| {"novel_id": "n0007ht", "chapter": 121, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0007ht/121/", "title": "兄妹仲", "content": "「……サイアク。」\n「何?ティサ、ユニスのこと好きなら、全然最悪じゃないじゃん?やっぱりユニスは嫌い?」\n「おっ!!」\n\n ティサの声は極めて小さかったが、あの襲撃の日、アスリとその背に乗るユニスの間で交わされた会話を聞き取った、地獄耳を持つラリーヤが、この状況下で今の言葉を聞き漏らす訳もなく、即座に応じていった。驚きとも何ともつかない声を上げるユニスは、やはり赤子でなく獣なのだろうか。\n\n「うっさい!!!そうじゃなくて、じゃなくて!」\n「だからさ、それ、ユニスのこと好きなんじゃん。良かったねー、ユニス。ティサが好きだって。」\n「このバカ!!!!!うっさい!うっさい!うっさい!いいから!そうじゃなくて、入るか心配だから、最悪って言ってんの!」\n\n すでに汗ばんでいたティサの上衣には、さらに両脇のあたりの染みが濃くなり、広がっていく。こうしてラリーヤから、本当の思いを難なくユニスに伝えてもらえているのだから、アスリとしてはティサがやや羨ましい。\n\n「そんなん、入るに決まってんじゃん。だってさっき、私のおまんこに入ったの、みんなここからだったけど、ユニスのより全然おっきかったん、わかったっしょ?私なら、ユニスにちんちん2本生えてても、一緒に入ると思うよ?」\n\n ユニスが同時に矢を複数放つのと同じように、2本、3本と生やせるのかは別にしても、大きさに関しては事実である以上、ユニスも反論できない。誰もラリーヤに返さないことを良いことに、ラリーヤは無様に去っていった槍の補足を加えていく。\n\n「まぁ、アレぐらいで普通だけどね。もっとおっきいかと思ってたんに。」\n「……嘘でしょ?もっとおっきい人いるってこと?」\n「あんなん、うちのお兄ちゃんのに比べたら、まだまだ全然。」\n\n シンプルな驚きが、思いを口に出したティサに広がった。アスリもユニスの皮と、それよりも小さかったダカクのほかに比べる先がなく、今は素直にラリーヤの経験を信じるしかない。\n それにしても、ラリーヤの比べた先は、兄だ。アスリがダカクを治療する以前より、起き抜けで膨らんでいるところを度々目にしてきたのと同じく、ラリーヤも兄と1つ屋根の下で暮らす中で、腫れあがった腰布を目撃する機会があったのだろう。かつて同居していた、アスリの双子の兄たちがどうであったかまでは、アスリも記憶が定かではないが、カインタが壊滅したあの日まで、ラリーヤは兄と一緒であったのだから、毎朝の膨らみの大きさには、それなりの親近感があるのかもしれない。\n ところが、ここでラリーヤは一昨日の洞窟の中に続いて、またもやぶち上げてしまった。\n\n「お兄ちゃんのさ、もっと長くて!もっともっと、ふっとくて!入るとみちみちみちーって!お腹ん中がたっぷり幸せになるかんじして、もうホント!めっちゃくちゃ、すっごいんよ!やばっ!思い出すだけで濡れてきちゃった。」\n\n また、ラリーヤが何かをのたまっている。ティサが慌てて、ラリーヤの言葉を掴んだ。\n\n「はっ!?!?…………えっ!?!えっ!?えっ!?ちょっとさ!いやいやいやいや?それどゆこと!?」\n「いや、だからさ。」\n\n 兄2人に弟を持つアスリの深慮は、全て無駄であったようだ。どうしようもないラリーヤは、ほとんど食べきった果物の残りを目の前に置くと、すぐさま少し足を開いて、左手をあの割れ目に送っていった。\n\n「はっ!?ちょっとラリーヤ!!」\n「ほら!!見て!!」\n\n 声で制止するアスリの前に、ラリーヤの左手が、透明な何かをまとって帰ってきた。ラリーヤが一昨日ユニスの種を説明した時のように、接しあっている中指と親指を離せば、無毛の泉で採れた糸が、木陰の下に引かれていく。\n\n「こんな風に、ぬるぬるのがさ、」\n「バカ!!!きったな!そうじゃなくて、アスリ聞きたいんはさ、いや私も聞きたいよ?お兄ちゃんと、どゆことなん?