| {"novel_id": "n0006mm", "chapter": 40, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0006mm/40/", "title": "夏休み編1夏帆とラジオ体操(2)", "content": "僕が部屋で着替えてリビングに戻ると、三人ともすっかりお出かけの準備を終えていた。\n\n春香ちゃんは清楚な白いワンピース。\n夏帆ちゃんはTシャツにゆったりしたジーンズ。\n秋花ちゃんもキャラクターが大きくプリントされたワンピースで、みんなちょっとおしゃれだ。\n\nこの辺の子にとってはショッピングモールはそういう気合を入れて行く場所なんだろうなぁ。\n\n「じゃあ、行こうか」\n「うん!」\n\n僕の言葉に三人が元気よく返事をする。\n\nショッピングモールは平日の午前中なのに結構な人出だった。\nさすが夏休みだ。みんな考えることは同じらしい。\n\n「まずはどこ行く?」\n「食料品!」\n「本屋!」\n「おもちゃー!」\n\n三者三様の希望が出てきた。\n\n「じゃあ、食料品は最後にしようか?」\n「そうだねー、冷凍食品とかアイスも買いたいし。じゃあ、あたしははる姉と本屋に行こうかな?」\n「あきはゆーちゃんとおもちゃやさん!」\n「はいはい、じゃあお昼になったらここに集合でいいかな?」\n\nフードコートの入り口を集合場所に決めて、二手に別れる。\n僕は秋花ちゃんの手を引いておもちゃ売り場に向かう。\n\nこういう大型店舗は通路が広くて、たくさんの家族連れが行き来している。\n僕たちは他から見て兄弟に見られているのだろうか、それとも親子…まぁ、他人の目をあまり気にしても仕方ない。\n今はただ、秋花ちゃんと楽しむだけだ。\n\n「ゆーちゃん、あれー!」\n「お、なにかな?」\n\n秋花ちゃんが指さす先は人形やぬいぐるみのコーナーだ。\n\n「くまさんおっきいねー!」\n「ほんとだ、かわいいね」\n「うん!」\n\n秋花ちゃんはさっそくぬいぐるみを手に取って、嬉しそうに抱きしめる。\nその姿がたまらなく可愛らしい。\nやっぱり女の子はこういうのが好きなんだな。\nでも、さすがに秋花ちゃんとおなじぐらいのサイズくまさんは家には大きすぎるし、値段があまりかわいくない。\n\n「秋花ちゃん、そのくまさんはちょっとおっきすぎないかな……ベッドに入らなくなっちゃうよ」\n「そう?じゃあこっちくまさんにするー!」\n\n秋花ちゃんが抱えているのは手ごろなサイズのぬいぐるみだ。\n\n「じゃあ、それにしよっか」\n「うん!」\n\n秋花ちゃんがくまさんを抱えてレジに向かう。\n\n「えへへ、このくまさんのお名前、ゆーちゃんにする!」\n「え、それだと僕もゆーちゃんだからわかりにくくない?」\n「じゃあね、こっちのくまさんは、ゆーくん!」\n「……じゃあ、僕の代わりに秋花ちゃんを守ってもらわないとね」\n「うん!」\n\n集合時間までまだちょっと時間があったので、子供向けゲームコーナーに立ち寄る。\n\n「ねぇねぇ、このガチャガチャやってもいい?」\n「いいよ、ほら」\n\n秋花ちゃんがガチャガチャの機械の前で座ってコインを入れている。\n僕はあずかったクマのゆーくんを抱えながら、そのほほえましい光景を眺めているとふとこちらを見ている視線に気がつく。\n\nそこには大学生ぐらいの青年がちらちらとこっちを見ていた。\n彼の角度からは丁度、しゃがみこんだ秋花ちゃんが見えるわけで…\nその意図が分かってしまったのは僕が同類だからだろう。\n\n「秋花ちゃん、欲しいの出た?」\n「うん!」\n\n自然に秋花ちゃんの側によって青年をにらみつける。\nその青年はそれに気が付いて、そそくさと立ち去っていった。\n\n秋花ちゃんみたいな可愛い幼女に興味をもってしまうロリコンは僕だけじゃない…気を付けないとなぁ。\n妹のパンツを見て興奮していいのは僕だけなんだ。\n\nいや、僕もいいのかはわかんないけど。