| {"novel_id": "n0005cn", "chapter": 189, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0005cn/189/", "title": "189 素材はどこに", "content": "「それではみなさん、どのようなクエストを見つけてきたでしょうか?」\n\n ある程度村を散策したところで一旦集合します。\n さすがに勝手にクエストを受けて、それが数日を要するものだったりしたら困ってしまいますからね。\n 優先すべきは樹都へ向かうことなのですから。\n\n「とりあえず私からですけれど、めぼしい物は特に見当たりませんでした。樹都へとお使いがいくつかあったぐらいでしょうか」\n\n「私たちも同じようなものかな。この周辺での素材集めばっかりだったよ。報酬もありきたりなもののようだし特段受ける必要はなさそうだったね」\n\n 私、そして夕凪さんとヨミさんはあまりいいクエストを見つけることはできませんでした。\n まあ小さな村ですし、そんなところに大きなクエストはおけないというのが実情なのでしょう。\n\n「ねえユウカさん。やっぱり樹都には急いで行きたいのかしら」\n\n これはあれでしょうか。\n つまりは時間の掛かりそうなクエストを見つけたということでしょう。\n そして確認してくるということは、受けたいと考えているわけで。\n ……そこまで焦っていたように見えたのでしょうか。\n きっと見えたのでしょう。\n\n「そこまで急いではいませんよ。子どもたちのことは任せてきたのですからね」\n\n「よかったわ。……リコがね、自分の作る薬が役に立たなくなったって落ち込んでたの。そこでクエストを探してみたところ、新しい薬のレシピを教えてもらえるものがあったのよ」\n\n「アイリー! なんで言うんですか!」\n\n「なによ。今は樹都を目指しているんだから、理由を言わなきゃみんなも納得しないでしょ。そもそも悩んだ時にすぐ相談すればよかったのよ。ユウカさんだったら絶対に助けてくれたわ」\n\n リコは真っ赤になってアイリーに突っかかります。\n 気付きませんでした。\n 確かにリコの作る回復薬を使用する頻度は激減しています。\n 回復役のヨミさんがクランに加わったからですね。\n しかし、そのことでリコが落ち込んでいたとは……。\n\n「リコ、気付かなくてごめんなさいね」\n\n「うう、ユウカさぁん~」\n\n よしよしとリコを撫でながら続きを聞きます。\n\n「どんなレシピなのかはまだ分からないわ。新しい薬を作るために助手を探してるってやつなのよ」\n\n「詳しいことは実際に受けないと分からないからね」\n\n そんなわけで、さっそくそのクエストを受けに行きました。\n\n\n「なんだい、不器用そうな子だねぇ」\n\n ……その言葉にみんな驚きました。\n まあリコの見た目はそうかもしれませんが、いきなり言うこともないではありませんか。\n\n「……なんだかさっきと態度が違うわ」\n\n「そうなんですか? 不思議ですね」\n\n リコが直接NPCと話し、私たちはすぐそばで見ています。\n ここは村の中央近くにある薬師の家です。\n 相手は気難しそうなおばあさん。\n よくクエストを発見できたと思います。\n\n「まあいいさ。今は猫の手でも借りたいぐらいだからねぇ。それで、向こうはあんたの知り合いかい?」\n\n「はっ、はいっ! ユウカさん達です!」\n\n わざわざ私の名前が出るあたり、リコの想いが透けていますね。\n 皆さん知っていることですから気を悪くはされませんけれど。\n\n「そうかい。それじゃ人手は足りそうだねぇ」\n\n「……」\n\n 嫌な予感は当たりました。\n\n────────────────────\n『薬の素材を探そう』\n依頼主:\n ディルミエッタ\n依頼内容:\n 薬の素材となる素材の納品\n報酬:\n 対応する薬のレシピ\n────────────────────\n\n 私たち全員の前にウィンドウが現れます。\n リコがクエストを受けるだけだと思っていたのに、どうやら私たち全員が受ける必要があるみたいです。