Krixter/Repo / n0005cn /186.json
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{"novel_id": "n0005cn", "chapter": 186, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0005cn/186/", "title": "186 強敵に備えて", "content": " ヨミさんを鍛えていたらいつの間にか嵐の地点までやってきました。\n ここからは慎重に進んでいきます。\n なにせ面倒なモンスターが現れますからね。\n\n「ヨミさん、ここからはもう急がなくて結構ですからね」\n\n「……ユウカさん、もう怒っていませんか?」\n\n「初めから怒っていませんよ。ただ、ヨミさんにはああいう態度がいいのかなと思っていただけですからね」\n\n 少々申し訳なくも思います。\n 普段とは口調も違って、ヨミさんの背後から短刀なんか構えたりしていましたからね。\n 怖がらせてしまったでしょうか。\n でもこうして話しかけてくれますから、それほどでもないのかもしれません。\n\n「リコ、ここからは面倒な敵が出てくるので、一旦槍はやめて盾を構えてくれますか?」\n\n「わかったですぅ。吹き飛ばされるのは嫌ですもんねぇ」\n\n 嵐の中、といえば出てくるモンスターはシャワーリザードだと思われます。\n 強さはそれほどでもないのですが、シャワーリザードはその身体から水しぶきを飛ばしてきます。\n その攻撃がなかなかに厄介で、盾以外で受けてしまうと問答無用で身体が後ろに吹き飛んでしまうのです。\n\n 濡れるのが嫌なのか、空を飛んでいた夕凪さんのペットであるハッキもすぐそばまで戻ってきました。\n そういえば、アイリーはペットをホームに置いてきたみたいですね。\n リコもコロちゃんを置いてきているようです。\n 私は普段通りに、カーシャが身体に巻き付いていますけれど。\n\n 体が濡れてしまう前に急いで『雨蜥蜴のアーミーベスト』を取り出します。\n 露出する部分が増えるとそれだけ身体の動きが重くなってしまいますから。\n\n「……ヨミさん、身体はまだ大丈夫ですか?」\n\n「実はだいぶ動きにくかったりしています……」\n\n 水に体勢を持っている雨蜥蜴の装備ですけれど、実はだいぶ前に素材を売り払ってしまいました。\n もう雨の中に用事はないと思っていたので……。\n これではヨミさんの装備を作ることもできません。\n\n「何の対策もなく水に濡れると動きにくくなってしまうのです。ごめんなさい、それに今すぐ装備を整えることもできません。でもモンスターを数体倒せばすぐに素材は揃うので、そこまでは我慢してもらってもいいでしょうか」\n\n「あっ、そういうものなんですね。分かりました、けれど私はあまり動けませんから……」\n\n「うふふ、分かっていますよ。この状態で戦えなんて言いませんから」\n\n ヨミさんは先程まで頑張っていましたからね。\n もうそろそろ恐怖心も消えた頃でしょうから。\n\n 雨の中を慎重に進むと、いつか見たシャワーリザードはすぐに現れてくれました。\n\n「リコは盾! ヨミさんはリコの後ろに!」\n\n 指示だけだして、私は一直線にシャワーリザードへ向かいます。\n 思った通りに、シャワーリザードの身体はすぐに淡く光り出します。\n このまま突っ込んだところで、シャワーリザードの放つ水に吹き飛ばされておしまいでしょう。\n でも今の私なら一人でも、魔法を使わなくても対抗できます。\n\n 何度も何度も戦ったシャワーリザード。\n その身体から水が飛んでくるタイミングもバッチリと覚えています。\n そしてその直前、私は周囲の木に向かって飛び上がりました。\n\n シャワーリザードが放つ水は、先程まで私がいた場所を通過してリコへと向かいます。\n そこはしっかりと盾でガード。\n 飛び上がって木を蹴った私はそのままシャワーリザードの真上へ。\n あとは、両手の短刀を首筋深くまで差し込んでおしまいです。\n\n「すごい……」\n\n 短い一言だからこそ、ヨミさんから漏れた言葉は本心なのではと思えました。\n\n\n「お待たせしました。これで動けるようになると思います」\n\n それからシャワーリザードを数匹狩って、すぐにヨミさんの装備を作ります。\n アーミーベストに篭手に脛当てと、これで皆さんの装備がお揃いになりました。\n\n「……なんだかアンバランスですね」\n\n それも本心なのでしょう。\n だって聖職者のローブの上にアーミーベストだなんて、見るからにへんてこな格好ですからね。