| {"novel_id": "n0007ht", "chapter": 107, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0007ht/107/", "title": "再包囲", "content": " 帰り道は、静寂だ。変態としての真の姿を現したラリーヤが、撤収を促したのは早かったが、その後アスリも遊んだし、ほかの3人もどこかで何かをして、結局滝を発ったのは普段よりもやや遅く、今やサバンナの太陽もすっかり勢いを失って、まもなく夕陽になり代わろうとしている。しかし、アスリの胸中は、祭の日の酔っぱらった大人たちの群れのように、ぎらぎらとしていて騒がしい。\n ユニスと初めて出会い、アスリの全てを見られてしまった日から、まだふた月と少しだろうか。この間、目まぐるしくあれやこれやと、さまざまな出来事が生じすぎている。しかもそれは、満遍なく均して日々日々いつもより少しの多くが積み重なった結果ではなく、森とカインタが襲われた日にしろ、墓地の近くで耽る班と怪異と遭遇する班が合流し、あの滝や洞窟、文字の壁を発見した日にしろ、ある特異点の1日に、普通に暮らしていれば一生分が集中してしまっている。\n\n 今日もティサが出血し、ラリーヤは爆発して、ユニスは丸出しになってから剥き出しになって、アスリは乳をかけられた上に1人で絶頂して、ユニスに絶対的な願いまで伝えている。処理しきれずに積みあがってしまった過剰な情報を追いかけて分析している頭脳に加えて、向こう見ずに全力で痙攣した足腰と、まだいつもより高い地点にあって腫れあがったようにうずく中央部を抱えるアスリに、今もたらされるものは困憊である。\n それはアスリだけに限らないようで、ティサは頬を真っ赤にしてずっと地面ばかりを見つめているし、ユニスは腰布の前を膨らませてはいないものの、神妙と変態の中間の、どうしてこんな人物に愛を抱いているのか、アスリが不思議になるような表情だ。ユニスも今日は帰りがけに川の魚で大きなものを適当に数匹手早く捕まえて、狩りの成果としたのだから、乳が漏れてしまった分、このおかしな見た目以上にもっと疲れているのかもしれない。唯一、ラリーヤは背筋をまっすぐ伸ばして、今朝と同じ足取りであり、ユニスとは別格の変態としての気風すら漂わせている。\n だが、何の因果か、森とカインタから来た3人と関わって何らかの出来事があった場合、濃かった日はさらに濃くなる傾向があるのも、また事実ではある。まだアスリは、油断をすることができない。\n\n「どしたん、みんな?なんも言わんで。」\n\n 先ほど辛いと言っていたのに、今は上機嫌なラリーヤが、黙々と歩く3人に向けて声をかけた。こういうパスが面倒な方に走ると、疲れている中で帰りが余計に遅くなる。\n\n「いや…、疲れたよ。ユニスに変なのかけられたし。」\n「変じゃねーし。」\n「ウソ?アスリ、ユニスからお乳かけてもらってる時、めっちゃ嬉しそうな顔してたじゃん?」\n「いやさ、あんなん疲れるよ。ってか、ラリーヤつらいって言ってたの、もう大丈夫なん?」\n\n 質問をしてはいるが、ラリーヤに問題がないことは、アスリも問う前から理解している。すなわち、アスリの言葉の意図は、変態すぎることによる辛さを除いて、より合理性のある辛さが他にもあったのかの確認になる。しかし、ユニスを上回る変態に聞いたところで、答えは変態でしかない。\n\n「へへへ、私はさっき、いっぱいくちゅくちゅしてきたから、へーきだよー!」\n「はっ…!?」\n「何、くちゅくちゅって…、うわ、待って。さっき言ってた、1人でってこと!?」\n「何?ティサだって、どうせ普段おまんこいじいじしてんでしょ?」\n「は!?そんなん……、するわけないっしょ!」\n「嘘ついてない?だって、なんかさっきティサ、ずっと1人で川で何かしてなかった?」\n「バカ!今日アレなんだから、洗って挟み直してただけ!」\n\n ティサの表情が、わずかに曇った。おそらくティサの過去もアスリと同じく、無罪潔白ではないのであろう。