\n まあ仕方がありません。\n これもリコのためですからね。\n\n「あんたはあたしと一緒にここで薬を作ってもらうよ。それとあんたたち、何でもいいから村の外で素材を探して持っておいで。でもつまらないものは受け取らないよ。そこいらの草じゃ新しい薬は作れないんだ。あたしが作りたいのは新しい薬だよ。つまらない素材なんか持ってくるんじゃないよ」\n\n 私たちはおばあんさんによってお店から追い出されてしまいます。\n もちろんリコだけはここに残って、おばあさんと一緒に薬作りです。\n 1人取り残されるリコは助けてほしそうに私を見ていましたけれど、それは無理というものでした。\n\n\n「つまりこれは、薬師専用のクエストなんだろね」\n\n 皆さんで村の外へと向かっています。\n 正直な所、素材と言われても何を採取すればいいのかさっぱりでした。\n\n「ついでにいうとパーティーを組んでいる必要もあるのでしょうね。リコが薬師のところに縛り付けられている以上、素材を集めるには他の人も必要だもの」\n\n 今回受けたクエストは、報酬が薬のレシピとなっています。\n もちろん私たちにとっては全くの無用なのでしょう。\n レシピを貰ったところで該当するスキルがありませんからね。\n 報酬を受け取れるのは、実質はリコだけなのでした。\n\n「確か薬師になるためには弟子入りする必要があるんだよね。もしかしたら私たちもあのおばあさんに弟子入りできるのかな」\n\n「だとしても別に必要ないわよ。薬師はリコがいたら十分でしょ」\n\n しかし……パーティーでないと受けられないクエストもあるのですね。\n 今までは個人で受けるものばかりでしたら少々意外です。\n まあそれでリコは新たな薬を作れるようになるのですから、協力するのは当然でした。\n\n「ところで、素材っていっても何を集めたらいいんだろうね」\n\n「そうですよね……。そもそも私たちは薬の素材を見極めることもできませんし……」\n\n 素材の採取には該当するスキルが必要。\n これはもう常識です。\n でも薬の素材を見極めるスキルはリコしか覚えていません。\n こんなことならあらかじめスキルをリコから教えてもらっていたらよかったと思わずにはいられません。\n\n「新しい薬を作るっていう話だし、それこそ持っていく素材はなんでもいいんじゃないの。私はもう決めたわ」\n\n そういうアイリーの手の中には……そこらで拾ったとしか思えないただの石が収まっていました。\n\n「アイリー……」\n\n「大丈夫よ。こういうのは一度失敗してからヒントが貰えるものなの。ちょっと待ってて。すぐに情報を引き出してきてあげるから」\n\n 村を出てすぐ、その場に落ちていた石を拾ったアイリーが村へと戻って行きました。\n ……大丈夫なのでしょうか。\n さすがにただの石が薬の素材になるとは思えませんし、おばあさんも気難しそうな方でした。\n 怒られなければいいのですけれど……。\n\n そのまま村の外を適当に見回っていること数分。\n アイリーはすぐに戻ってきました。\n\n「……怒られたわ。しかもヒントも何もくれないの。これは思ったよりも面倒なクエストになりそうね」\n\n 案の定の結果です。\n 石を薬の素材として持って行ったアイリーはただ怒られて戻ってきたそうです。\n 当たり前ではないですか。\n さすがに明らかに使えないものを持って行ってもダメでしょうに。\n\n「アイリーは意外とお茶目だよね。さすがに石はダメだよ。私みたいにせめて草を選ばなきゃ」\n\n 夕凪さんは……そのへんに生えている草を選んだみたいです。\n ……私からすると、雑草も石もそう変わらないものなのですけれど。\n でも薬の素材も基本は植物ですし、もしかしたら使えるものなのかもしれません。\n\n そう思いながら、村へと戻る夕凪さんを見送りました。\n\n「ダメだったよ。ユウカちゃん慰めて……」\n\n そして夕凪さんも怒られて戻ってきました。\n もちろんヒントは得られていません。\n そもそも新しい薬を作るという話なのですから、ヒントはもらえないのではないかと思いませんか。\n\n「ちょっと! ……ユウカさん、私も慰めてよ」\n\n どういう状況なのでしょうね。