\n\n「……デザイン、変えたほうがよかったかもね」\n\n 作ってしまったものは仕方がありません。\n どうせこの雨の中だけで身につけるのです。\n 多少の格好悪さには目を瞑ってもらいましょう。\n\n\n そこからは破竹の勢いで……とはなりませんでした。\n 私たちの中でまだ種族レベルのカンストしていない、リコとヨミさんにメインで動いてもらっています。\n 私たちが倒しても経験値が無駄になってしまいますし、そこまで急いでいる旅でもありませんでしたからね。\n\n どうして訓練をしながら動いていくのかというと。\n 強いモンスターというのは、実はいつでも出会う可能性があるからです。\n 特に私が以前に戦った週ボスのウルクとスコル。\n 大きな狼にまたがったこれまた大きなオークは、それはもうとてつもない強さでした。\n 少なくとも、私たちだけでは倒せなかったことでしょう。\n\n「アイリーそこから一発! リコちゃんはすぐフォローに入って!」\n\n でも、いつでも出会う可能性はあるのです。\n マップを徘徊するボス系モンスターは、他のモンスターに比べて行動範囲が広いという噂です。\n もしかしたら次の瞬間には、まだ見たこともないシャワーリザードの週ボスが現れるかもしれないのです。\n 以前にちょっと珍しいシャワーリザードと戦いましたが、あれはあくまでもユニークモンスターであって、ボスというほど強くはなかったそうですからね。\n\n 夕凪さんの指示に従いながら、お互いの距離を確かめつつ戦闘を繰り返します。\n\n 基本的に私の動きは遊撃です。\n 速さを活かして単独で斬りこんだり、モンスターが多い時はある程度の数を引き付けたり。\n 場合によってはアイリーとも一緒に動きます。\n\n リコはアイリーとセットが基本です。\n 私たちの中で一番攻撃力があるのがアイリーですから、その動きを助けるためですね。\n モンスターの攻撃を防いで、場合によっては体を盾にして。\n 動きはアイリーのほうが早いので、リコは付いて行くのが大変みたいでした。\n\n 夕凪さんとヨミさんの2人は後方が基本となります。\n 私とアイリーがセットで動くときは、リコが2人を守ります。\n 普段の場合は弓と魔法とそこまで連携の必要はないので、今は槍を使った牽制を多く練習しています。\n\n 後方に控える夕凪さんやヨミさんが襲われた時は、決して無理をせずに私やアイリーが来るまでの時間稼ぎをメインに考えた行動です。\n そこにリコも加わると槍ばかりが3人です。\n まあ……時間稼ぎの武器としては優秀な気もしますから。\n\n\n「ユウカちゃん、今度は私たちの方に一匹釣って来て」\n\n 私とアイリーの訓練はすぐに終わり、今は夕凪さんたち後方の動きの確認です。\n 夕凪さんに言われて、シャワーリザードをちまちま攻撃しつつ夕凪さんの前まで連れてきます。\n これは後方までモンスターが押し寄せた時の訓練ですね。\n 槍を構える夕凪さんとヨミさん。\n 決して自らはモンスターに近寄らずに、適度に攻撃しつつゆっくり後退しています。\n\n「ヨミちゃん出すぎだよっ! それに力も入りすぎてる。特にヨミちゃんは死なないことが大事なんだから、いつでも逃げられるようにしてなきゃダメだよ」\n\n「は、はいっ!」\n\n ヨミさんは気が逸っているのか、それとも槍の射程の長さをまだ把握できていないのか。\n はたまたやりが重すぎるなのかもしれませんが、夕凪さんに比べるとどうしても前に位置してしまうようでした。\n 唯一の回復魔法を使えるということで、私達にとってヨミさんの死というのは全滅に直結します。\n 夕凪さんの指摘はもっともで、ヨミさんは常に夕凪さんよりもさらに後ろを意識する必要があるでしょう。\n ……前に出るのは、私のせいではありませんよね?\n\n「リコちゃん、そろそろ一緒に来て」\n\n「はい~」\n\n まずはリコが、護衛として夕凪さんとヨミさんの前に立ちます。\n こういう状況というのは、私とアイリーが他のモンスターを相手している時ですからね。\n もしもリコがアイリーと一緒に動いている時でも優先するのはヨミさんの護衛ですから、まずはリコが駆けつけるというのも理にかなった訓練なのでしょう。\n\n リコが間に入ったことで、夕凪さんたちの後退は止まります。\n ダメージは優先的にリコが受け、ヨミさんは回復へと行動を移します。\n あとは私かアイリーがやってくるまでの時間稼ぎだけ。\n そして壁役と回復役がそろった以上、前線にいるであろう私達とこれ以上離れる必要もありませんでした。\n\n あとは私かアイリーが一緒になって目の前のシャワーリザードを倒すだけ、なのですけれど。