しかし、それはまた後日、アスリがティサにじっくりと向き合って、お互いに真実を語り合い、そのあと2手に別れて個別に盛り上がれば良いのであって、今はアスリも鋭い変態に勘づかれないように、晴れやかにやり過ごすべきだ。\n\n「ふーん、そう。じゃあアスリは?アスリも1人で残ってたよね?しかもうちら行ったら、もう真っ暗だったし。何してたん?」\n「私は疲れてたから、火消して寝てたよ。」\n\n 案の定、ラリーヤの関心は、次にアスリの方に向けられた。すんなりと答えつつ、アスリがユニスに一目を送れば、幸いにしてユニスの目は泳いでおらず、股間も固く腫れあがらせていないようである。\n\n「えっ!?じゃあ2人ともホントに、おまんこよしよししてこなかったん!?えっちなん見て、なんもしなくてつらくない?ぬるぬるでしょ?まだ暗くなるまでちょっとは大丈夫だし、待ってるからくちゅくちゅしたら?それとも私が気持ちよくしてあげよっか?ユニスのお勉強にもなるし。」\n「ダメだ、変態すぎる…。ラリーヤ、こんな人だったんか。」\n「さっき言わんかったけど、前から私さ、変態って言われると、なんか興奮してくるんだよね。」\n「やばっ…!」\n\n アスリは呆れを通り越して、あくまで皮肉として、ラリーヤのことを尊敬しそうであった。これほど変態を明らかにするようでは村に連れて帰らず、その辺に放してしまった方が、まだ野性的で本人のためになるかもしれない。\n\n「…ラリーヤ、村戻っても変なこと言わないで、今朝まで普通だったんだから、今までみたいにしててよ?今日のユニスのこともそうだし、変なこと言っちゃダメだかんね?じゃないと私ら、みんな変態の仲間だと思われちゃう。」\n「そんなん当たり前じゃん。でも、ずっと猫被ってたら、私も疲れるし。今日、みんなの前でちょっとだけホントの私になれたから、大分スッキリ!それに変な皮ちんちんだったけど、ぴゅっぴゅも見られて、おまんこもよしよししてこれたし!」\n\n 問題の多い言葉ではあるが、たしかにラリーヤの言い分には、一理ある。そうは言えども、目指すべき女の象徴であった、美しく完璧で大人びたラリーヤが、ユニスの余った皮ではないにせよ、一皮剥けば幻滅しかねないほどの変態であったことには、アスリも今どうにか疲れた口を開いて喋りつつ、閉口している。\n それにしても、ユニスは幼い頃のこととは言え、以前からラリーヤと面識はあったはずだ。そうであるなら、簡単でも良いからラリーヤの本性について、アスリとティサに注意を喚起することもできただろう。\n\n「っていうか、ユニスさ。ラリーヤと昔、カインタで会ってたんしょ?ラリーヤがこんな人だって知ってんなら、ちょっとぐらい教えてよ。」\n「ホントそれ。私もラリーヤがこんな変態だと思わんかった。」\n「さすがにそんなかんじで言われたら…、響くわ。」\n「いや、そんなんさ、俺も知らんし。」\n「でもさ、もし知ってても無理じゃん?だってユニス、この前久々に会った時、私のこと、誰だか最初わかんなかったでしょ?」\n\n 残念なことにその通りで、ユニスはあの時、ラリーヤをラリーヤとして認識するまでに時間を要したし、ラリーヤだと分かってからも、自身とラリーヤがどういった関係であるのかを正しく説明しきるのに、かなり手間取っていた。ユニスは常にいい加減だ。アスリはこの弱い変態のことが好きで悔しいし、ティサもユニスの子を成したいと思っているのだから、アスリもティサも不憫である。\n それでもユニスはまだ弁明の余地があることを見抜いたのか、やや焦るように続けていった。\n\n「いやいやいやいや、あれはさ、あん時はあん時で。ラリーヤ、昔と全然違うじゃん?昔、こんなにでっかくなかったし。」\n「まぁね、ユニスがカインタ来てた頃はお胸ぺったんこだったけど、アレ始まってから、一気にこんなにおっきくなっちゃったんよね。今ならお胸だけで、ユニスのちんちん全部挟めるよ?たまたままでいけるかな?」\n「バカ!ユニス、アスリだけじゃなくて、最初からラリーヤのことまでそうやって見てたん!?あとラリーヤもバカ!」\n「違っ!!!俺言ってんのは、背だよ!