ってかお兄ちゃんって、誰?」\n「汚くないし!お兄ちゃんなんて、私のお兄ちゃんしかいないっしょ!」\n「は!?待って!待って!待って!」\n\n ティサも焦っているが、アスリも焦る。ラリーヤが述べたことから導き出される過去は、たった1点に収束することとなる。務めて冷静に、アスリは早口にならないよう注意しながら、問うべきことをラリーヤへと投げかけた。\n\n「ラリーヤってさ、自分のお兄ちゃんと、そのさ……、なかよししてたってこと?」\n「だから私言ったじゃん。カインタの男の子、全部食べちゃったって。」\n「じゃあ、お兄ちゃんまで食べちゃったん……?いや、待って、ラリーヤのお兄ちゃんって、パパとママも、ラリーヤと一緒の人なんよね?」\n「そうだけど?いいじゃん別に!私、お兄ちゃんが1番最高で大好き!だから、お兄ちゃん戻ってきたら、私、お兄ちゃんと結婚して、お兄ちゃんの赤ちゃん産む!」\n\n アスリは素っ裸のままのラリーヤから目を離すことはできないが、頭を抱えたくなった。目の奥が痛い。ユニスも変態であったというのに、この変態は本当にどうしようもない。先ほど見たばかりのあの行為を、ラリーヤは血のつながった実の兄と成して、最高だと言うのだ。あの変わり者の兄たちが、代わる代わるアスリに侵入してくるところを思い浮かべれば、アスリにもたらされるのは寒気だけだ。\n 正直に言って、考えたくないことではあるが、まだ無邪気なダカクなら、アスリも何とかできないことはないかもしれない。しかし、兄たちの相手は不可能だ。どういう訳かわからないが本能的に不快であるし、またこれも考えたくはないが、父の相手をするのに近い。そもそも父は、そのような対象ではない。弓と矢筒をかけた、たくましい背中、打って変わって母と笑いあう明るい表情、アスリにとってはそれが父だ。\n では、自慰の糧としてきたラダンであれば良いかと言えば、これもまた違う。ラダンに感じる性は、変態の中身を抜いた、女性らしいラリーヤに感じる性に近い。つまり、同性であれど、触れて撫でてみたいほどにいやらしい体つきと、性器を中心にした、背徳と羞恥、罰と加虐で織りなした複雑な構成なのであって、そこにユニスに向けるような恋愛感情は介在しない。\n 加えて、ラリーヤはもっと踏み込んで、兄と結婚して子を成したいとまで言っている。アスリには全く理解が及ばないし、ラリーヤは頭がおかしい。\n\n アスリの覚えている限り、ラリーヤから兄の話を聞かされるのは、声を取り戻したラリーヤが布を持参して、牛乳でもてなした時以来だ。あの時、ラリーヤは夢に兄が出てきて、いつものように何かをしてくれた上で、兄を呼んだら声が出るようになった趣旨を語っていた。思えば、その時点ですでに、行為そのものの内容については、ぼかしが入れられていた。\n 結局のところ、ラリーヤが声を出せるようになったきっかけは、兄との近親相姦の想起だ。それも、いつものようにということなのだから、一度や二度でなく、常習的に兄と交渉していたのだろう。\n もしかすれば、ラリーヤは声を取り戻した夢の中で兄を呼んだのではなく、先ほどイケメンに内側から2度突かれた時のような、甘い声を出しただけかもしれない。その話を牛乳を飲みながら母とともに聞かされて、深く同情し落とした涙を、アスリは返してほしい。呆気に取られるアスリに代わり、ティサが1人っ子なりに得た、アスリに近いであろう思いを続ける。\n\n「……あのさ、私兄弟いないし、わからんけど、アスリもお兄ちゃん、いんじゃん?実際、そんなもんなん?」\n「いや、ないっしょ……。気持ち悪……。」\n\n つい、素直な感想がアスリの口からこぼれてしまった。しかし、それ以上はなく、それ以下しかないのであるから、致し方ない。\n\n「うわ、傷つくわー。アスリまで、私が一番最初にお兄ちゃんとなかよしする前みたいなこと、言わんでよ。アスリも自分のお兄ちゃんかさ、あ!ダカクとしてみなよ!絶対わかるって!」\n「ない!!頭おかしいでしょ?ラリーヤ、変態すぎ。サイテー。」\n\n もはやアスリに言い過ぎということはなく、謝罪の言葉はない。今の話を元にすれば、ラリーヤの兄も一度は拒否したはずだ。