Krixter/Repo / n0006mm /32.json
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{"novel_id": "n0006mm", "chapter": 32, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0006mm/32/", "title": "第六話(1)", "content": "「ゆーちゃん!なっちゃん!起きて、朝だよ!」\n\n秋花ちゃんの元気な声で目が覚める。\nああ、そうか、昨日は夏帆ちゃんと一緒に寝たんだっけか。\nいや、寝たどころか…昨日の甘い行為を思い出して体温があがる。\n僕の横でブランケットにくるまっている夏帆ちゃんが身じろぎをする。\n腕に触れるすべやかな肌の感触…その時点でマズいことに気が付いた。\n\n「起きた!起きたから、秋花ちゃんは先に降りてて!」\n「うん?でも、なっちゃんは起きてないよ?」\n\n僕は思わず声がうわずる。\n\n「う、うん……夏帆ちゃんは起こすからさ……」\n\n秋花ちゃんの手前、冷静なふりを装うが内心はパニック状態だ。\n\n「ん…ゆー兄…秋花?」\n「ちょっと、待って!」\n\n僕が止める間もなく夏帆ちゃんが寝ぼけながら体を起こす。\n\n「…なっちゃん、はだかで寝てるの?」\n「え?」\n\nそう、夏帆ちゃんは昨日の僕との行為の後、そのまま寝てしまっていたのだ。\n下半身はタオルケットに隠れているが、夏帆ちゃんの少女らしいスレンダーな身体や膨らみかけの胸が朝日の下で晒されている。\n\n「あ、あはは…昨日は暑かったからね?」\n\nそのことに気が付いた夏帆ちゃんが苦しい言い訳をする。\n\n「ふーん、あきもゆーちゃんと寝たときあつかったから、やってみようかな?」\n「いやいや、お腹冷えちゃうからダメだよ!」\n「えー、なっちゃんはいいのに…」\n\n唇を尖らせる秋花ちゃんをなんとかなだめる。\n\n「じゃあ、はやくおりてきてね!」\n\nパタパタと足音が遠ざかる。\n夏帆ちゃんが僕に向き直ると、急に赤面した。\n\n「あたし、夏だから暑いのは平気だって裸で寝ちゃった……」\n「いや、僕もちゃんと考えるべきだったよ…」\n「えへへ……見ちゃった?」\n「まぁね……」\n\n夏帆ちゃんのあどけない笑みに、昨夜の快感に乱れた表情が重なる。\n\n「二人とも何してるのよ…」\n\n秋花ちゃんがあけっぱなしにしたドアから春香ちゃんがこっちを見ている。\n\n「えへへ、ごめんね、はる姉……」\n「ほんとよ……夏帆、そういうところはちゃんとうまくやりなさいね?」\n「はる姉みたいに?」\n\n姉妹二人の空気が一瞬だけ張り詰める。\n夏帆ちゃんの言い方に悪気は感じられないけど、春香ちゃんはいろいろ思うところはあるんだろう。\nっていうか、夏帆ちゃんはやっぱり気づいていたのか。\n…まぁ、なんにせよ、そもそもの原因が僕にあることは間違いない。\n\n「まぁまぁ…二人とも、今日は学校でしょ」\n「わかってるよー」\n「お兄ちゃん、秋花を忘れないであげてね?……私も」\n「そうだね」\n\n夏帆ちゃんはベッドから飛び降りると、脱ぎ捨ててあった下着と部屋着を身につける。\n\n「本当に脱ぎっぱなしじゃない…ちゃんと洗濯機に入れときなさいね」\n「はーい」\n\n階段を降りていく春香ちゃんに夏帆ちゃんが返事する。\n\n「どうしたの?夏帆ちゃん」\n\n着替え終わっても僕をじっと見つめる夏帆ちゃんを問いかける。\n\n「あのね……その……ゆー兄、あたしとの初エッチっていつ頃できそう?」\n「そんなこと、今聞くの……?」\n「だって気になるんだもん」\n\n僕は苦笑いしながら答える。\n\n「まぁ、夏休み中にはできるんじゃないかな…焦らないでいいよ」\n「…でも、したいもん…」\n「そんなに急いで大人にならなくていいよ、まだ小学生なんだから」\n「そっか、ゆー兄、ロリコンさんだもんね?」\n\nそう言い残してスキップで部屋に戻っていく。\nあんな無邪気な子を僕は汚そうとしているんだな……\n自己嫌悪はあるけど、先ほどの夏帆ちゃんの裸を見て体の一部が堅くなってるんだから、我ながらどうしようもない。\n\n僕も身支度を整えてリビングに降りると、春香ちゃんと秋花ちゃんがお皿にヨーグルトとフルーツを盛り付けている。\n\n「ゆーちゃん、おはよう!」