\n\n「いい感じだね。それじゃもう倒しちゃおう」\n\n 残念ながら相手はシャワーリザード一匹だけで、これは危ない状況を想定した訓練です。\n 私たちが助けに入るまでもなく、リコ、夕凪さん、ヨミさんの3人は目の前のシャワーリザードを倒すのでした。\n\n「暇ね……」\n\n「そうですけれど、大事なことですからね」\n\n 訓練は続けられます。\n その分だけ、私とアイリーには暇な時間が増えていきます。\n 本来ならば私とアイリーの連携も練習するべきなのですが、残念なことにこの辺りのモンスターは弱すぎるためにあまり訓練とはならないのでした。\n\n「リコの盾、もう少し大きくしてもいいかしらね」\n\n 私たちはその様子を見ながら、外から問題点を指摘する役目です。\n\n「どうでしょうか。あれ以上大きくなると、周りが見えなくなってしまうかもしれませんよ」\n\n「……それもそうね。リコはちっちゃいから」\n\n こうしてみると、盾役の背が低いというのは大きな欠点なのかもしれません。\n 今のところ問題は出ていませんが、いつか致命的なことにならないことを願います。\n\n「他は特に問題は無いかしらね。あとは慣れていくしかないでしょ」\n\n「そうですねえ。夕凪さんはもとから弓も槍も扱えましたし、リコとヨミさんはまだ槍を使い始めて間もないですからね」\n\n そもそもリコにもヨミさんにもそこまで武器の扱いを求めているわけではありません。\n 現状でも十分に及第点と言えるでしょう。\n\n\n そして、やっと雨の森を抜けることになりました。\n\n\n------\n\n\n 時刻は夕方でしょうか。\n 空を見上げても生い茂った樹木のせいで空の色が見えません。\n 辺りは薄暗く、今が真夜中と言われても信じてしまいそうなぐらいでした。\n\n「今からは休憩スポット探しをしようか。見張りを立てて野宿は辛いからね」\n\n この辺りというかどの場所もですが、基本的にモンスターというのは街中以外のどこにでも現れてきます。\n そんな中で見張りを立てて野宿をしたとして、モンスターに出会わない格率はいかほどでしょうか。\n もちろん今までも野宿の経験はありますが、ここは草原ではなく森の中。\n モンスターも頻繁に現れている気がします。\n この場で野宿をしたところで、きっと頻繁に起こされることになるでしょう。\n\n「そうなると、みなさんバラバラに別れて探すのですか?」\n\n「それはさすがに危ないからね。私とユウカちゃん、アイリー、リコちゃんとヨミちゃんの2組に別れて探そうか」\n\n「……」\n\n アイリーはむっつりとした表情を浮かべますが、特に文句はいいません。\n バランスを考えるとこう分ける他にありませんからね。\n 私とアイリーが一緒に動いてもいいのですが、そうすると残された3人にもしものことが起きた場合に、火力が足りなくなってしまいます。\n リコやヨミさんが私についてきても、足の速さの違いから効率的ではありませんから。\n\n「それじゃあ連絡は密に取りながらね」\n\n「分かったわ。ユウカさん、気をつけてね」\n\n「アイリーも、リコとヨミさんのことをお願いしますね」\n\n さっそく二手に別れ、森の中を散策します。\n こうして光のない世界に来ると、どうしても健康的な生活になりますね。\n 私たちが用意できる光は松明かアイリーの魔法だけで、どちらも継続して使うには難しいものですからね。\n 日が落ちる前に寝床を確保し、夜はぐっすりと休んで日の出とともに行動を開始。\n まあ、健康的といってもゲームの中での話なのですけれど。\n\n「スポットは基本的に開けているはずだからね。案外森の中のほうが探しやすかったりするんだよ」\n\n「……そういえば、以前の山の中でも開けていましたね」\n\n「リンさんと3人だった時のことだね。そうそう、あの時もすぐに分かったよね」\n\n あの時は確か嵐丸さんが途中から現れたんでしたっけ。\n 今はマトヴィさんと一緒に行動していますが、どこに行っているのでしょうね。\n 最近はホームでも姿を見ていません。\n\n\n スポットはすぐに見つかりました。\n なにせコチラには夕凪さんのペット、白フクロウのハッキがいるのです。\n ハッキの目にかかれば、開けている場所はすぐに見つかるのでした。\n\n 後は焚き火をしながら料理をして、あとはぐっすりと休むだけでした。\n もちろん念の為に見張りは立てます。\n スポットにモンスターは侵入できませんが、プレイヤーはそうではありませんからね。\n\n「そういえば、ユウカちゃんもカーシャを連れて来てるんだよね」\n\n「ええ。