Krixter/Repo / n0005cn /188.json
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{"novel_id": "n0005cn", "chapter": 188, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0005cn/188/", "title": "188 エルフに弟子入り", "content": " 樹海の中において開けた場所。\n そこは思っていたとおりに森の中の村でした。\n\n「今日は野宿をしなくてすみそうね」\n\n まだ時間はお昼にもなっていませんが、サイレントモンキーの大集団のせいで疲れてしまいました。\n 安全に休めるのならば今日はもう動きたくありませんでしたから、確かに村を見つけたのはラッキーでした。\n\n「落ち着くのはまだ早いよ。このあたりは樹都の範囲なんだし、そうなると村人はエルフだからね」\n\n「……エルフだと何か問題があるのですか?」\n\n「ああ、聞いたことがあります。ゲームによるんでしょうけれど、エルフは排他的なことが多いそうですね」\n\n 私の疑問にはヨミさんが答えてくれまいた。\n 排他的……つまりは他の種族を受け入れないということです。\n 私たちはゲームを始める際にエルフを選んでおらず、ここには人と獣人しかいません。\n もしかして村に入れないなどということもありえるのでしょうか。\n\n 少々不安に思いつつ村へと近付きますが、それは杞憂だったようでした。\n\n「……旅人とは珍しいな。こうして村を訪れたのも何かの縁だ、ゆっくり過ごしていくといい。一軒だけだが宿もあるからまずはそこへ行くといいだろう」\n\n 拍子抜けです。\n 村の門番は確かにエルフで、そこから見える村人も全てがエルフでした。\n しかし排他的な様子はまったくなく、他の村と同じように私たちを受け入れてくれたのでした。\n\n「うん、まあ……掲示板でもそんな話は聞いたことがなかったから大丈夫だとは思ってたんだけどね」\n\n ……早とちりは誰にでもあることですからね。\n でもそうならそうと言ってほしかったです。\n\n 他の村と変わらない、友好的なエルフたちと挨拶をかわしつつ宿へと向かいました。\n 小さな村なので宿も小さなものでした。\n もちろん個室なんてものはなく、大部屋が2つあるだけの小さな宿屋です。\n 万が一他のパーティーが現れたら困るため、残念ながら借りられたのは一部屋だけでした。\n\n「さて、これからどうしようか」\n\n「はいはいっ! 探索したいですっ!」\n\n 今日はこれ以上移動しないことは決まっているので、この村でどうするかの話し合いです。\n やることはもちろん限られていますから、リコのいう探索というのも当たり前の提案でしょう。\n\n「そうだね。地図によるとここは樹都よりもだいぶ北のはずだから、あんまりプレイヤーは訪れていないと思うんだ。ダンジョンじゃないけれど、ここ限定のクエストはあるだろうし美味しい思いもできるかもね」\n\n 村で受けたクエストといえば、竜都へ続く森を抜ける際のクエストが思い出されます。\n 村でのクエストを達成しないと、森を抜けられないというものでした。\n ……ああ、そういえばヨミさんだけはクエストを受けずに直接ホームに転移してきたため、クエストの報酬である【幻惑耐性】を覚えていません。\n 今のところ役に立った記憶はありませんが、機会があれば覚えてもらいたいところです。\n\n「それじゃあ村の散策で決定ね。いくら小さい村でも5人で一緒に探すと面倒だし、ここはそれぞれで調べるべきね」\n\n「あ、アイリー待ってくださいよう」\n\n アイリーとリコはすぐに村の散策へ出掛けました。\n 私はすぐには動けませんでした。\n 実は、ひとつ気になることがあったんです。\n\n 昨日から、夕凪さんから妙に金欲を感じます。\n もちろんお金は大事です。\n こうして宿に泊まるのにもお金が掛かりますし、食べ物を買うのにもお金はもちろん必要です。\n\n でもね、普段ホームで過ごす分にはお金はあまり掛かりません。\n 宿泊は勿論無料ですし、食事だって最近は畑も充実しつつあるのでわざわざ外で買う必要もありません。\n もちろんそれでも必要な物はありますが、下着を売った私のお金だけで十分に賄えるものでした。\n\n どうして夕凪さんはお金を集めたいのでしょう。\n 装備だってほとんど自前です。\n それに今の私たちの最優先は種族を進化させること。\n もちろん相場以上の利益を手にできるのならするべきなのでしょうけれど、それは種族の進化よりも優先させることなのか私には疑問でした。\n\n「ユウカちゃん、何か聞きたいことがありそうだね?」\n\n そんな私の疑問を読み取ったのか、アイリーとリコが出ていった部屋で私に尋ねる夕凪さん。\n\n「ええと……そこまでお金が必要だったかなと思いまして」\n\n お金がないといえば、多分ヨミさんにいたっては1eたりとも持っていないでしょう。