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{"novel_id": "n0005kw", "chapter": 1, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0005kw/1/", "title": "古屋に住む、思春期息子への性教育", "content": " 下町の古いアパートの一室。築五十年は超えるだろう年季の入った木造アパートの二階、真ん中の部屋が和也と由紀、そして小学五年生になる息子、晴也の住処だった。\n 六畳一間の和室が生活の中心で、食事も勉強も、そして夜も、この狭い空間で共に過ごしていた。\n 夜になれば、三人で川の字になって寝るのがいつもの光景だ。それが彼らの当たり前であり、何よりも温かい時間だった。\n その日も、夕食後の片付けを終えた由紀が、敷いた布団の上に座り込んでいた。\n 和也は傍らで晴也の宿題を見てやり、晴也は食卓代わりのちゃぶ台に頬杖をつきながら、難しい顔で算数の問題に取り組んでいる。\n\n「うーん、パパ、ここがわかんない」\n「どれ?」\n\n 晴也が唸り声を上げると、和也は隣に身を寄せて問題用紙を覗き込む。\n 由紀はそんな二人の様子を眺めながら、ふと口を開いた。\n\n「前に言ってた、あのことだけど、そろそろ真剣に考えた方がいいんじゃない?」\n「ああ……そうだな、もうそろそろいい頃合いかもしれないな」\n\n 晴也は何のことだかわからないといった顔で、二人の顔を交互に見る。\n 和也は顎に手を当てて考え込む中、息子は好奇心に満ちた目で二人の会話に聞き耳を立てていた。\n\n「ねぇ、何の話?僕に関係あるの?」\n\n 晴也が口を挟むと、和也はにこやかに答えた。\n\n「晴也にも関係あることだよ。お前が大きくなるにつれて、もっと色々なことを知っていく必要があるからな」\n「でも、どうやって話すの?まだ小学五年生よ?どこまで話していいものか…」\n「大丈夫だよ、俺がきちんと説明する。変に隠したり誤魔化したりする方が、かえって良くないんだ。それに学校でもそろそろ勉強するコロナだろうし、ちゃんと理解できるさ」\n\n 晴也も小学五年生。\n 夫婦は二人目の子供を作るため、この狭い家では時に息子の理解が必要になることもあるだろうと考えていた。\n そして、このタイミングでの性教育がベストではないかと考えたのだ。\n\n ————————————\n\n 勉強を終え、三人で川の字になって寝転んでいたとき、晴也が突然身を起こして言った。\n\n「ママ。さっき言ってた、僕に関係ある話ってなんなの?」\n\n 和也と由紀は顔を見合わせた。\n そして和也はゆっくりと体を起こし、晴也の方を向いた。\n\n「よし!じゃあ、今から話すか」\n\n 由紀も起き上がると、晴也を挟んで和也と向かい合う形になった。晴也は興奮した面持ちで、二人の話に耳を傾ける準備をしていた。\n 和也は深呼吸をして、穏やかな口調で話し始めた。\n\n「晴也、人間はな、男女が協力して新しい命を授かるんだ。それを、これからパパとママも行動にしたいと思ってる」\n「何をするの?」\n「赤ちゃんを作ろうとしてるんだ。そのためには、もしかすると晴也が知っておかないと驚いてしまうようなこともあると思う。だから、ちゃんと教えたいと思ったんだよ」\n「そうすれば、僕の弟ができるの?」\n「妹かもしれないけどな。それに、まだ作るための行動はしていないし、それが成功するかどうかもわからないんだ」\n\n 晴也は首をかしげる。\n\n「協力?どういうこと?」\n「そうだな…例えば、パパとママが、晴也が生まれてくることを心から願ったとするだろ?そうするとさ……ええと……」\n\n 和也は少し言葉を探すと、由紀がそっと助け舟を出した。\n\n「パパとママが、お互いに一番大切な気持ちを伝え合う時間のことよ」\n\n 晴也はまだピンとこないようだ。\n 和也はより具体的で、思春期に入った息子にもわかる言葉を選んで説明を試みる。\n\n「人間にはね、男の人と女の人で、それぞれ特別な体つきがあるんだ。それは、赤ちゃんを作るための大切な役割を持っているんだ」\n\n 和也は絵本を読み聞かせるような優しい声で、しかし決してごまかさずに話し続けた。\n\n「男の人の体にはね、赤ちゃんのタネがたくさん詰まった大切な部分があって、女の人の体にはそのタネを受け止めて赤ちゃんを育てるための大切な場所があるんだ」\n\n 晴也は目を丸くして、真剣な表情で和也の言葉を聞いていた。\n これまでも六畳一間で生活をしてきて、夫婦生活が全く無かったわけではない。\n とはいえ、セックスをするのは専ら晴也が学校へ行っている時間であり、子作りを目的とした行為というよりも、コンドームを着用して避妊をした、性欲を満たすための行為だった。\n それが、今後は目的が変わってくる。\n 貴重な排卵期間に積極的に子作りセックスをするためにも、夜間も営みの時間にあてたいと考えているのだ。\n\n「そういえば赤ちゃんって、どうやってできるの?」\n\n 由紀は、少し照れたように和也の顔を見る。和也は静かにうなずき、話を続けた。