カーシャは私から離れたがりませんから」\n\n 今も私の身体にへばりついています。\n 普段は私の身体をまさぐるようなことがなくて良かったと心から思います。\n\n「……ただの妄想なんだけどさ」\n\n 暇つぶしなのか、夕凪さんは思ったことを口走っていきます。\n それは確かに骨董無形な妄想、とも言えないかもしれません。\n\n「カーシャってさ、ユウカちゃんをセイレーンのところまで連れて行ったんだよね。そしてユウカちゃんはセイレーンをテイムしたんだよね。思うんだけどさ、多分だけど、あと数匹ぐらいはおんなじようなことが起こる気がするんだよ」\n\n「……カーシャが私にモンスターをテイムして欲しいんですか?」\n\n「どうだろうね。えっちなユウカちゃんのためにカーシャがモンスターを見繕ってるだけかもしれないし、もしかしたらカーシャ自身のためかもしれないけどね」\n\n ちなみに、セイレーンをテイムするときに起こった出来事を、夕凪さんとアイリーだけはちゃんと把握しているみたいでした。\n 私は何も言っていませんけれど。\n\n「ここからは本当に妄想なんだけどね。もしも3つの関係っていうのがカーシャにも当てはまるなら、道中でテイムするモンスターが見つかるかもしれないかなってね。北の海でセイレーンでしょ。あとは南西と南東のモンスターかなって、なんとなく思ったんだよ」\n\n 確かに、それはあり得そうな話でしょう。\n\n 少し想像してみます。\n この深い森の中、どのようなモンスターが現れるでしょうか。\n 今はまだ雨の森を抜けてすぐの、境界線上に位置した場所です。\n そのために森に出てくるモンスターとはまだ出会っていませんでした。\n\n 森のモンスターといえば、エルフでしょうか。\n でもエルフはプレイヤーも選べる種族ですからね。\n モンスターとしては出てこないでしょう。\n\n 頻繁に戦ったことのあるトレントも、きっとこの森では更に強くなって出てくることでしょう。\n トレントは見た目からもただの木で、柔らかい場所なんてまったくありません。\n あまりテイムする意味はなさそうです。\n\n ……森のモンスターといえばどういうものがいるでしょうね。\n 夕凪さんのペットでもあるフクロウは、そういえば森な気がします。\n 肉食獣ならば、ライオンなどは草原のイメージがありますが、木登りも出来る豹なんかは森に出てくるかもしれませんね。\n\n 草食獣でいうと、やっぱり鹿などになるでしょうか。\n 鹿のモンスターであるフォレスディアも以前に戦ったことがありますね。\n ここほどではありませんが、確かに出会ったのは森の中でした。\n\n ……深く考えるのは止めましょうか。\n 人型のモンスターなんて私には想像できません。\n このまま想像を続けると、私が獣姦する映像まで思い浮かべてしまいそうでした。\n\n「……まあ、えっちなのも程々にね」\n\n まったく失礼な話です。\n さすがにセイレーン程度には、人間であることを求めます。", "afterword": "名前:ユウカ\n種族:人間Lv100\n職業:隠密Lv51, 復讐者Lv67\nクラン:Crystal Vespa\n-\nHP:5100/5100\nMP:5100/5100\n-\nSTR:450\nVIT:320\nAGI:1570\nDEX:910\nINT:350\nポイント:120\n-\n【パッシブスキル】\n短剣術Lv58, 投擲術Lv12, 拳Lv1\n跳躍Lv2, 登攀Lv1\n看知の瞳Lv33, 工人の瞳Lv15\n夜目Lv42, 超聴覚Lv86, 気配察知Lv89\n農業Lv18, 水泳Lv11, 潜水Lv11, 調教Lv1\n読書Lv1\n【アクティブスキル】\n火魔法Lv7, 水魔法Lv4, 影魔法Lv100, 道術Lv1\n隠密Lv47, 解錠Lv20\n料理Lv38, 裁縫Lv85, 釣りLv8, 製糸Lv31\nポイント:148\n【レジストスキル】\n幻惑耐性\n-\n【実績】\n復讐達成+12, 性豪+16, 信頼+9, 呪文個性+8\n-\n【資産】\n1,610,150e\n-\n【装備】\n武器:短刀・黒光、短刀・白光\n   鉄甲・黒蜂、飛苦無・黒討\n防具:速度低下耐性の和服、隠密補正の帯\n   雨蜥蜴のアーミーベスト\n   鰐皮の篭手、鰐皮の脛当て\n   隠密補正のマフラー\n   認識阻害のアームカバー、認識阻害のタイツ\n   速度低下耐性のサラシ、黒い下着\n装飾:婚約の腕輪+7\n   転移のイヤリング"}

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