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{"novel_id": "n0005kw", "chapter": 4, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0005kw/4/", "title": "親子三人で迎える新たな命", "content": " 六畳一間の部屋は、すでに出産のための特別な一室と化していた。\n\n「なんか、すごいね。近所のいろんな人が応援してくれてる」\n「うん。家で産むって決めたこと、間違いじゃなかったかもね」\n\n 部屋の中央には防水のビニールシートが敷かれ、その上には清潔なシーツと由紀がもたれかかるためのクッションが用意されている。\n 傍らには、湯気の立つお湯を入れた桶、大量のタオルや脱脂綿などが、主役の登場を今か今かと待ち構えていた。\n 部屋に戻ってから三十分もしないうちに、陣痛の波はさらに大きなうねりとなって由紀を襲った。\n\n「うっ……!く……ぅぅぅ……っハァン!」\n\n 由紀は四つん這いになり、クッションに顔を埋めてうめいた。\n 背中から腰にかけて、内側から体を二つに引き裂かれるような激しい痛みが走る。\n\n「うううっ!はぁっ、はぁっ……いっ……たぁいっ……!」\n\n 和也は由紀の隣に膝をつき、大きく張ったお腹の横から震える腰を力強くさすり続けた。手のひらに、由紀の体の強張りと熱が直接伝わってくる。\n\n「晴也、お母さんのために、お水持ってきてくれるか?」\n「うん!」\n\n 晴也は頷くと台所へ走り、ストローを挿したペットボトルを大事そうに運んできた。\n\n「ママ、お水だよ」\n「ありがと。晴也……ふぅーっ、ふぅーっ……」\n\n 痛みの合間に、由紀は喘ぐようにストローを咥えて渇いた喉を潤した。\n その横顔を、晴也は心配そうに、そして真剣な眼差しで見つめている。\n その時、玄関のドアが静かに開き、ヘルプの助産師のが穏やかな声と共に姿を現した。\n 四十代半ばの、頼りがいのある女性だ。\n\n「こんにちはー!由紀さんの陣痛、どんな感じ?」\n「もう、だいぶいきみたい感じなんですけどね。あともう少しってところかしら」\n「そう、順調みたいね。いい感じに進んでるわ」\n\n 助産師は手際よく荷物を置くと身支度を整えて消毒を済ませ、すぐに由紀のそばに寄り添った。\n\n「ちょっとお腹の音、聞かせてもらうわね」\n\n 冷たい聴診器が素肌に触れる。\n\n「あああっ……もう、ダメっ……痛いってぇ!」\n「うん、赤ちゃんも元気いっぱいよ。もうすぐお母さんに会えるのが分かってるのね」\n\n 助産師の落ち着いた声は、部屋の緊張した空気を少しだけ和らげてくれた。しかし、陣痛の波は容赦なく押し寄せる。\n 由紀の叫び声が狭い部屋に響き渡り、体を支える和也の腕にも自然と力が入った。\n アパートの周辺には近所の人々が集まり、由紀の叫び声を聞きながら出産の進み具合を心配していた。\n\n「由紀さん、上手だよ。呼吸、呼吸。吐いてー、長くー」\n「暑いっ!窓、開けてっ!」\n「晴也くん、そこの窓、開けてもらっていいかしら」\n「はいっ!」\n\n 晴也は一箇所しかない部屋の窓を全開にすると、湿気が多く含んだ外気が室内に吹き込んでくる。\n\n「いやっ!もう、無理っ……お腹、切ってぇぇぇ!」\n「自宅出産で赤ちゃんを迎えてあげるんでしょ?大丈夫よ。赤ちゃん、頑張って降りてきてる証拠だからね。これだけ痛いのはゴールが近いってことよ」\n\n 助産師は冷静に、しかし温かく由紀を励ます。\n\n「和也さん、もっと腰をその骨盤のあたりをぐーっと押してあげて。そうそう、上手」\n\n 和也は言われるがままに、手のひらの付け根で由紀の仙骨のあたりを圧迫する。\n\n「どう?」\n「うん、そこ……もっと……強く……!」\n\n 晴也は、部屋の隅で固唾を飲んでその光景を見ていた。\n 叫び、苦しむ母の姿。