| {"novel_id": "n0007ht", "chapter": 157, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0007ht/157/", "title": "処置", "content": "「ラリーヤ……!」\n\n 思わずラリーヤを呼んだアスリに、ラリーヤは左手の人差し指を立てながら口元を押さえると、悪さよりも怪しさが際立つ笑みを浮かべた。たしかにここでアスリが騒いで、股を広げて無防備になっているティサが刃を一目でもすれば、ティサは確実に暴れだしてしまうはずだ。\n とは言え、不穏なラリーヤをこのまま放置して良いかは、アスリも判断が迷うところである。手にしているものが刃であるのだから、ラリーヤが何かを切ろうとしていることは明白だが、では何を切ろうというのか。\n 果物か。それとも布か。または、と次の思考に至って、アスリの脳裏にまさかがよぎる。\n\n「……ほら、アスリ。」\n\n 目を見開いて動きを止めたままのアスリを、ラリーヤが再度促した。言葉で刃を指摘できない以上、もうアスリもラリーヤの共犯になるしかないし、ティサの広げられた両足の間へ、腰をずらすしかない。\n きっと、ラリーヤが割くものは、果物か、持ってきたばかりの布だ。刃を入れたそれを今どう使うのか、アスリには考えが全く及ばないが、そう信じるのがティサへの思いやりだ。\n\n 何もなければ、口づけしてしまいたいユニスの肛門の直下、開け放たれたティサの両太ももの奥、2手に分かれた茶髪にアスリが両手を伸ばせば、アスリが触れたそばから、ティサは腰全体を一度びくりと震わせた。すでに半開きだった左右の堤の中には、ぬらめく桃色の実体が控えている。\n\n「アスリ、ビラビラんとこつまんで、もっとくぱぁってしてもらえん?」\n「えっ……?」\n「あと、手はさ、こう、下からじゃなくて、上から回して?」\n「ちょっと!?何してんの!?」\n\n ここでユニスの背が遮る下側から、くぐもったティサの声がかかった。制止を求めつつも、ティサの両太ももはそのままで、アスリも手を股間に置いたままだ。濡れた方の布を左手に取ったラリーヤが、適当にティサに返す。\n\n「何って、ユニス入りやすくしてる。」\n「俺ん?」\n「え、何すんの!?」\n「いいから!で、アスリ、手、左こっちで右こっち!」\n「えっ、……これでいいん?」\n\n 何か言いかけたユニスと、自身の性器が気がかりであろうティサの言葉をラリーヤは流して、アスリにさらに指示を加えた。ティサの広がった足の扇状地、アスリの右側で行われた刃と濡れた布のジェスチャーにアスリも応じて、左手を上から回してティサの左側の、小さくたたんだ右手で右側の、それぞれ褐色の堤をつまんで、外へと引っ張るように広げていく。\n\n ティサの羽はアスリの思ったよりもよく伸び、広げた時の長さは指の関節2つ分ほどだ。羽には固まってしまった白っぽいティサの湧出物が、乾いた皮膚の欠片のようになって、ところどころ付着している。ユニスが入れなかった小さな泉も全てが明らかで、泉のすぐそばの薄い膜のような桃色の小さなひだに空いた穴からは、引き続き白と透明の中間の湯が湧出する。\n\n 恥ずかしい。同じくアスリが広げられれば、羽は翼で羽ばたいてしまうだろうし、白と透明はどれほどか、推し量ることもできない。\n\n「え、待って、そこ今触ってるん、アスリ?」\n「そう、私。大丈夫?」\n「待って待って!ウソ!?もしかして、さっきのお薬、そこに塗るん!?」\n\n 盲点だった。アスリは、ラリーヤの手にした刃ばかりを見すぎていた。ラリーヤはアスリに、わざわざ薬を器に入れて用意させたのだ。このごく小さな、小指すら入るか怪しいほどの桃色に薬を塗布したところで、ユニスは入りうるのか。\n\n「大丈夫。ちょっとティサ、おまんこすっごいから、次、私が拭くよ?」\n「え!?だから…………!!!」\n\n ところが、ラリーヤは相変わらず右手に刃、左手に濡れた布の布陣を崩していない。アスリの広げるティサの庭に、ラリーヤは濡れた布を伸ばして、発言通り上から下へと拭きあげる。\n\n「ん-っ!!!…………やああああ!!!」