それを強引にラリーヤが押し切ったに違いないのだから、この際、ダカクを治療しながら、アスリが良くなってしまったことは無関係だ。アスリはあの時、正当な理由をもってダカクの性器を診察して、素手で触れないよう布まで間にはさんだのだから、息を吹きかけてアスリを至らせてしまった、ダカクの方が悪い。仮にもアスリはそのうち、ダカクを再び剥き上げる遊びぐらいは試みるとしても、ダカクと結婚しようなどとは、微塵も考えていないのだ。\n アスリが結婚するならユニスしかいないし、ユニスはティサと結婚するべきである。ラリーヤは、常軌を逸している。\n\n「やっぱ私、変かな?」\n\n ふと、顔中が変態だったラリーヤが、真顔に戻って弱気になった。正しい考えだ。だが、その先に待っていたのは、ラリーヤの瞳の中に宿る、行方も安否もわからない、兄だった。\n\n「お兄ちゃん、元気かな……。」\n\n 難しい話だ。たしかにラリーヤは変態であるし、兄と行ってきたことも変態だし、兄を自ら誘ったことも変態で、兄で性を満足させてきたことも変態だ。しかし、ラリーヤは兄の生存を強く信じていているからこそ、今こうして強くあれるのだろうし、万が一にも兄の死が事実になろうものなら、それはティサからユニスを奪うことに等しい。ラリーヤにとって、ラリーヤの兄は性的に最高のパートナーというだけでなく、兄として、そして何より愛する人として、ラリーヤが絶望の淵にあっても、前に進むだけの力を得るために必要な、絶対的な支柱なのだ。\n\n「ごめん、ラリーヤ。ちょっと私、言い過ぎた。お兄ちゃん、きっと大丈夫だよ。」\n「ありがとう。私さ、やっぱり……。」\n\n トーンを落としたアスリの謝罪に、ラリーヤもアスリの顔をまっすぐ見つめて応じながら、続く言葉を探している。アスリが両目を合わせる、望みを捨てない2つの瞳は、玉のように美しく輝いている。どうであろうと、アスリにとってラリーヤは、女としての憧れだ。\n\n「お兄ちゃんのおちんぽ、またいっぱい欲しい!!!」\n\n 嘘だ。ラリーヤはただの変態だ。変態以下だ。いや、変態を超えた、別物の何かだ。ラリーヤは片手で手持ち刃を握りしめ、もう一方はこぶしを作り、両手を胸の前に持ってきて、乳房を大きく揺らして語り出す。\n\n「あああああ!!!マジさっきのなんなん!!!入って2回しか動いてないよ!?2回だよ?2回!ありえん!!!あああ!!!マジで!!お兄ちゃんに奥、ごりごりしてもらいたいよぉ!!!!!」\n「ダメだわ、これ。ティサ、帰ろっか。」\n「そうだね、引くわー。ほら、ユニス、起きてよ。こんなすっぽんぽんの変態、置いて帰ろ?」\n「ティサ!適当言ってるけど、明日はさっき私がやったみたく、ユニスのちんちん、絶対入れんだかんね?ティサもユニスも裸になんのか知らんけど、ちんちんとおまんこはちゃんと出してもらうよ?約束したんだから!」\n「うっさい!バカ!そん時はそん時!いいからラリーヤはいい加減、服着てあっちの布とか片づけてきてよ!」\n「んふふ、明日はティサ、恥ずかしいねー?」\n「だからうっさい!」\n\n 性的欲求がそのまま人の形をしている者からの追撃をかわしつつ、煙に巻くようにティサが立ち上がれば、アスリもこれを機に、帰り支度を整えるしかない。ラリーヤのせいで水浸しになってしまった股間からおかしな音が出ないよう、アスリが注意して立ち上がると、目の前のどうしようもない人物も立ち上がり、再びあの1本線が、アスリたちの前に現れた。何から何まで、いやらしい。\n\n「ねぇ、ユニス!いつまでそうしてんの!?ファラール、毛皮被って暑いまんまだよ?」\n\n 幼い子どもをしつけるような声で、ティサがユニスを急かした。ところが、ユニスは前に出して組んでいる両腕の上に顎を載せたままで、動く気配がない。そもそも、これほど情報量の多かった会話の中に、ユニスの気配だけが、著しく乏しい。\n\n「ねぇ?早くしてよ?」\n\n もう一度、ティサの声が飛んだ。意思表示を迫られるユニスが、弱く3人に指示する。\n\n「……俺、後から行くから。みんな先行ってて。」"} |
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