| {"novel_id": "n0007ht", "chapter": 134, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0007ht/134/", "title": "機会創出", "content": "「なんで!?」\n「そんなん、おまんこやお尻に何かついてたら、嫌だからじゃん?それとも、ティサもユニスも、ちょっと臭い方が好き?」\n「はっ!?」\n「バカ!!嫌だし!!そうじゃなくて、私が言いたいんは、なんでラリーヤが裸になってんってことだから!」\n「いや、もうさ、ティサやらんしょ?私がユニス、食べちゃうって。」\n「ぐっ…………!!じゃあ、私にも今から脱げって言うん!?」\n\n このまま一糸まとわないラリーヤも、アスリは眼中に置いておきたいが、ここは涙が混じるような声を出したティサも、視界から外す訳にいかない。引っかかったような音は上げたティサは、真っ赤な顔に目を潤ませている。アスリが合わせて見たユニスはと言えば、こちらはティサへの共感と相反する期待を混ぜ合わせているのか、凛々しさと性が絶妙に両立した表情である。\n これら3人から今、アスリは唯一独立している。しかし、味方がいないにも関わらず圧倒的な強者となった早くも丸出しの変態も、着衣であるのに羞恥によって蹂躙されている弱い2人のいずれも、物理的でない性的な意味で、アスリに非常に近い。右も左も燃え盛る中、現に歪むアスリの腹部の内側の下側奥は、アスリがいつでもどちらかに加わって、ともに激しい炎をまとえるよう、次から次へと油を産出し続けている。\n\n ところが、ここで究極の変態がティサに続けたのは、脱衣の強制ではなかった。豊満な乳房を揺らしながら、ラリーヤは近くに置きやっていた荷物の元へと向かうと、ティサが天幕としての利用を予想した、今朝持参した布を拾い上げて、まず1枚をティサへと投げやったのであった。\n\n「はい、ティサ。」\n「……は?」\n\n 今にも泣きだしそうなティサが、受け取った布を手にしながら、怪訝な声でラリーヤに意思を問いかけた。爆発的な肉体からは想像できない、思いやりへと転調したラリーヤは、どうすることもできないティサに情けをかけていく。\n\n「……体、流して来たら、それに着替えなよ。巻いてくれば良いから。今着てんの、お肉の煙の臭い、結構ついちゃってるし。初めてなかよしすんだから、いいにおいの方がいいでしょ?」\n「えっ……?」\n「恥ずかしいんしょ?じゃないなら、別に私みたく、ここで裸になっても良いけど。」\n「いやいや!!わかったから!!わかったから!!体洗って、これ着てくれば良いんしょ!?」\n\n 改めてアスリは、ラリーヤのことが恐ろしくなった。窮地に追いやった相手をそのまま潰すのは容易だが、あえて逃げ道を1本残してやれば、すがる相手は絶対的にその1本へと走りこんでいくこととなる。ただし、逃げ道そのものは、今であればラリーヤが用意したものだ。これからラリーヤが、続く1本の逃げ道をどこにつなげようとしているのか、アスリはまだ一切予測できないが、その1本はラリーヤの有する、剃り上げられた縦筋であって、全てはラリーヤの手中ならぬ、股の間だ。\n アスリが働かせた何らかの直感は、実際にラリーヤが持ち上げた口角にも、例の悪さとなって現われている。裸で鋭利なラリーヤは、ユニスにも布を放り投げていく。\n\n「ほら、ユニスも。あ、ユニスはここで綺麗にしようね?」\n「えっ!」\n「なんでだよ!?俺は!?」\n「ラリーヤ、私のいない間に、ユニスのおちんちん昨日みたく大人と子どもにして、遊ぼうとしてんしょ!?」\n\n 驚く反応はティサの方が早かったし、そのあともティサが早い。頭の切れる変態は、ティサがかけてきた疑念を理で払拭する。\n\n「それも良いね。でも、ユニスはここにいないと、ティサ夕方まで戻ってこなくなっちゃうかもじゃん?もたもたしてたら、ティサ言った通り、ユニスのちんちんで遊んでー、先に食べちゃおっかなー?アスリも食べちゃってるかもよー?」\n「ちょっと!!」\n「サイテー!もうわかったから!すぐ洗ってくるから!ラリーヤも、あとアスリも、私戻ってくるまで、絶対ユニスに触っちゃダメだかんね!」\n「はいはーい、わかったから。」\n「あと、おちんちん見んのも触んのも禁止だから!!」\n\n 捨て台詞のように強く置き土産の言葉を残したティサは、ここからは迅速だった。残された時間の少ないティサは、そのままラリーヤから受け取った布だけを手にすると、南西に流れる川に沿って、身を清めに走っていった。\n やはり、ラリーヤの目的に向けた行動力と人を動かす力には、アスリも目を見張るものがある。一体ラリーヤは今日のこの場の構成を、何層まで想定していたのだろうか。それとも流れに全て身を任せながら、常に優良手を選択し続けているだけなのだろうか。いずれにしても、アスリはここまでうまく場を切り盛りできないし、ティサは見るな、触るなとは要請していたが、天晴なラリーヤへの褒賞として、昨日も目にしたユニスの槍を眺めるくらいはしても、問題はないだろう。\n\n「はい。あとこれ、アスリの分。」\n\n 感服に続けて良からぬ策まで練り始めたアスリの元に、その天才的変態から、ティサとユニスに向けられたのと同じように、丸められた布が飛ばされた。当然、渡された以上、アスリも受け取る。\n\n「えっ……?」\n\n 突如、ラリーヤから渡された布を手にして、アスリに生じたのは、疑問だ。なぜアスリの分まで、着替えた後に身に着けるための布が用意されているのか。