| {"novel_id": "n0006mm", "chapter": 19, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0006mm/19/", "title": "第四話(1)", "content": "この家で三日目の朝はカーテンを閉め忘れて寝たおかげで、朝日と同時に目が覚めてしまった。\n\nまだ眠気の残る頭で、昨夜の甘い記憶をぼんやりと思い出す。\n僕の膝の上で乱れる春香ちゃん。\n僕のものを貪るような腰使いと熱い蜜壺の感触。\n思い出すだけで、朝勃したものがさらに硬くなってしまいそうだ。\nでも、それに浸っているだけではいけない。\n春香ちゃんの柔らかい身体、敏感な反応、そして出し惜しみなく僕に愛をぶつけてくれる可愛らしさ…一日中だって抱くことができるだろう。\nでも、僕は春香ちゃんだけのお兄ちゃんじゃない。\n三人の妹がそれぞれちゃんと幸せになれるように考えないと、一緒に住んでいる資格がないだろう。\n\nまずは春香ちゃんとの行為をちゃんとコントロールすること。\nそして、愛の形はどうあれ、三人とも公平に愛してあげること。\n\n言語化するのは簡単だけど、どう実践したものやら…と考えこんでいると、睡魔が頭をもたげてくる。\n寝起きであんまり難しいことは考えるもんじゃないな。\nそんなことを思いながら、僕は二度寝を決め込んだ。\n\n「お、起きたね、ゆー兄?」\n次に目を開いた瞬間、目の前に夏帆ちゃんの顔があった。\n吐息を感じるぐらいのドアップはさすがにびっくりする。\n「な、夏帆ちゃん?」\n「今日のめざまし当番は私がジャンケンで勝ったんだよ?…おはよう、ゆー兄」\n「うん……おはよう…って、何してたの?」\n「いやー、まだ時間に余裕があっから、観察してたの」\n「観察?」\n僕はアサガオとかカブトムシみたいな扱いなんだろうか…\n「いや、ちゃんとヒゲが生えてるんだなー、とか、意外と筋肉あるなーとか」\nそういいながら、夏帆ちゃんの細い指が僕の二の腕を触る。\nエアコンで冷えた腕に夏帆ちゃんの体温がきもちいい。\n「やっぱりゆー兄って男の人なんだねぇ…」\n目の前の夏帆ちゃんが微笑む。\n少し大人びた表情を見て、綺麗だなと思う。\n普段元気が良すぎる夏帆ちゃんだけど、この子も美少女なんだよなぁ…\n「え?」\n夏帆ちゃんが目を開く。\nしまった、つい夏帆ちゃんの頬を触っていた。\n少女らしいきめ細かい肌。\nもちもちとした感触が心地いい。\n「ゆー兄…」\n夏帆ちゃんの顔がより近づいてくる。\nどう考えてもこれはダメな流れだ。\n誰か助けてくれ。\n「なっちゃーん!ゆーちゃんまだおきないのー?」\n救いの天使は秋花ちゃんだった。\nナイスだ我が末妹よ。\nその言葉に僕も夏帆ちゃんもはっとして姿勢を正す。\n\n「あはは、ゆー兄、なかなか起きなくてさぁ」\n「いや、ごめんね夏帆ちゃん」\n\n僕の部屋を覗いている秋花ちゃんが可愛く首をかしげている。\n\n「なっちゃん…はるちゃんがお料理しているからたすけてあげたほうがいいかも?」\n「それはマズい!」\n\n夏帆ちゃんが慌てて部屋を出ていく。\n…そんなに春香ちゃんの料理は危険なんだろうか。\n\n「ほら、ゆーちゃんもおきて!」\n「はいはい、秋花ちゃんご苦労さま」\n秋花ちゃんの頭をぽんぽんと撫でてあげる。\nさらさらとした髪の毛の手触りがいい。\n「えへへ。もうあさごはんだから、すぐきてねー!」\n\n秋花ちゃんがスキップするように廊下を走っていった。\n\n「あぶないあぶない……」\n僕の独り言が誰にも聞かれずに消えていった。\n\n秋花ちゃんのおかげで助かったようなものの、明らかに夏帆ちゃんとの距離感が近い。\nいくらなんでも今の展開はまずいだろう。