Krixter/Repo / n0007ht /146.json
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{"novel_id": "n0007ht", "chapter": 146, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0007ht/146/", "title": "狂気の出自", "content": " 昨日と同じ掛け声を小さくつぶやいたティサが、ゆっくりと指先を奥へと流していく。たるんだ表面の余剰が、徐々に槍の根元に向けて集まり出す。\n ティサが伸ばしゆく皮膚は、一度では全てを後退させきれず、まだあの中に控える肉も姿を見せない。中間に押し戻されたその皮余りを、ティサは左手の指で押さえながら、右の指はまた段差に戻して、さらにユニスを大人に向上させる。\n\n 丸い粘膜の頂と、ユニスの内的な最先端たる、ラリーヤのものとはまた異なった縦向きの割れ目が、少しずつ究極を現わし始めた。先ほどのラリーヤの予見通り、男子の乳の残滓を薄くまとって、今にも再び涙の一滴をこぼしてしまいそうなユニスの核は、昨日に続いて今日もまた、桃色を超えて赤色に近く、熱い湯気でも立ち昇らせそうである。\n 思えば3日前、最初にユニスを剥き上げた直後は、アスリが覚えている限り、今より多少桃色に近かったはずだ。それが昨日と今日は赤いのだから、一度乳を搾ってしまうと、男子はここまで赤く腫れてしまうのかもしれない。\n\n ところが、その全貌が未だ見えぬうちに、湯気よりも先に立ち昇ったのは、暴力的な狂気であった。鼻孔からアスリに侵入した乱暴なユニスは、視界をくらませかねないほどに、すぐにアスリの脳を著しく殴打する。\n\n「くっさぁ!!」\n「うっわ……!!」\n\n 正気を保つのに精一杯で、一言も発せられないアスリに代わって、ティサが匂いを述べ、ラリーヤは驚きの声を上げた。この匂いに、ティサは顔をしかめるような仕草を一瞬見せたものの、臭いと言いながら瞳を輝かせているのだから、着実にティサも変態に進化しつつあるようだ。\n 対してラリーヤは、昨日はほぼ同じ状況で今のティサに近い振る舞いであったにも関わらず、直前から一転して、頬を引きつらせて何か言いたげである。ユニスの顔を見上げたラリーヤは、ティサが途中まで剥き出した狂気の1点を指さしながら、物言いをつけていった。\n\n「え、ちょっとユニス、さっき水浴びしたんよね?」\n「なんだよ!してたし。ってか、俺が体拭いてる時、俺の布取ってこうとしたじゃん!」\n\n どうやらラリーヤは、アスリとティサがいない間に、ユニスにちょっかいをかけていたようである。この4人組が、仮にもラリーヤとユニスだけの2人ペアであれば、とっくにユニスは捕食されていたことだろう。怪訝な視線を、アスリもティサもラリーヤに送りつける間もなく、ラリーヤはユニスに素直な疑問をぶつける。\n\n「ちゃんとちんちん、洗った?」\n「洗ったし。」\n「じゃあ、なんでこんな臭いん?」\n「知らん。ティサがなめたからっしょ。」\n「はぁ?」\n\n 今度はティサも浮かべていた笑みの量を大きく減らし、尻上がりの一声をユニスにかけた。もっとも、ティサの手中には、すでにユニスの最大の弱点が収められていることに変わりはない。ユニスの理屈はあまりにも無防備であって、戦う前から勝敗は決しているのに等しい。\n\n「何?全部剥くよ?」\n\n 案の定、ティサは声を低くして、ユニスを威嚇した。別にティサは今の言葉を述べなくとも、ユニスの剥き上げはもともと決まっているのであるし、昨日あれほど子どもに戻して、大人に剥いてを繰り返したのだから、内容面でユニスを威圧する効果は薄い。それでもティサは中途半端になったままであった皮膚を、勢いよく付け根に向かって推進させると、もう一度槍の柄を持ち直して、奥へ奥へと剥きあげたのであった。\n\n くっきりとしたユニスの先端を一周する段差が、全て露呈した。昨日のアスリは、上から槍を見下ろしていて見抜けなかったが、こうして目の前で見るユニスの裏側、先端の割れ目の真後ろから伸びて、袋までつながる縫い目とをつなぎとめている、不思議な一筋の真横には、ぬめりを帯びた白っぽい何かも付着している。\n 狂気はより強度を増して、濃縮しつつある。自慰がしたい。性器が寂しい。アスリの体のどこかの血管は、きっと数本が弾けて、破れてしまっている。\n\n「うっわ!!マジでくっさい!!私の口、こんな臭くないし!!なんかもしかして、昨日より臭い?」\n「うわー、全然ちんちん洗えてないじゃん?後ろっかわのとこ、お乳が固まっちゃってる。きたなーい。」\n\n ティサもラリーヤも、完全にユニスの糾弾に舵を切った。だが、ここまで責められても、ユニスは弁解の余地を見出しているのか、強く展開する。