\n\n「なんで?私も?」\n「いや、私のもあるし、いいじゃん。今日はみんなで体キレイにして、おんなじの着ようよ?」\n\n 今、ラリーヤが述べたことには、先ほどティサに向けたような、論理が一切ない。そこに代わりにあるのは、アスリが見通しきれない、大いなる意図だ。\n\n「……ね?」\n\n その意図が、目に見える笑顔となってラリーヤから向けられた瞬間、アスリは察知した。アスリは今、傍観者から当事者へ、立場を変えようとしている。降ってわいた驚愕に、アスリの脳が最大限の速度で目の前の状況を整理する。\n\n そもそも、この布を身に着ける理由は、燻した肉の臭いを水に流した上で、煙にまみれた衣服をもう一度着ないようにするためだ。では、なぜ水浴びをした上に着替えるのかと言えば、それはユニスとティサが、初めてつながるためである。したがって、ユニスとティサの2人分の衣服に関しては、2人の初回がうまく取りなせるようにするための、ラリーヤがあらかじめ準備した計らいであり、気遣いだ。この気遣い自体は、初めての記憶を良いものにしてもらいたいと願う、詳細は明らかでないラリーヤの経験によるものであって、まずここまでは全て原因と行動の因果が一貫している。\n その上で、アスリの分と、ラリーヤの分の布は、何を意味するか。たしかに、午前中洞窟の中で過ごしたアスリは、それほど肉や煙の臭いを漂わせてはいないにしても、肉体そのものの清潔さに関しては、アスリ自身、自信がない。また、すでにラリーヤは全裸であり、つくづくアスリが羨ましくなるほどに美しいが、その1本筋を広げた時、同じくどれほど完璧であるかは、仮にもラリーヤに問えば否定するであろうが、不透明だ。\n 故に、水浴びは理に適っている。しかし、このタイミングでユニスやティサと等しく動けば、その先に待つのは何になるか。\n\n 答えは、明白だ。ラリーヤは今日これから、ティサが終えれば、アスリにも初めての交渉の場を設けようとしているのだ。それだけではない。おそらくそのあとに控えるのは、彼方に初回を終えた、ラリーヤ本人だ。\n\n 大変なことになった。3日前、アスリはユニスから2番目の初めてを頂戴する約束を、紛れもなく取り付けた。そして、つい先ほどの昼食前、ラリーヤはアスリがユニスに向ける好意を見破った上で、アスリの初めてをユニスに与えるべきだと進言し、アスリもそれに同調した。ただ、アスリもまさかそれを、今日実行しようなどとは思ってもみなかったし、ユニスとティサが無事に執り行って、数日なのか、数週間なのか、日を置くものとばかり考えていた。\n それをラリーヤは、今日で2人分の初めてを一気に経過させて、さらに自分までユニスを捕食しようとしている。先ほどラリーヤも考慮に加えていたように、ここにはまだティサの意思確認もなければ許可もなく、ユニスが初めてを終えてから、2回目をアスリに、場合によっては3回目をラリーヤに譲ってくれるのかは、定かではない。ただ、ラリーヤの渡したこの布は、流動的な状況の中で生じた千載一遇の機会に向けて、ラリーヤがアスリに求める覚悟に他ならない。\n\n アスリの心臓が、沸騰する。ティサが終えれば、アスリのあの小さな泉に、愛するユニスが、固く、強くなって、進んでくる。今なら、ティサがなぜあれほど渋っていたのか、アスリは痛いほどに分かる。\n 緊張、羞恥、興奮、悦び、再び緊張、猛烈な羞恥、見てもらえる、つながれる、愛、愛、愛、愛、愛、まだほかにもある。それらが全て、喉の奥をつんざくような、涙をこらえるような感覚として、待ち望む泉からの湧出となって、熱い中央の肉粒の疼きとなって、卒倒しそうなほどに、アスリの性を真っ赤に溶けた鉄へと戻そうとする。\n\n 顔全体の7割程度が変態と悪さである一方、残りが優しさと慈悲に溢れ、瞳から直接アスリに訴えかけてくるようであるラリーヤは、ティサにしたように言葉で畳みかけることはせず、アスリが考えをまとめきるのを、黙って待っている。相手によって取り口を変えて、最も効果的なやり取りを選択するのであるから、まだ4人で日々過ごすようになって、ふた月と少しであるというのに、ラリーヤは本当にティサのことをわかっているし、アスリのこともわかっている。\n\n「………………ユニス?」\n\n わずかな時間で、これから生じうる未来に着地したアスリは、ここであえてラリーヤを外し、ユニスへと顔を向け、声をかけた。手持無沙汰を補う適当な石に加えて、布も手にするユニスが、アスリの目を捉える。\n\n 直後に、ユニスは伏し目になった。あの、伏し目だ。\n\n ユニスも、今のラリーヤの振る舞いを通して、理解したのだ。2番目の約束は、今もアスリとユニスの間に、強固に保持され続けている。これ以上、アスリは語らず、ユニスも応じずとも、アスリはユニスと意識をすり合わせられたのだから、十分だろう。\n\n 流れ落ちる滝の水の音は、また時間を意味する。アスリとユニスが会話のないやりとりを終えたのをラリーヤは認識すると、次を急かす。\n\n「じゃあ、アスリもここで流す?」\n「えっ……、ちょっと!それは無理!すぐ洗ってくるから!」\n\n 火照る肉体に1枚の布を携えたアスリは、約束の履行の可能性に向けて、ティサの走っていった方へと駆け出した。滝の上から、水しぶきを乗せるようにして強く吹いた風は、いつもと変わりないはずであるのに、なぜか騒がしいざわめきをアスリの耳元に届けていく。\n\n まもなく、ティサが始まる。アスリも、次に備える。"} |
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