| {"novel_id": "n0006mm", "chapter": 31, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0006mm/31/", "title": "第五話(8)", "content": "夏帆ちゃんの無邪気な寝顔を見ると、やはりまだ幼い女の子であることを実感する。\n\n「さて、と」\n\n僕は夏帆ちゃんを起こさないように起き上がる。\n\n「ん…ゆー兄…」\n\n夏帆ちゃんが僕の名前を呼ぶけど、頭を撫でてあげると再び寝息を立てる。\n\nとりあえずなにか飲みたかったので、ズボンを履いてゆっくり階段を降りると、食卓で春香ちゃんが勉強をしていた。\n\n「まだ、勉強してたの…?」\n「うん、誰かさんの声が大きくてね…部屋だと落ち着かないから」\n「あはは…それは申し訳ない」\n\n春香ちゃんはため息をつく。\n\n「あの子、私より声が大きいんじゃない?あれじゃ、そのうち秋花も気づくわよ…」\n「うーん、気を付けないとね」\n\n春香ちゃんは少し考えてから立ち上がった。\nそして、食器棚からグラスを取り出して冷蔵庫から麦茶を注ぐ。\n\n「飲むでしょ?」\n「ありがとう」\n\n麦茶を受け取り喉を潤す。冷たい感触が心地よい。\n\n「それで、夏帆とはどこまでしたの?」\n「いや、そんなことは……」\n「したんでしょ?」\n\n春香ちゃんの追求に抗えない。僕は正直にすべてを話した。\n\n「無理に最後までしないってあたりがお兄ちゃんというか…似ちゃうのね…」\n\n誰に、とは聞かない。春香ちゃんの初体験相手は知っているから。\n\n「で、お兄ちゃんは気持ちよかったの?」\n「まぁね…」\n\nこうストレートに聞かれたらさすがになんて答えていいかわからない。\n春香ちゃんはニヤニヤしている。\n\n「まぁ、お兄ちゃんを一番気持ちよくできるのは私、って自信あるから」\n\nそう言って笑う春香ちゃんはすこし無理しているように見えた。\n\n「本当にどうしようもない兄貴で申し訳ない…」\n「ううん、謝らないで…お兄ちゃんは悪くないよ」\n\n春香ちゃんは優しい笑みを浮かべる。\n\n「それに、お兄ちゃんがあの子たちを大事に思ってくれてるのがわかって嬉しい」\n「もちろん、家族なんだから大切にするよ」\n「そうだよね…私達家族だもんね」\n\n家族としては歪んでいるかもしれない。でも、僕たちはこうやって家族愛を確かめることを選んでしまったんだ。\n\n「だから、誰が一番、とかは今のところナシにしてあげる」\n「…今のところ?」\n「だって…私たちが結婚できる年齢になったら話は別よ?」\n\n春香ちゃんがウインクする。\n\n「その時に、お兄ちゃんがみんなと結婚したいならそれでもいいけど……」\n「春香ちゃんも欲張りだよね」\n「それだけ、私たちのロリコンお兄ちゃんは魅力的だってことよ?」\n「ははは……」\n「ふふっ、冗談はさておき……私はお兄ちゃんの一番になりたいし、他の二人にもそうなってもらいたいの」\n「うん……」\n\n僕が春香ちゃんを抱き寄せると、彼女は素直に身を委ねてくれた。\n\n「お兄ちゃん……ありがとう」\n\n春香ちゃんが呟くように言う。\n\n「ううん、僕の方こそだよ」\n\nしばらく静かな時間が流れる。窓の外からは虫の鳴き声と風の音しか聞こえない。\n\n「明日から期末テストでしょ?そろそろ寝た方がいいよ」\n「お兄ちゃんも…夏帆が寂しがってるかもよ?」\n\nお休みなさいのキスを交わしてそれぞれ部屋に戻る。\n夏帆ちゃんの安らかな寝息を聞きながら、僕もベッドに横たわった。\n挿入までは至らなかったとはいえ、夏帆ちゃんとも一線を越えてしまった。\n僕たちの夏休みはどうなっていくのだろう。", "afterword": "多分、平日は日常編が続くと思います…「夏休み編」は密度が高くなるので、よろしくお付き合いください"} |
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