\n 村はずれで夕凪さんとアイリーを抱きしめています。\n 私は嬉しいのですけれど、ヨミさんの視線が気になって仕方がありませんでした。\n\n\n「しかしどうしようか。これは本格的に時間がかかりそうだよ」\n\n「そうね。真面目に素材を探すとなると数日はかかりそうよね」\n\n「……それはつまり、目につく素材を全て持っていくということになるのでしょうか?」\n\n「ヨミちゃんの言うとおりだよ。私たちが該当するスキルを持っていない以上、総当りで調べるしかないよね」\n\n 私とヨミさんは未だ素材を決めかねています。\n いえ、目につく物はいくつかありました。\n ちょっと綺麗な石とか、見た目の珍しい草とかは探せばそこら中に見つかるのです。\n でもね。\n 夕凪さんもアイリーも怒られています。\n それどころか、杖でもってどつかれたという話ではありませんか。\n 私もヨミさんも、その話を聞いたことで素材を持っていくのをためらってしまっていました。\n\n「ユウカさんがわざわざ怒られる必要なんて無いわ」\n\n 悩んでいる私の隣で、アイリーと夕凪さんは交互に素材を持って行きます。\n 私が選び悩んでいるものも代わりに選んで持って行ってくれます。\n そうして毎度、怒られて戻ってくるのです。\n\n「アイリー、夕凪さんも。もう私の代わりに選ぶ必要はないのですよ?」\n\n「まあまあ、私たちも好きでやってるんだからユウカちゃんが気にすることはないんだよ」\n\n そうは言いますけれど、普通は気にすると思います。\n 申し訳無さでいっぱいです。\n\n「でも、確かにこのまま続けても正解できるとは思えないわね」\n\n 確かにそうでしょう。\n 村の周辺から始めて、目につく石や草などはだいたい持って行ったと思います。\n しかし全て怒られるだけで、ろくにヒントも貰えません。\n そうなると、今の考えが間違っていると考えるのは普通なのでしょう。\n\n「アイリーさんの言うとおりに、ヒントが貰えるというのはよく分かります。けれども素材を持って行ってもヒントが貰えないということは、実はもうなんらかのヒントをいただいているということになるのではないでしょうか」\n\n「うーん……それも考えてみたんだけどねえ」\n\n なるほど、既にヒントは得ているですか。\n おばあさんの会話を思い出します。\n\n『何でもいいから村の外で素材を探して持っておいで』\n『つまらないものは受け取らないよ』\n『そこいらの草じゃ新しい薬は作れないんだ』\n\n どれもヒントのようであり、しかしなんとも言えないものです。\n\n「とりあえず、村の外っていうのは間違いないよね」\n\n それはそうでしょう。\n はっきりと村の外で探して来いと言われて、実は村の中に素材があるという話はあまりにも酷いではありませんか。\n\n「そこいらの草じゃダメっていうのはどうなのかしらね。そもそも草じゃダメってことなのか、それとも珍しい草こそを求めているのかしら」\n\n そこは考える必要がありそうです。\n しかしどちらとも判断はできません。\n 少なくとも、今までは草だろうと草でなかろうと持って行っているのですから。\n\n「そもそもが無理な話なのよ。だって私たちは薬師じゃないし、どういったものが素材になるかだなんて分かるわけがないじゃないの」\n\n「アイリー、落ち着いて……」\n\n でもそう叫びたい気分も分かります。\n 基本的な回復薬ですら、私たちはその素材を詳しく知りません。\n そもそもがスキルがなければ採取出来ないアイテムですから当然なのかもしれませんが、やはり憤りは感じてしまうのでした。\n\n そう考えたところで、思い出してしまいました。\n 実はひとつだけ、薬の素材を私たちは知っていたのです。\n\n「あの……例の薬の素材って、もしかしたらヒントにはならないでしょうか」\n\n「ああ……そういえばそんなのもあったよね」\n\n ブルカウのミルク。\n つまりはモンスターのドロップ品です。\n\n「ふうん。確かにモンスターのドロップ品はあり得そうね。でも私もひとつ思いついたわ。あのおばあさんからヒントが得られないのなら、村人からヒントが貰えると思うよの。