えば有りでしょうか。\n でもね、クワで戦うってとっても難しいと思いますよ。\n\n「でも、そうね……三叉の槍ならなんとかいけるんじゃないの」\n\n「槍ですかぁ?」\n\n「農具っぽいじゃない。ほら、農場でありそうなやつよ」\n\n アイリーが言っているのは牧草を突き刺す農具のことでしょうか。\n ……まあ、槍といえば槍でしょうか。\n ただ、私たちのところに牧草はありませんけれどね。\n\n\n「あ、私も槍がいいな。今までたまにしか使ってなかったけど、リコちゃんとお揃いだし頑張ってみようかな」\n\n「夕凪も三叉がいいの?」\n\n「私は普通のでいいよ。その辺りはアイリーのセンスにお任せするよ」\n\n 夕凪さんもアイリーに槍をお願いしたようです。\n デザイン丸投げって、結構困りますよね。\n\n\n「あの、私もいいでしょうか……」\n\n「遠慮しなくていいわよ」\n\n「それではその、私も槍を……」\n\n「……どうしてよ」\n\n「皆さんを見ていて思ったのですが、槍ならばまだ聖職者に見えるかなと思いまして……。それに、杖はいまいち使いにくかったので……」\n\n ヨミさんの持っている杖はアイリーが用意したんでしたっけ。\n いえ、アイリーがアマエに作らせたんでしたっけ?\n いずれにしろ、ヨミさんにはあまり合わなかったようです。\n 杖で殴るっていうのは、意外と難しいですもんね。\n\n「はあ……わかったわ。聖職者っぽい槍を作ればいいのね」\n\n「ええ、申し訳ありませんけれど……」\n\n\n「夕凪お姉様が槍を使うんなら、私も槍を使ってみせるわ!」\n\n 突如現れたニィルさんが、これまた現れたニィルグさんに殴られて引きずられていきました。\n\n\n「わたしとアマエにも、できたら槍を作ってほしいです」\n\n ルダとアマエも槍を欲しがる様子です。\n まあ、悪魔や天使に槍はセットな気がしますから、あまり違和感はありません。\n\n\n なんだかんだでほぼ全員が槍をリクエストしました。\n それじゃあ私も、なんてことにはなりません。\n 槍のような大きな武器は趣味ではないのです。\n\n「それじゃあ私はですね」\n\n「待って、ユウカさんのはきちんと考えてるわ」\n\n「えっと……?」\n\n「ユウカさんのはちゃんと作るから、全部私に任せておいてほしいのよ。それじゃあエジアは借りて行くからね。絶対今日中にレベルを上げきってやるわ」\n\n 妙に張り切りだしたアイリーは、もう夕方だというのに鍛冶場に引きこもっていきました。\n もちろんエジアも一緒に、多分ですけれどアマエとルダも手伝うのでしょう。\n\n ヤケになっていないと良いのですけれど。\n 少々不安でしたけれど、エジアたちも一緒なので大丈夫と言い聞かせて、夕飯の用意に取り掛かりました。", "afterword": "名前:ユウカ\n種族:人間Lv100\n職業:隠密Lv51, 復讐者Lv67\nクラン:Crystal Vespa\n-\nHP:5100/5100\nMP:5100/5100\n-\nSTR:450\nVIT:320\nAGI:1570\nDEX:910\nINT:350\nポイント:120\n-\n【パッシブスキル】\n短剣術Lv58, 投擲術Lv12\n跳躍Lv2\n看知の瞳Lv33, 工人の瞳Lv15\n夜目Lv42, 超聴覚Lv86, 気配察知Lv89\n農業Lv18, 水泳Lv11, 潜水Lv11, 調教Lv1\n【アクティブスキル】\n火魔法Lv7, 水魔法Lv4, 影魔法Lv100\n隠密Lv47, 解錠Lv20\n料理Lv38, 裁縫Lv85, 釣りLv8, 製糸Lv31\nポイント:148\n【レジストスキル】\n幻惑耐性\n-\n【実績】\n復讐達成+12, 性豪+13, 信頼+6, 呪文個性+8\n-\n【資産】\n1,610,150e\n-\n【装備】\n武器:短刀・黒光、短刀・白光\n防具:速度低下耐性の和服、隠密補正の帯\n   鰐皮の篭手、鰐皮の脛当て\n   隠密補正のマフラー\n   認識阻害のアームカバー、認識阻害のタイツ\n   速度低下耐性のサラシ、黒い下着\n装飾:婚約の腕輪+7\n   転移のイヤリング"}

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