\n モンスターを狩ってもドロップ品は手に入りますがお金はもらえません。\n ドロップ品を街で売却することでお金が手に入るのですが、その様子を見たことはありません。\n そしてヨミさんがお金が必要だと聞いたこともありませんから、やっぱりそこまで優先することでもないと思うのですけれど。\n\n「あ~……そんなにガメついてるように見えちゃった? そんな深い意味は無いよ。たださ、いざというときのためにお金はあるに越したことはないし、それにゲームだからさ、クエストとかあったら一通りはやってみたいじゃない」\n\n「それは、分からなくもないのですけれど……」\n\n だったら今までの村でももっとクエストを探してもいいと思います。\n それに、竜都ならばもっといろんなクエストがあったでしょう。\n なにせたくさんのNPCが生活しているのですからね。\n でも夕凪さんが竜都でクエストを探していた姿を見たことはありません。\n\n「まあ、ついでに言うとね? 最近いい感じの矢尻の素材が見つかったそうなんだよ。でも思ったよりも高値らしくてね。数を揃えようと思ったらそれなりの出費になりそうなんだよ」\n\n「それはどのようなものなのでしょう?」\n\n「砂漠で取れるサソリの毒だよ。南の砂漠に向かった人って私たちのいる西の森に向かった人よりも少ないらしくてね。その分より高価になっちゃうんだよね」\n\n それは納得できる話です。\n そうですか、新しい矢尻のお金ですか。\n 確かに矢は何本持っていても足りないものでしょうから、その分だけお金もかかるのでしょう。\n ああ、というか今まで私は何も考えていませんでした。\n 何も考えずに、みんなで倒したモンスターのドロップ品は均等に分けていたのでした。\n\n 少し考えたらわかるのに。\n 壁役のリコは定期的に防具の修復が必要です。\n そして弓を扱う夕凪さんは、定期的に矢の補充が必要なのですから。\n\n「ごめんなさい、今まで気付かなくて……」\n\n「もう、だから言いたくなかったんだよ。ユウカちゃん、そんなことは気にしなくていいの。矢だって基本は私が自作してるんだからお金は必要ないんだよ。リコの装備だって普段はエジアちゃんが直してるんだからね。ユウカちゃんはきちんとクランマスターをできているんだから、一々気にしなくていいんだよ」\n\n でも……。\n でもここは納得しておきましょう。\n お金を集める代わりに、職人を集めたとも考えられるのです。\n 特にエジアの鍛冶師はなかなかに珍しいらしく、お陰で私たちの装備は思った以上に充実しているようです。\n お金以外で貢献できているのは確かなのですから。\n それに、悩まないでって夕凪さんが言うのですからね。\n\n「ああ、もう、恥ずかしいな。ヨミちゃん、ちょっと村の様子を見に行くよ」\n\n そう言うと夕凪さんはヨミさんを連れて宿から出て行ってしまいました。\n ただ1人残される私。\n\n ……ちょっと待って下さい。\n 今、夕凪さんは恥ずかしいと言いましたか?\n 断言できます。\n それはきっと嘘でしょう。\n 夕凪さんはどんなセリフだって恥ずかしげ無く言える人です。\n お金を集めたいのも、矢尻を買いたいというのも本当のことでしょうけれど、恥ずかしいというのはきっと嘘です。\n\n 目的は……ヨミさんとふたりっきりになるためでしょうか。\n 不安です。\n 夕凪さんもアイリーも異様にヨミさんを疑ってかかっています。\n その夕凪さんがわざわざヨミさんとふたりっきりになるなんて。\n ……何も起こらなければいいと、そう思わずにはいられませんでした。\n\n\n------\n\n\n リコと二人で村を歩いて行く。\n エルフというだけあって、周りのNPCはみんな私たちよりも背が高い。\n そのせいなのか私もリコも人気者だった。\n こういう小さな可愛らしさというのはどこでも共通なのかもしれない。\n\n エルフのお姉さから貰ったお菓子を食べながら村をゆっくり見まわっていく。\n 分かっていたけどお店はあまり見当たらない。\n 民家一軒一軒に入っていけば簡単にクエストも見つかるんだろうけれど、NPCとはいえ向こうも不法侵入には意外と厳しかったりするのでそう簡単にはできない。\n\n「はふぅ……」\n\n 後ろを付いてくるリコはなんだか元気が無い。\n ため息は今日何度目だろう。\n 宿にいる時はまだ普通だったのに、私と二人になるとコレだ。\n\n「リコ。言いたいことがあるなら言いなさいよ」\n\n 私よりも歳上なのに、甘え上手とはどうなのだ。\n\n「うう……アイリー、聞いて下さいよう……。私の存在意義がどんどん無くなっていってるんですよう……」\n\n リコの話は単純なものだった。\n 私たちのクランに新たに入ったヨミが原因だ。\n いや、別にヨミが悪いわけではない。\n 職業なんてどれを選んでもその人の自由だし、あまり戦いたくないから回復職を選ぶなんてよくある話だ。\n\n 問題はリコにあると思う。\n リコは今まで私たちのパーティーの回復の要だった。\n 回復薬の要だった、だ。