\n「おはよう、秋花ちゃん」\n\n秋花ちゃんが元気よく挨拶してくれる。そんな秋花ちゃんの頭をなでてあげる。\n\n「今日の朝ご飯はオシャレだね。春香ちゃんが作ったの?」\n「私も包丁はちゃんと使えるのよ…火加減がダメなだけなんだから」\n\nそういって頬を膨らませる春香ちゃんも可愛い。\n\n「それで、夏帆ちゃんは?」\n「まだ着替えてるのかしらね?……もうすぐ来ると思うけど」\n\nすると、ちょうどタイミングよく階段を降りる音が聞こえてきた。\n\n「おまたせー。お、フルーツヨーグルト!あたしブルーベリー山盛り!」\n\n夏帆ちゃんがリビングに入ってくる。\n下はいつものように短パンだけど、上はTシャツじゃなくて、控えめにフリルがついたブラウスだ。\n\n「夏帆、可愛いの着てるわね」\n「へへ…なんとなくね」\n\n普段はボーイッシュな格好が多い夏帆ちゃんが珍しく女の子らしいコーディネートをしている。\n\n「なっちゃんかわいい!」\n「これ、はる姉のおさがりなんだよ。アキが着れるようになるまで大事にしないとねー」\n「いままで私のおさがり、あまり着なかったのに…」\n\n春香ちゃんが苦笑している。\nその夏帆ちゃんの変化の原因は…僕なんだろうなぁ。\n\n「じゃあ、私は今日から試験で終わるの早いから、帰りに秋花のお迎えしちゃうね」\n「がんばってね、春香ちゃん」\n\n昨日はなんか勉強の邪魔しちゃった気がするし…期末試験問題ないといいなぁ。\n\n「あたしは今日は体育かー。もう暑いのに校庭でサッカーとか…」\n「それは…がんばってね」\n\n夏帆ちゃんの健康的な肌色がさらに健康的になりそうだ。\n\n「夏帆、日焼け止めちゃんとしなさいよ?」\n\n春香ちゃんも同じことを思ったらしいけど、心配の仕方がやはり女の子だ。\n\n「ほーい…めんどくさいんだけどなぁ」\n「あきはようちえんでプールだよ!」\n\n秋花ちゃんもプールかぁ……プールバッグ背負ってるのはそういうことだ。\n\n「秋花ちゃんもがんばってね」\n「うん!」\n\n秋花ちゃんの水着姿、今度写真に撮らせてもらえないかな。\n\n「じゃあ、行ってくるわ」\n「いってきまーす!」\n「あきもいってきます!」\n\n三人が家を出て行くのを玄関先で見送った後、僕は居間のソファーに座り込んだ。\n\n姉妹三人が出てしまうと、家の中が一気に静かになる。\n\nさて、僕はなにをしようか…と、ソファから庭を見るとやはり雑草の多さがきになってしまう。\n就職活動は気になる会社のいくつかに見学と面談申し込みをして返答待ちだから今は動けないし、庭の草刈りでもしようか。\n\n車止めの裏にある物置を開けると、そこには草刈道具だけでなく工具の山だった。\n大工道具から車のメンテ工具まで、ちょっとした工具屋のように綺麗に整頓されている。\nオヤジが建築家だったことも、この家のリフォームは親父が趣味で自分でやっていたことも妹たちからは聞いている。\n以前は興味もなく知る必要もないと思っていたことが、この大事にされてただろう工具たちから伝わってきてしまう。\n\nオヤジがどれほどこの家を愛していたのか。\nそれは、この家に住む人たちも愛していたということなんだろう。\n\n「じゃあ、なんで俺と母さんは捨てられたんだろうね…っと」\n\n恨んでいるつもりはないけど、それぐらいの愚痴はいっても罰はあたらないだろう。\nこのままいるとセンチメンタルな気分に陥りそうだ。\n\n草刈り機と竹箒を持って庭に出る。7月初旬とは言え、陽射しはかなり強い。\nこれは今のうちにやってしまった方がよさそうだ。\n\n「さて、やりますか…」\n\n結局、慣れない草刈りがなんとか形になったのは休憩をはさみつつ昼過ぎになっていた。\n\nひさびさにちゃんと体を動かしたので、昼過ぎには僕はもうバテバテでリビングで転がっていた。\nしかし、その甲斐もあって窓から見える光景が気持ちいい。\n窓を全開にしていると入ってくる風と草の匂い。\nああ、これで風鈴とかつけたら完璧かな。\n縁側に座ってみんなでスイカを食べるのもいいし、ビニールプールを出して秋花ちゃんに遊んでもらうのもいいなぁ。\n\nオヤジ、あんたがこの家を気に入ってたのもなんとなくわかるよ。\n\n頭にいろんなことが行き来しながら僕はうとうとと眠りに落ちていった。"}

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