背!高くなったじゃん!」\n「まぁユニスはもっと背もちんちんも、おっきくなんなきゃねー。私は、アスリとおんなじくらい?」\n「いや、アスリの次がラリーヤだね。」\n「俺だってそのうちもっと…!」\n「でも普段ユニス、私とじゃなくて、ずっとお胸とばっかりとお話してるよ?」\n「はっ!?」\n「だって目合わせても、すぐお胸見てんじゃん?やっぱり挟んであげよっか?」\n\n ユニスの弁明は、明白な失敗として終わった。またしてもユニスの置かれた形勢は、不利へと傾いていく。\n\n「違っ!!!」\n「ちょっ!ユニスそれって…!ってか、私もおっぱいばっか、ユニスに見られてたかも!このバカッ!!!」\n「うぎゃっっ!!!!!」\n\n ユニスの真隣に並んで歩くティサは、すぐさま手にしていた土産の荷物を小脇に抱えなおすと、ユニスの皮で守られた弱点を、腰布の上から鷲掴みにするように、きつく握りしめた。この触れ方では、おそらく槍だけでなく袋もティサの手中におさまっているはずだ。先ほど洞窟でユニスそのものに直に触れてしまったティサには、もうユニスのこの部位に手をやることへ、ためらいはないのだろう。\n\n ところがこの時、アスリが真横からティサの顔を見て抱いたのは、違和感であった。ティサは怒っているような旨を口にはしているが、なぜか朗らかだ。その心中で最も大きな感情は、胸を見られていたことを認識した喜びか、それともユニスを手にしていることの嬉しさか、またはそれら両方か。何にしてもラリーヤが狂ってしまったせいで、ティサまでおかしくなりつつあるようであって、アスリは大きな胸が欲しいし、この胸のままで良いから、せめてユニスに注目してもらいたい。\n もはや平常運転を続けるのは牛たちと犬だけで、人間たちは色に染まる一方である。もうあと少しで村の外れの空き家が見えてくるというのにも関わらず、声だけは怒っているティサはユニスを掴んだまま、ここで一度立ち止まって一行の歩みを止めると、ユニスの責めを始めていった。\n\n「っていうかユニス!あんなお乳出せんのとか、あと剥いて中身出せんのとか、そもそもおっきくなんのとか、できんだったらそういうのもさ、早く私に言ってよ!」\n「痛い痛い痛い!!!マジ!!!玉が!潰れる!!!」\n「え!?また固くなってきてない?何?ふざけてんの?」\n「うわぁ…、やっぱりユニス痛くてもちんちん固くなっちゃうんだ、やばあ。」\n\n アスリの見立て通り、ティサは球も合わせて、性器全体を捉えているようである。それにしても究極の変態に哀れに思われるようでは、ユニスの変態もなかなかのものだ。痛くされて喜べるのなら、アスリも一度ぐらいはユニスの剥き上げた先に、ラダンには執行されなかった針の刑を試してみるのも価値があるだろう。\n\n「痛い!マジ!ヤメロ!」\n\n 濃かった空の青色は、弱るユニスに合わせるように色を薄め、低くなって西へと向かう太陽も、4人の男女と少し先の犬と、さらに先の牛たちの影を、サバンナの地面に少しずつ長く伸ばしていく。歪んで斜めになったユニスの眉が、やや弛緩した。ティサは力を緩めたようだ。\n 1日があとしばらくで終わることを告げる赤い陽光が、悦に浸るティサの右頬を照らし出す。今日最後の、ユニスに対しての攻勢だ。何かを察したであろうラリーヤは、両手で抱えていた荷物を地面に軽く放り投げると、ユニスの真横の位置を取っていった。\n 日が暮れる間近に、ティサが何をしようというのかはアスリも全く想像ができない。しかし、こうして性器を没収されているユニスがもう少し弱る姿は、アスリとしても目にしたい。ティサに場を委ねる判断を下したアスリも、手にしていたものをラリーヤの荷物の横に配置し、続いてさりげなくティサの採集品やユニスの紐でつないだ魚も受け取ると、同じように置きやって、ラリーヤの反対側から、ユニスの左肩に優しく触れていった。\n\n 再び、ユニスは女子3人に包囲された。正対するのは、ティサだ。"} |
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