\n 私たちの中で唯一薬を作れるリコは、回復薬全てを担っていた。\n リコにとっては盾職よりも薬で貢献しているつもりだったのかもしれない。\n まあ確かに今までは、守る相手も夕凪と私であまり守りを必要としていなかったから。\n でもヨミが来て、確かに回復薬は必要なくなったかもしれないけれど、その分盾職としてのリコの重要性は増している。\n だから回復薬が使われなくなったところでリコが気にする必要はないのだけれど……。\n\n「私だってもっと役に立ちたいんですよう~」\n\n この状態では何を言ったところで伝わらないだろう。\n リコは薬こそが自分の役立つ道だと思っているのだから、盾があるからいいじゃないと言っても説得できない。\n まあ、そこは簡単だ。\n 別に薬は回復薬だけではないのだから。\n\n「それじゃあ新しい薬を作ればいいじゃないの」\n\n「そうですけどお、師匠がいないと新たなレシピって分かんないんですよう~……」\n\n ああ、そういえば薬師も不人気職のひとつだったっけ。\n 師弟関係を結ばなきゃいけなくて、レシピも師匠からしか教えてもらえないとか。\n でもちょっと待って。\n 例の薬、確かリンと一緒に作ってたじゃないの。\n\n「ねえ……その師匠って、別に一人じゃなくてもいいんじゃないの」\n\n「……え?」\n\n「え、じゃないわよ。リコ、あなた例の薬はどうやって作ったの。わざわざ師匠の所に聞きにいったの。違うでしょ。リンと二人だけでレシピを見つけたんでしょう。それってつまり、その時はリンが師匠だったってことじゃないの」\n\n 実はレシピは不要、実は師匠は変えることができる。\n 考えられるのはこの2つだろう。\n ただレシピ不要というのは除外していいはずだ。\n 以前に掲示板で散々検証されて、レシピは師匠から聞かなきゃどうやっても作れないって結論がでたのを見た記憶がある。\n\n「……そうなんですか?」\n\n「リコのことよ、あなたが判断しなきゃなんとも言えないわよ」\n\n 私は薬師じゃないのだから、本当のところは分からない。\n でも例の薬が作れた以上、師匠は固定じゃないってのは確定したようなものだと思う。\n\n「でも調べることは出来るわよ。なにせここはエルフの村だから、きっと薬師もいるはずよ」\n\n エルフといえば、やっぱり自然の中で暮らしていて、食事も基本的にはほとんど取らず、食べたとしても肉は口にしない。その分だけ自然に詳しくて、薬草なんかにも詳しいっていうのは基本だと思う。\n あとは貧乳とか。\n そういえばユウカさんはどうしてるんだろうか。\n 宿や一部屋だから、今日も昨日に続いてえっちはできない。\n もしかしたら今夜はユウカさんは宿に戻らないかもしれない。\n\n「エルフって長寿な分いろんなレシピも知ってそうじゃない。ほら、探すわよ。速度をあげる薬とか、力をあげる薬とか、欲しいものはたくさんあるんだから」\n\n 個人的に速度アップの薬がほしい。\n だって私の速度が上がれば、それだけユウカさんに追いつけるから。\n 木の上でユウカさんとふたりっきりで周囲を監視するなんて、なかなかいいことだと思う。\n\n「なんだか邪な香りがします……」\n\n そこは素直に感謝するべきだと思うのだけどね。\n\n そしていくらか村を散策して。\n 私とリコはきっちりと薬のクエストを見つけたのだった。\n ……ちょっと長くなりそうな、面倒そうなクエストだった。", "afterword": "名前:ユウカ\n種族:人間Lv100\n職業:隠密Lv51, 復讐者Lv67\nクラン:Crystal Vespa\n-\nHP:5100/5100\nMP:5100/5100\n-\nSTR:450\nVIT:320\nAGI:1570\nDEX:910\nINT:350\nポイント:120\n-\n【パッシブスキル】\n短剣術Lv58, 投擲術Lv12, 拳Lv2\n跳躍Lv2, 登攀Lv2\n看知の瞳Lv33, 工人の瞳Lv15\n夜目Lv42, 超聴覚Lv86, 気配察知Lv89\n農業Lv18, 水泳Lv11, 潜水Lv11, 調教Lv1\n読書Lv1\n【アクティブスキル】\n火魔法Lv7, 水魔法Lv4, 影魔法Lv100, 道術Lv1\n隠密Lv47, 解錠Lv20\n料理Lv38, 裁縫Lv85, 釣りLv8, 製糸Lv31\nポイント:148\n【レジストスキル】\n幻惑耐性\n-\n【実績】\n復讐達成+12, 性豪+16, 信頼+9, 呪文個性+8\n-\n【資産】\n1,610,150e\n-\n【装備】\n武器:短刀・黒光、短刀・白光\n   鉄甲・黒蜂、飛苦無・黒討\n防具:速度低下耐性の和服、隠密補正の帯\n   雨蜥蜴のアーミーベスト\n   鰐皮の篭手、鰐皮の脛当て\n   隠密補正のマフラー\n   認識阻害のアームカバー、認識阻害のタイツ\n   速度低下耐性のサラシ、黒い下着\n装飾:婚約の腕輪+7\n   転移のイヤリング"}

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