必死で支える父の姿。見たことのない光景に、恐怖にも似た言葉にできない感動が入り混じっていた。\n 涙が滲みそうになるのを、ぐっと堪えているようにも見える。\n\n「あの……パパ?」\n「どうした?」\n\n 晴也が声をかけると、和也が振り返った。\n\n「お母さんの汗、拭いてもいい?」\n「もちろん。ママ喜ぶぞ」\n\n 晴也は傍らにあったタオルを手に取り、おそるおそる母に近づくと、クッションからわずかに見えている由紀の額の汗をそっと拭ってやった。\n 痛みの合間にかろうじて意識を取り戻した由紀が、晴也の存在に気づいた。\n\n「ごめんね、こわいよね」\n「それより……僕ね、ちんちんが固くなってるんだ。何かおかしいんだよ」\n\n 晴也は不安そうな表情で自分の下半身の異変に気づいた。\n すると、和也は息子に伝えた。\n\n「それは勃起ってやつだな。それなら、トイレでシコシコして落ち着かせて来たらいいよ。射精しそうになったら、そのまま便器の中に出して来なさい」\n「ちんちんから精子が出るのは知ってたけど、こんな時に……」\n「きっとママが苦しんでる声や喘ぎ声で興奮しちゃったんだろうば。大人になると、エッチなこととかで興奮した時にみんなそうなるんだよ」\n\n 晴也は自分の股間が固くなるのは病気ではなく正常な反応だと知り、少し安心したようだった。\n この数ヶ月で、男女の営みや妊娠や出産について目の当たりにしてきた晴也。\n しかし、この勃起は出産という一大イベントを前にした興奮と緊張によるものだとも知らず。\n そんなやりとりを聞いていた由紀が、思わず笑みをこぼした。\n\n「もうっ!旦那さんったら……」\n「あはっ……すみません。でも息子には、子作りを始めるにあたって、このタイミングで性教育をした方がいいだろうって話し合って教えたんです」\n「素晴らしいですね。さぁ、お母さんもいよいよですからね。晴也くんもオナニーしてくるなら、してきていいわよ」\n\n 晴也は男性のペニスが勃起して膣内へ挿入すること。そして、その中で射精をし、精子を女性の子宮内に送り込むことで命が始まることがあるという学びを得たが、どのタイミングで挿入するのかまではよく理解していなかった。\n そして、一人トイレへこもると、自らのまだ小さなペニスを握り、ゆっくりと上下に動かし続けた。\n 刺激を与え続けていると、その行為はとても気持ち良い感覚を得られるのだと知り、徐々に絶頂が近づいていく。\n 初めての自慰行為は、母親の出産間近という特殊な環境であり、晴也にとって決して忘れることのない瞬間になるだろう。\n\n「うぅぅぅぅぅぅ……っ、なんか……出そうっ!」\n\n 晴也は便器を目の前に、今まで味わったことのない快感で陰茎の先からビュッと発射した。まるで体が溶けていくような脱力感の中、自分の体の中にあった全てを放出したような興奮状態が数分ほど続いたのだった。\n そんな中、由紀の出産の時も近付きつつあった。\n\n「あの、大丈夫ですか?もうすぐそこまで赤ちゃんの頭も降りてきてますし、もうすぐですね。指の先で触れるところまで来てますよ」\n「ママ、頑張ってるね。あのね僕、さっき初めて射精したんだ。これ、オナニーっていうんだって。ちんちんをこういうことをするのも初めてだよ」\n「そう……なのね。晴也も精通を迎えたなんて、ママ感動しちゃうな。これでもうあなたも大人の仲間入りよ」\n\n 由紀の目から一筋の涙がこぼれ落ちた。それは、出産に向けた痛みだけの涙ではなかった。\n 晴也という思春期に入った息子の精通。\n それは、第二子の出産を目前に控えたこの瞬間での出来事だということが、大きな意味をもたらしていた。\n\n「もう、いきみたい……なんか、出そうよぉ!」\n\n 由紀の体が本能的にいきみを逃がそうと大きくしなる。", "afterword": "他、pixiv等でも更新しています。"}

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