\n\n「それはパパとママが、お互いを一番愛しているって気持ちを伝え合う時に、男の人のタネが、女の人の体の中へと移っていくんだ。そのタネが、女の人の体の中にある卵と出会うと、そこで新しい命が芽生えるんだよ」\n「タネが移るって、どうやって?」\n\n 晴也の純粋な問いかけに、和也は一瞬言葉に詰まった。しかし、これも大切な性教育の一部だ。\n\n「男の人の大切な部分と女の人の大切な部分を、お互いにくっ付けるんだ。パパとママが本当に心を通わせた時に、自然とそういう風になるんだよ」\n「そうよ。パパとママが特別な絆を感じ合う、とても気持ち良くて大切な時間なの。だから、誰にでも見せるものじゃないし、誰にでも話すことでもないのよ」\n\n 和也はさらに続けた。\n\n「この話をする前に、一つ、晴也に見せておきたいものがあるんだ」\n\n 和也は枕元に置いてあったスマートフォンを取り出した。そして事前に調べておいた、生命の誕生に関するアニメーション動画を晴也に見せた。\n それは、赤ちゃんがどのように母親のお腹の中で育っていくのかを、分かりやすくリアルに描かれた教育的な動画だった。\n 動画が始まると、晴也は画面に釘付けになった。\n\n\n\n\n「このように、男性器を女性の膣内に挿入し、腰を振るなどをして刺激を与え続けていきます。すると男性器の先端から精液と呼ばれる体液が飛び出るのです。それを射精といいます」\n\n\n\n\n\n アニメーション動画内の男女が、性行為を思わせるような重なり合うシルエットで動いている。\n 腰を前後に動かしてピストン運動を繰り返していると、解説に合わせてグッと腰を押し込んで膣内射精をしている様子を表現する。\n そして、女性の体内映像に切り替わると、子宮内に精子がやって来て見事に受精した。\n 受精卵が細胞分裂を繰り返し、少しずつ形を変えていく様子、心臓が鼓動を始める瞬間、手足が生えてくる過程。\n 一つ一つの描写に、晴也は感嘆の声を上げた。\n\n「わー、すごい!赤ちゃんって、こうやって大きくなるんだぁ!」\n\n 動画を見終わると、晴也は興奮冷めやらぬ様子で、和也と由紀の顔を交互に見た。\n\n「精子と卵子って……聞いたことあるなぁ。僕も、こうやって生まれたの?」\n「そうよ。パパの精子とママの卵子が一緒になって、ママのお腹の中で晴也が育ったのよ」\n「大きくなるにつれて、晴也もいつか、誰かを愛して、新しい命を育む可能性があるんだ。だからこそ、自分の体のこと、相手の体のことをきちんと知っておく必要があるんだよ」\n\n 晴也は少し難しい顔で考え込んでいた。\n\n「でも、その…タネが移すってどうやるの?さっきの動画みたいに、本当にちんちんが女の人のお股になんて入るの?痛くないの?」\n\n 和也は晴也の素朴な疑問に、真面目に答えた。\n\n「いや、痛くないよ。むしろ、お互いが愛し合っている気持ちを確かめ合う、とても気持ち良い時間なんだ」\n\n 由紀も和也の言葉に同意するように、優しく晴也の背中を撫でた。\n\n「そうよ。お互いを愛して、大切に思う気持ちがあれば、自然と優しくしてあげたくなって、おちんちんやおっぱいを触って気持ち良くさせたいと思うようになるの。そして、それを受け入れるために痛みがないように体が変わるのよ」\n「女の人のお股に、ちんちんが入るような所なんてあるの?お尻の穴?」\n「お尻の穴でそういうことをするカップルもいるけど、赤ちゃんをつくるためにはその上にある穴の中で射精しないと出来ないんだよ。だから男の人は、その穴を間違えないようにしないといけないな」\n「難しそう……」\n「大丈夫だ。まずは、晴也も誰かを心から愛する人ができたら、その人のことを何よりも大切に思ってあげなさい。その気持ちが大事なんだから」\n\n 晴也は、まだ完全に理解しているわけではないだろうが、二人の言葉の裏にある伝えたいことを感じ取っているようだった。\n\n「わかった。僕も、いつかパパみたいに、誰かを大切にする!」\n\n 息子のその言葉に、胸が温かくなるのを感じた。\n\n「そうか。それは楽しみだな」\n\n 和也は、晴也の頭をくしゃくしゃと撫で、由紀も晴也を抱きしめる。\n 狭い六畳間の和室に、家族三人分の温かい空気が満ちていた。\n その夜、晴也はいつもより早く眠りについた。眠りながらも、時折、笑顔を見せている。\n 新しいことを学び、少しだけ大人になった気分なのだろうか。\n そんな晴也の寝顔を眺めながら、静かに語り合った。\n\n「これでよかったのかしら」\n「ああ、これでいいんだ。隠すよりも、きちんと教えることの方が大切だ。それに、これからも折に触れて、少しずつ話していけばいい」\n\n 和也は由紀の手をそっと握った。\n\n「晴也が、自分の体も人の体も、それから命そのものを大切にできる人間に育ってくれるといいな」\n\n 由紀は深く頷いた。\n\n「ええ。そうね。きっと、大丈夫よ」\n「早速だけど、しようか……」\n「そうね、晴也も寝たし。久しぶりにコンドームつけないの、楽しみだわ。ナマで出来るのね」\n\n 満月の光が、カーテン越しに六畳間の和室に差し込んでいた。", "afterword": "他、pixiv等でも更新しています。"}

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