\n\n\n「秋花ちゃん、お腹空いた?」\n「ちょっとすいたかもー」\n「じゃあ、お姉ちゃんたちと合流しよっか」\n「うん、いっぱい歩いたからお腹すいちゃった!」\n「僕もペコペコだよ」\n\n待ち合わせ場所のフードコートに行くと、先に春香ちゃんと夏帆ちゃんが席を確保してくれていた。\n\n「もう買ってきたの?」\n「うん、先に食べていいよ?」\n\n夏帆ちゃんの前にはラーメン、春香ちゃんの前にはパンケーキとアイスティーが置いてある。\n\n「じゃあ、お願いしようかな。秋花ちゃん、なにがいい?」\n「あきはお子様ラーメン!」\n「じゃあ、僕は海鮮丼にしようかな」\n\n僕は夏帆ちゃんに秋花ちゃんをお願いして、ラーメンと海鮮丼を買いに行く。\n\n「ゆーくん、よろしくね?」\n\n夏帆ちゃんが僕の代わりのクマのぬいぐるみを抱っこしている秋花ちゃんに話しかける。\n\n「今日の戦利品?」\n「うん、あきのゆーくん!」\n「あら、お兄ちゃんがもういるじゃない」\n「ちがうよ、ゆーちゃんじゃなくてゆーくんだよ」\n「そっかそっか」\n\n二人が並んでいるところを見ると、本当に姉妹なんだなって感じる。\n年の離れた妹が可愛くて仕方ないお姉ちゃんたちだ。\n\n「じゃあ、この後は三人で行ってくるから、お兄ちゃんは時間を潰してて?」\n「え、僕だけ仲間外れなの?」\n「んー、ついてきてもいいけど…楽しみにしていてほしいな、あたしたちの水着」\n\nそういえば、夏休みになったら海やプールに行きたいって話を前にしていたっけ。\nそれはそれで、水着は見たいけど一緒に買いに行くというのはさすがに……うん、僕が恥ずかしいだけかもしれない。\n\n「じゃあ、僕は向こうで服でも見てるよ」\n「うん、そっちの方があたしたちも気合が入るしね!」\n\n食事を終えて、僕は一人でメンズフロアにきた。\n服を選ぶのは久しぶりだ。仕事用のシャツとか、部屋着のTシャツとか。\n職種が変わると服装の傾向も変わるから、現状ではあまり必要はないんだけど……まぁ、いつまでも無職ってわけにもいかないし、来週にはいくつか面接もあるし。\n\n何着か手に取って試着していると、ふいに後ろから声をかけられた。\n\n「お兄ちゃん、お待たせー!」\n「お、どうだった?」\n「見て見て!」\n「あきもー!」\n\n三人がそれぞれ袋を手に掲げている。\n中身はわからないけど、彼女たちが嬉しそうなのでそれで十分だ。\n\n「これは海に行ってのお楽しみね!」\n\n春香ちゃんがウインクする。\n\n「うん、楽しみにしてる」\n「じゃあ、最後に食料品を買って帰ろう」\n「そうだね……はる姉、アイス買ってくれる?」\n「もちろん!」\n\nスーパーに移動してカートを押す。夏帆ちゃんが横について食材を選び始める。\n\n「ねぇ、ゆー兄。今日の夕飯、なにがいい?」\n「そうだなぁ……カレーとか?」\n「あ、いいね!夏野菜カレーにしよ!」\n\n夏帆ちゃんがカレールーをカゴに入れて、夏野菜を選び始める。\n\n「あと、サラダと……あ、デザートもいるよね」\n「夏帆ちゃんは本当に料理が上手だね」\n「えへへ、ゆー兄に喜んでもらえると嬉しいよ」\n「じゃあ、夜までお腹を空かせておくから」\n「任せといて!」\n\nお会計を終え、荷物を車に積み込む。外はもう夕方に差し掛かろうとしていた。\n\n「さ、帰ろうか」\n「はーい」\n\n車を発進させると、後部座席では三人が楽しそうに今日の戦利品を見せ合っている。\n\n秋花ちゃんのゆーくん(クマ)、春香ちゃんの参考書と小説、夏帆ちゃんのお菓子とゲーム……それぞれ個性が出てるなぁ。\n\nそこに水着の袋も見えるから、どれだけ買ったんだって感じだけど。\n\n「今日はいい買い物できたね」\n「うん!」\n「水着、お兄ちゃんも気に入るといいな……」\n「楽しみにしてるよ」\n「ゆーちゃん、くまのゆーくんも楽しみだって!」"} |
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