村で唯一の薬師らしいし、他の人からも話が聞けると思うのよね」\n\n 村の中で知名度があるので、きっと他の人も知っているだろうという話ですね。\n それも有り得そうなことでしょう。\n しかし、です。\n\n「でも今日はもうおしまいね。もう夕方だもの」\n\n「そうだね。慣れない場所で夜の狩りは危ないからね。適当に村人から話を聞いたら今日はもう休もうか」\n\n 方針が定まってきたのはいいことでしょう。\n しかし本日は、クエストは未達成のままで終えることになりそうでした。\n\n\n------\n\n\n 夜の宿は思っていた以上に広いものとなってしまいました。\n それは部屋が広かったというわけではなくて、ユウカさんとリコさんがこの場にいないからでした。\n\n リコさんはおばあさんに付きっきりなのだそうです。\n どうやら私たちが薬の素材を持っていくまでは、リコさんはおばあさんのそばから離れられないようでした。\n 新しいスキルを覚えるというのは大変ですね。\n 私が呪文を覚える時も、長い時間が必要だったのはつい最近の話です。\n\n ユウカさんは夜遅くなっても村人から情報収集を続けています。\n NPCというのは時間を掛けて仲良くなってこそ、色んな話が聞けるようになるのだそうです。\n それに時間も重要で、例えば酒場に混ざったりすると仲良くなりやすく、話も聞きやすいのだとか。\n でも、この村に酒場は無かったと思いますけれど……。\n\n「……ユウカさん、戻ってきませんね」\n\n「ふんっ。多分戻ってこないわよ」\n\n アイリーさんは少々機嫌が悪いようです。\n きっと本日何度も怒られたからでしょう。\n\n「アイリー、そんなに不貞腐れるものじゃないよ。初めから分かってたことじゃない」\n\n 夕凪さんは面倒見のいい方です。\n 私も何度も助けられています。\n\n ユウカさん。\n 私はユウカさんのことが気になっています。\n この旅はチャンスだと思っていました。\n ユウカさんのホームで過ごしている間、真夜中のユウカさんを何度かこっそり覗き見したことがあります。\n 真夜中だけではなく、昼間からの時もありました。\n\n そんな調子ですから、旅の最中でも遠慮なく行うものと思っていました。\n けれどそんな様子はありません。\n 私の見間違い、そんなことはあり得ないのできっとユウカさんが我慢しているのでしょう。\n\n そして、我慢しているからこそ私が付け入る隙があるのです。\n 私はユウカさんに興味がありました。\n だってユウカさんは……。", "afterword": "名前:ユウカ\n種族:人間Lv100\n職業:隠密Lv51, 復讐者Lv67\nクラン:Crystal Vespa\n-\nHP:5100/5100\nMP:5100/5100\n-\nSTR:450\nVIT:320\nAGI:1570\nDEX:910\nINT:350\nポイント:120\n-\n【パッシブスキル】\n短剣術Lv58, 投擲術Lv12, 拳Lv2\n跳躍Lv2, 登攀Lv2\n看知の瞳Lv33, 工人の瞳Lv15\n夜目Lv42, 超聴覚Lv86, 気配察知Lv89\n農業Lv18, 水泳Lv11, 潜水Lv11, 調教Lv1\n読書Lv1\n【アクティブスキル】\n火魔法Lv7, 水魔法Lv4, 影魔法Lv100, 道術Lv1\n隠密Lv47, 解錠Lv20\n料理Lv38, 裁縫Lv85, 釣りLv8, 製糸Lv31\nポイント:148\n【レジストスキル】\n幻惑耐性\n-\n【実績】\n復讐達成+12, 性豪+16, 信頼+9, 呪文個性+8\n-\n【資産】\n1,610,150e\n-\n【装備】\n武器:短刀・黒光、短刀・白光\n 鉄甲・黒蜂、飛苦無・黒討\n防具:速度低下耐性の和服、隠密補正の帯\n 雨蜥蜴のアーミーベスト\n 鰐皮の篭手、鰐皮の脛当て\n 隠密補正のマフラー\n 認識阻害のアームカバー、認識阻害のタイツ\n 速度低下耐性のサラシ、黒い下着\n装飾:婚約の腕輪+7\n 転移のイヤリング"} |
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