\n「こらぁ、だからやぁやぁしちゃダメだって!ユニス!ティサのおでこ届く?」\n「えっ?」\n「おでこにちゅっちゅ!頭もなでなでしてあげて!」\n\n ラリーヤの指示を、ユニスは無毛の肛門で受け取る。すぐに、上部から唾液を含んだ唇を動かす音が、一定間隔で響き出していく。\n ティサが力を入れた太ももも、自然と脱力する。それを目にしたラリーヤも、包皮に覆われた堤の付け根から、桃色の庭全体、泉の真上を抜けて、肛門の直前までを、3度、4度と、濡れた布で拭う。\n\n「…………うっ!…………んっ!」\n\n 布が上部の1点を通過する度に、ティサがうめく。波に流されたくないティサが、岸辺にしがみついている。一方、庭に残っていたティサの欲求の欠片は、ラリーヤが拭くごとに量を減らし、白の下にあった褐色と桃色が、ティサの主人公となっている。\n\n「よしよーし!キレイキレイできたから、いくよティサー?」\n\n 左手でティサを拭っていた布を、ラリーヤが横に置きやって、ティサに呼びかけた。ラリーヤは薬液の器に、一切目を向けておらず、アスリが広げる庭内をじっと見つめているだけだ。\n\n「やあぁ!!真ん中、その……そこは絶対塗っちゃダメ!!」\n\n 見えないティサは、薬液が塗布されることを直感しているし、アスリもそこに賭けている。ユニスは愚直に、ティサの額に口づけし、撫でている。ラリーヤだけを、アスリは見通せない。\n\n にこやかと冷静の間にあるラリーヤが、左手の小指を突き立てて、薬液の入った器へと手を伸ばした。薬液がティサの泉から湧いた湯のごとく糸を引き、泉に戻るかのようにラリーヤの小指も出所に向かう。\n\n「…………んっくっ!!!何!?!?」\n\n ラリーヤの小指の爪が、ごくわずかにティサに侵入した。瞬時、アスリも安堵する。今のラリーヤの目的は、薬液による潤滑なのだ。\n\n 悪い笑顔が、ラリーヤからアスリに届いた。その笑顔の口元には、先ほどの人差し指に代わって、洞窟の天井に先を向けた刃が当てがわれている。\n\n 言葉を、口にしてはいけない。わずかにアスリが抱いていた安堵が、破壊されていく。刃が、泉に入りかけるラリーヤの左手の小指に向かう。\n\n ラリーヤの小指の爪を受け入れたティサの泉の入り口で、爪に沿うようにして、刃が添えられた。ティサの羽を伸ばすアスリの指が、緊張で硬直する。\n 罰を受けたラダンの、針の刑どころではない。本気でラリーヤは、ティサの泉の入り口を、割いて広げようとしている。\n\n アスリの心臓が、頭の中に移動してしまったかのように、激しく鼓動する。波が、あまりにもアスリに近い。\n\n 苦しい。意識を失ってはいけない。今日は、最後まで全てを見届けるのだ。\n\n 今や、ラリーヤの表情からも笑みは消え、残っているのは真剣さだけだ。アスリが左右に持つ堤の内側で、泉に入りかけのラリーヤの爪が、ほんの少しだけティサの肛門側に落ちる。爪の真横で、入り口が縦方向に狭く暗い余白を取る。\n\n「んっ……!ちょっと痛い。ねぇ、ホント何してるん?」\n「ティサ、あとちょっとで終わるから。ちょい動かんでね。」\n\n ユニスが抱え込んでいる下から、ティサがまた問う。それに答えるラリーヤの声は優しさが偽っているが、手元の実情は予断を許さない。\n\n いよいよ斜めの形を取った刃の先端が、ラリーヤの爪の真横に位置した。小指と刃の先を凝視するラリーヤも小さく息を吸って吐き出す。備えるアスリも、呼吸する。\n\n 掛け声もなく、刃がティサを圧迫した。ラリーヤの爪が、押さえるティサの膜の下側、肛門へと向かうところに、刃が正中する。\n\n「いっ……!?!?」\n\n ティサが、何かを感じている。しかし容赦なく、ラリーヤは刃を真後ろに引いていく。\n\n「んきいいいいいいいいいああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」\n\n 直後に、割れ目の内側に新たにできあがった小さな縦の裂け目から、真っ赤な血がティサの肛門へと向けて滴っていった。\n\n 痛みが、ティサに届いた。絶叫する声の大きさは、ティサの痛みの大きさだ。\n\n 何ということだろう。