| {"novel_id": "n0007ht", "chapter": 108, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0007ht/108/", "title": "夕焼けの尋問", "content": " 珍しく犬が、長く遠吠えをした。緊急性のないその声に、アスリが念のため視線を送れば、行儀よく後ろ足をたたみ前足を地面につけた忠犬が、夕陽を真正面から浴びつつ、鼻先を空へと向けてすました様子で、その奥では牛たちも立ち止まり適当に尾を振っている。あちらは何もないところで待たされて、暇なのだろう。\n 対して、人間と変態の集団は、ティサが情けない方の変態と最前線で対峙している。ティサがしくじれば、いや、大成功すれば、ユニスはまた漏らし、ティサもアスリもラリーヤも大喜びで、いつもよりも帰宅は遅れることになる。おそらく母は良い顔をしないであろうが、ラリーヤには変態を隠し通してもらって、後日また別な模様に染めた布を1枚、母の元へ持ってきてもらえたら、どうということはないだろう。つまり、全てはティサの手腕にかかっている。\n\n「ってかさ…。」\n\n ユニスとの距離を半歩詰めて、ティサが1手目をしかけ始めた。両サイドのアスリとラリーヤは、ユニスが逃げないことだけを注意すべき時間だ。\n\n「ユニス、いつから?」\n「へっ…?んっ、うっ!」\n\n おかしなユニスの声とともに、ティサが掴む右手の形が、槍を取る形に変わった。これでひとまず、ユニスの袋の中身が潰されてしまう恐れはなくなった。仮にも潰れた時には、ただのぶら下がりになってしまうのであるから、アスリも仲間が増える以上は、その線でも良いのかもしれない。\n ティサの右手は、腰布越しのユニスの先端で停止する。\n\n「まず、おちんちんの皮。ラリーヤがさっき話した時、自分でできるって言ってたじゃん?剥いたことあったんしょ?私、そんなん知らんかったよ?」\n「そんなん、俺だってティサが毎月、血出てるなんて…。いや、たまに血ついてたけどさ。」\n「えっ!?嘘!?いつ?」\n「いつってか、たまに腰とか足のあたりに。俺獲ったののかと思っ…、痛たたっ!!!」\n\n やはり、男子は弱い。こうやって握りながら問えば、すぐに罰が与えられる。最初に人間を作った者は誰かはわからないが、アスリは男子をこの形に決めた者に、とにかく感謝せねばならない。\n\n「で、いつ剥いたん?もしかして、ちっちゃい頃から、あんな風に中身出せたん?」\n「いや、大変だったんよ。俺もそんなん、最初は知らんかったし。」\n「どゆこと?知らんかったって言ってて、できるってさっき言ってたし、それでさっき普通にできてたじゃん?」\n「いや、だからさ、ティサのおばさんに、うわぁああああ!!!痛い痛い痛い痛い!!!」\n「んぐっふ…!」\n\n 不意にラリーヤが噴き出してしまったが、アスリも喉の奥で息をかみ殺している。ユニスには悪いとは思えども、都度都度、性器を痛めつけられるこの姿はあまりにも無様であり、恋愛や性を差し置いて、アスリの感情の最前面に立つのは、体を張るユニスのおかしさである。\n しかし、ここでアスリとラリーヤが大声でユニスを笑うこともできないのは、ユニスを握る張本人が、自身の母に話が振り向けられ、急激に真顔になっていくティサであることに他ならない。今日の昼過ぎ、滝の横で今よりも一層暴力的な責めを行った時と同じく、ティサは低いトーンの声色で続けていった。\n\n「はっ?何?どゆこと?ユニス、もしかして、ママとなんかしてたってこと!?」\n「痛い痛い!マジで!千切れるから!ホントに!」\n「ウソ!?もしかしてさ!ママとなかよししてないよね!?初めて、私のママ!?」\n「違っ!!!そうじゃなくて!!!誰ともしてないって!!!」\n「んじゃ何!?ちゃんと言わんと、マジで千切るよ?」\n「ヤメロ!!!」\n\n ユニスの先端あたりを摘まんでいるティサの人差し指と親指が、手前に大きく引かれていった。おそらく腰布の下では、あの皮膚が引き伸ばされているはずだ。アスリはぜひ、伸びた姿も目にしたいところではあるが、今それが出てくれば、真っ先に笑い転げてしまうかもしれない。\n\n「だから!アレだよ!ほら、俺、あの……、あったじゃん。アレ。」\n「千切るね?」\n「痛い痛い痛い!!!」\n「ハッキリしろ!!!」\n「だからさ!アレ!おじさん死んで、ちょっとした頃!痛い!!マジで血出る!!」\n「はっ!?ちょっと!パパ死んでから、ホントにママとなかよし?私も血出て痛いんだから、我慢しろ!」\n\n ティサの言う通り、ユニスは我慢するべきだ。もちろん、情けないユニスは我慢できずに抗弁する。\n\n「だから違って!!!ほら!!!腫れちゃった時あったじゃん!」\n「腫れた?何?どゆこと?お乳出した時みたく、おっきくなったん?」\n「じゃなくて!あれ、おしっこできなくなって、俺何もできんくなった時!あったじゃん?」\n「あぁ……、あったかも。ユニスしばらく寝込んで、ママに看病してもらってた。」\n\n ようやくティサの指先に、わずかな優しさが戻った。だが、誰の目にもまだ尋問は途中だ。\n\n「で?そん時?」\n「だから、俺が何かしたんじゃなくて、おばさんにやられたんよ…。