| {"novel_id": "n0007er", "chapter": 1, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0007er/1/", "title": "一人になりたい。", "content": "一人になりたい、って思わないか?\n俺は思う。切にそう思う。\nいつもそうだし、今まさにそうだ。\nあー、とにかく一人になりたい。\nドアを開けたら女子高生が立ってる、彼女は俺の部屋に入りたがってて、俺も入れてやりたい。\nだが、入れれば騒動になるのがわかってる。\n俺の部屋にセフレ未満の女が居座っているからだ。\n\n俺は高見俊という。大学生で二十歳だ。五反田で一人暮らしをしている真面目で食えない野郎だ。\n同居人はいるのだが、何度出ていけと言っても俺の部屋で寝泊まりを続けている。奴の名前は三村清美といって一応は女子大生なんだが、ここんところ全く登校していない。部屋から出ないからだ。\nどうしてこういう状況になったのかを話すのは面倒だ。いずれ詳しく話さなきゃいけないんだろうが、今は簡単に流したい。\n三村とは高校一年の時に出会った。そう、もう5年の付き合いになるんだが、俺たちは一度も彼氏彼女になったことがない。確かに顔はそこそこ、胸もそこそこで見た目だけなら惚れる輩も出てくるだろうが、性根が腐ってる。どうしてそうなったのかは知らない。そこそこモテる小学時代、中学時代を過ごしていくうちにそうなったと俺は思っているが、そんなことはどうでもいい。とにかく三村は腐ってる。\n高校1年の時に三村は俺の隣の席にいた。教科書はおろかノートもシャーペンも持たず、全て俺の物を見るだ持ち出すだで済ませた女だ。俺が不満を言うと、あいつはこんないい女が隣にいるんだから貢ぐのは当たり前だと抜かしやがった。冗談ではなく本気だったのだから恐れ入った。\n腹が立ったのは、俺がそれを拒否し罵倒すると、いちいち胸のボタンを外してブラジャーを見せ、これが代金だと言い放ったことだ。更に、それは俺が強制し自分は泣く泣く従っている的なことを大声でアピールしやがった。\nこれで恋愛だ何だに発展するわけがない。\n俺は本気で怒り、担任にも相談した。そもそも三村は学校で勉強する意志さえない、勉強道具を揃えず教室に来て、髪だネイルだばっか弄ってるだけで、俺の邪魔しかしないと訴えた。\nしたらばどうだ、三村の奴はその担任を懐柔しやがった。そのそこそこの身体で担任を食っちまったんだ。結局勉強道具は担任が揃え、三村に貸し出す形になった。それで俺も納得した。もう俺に関わってくる理由がなくなったからだ。\n\nだが、その年の終わりに事件が起きた。三村が妊娠したらしいという噂が流れたのだ。相手は知らない。担任かもしれないし、彼氏かパパかもわからない、いや、これは俺の見解ではなく三村本人が教室でそう叫んだのだ。\nで。\n奴が何をしたか。中絶カンパを自分の身体で集め始めたのだ。最初は使ってない教室でのおっぱい披露ショー、それで金が集まらないと全裸ショーに発展し、最後は援助交際で目標額をクリアしたらしい。\nもちろん俺は無視した。近づきもしなかった。担任も何か弱みを握られていたのか見て見ぬふりを決め込んでいた。三村に関わった男はたいていこういう落ち着き方になった。手に負えないのだ。\nこの時問題になったのは、妊娠が嘘だったということだ。なぜバレたかと言えば、三村に童貞を捧げた奴が、あんなにがばがばで子供なんかできるわけがない、と言い出したからだ。しかもそのがばがば具合がすきま風を感じるほどで、とても射精なんかできる代物じゃなかったというからどんだけだ、と。\nまぁ、やりたい盛りの男子高校生がやってそう証言したら本物だ。何しろそいつ、まだ俺は童貞だとまで言ったのだ。三村はあっという間に立場を失った。少なくとも女として見る馬鹿はいなくなったのだ。\n後になって、妊娠詐欺はバイト先の金をくすねて怖い人に追いかけられた結果、弁償する為に仕組んだことも明かしたが、だからどうした?だった。\nそういうわけで三村は本物のクズだった。そして今もクズ女のままだ。\nそんな三村が俺の大学にいた。もちろん学生としてではなく、何か理由があって潜り込んでいた。その教室で隣に俺が座ってしまったのだ。地雷がそこにあるのも知らずに。\nで、あーだこーだと押されて揉まれて気が付いたら奴を部屋に入れてしまっていた。そこから、俺の一人になりたい状態が始まったのだ。\n高校時代もそうだったが、俺は三村を前にするとすぐに疲れて反論する気力を失う。苦手ではなく合わないのだ。とにかく奴の\n「いーわよ、だったら身体で払うわよ!」\nという啖呵を聞くと眩暈がする。隙間風の清美が何を払えるというんだよ、と思った瞬間膝が抜ける。どんなにエロい下着を着てようが、全裸でセクシーなポーズをとろうが、ガバマン女だとわかっている時点で無意味なのだ。しかも俺は三村を既に女と見ていない。セフレ未満とは、セックスする気力さえ起きない関係だ、ということなのだ。\n\nちっ、やはり長くなっちまったじゃないか。\n\nで、そういう状態の俺の部屋に女子高生が入ろうとしているのが今、まさに今なのだ。\nな?一人になりたいと思うだろ?"} |
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