\n\n「お兄ちゃん、おはようございます」\n僕が食堂に向かうと、セーラー服の春香ちゃんが朝食を並べていた。\n今日の朝食はベーコンエッグとトーストという洋食メニュー。\nベーコンがかなり黒いのがすこし気になる。\n「ごめんなさい、ちょっと焦がしちゃったの…」\n春香ちゃんがシュンとしている。\n一見なんでもそつなくできそうだけど、本当に料理が苦手らしい。\n「あたしが駆けつけなかったら、ゆー兄は炭を食べることになってたかもね…」\n料理番長の夏帆ちゃんはなかなか容赦がない。\n「なんでだろうなぁ…火を使わないでいいんだったら大丈夫なんだけど」\n春香ちゃんは真剣に落ち込んでいるようだ。\n「でも春香ちゃんが一生懸命作ってくれたんだからね」\n僕としては、可愛い妹の料理を否定したくない。\n「僕だって料理始めた当初はひどいもんだったからね。たとえセンスがなくても知識と経験でなんとかなるよ」\n「うん…がんばる!」\n「ゆー兄はやさしいなぁ」\n夏帆ちゃんが呆れ顔だ。\n「まあまあ、焦げても味はいい感じだよ」\n僕が春香ちゃんが焼いたベーコンを一切れ食べると、意外といけた。\nちょっとほろ苦さはあるけど、ちゃんとベーコンの味がする。\n「ほろ苦さが大人の味でいいんじゃない?」\n「いや、それはフォローしすぎでしょ…」\n夏帆ちゃんがジト目で見てくる。\n「ふふ、おとなのあじー」\n秋花ちゃんもベーコンをもぐもぐ食べている。\n「ちなみ、夏帆先生的に料理のコツは?」\n「んー、失敗したらその失敗をもうしない、だけじゃないかなぁ」\n「それをできたら苦労しないわよ…」\n春香ちゃんがため息をつく。\n「まぁ、夏休みになったらみんなで練習しようよ」\n「あ、いいね。はる姉には普段勉強教えてもらってるから、あたしがはる姉を特訓してあげる」\n「ええ…」\nこと料理に関しては姉妹の力差が完全に逆転している。\n「あきもやる!ゆーちゃんにたべてもらうの!」\n「そうだね、楽しみにしてるよ…僕もバリエーション増やしたいしね」\n実際、小学生に頼り切りの食卓というのもどうかと思うので、みんなでレベルを底上げすれば夏帆ちゃんの負担の軽減にもなるだろう。\n\nガヤガヤした朝食を終わらせ、通学カバンをもった春香ちゃんと、ラベンダー色のランドセルを背負った夏帆ちゃんを見送る。\n\n「じゃあ、秋花ちゃんも幼稚園に行こうか?」\n「うん、ゆーちゃんといっしょ!」\n\n秋花ちゃんが僕の手を握る。ぷにぷにの柔らかい感触。秋花ちゃんの温もりが伝わってくる。\n秋花ちゃんが僕の手を離さないので、しっかりと握り返す。柔らかい指先が僕の掌を包み込み、彼女の体温が僕の体内に流れ込んでくる。\n「ゆーちゃんの手、大きいね」\n「秋花ちゃんの手は小さいね」\nお互いに笑いながら歩く。\n道中はたわいないおしゃべりが続く。\nそれがとても楽しい。\nうん、ちゃんと健全にお兄ちゃんできてるじゃないか、僕。\n\n朝、うっかり夏帆ちゃんにキスしそうになったのも、あれは寝起きで頭が働いていなかった…ということにしよう。\n\n多分。\n\n「ゆーちゃんは今日なにするの?」\n\n幼稚園に向かう道すがら、秋花ちゃんが僕の顔を見上げながら問いかける。\n\n「うーん、今日はおしごと探しの続きをしないとなぁ」\n「じゃあ、あきがおてつだいしてあげる!」\n\n秋花ちゃんが胸を張って答える。可愛いけど、幼稚園児に求職の手伝いはさせられない。\n\n「お部屋のお片付けはよろしくね?」\n「うん!まかせて!」\n\n秋花ちゃんの笑顔を見るだけで心が穏やかになる。\n彼女の無邪気さには本当に癒される。\nそのまま秋花ちゃんを送り届けて、家に帰る。"} |
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