\n\n「いや!!だからさっき洗ったってば!!」\n「ウソ?ちゃんとちんちん剥いて洗ってないっしょ?」\n「は……?」\n\n 居直ったはずのユニスの形勢は、ラリーヤの一撃で早くも悪化した。思えばアスリですら、今日の先ほどはあまりに強い欲求のせいで、丁寧に洗うことができなかったとは言え、中央にはしっかりと水をかけ、大きく飛び出している左右も伸ばして清めているのだ。ユニスにとって清潔とは、見かけだけの外側だけが対象なのだろう。\n\n「ほら、やっぱり!じゃあ、もしかして、昨日私がなかよしするとこ見てぴゅっぴゅしちゃったあとも、あと、この前ここでぴゅっぴゅしてからも、ずーーーっと、ちんちん中身このまんま?」\n「なんだよ!別に普通だし!」\n「普通じゃないっしょ?こんな汚くしてたら、腫れちゃって痛くなっちゃうよ?」\n\n この狂気は、アスリからしてみれば、文字通り狂おしくなるほどに芳醇である。だが、ユニスの言うような普通でなく、一般的な普通に照らし合わせれば、ラリーヤの方が明らかに正義で、このまま放置すればユニスは病んでしまうだろう。\n そういえば、アスリの父がカインタに偵察に行き、母とともに泥酔して深夜帰りしたあの日以来、アスリはダカクの核がどうなったのか目にもしていないし、言葉もかけていないが、ダカクもこの個所の衛生を保てているのだろうか。今はユニスが最優先であるし、自身だけでなくティサもラリーヤも全裸であって、ダカクを介在させる余地は一切ないとは言えども、アスリも記憶の断片に留めて、後日、今ラリーヤがユニスに向けた言葉を、そのままダカクにも送って、脅してみても良いかもしれない。\n 匂う核に一瞬の思慮をアスリが挟み終えるまでもなく、ラリーヤの普通に対しての疑義を受けたのは、今度はティサだ。その目尻は、アスリと同じく何らかの思索を組み入れていたのか、怪しく細められている。\n\n「うわー。だからユニス昔腫れちゃって、うちのママにおちんちん診てもらってたんだー。ママに剥いて洗ってもらってたん?」\n「ティサ、うっさい!あんなん、死ぬほど痛かったし!」\n「え、待って待って待って!じゃあ、私知らんとこで、ずっとママにおちんちん洗ってもらってたん?それでママ死んじゃったから、おちんちん洗えんくなって、こんなん?」\n「バカ!!んなわけねぇし!!あん時から、もうずっと見せてなかったし!!」\n「じゃあさ……、じゃあさ!ってか!ママに看病してもらった時とか、そのあとも、なんか言われんかったん?」\n「はぁ?」\n「ラリーヤ言ったみたく、おちんちんの中身もきれいにしようよとか?」\n「…………いや。」\n\n ラリーヤから引き継いだティサの、畳みかけるような濃度の高い責めに、ユニスは否定の一句をこぼして停止した。ここまででユニスは全てをさらけ出しているが、攻勢をかけるティサはまだユニスをもう一皮剥かせたいのか、指先をより奥地へと押し込んでいる。真っ赤になって、真上を向いているユニスの段差の真下では、桃色だった皮膚が極限まで引き延ばされて白に近づきつつあり、そこに細く青い静脈が数本浮かび上がっている。裏側でなんとかつながっている一筋は、今にも千切れてしまいそうだ。\n それでもユニスは、形勢が不利である以上、痛みすら主張せず、匂う1点を女子の前に出したまま、黙っているしかない。沈黙を決め込むユニスを待ちきれなくなったティサが、ユニスへの切り込みを一段深くする。\n\n「……いやって?ママなんて言ってたん?」\n「いや……、何回か……、言われたかも。」\n「何?ママに綺麗にしろって言われてたんに、やらんかったん?」\n「うっさい!!だって剥いたら、その……。」\n「剥いたら、何?」\n「……………………。」\n「…………何?」\n\n ティサの低音が、音を下げた。もう、ユニスに黙秘は許されない。\n\n「…………剥いたとこ、触ったら…………、変な感じするし。」\n\n つないだままのアスリの右手が、ユニスの左手によって強く握りしめられたのとともに、ティサの指に押さえられているユニスの槍が、持ち主の意思を伝えるように小さく一度震えた。その一点が臨む、筋肉質で引き締まった素晴らしい肉体の先、アスリが見上げたユニスの表情は、明らかな羞恥によって歪められている。\n 女子3人の面前、丸裸になって、長い皮膚も全てめくりあげられて、匂いも嗅がれ、ついに弱点に触れた時の感覚まで告白したユニスが、今どれほどみじめで、無様で、悔しいのか。その胸中を想起するだけで、アスリの体中に鳥肌が広がり、嗚咽しかねないほどの恥辱がこだまする。愛する人の苦しみは、アスリのいびつな性をより一層捻じ曲げ、熱く煮えたぎらせ、うずいて仕方のない泉の源泉を、祭夜のロマドウのように踊り狂わせていく。"}

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