痛たた!!!だから、待って!あん時だよ、初めて剥かれたの。最悪だった……。体押さえつけられて、細い棒かなんか?先っちょから何本か突っ込まれて、グリグリやられて、めっちゃ痛くて。で、思いっきり広げたと思ったら、一気にひん剥かれてさ、今度はごしごし擦られて、やっと終わって戻してもらったと思ったら、最後にすっげー染みる草詰められて。しかもおしっこしたら、それがまた……。」\n\n ふいに、アスリの腹の奥が熱を帯びた。今、ユニスが語ったことは、アスリがダカクに行った以上の確かな治療だ。要するに、過去にティサの母は、痛がり嫌がるユニスを押さえつけて、強制的に剥きあげたのである。\n 加えて、何本か棒まで差し込んだというのだ。乳をかけられる直前のアスリが、ユニスの先端に確認した小指の爪ほどの縦筋の大きさに従えば、どれほど細い棒でも、さすがに何本も入らないはずであろうから、おそらく差し込まれた先は、剥き出しにする前の、皮余りとつやつやとした粒の間だろう。振り返ればダカクのそれも、アスリが布越しにいくら戻そうとしてもなかなか戻らなかった。どうやら、男子の先端はなかなか狭く作られていて、当初は激痛に耐えなければ、中身が出せるほどに広がらないのかもしれない。\n その後に続いた、やっと出てきたところを擦られたという下りは、ダカクへの治療と概ね同様であって、ここまではどうにかアスリも平穏を保っていられる。問題になるのはさらに続く、染みる草を詰められたという部分だ。剥き出しにされたところに草を巻きつけられた後に、皮を元に戻したのか、または皮を戻したところに草を詰め込まれたのか、何にせよ合理的に避けられない名目の下に性器が痛めつけられているユニスの姿は、アスリにとってなぜかあまりに官能的だ。\n\n 普段は適当なユニスも、激痛の記憶があいまいになってしまうほど、いい加減な男ではないはずである以上、今ユニスが述べたことはほぼ間違いなく事実だろう。時間を巻き戻すことが叶うならば、アスリもその場に立ち会って、ユニスの痛がる局部と涙にまみれる表情を眺めてみたい。ただ、不可能を願っても無意味であるのだから、たまにはユニスもあの長い皮を真の意味で腫らして、この3人で寄ってたかって草を詰め込む方が現実的だ。その意味でティサは今、千切れる直前、血が出てしまうぐらいまで、もっと強くユニスを引っ張ってしまっても良いだろう。\n 当然、アスリはユニスがたとえばこの前のように、両足に矢を受けて苦しむ姿など、目にしたくはない。アスリがあくまで見たいのは、ラダンやダカクがされたように、性器に罰なり治療なり羞恥なり、その類がユニスに加虐されるところである。では、思い浮かべるだけでゾクゾクと沸き起こるその不思議な感覚がどうして生じるのかは、アスリも全く自分で自分を説明できない。\n アスリの性器が上げる理解不能のうずきは、少しずつアスリの体内でその響きを大きくしている。一方で、ティサはアスリの泉の沸騰など気づくわけもなく、次の言葉をつないでいく。\n\n「うわっ、あん時ってそんなんだったんか……。え、待って?あん時って、なんか相当ユニスやばくなかった?ユニスの方の家から泣き声してたし、ちょっと見に行こうと思っても、ママがユニスがおしっこ出なくて大変だからダメって言ってて。」\n「そう、あれ3日ぐらい?マジで最悪だった…。」\n「たしかに超染みるけど、多分あの草ってか、葉っぱよね。アレ、よく効くよね。でもキツかった…。」\n「えっ!?ラリーヤも!?ラリーヤ、おちんちん剥かれたの!?」\n「ちんちんないよ?おまんこ見る?」\n「いいから!!!めくんなくていいから!!!」\n\n 隙あらばすぐ脱ごうとする変態を凌駕する存在となってしまったラリーヤの腕を、ティサが慌ててユニスをつまみ上げていない方の手で押さえた。さりげなく流れてしまったが、ラリーヤの発言を踏まえるに、ラリーヤも草なのか葉なのかに心当たりがあるだけでなく、その刺激がどれほどかまで知り上げているようで、同じものを使用した経験自体はあるようである。当然、今の話だけでは、ラリーヤの体のどこを治療したのかは定かではないが、話の流れに従えば、性器と考えるのも自然だ。\n やはりラリーヤもその時は、腫れた患部を大きく開かされた上に、アスリよりはずっと小さいはずの真ん中の柔らかな肉を剥き出しにされて、草を詰められてしまったのだろうか。それとも2人とも草を詰められたせいで、これほどどうしようもない変態に育ってしまったのだろうか。\n 根拠のない妄想をアスリが思いめぐらす横で、ティサが深く大きなため息を吐き出した。この息には、明らかに疲労が加算されている。この様子をアスリは目にして、今日1日の諸々の後に痛い話を聞かされて、普通抱くのはティサのような疲れであって、興奮を抱いている自身の方が異端であることを察知した。それでもティサは、残る疑問を今日のうちに解消しようとしたのか、まだ帰ろうとする素振りを見せずに、次のユニスへの質問を繰り出していった。\n\n「ってか、あともう1つ。お乳はいつから?」\n「へっ…?」\n「だからお乳。お乳も、出すの今日初めてじゃないっしょ?いつから出てたん?」"} |
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