ラリーヤが刃で、ティサのあの泉の淵を、切り開いてしまった。この結末は、刃がラリーヤの爪の真横に到達した時点で、アスリも十分に見通しがついていた。\n しかし今、アスリの両手も、ラリーヤが残した左手をも、一気に両太ももで挟みこんでしまおうとしているティサが、股の間から流しているのは、紛れもなく自身の血であり、ユニスの真下から上げているのは絶叫だ。ティサが、性器を傷めつけられたのだ。\n\n 自慰がしたい。アスリは、性器を切られて痛がるティサを見つめながら、自慰がしたい。自分で自分の考えが、アスリは理解できない。なぜ今、アスリはそう感じているのか。\n\n とてつもなく、興奮しているからだ。ティサは、アスリにとっての同性の友人であり、本人に向かって口にはできないが、同時に性も向けられる。\n 思えばアスリは、3日前にユニスが皮膚を伸ばされて、この刃を当てられ脅されている時も、恐怖の中に興奮を得ていた。ユニスは愛で、また性だ。\n その前は、針を向けられた、ラダンだ。ラダンで行ってきた積り積もった自慰が、母が傷めつけようとした性器を、性の対象として倒錯させてしまったのだ。\n\n これまでは全て、未遂だった。ところが今日は、ティサが本当に切られてしまった。\n\n 最高だ。最高で、究極で、未だ得たことがないほどの糧だ。波が来ていないのに、すでにアスリは波の先に連れていかれてしまっている。短い時間が、アスリの中でじっくりと進んでいく。\n\n「いだああいいい!!!!!!いだぁいよぉおおお!!!!!!」\n「んおい!!!ラリーヤ!!!アスリ!!!…………おい!?マジかよ!?!?」\n\n 異常なティサの様子に、覆いかぶさっていたユニスも身を起こし、真後ろに振り返って、ラリーヤの右手の血が付着した刃を目にし、絶句した。ティサの両太ももに両手を挟まれ、今も奥の堤に指が触れたままのアスリの指先も、泉の湯とは異なる流出を捉えている。アスリは何も喋れないし、動けない。\n 1人、冷静なのは、この施術を行ったラリーヤだけだ。同じく挟まれたままだった左手をラリーヤはティサの太ももから引き抜くと、乾いた布を1枚取って、血まみれの指先を拭い、刃も拭いながら続けた。\n\n「ティサごめんね、ちょっと痛かったねー?ユニス、ティサ頑張ったんだから、よしよししてあげて?」\n「いや、ラリーヤ。何切ったん?ティサのこと、切ったんか?」\n\n ティサの涙の上に、ユニスが声を低めて重ねた。いつになく、ユニスの声には怒りが滲んでおり、ラリーヤを見つめる眼差しは、狩りの時よりも厳しい。ユニスにとって、ティサは守護の対象だ。普段、仲の良いラリーヤであっても、ティサが傷つけられることを、ユニスは許さないのだ。\n\n「大丈夫、ユニス。切ったんはホントに1番手前っかわの、普通はおちんぽ入れたら裂けちゃって、どっちしたって血出る、入り口のせまーいとこ。ビラビラとか、お豆や、うちっかわは切ってないし、あとはティサ、きもちよーくなれるんよ?」\n「いや、そんなん…………、ありえんぞ?ティサんこと、切ってんじゃん?」\n「大丈夫。カインタん時も何やっても入らん子、結局切んなきゃいけんくて、スパッとこうしたら入るようになったんだから。まぁ、切ったんは私も2回目だし、めっちゃ珍しいけど。」\n「マジかよ…………。」\n\n ここまでで、信じられないといった様子を見せつつも、ユニスは何とか納得したようで、涙のティサへと視線を落とす。アスリもラリーヤがティサに害意を向けることなどないことはわかっているが、やはり信じられないし、自慰がしたい。アスリは、クズだ。\n\n またしても涙しているティサの泣き声が響く洞窟は、混沌に包まれてしまった。一通りを拭き終えて、半分になった果物を取り、果肉にティサに用いた凶器を突き立てたラリーヤが、改めてユニスに顔を向ける。\n\n「ほら、今度はユニス、ちんちん入れるよ?」\n\n カオスに、ラリーヤが求めた正常は、ユニスの狂気だ。カインタの経験が、森で育った狂気に、切り開かれたティサを突き刺すことを求めている。"} |
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