| {"novel_id": "n0007ht", "chapter": 160, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0007ht/160/", "title": "約束の続き", "content": " やはり、ティサは大胆に成長した。あれほど恥ずかしがりだったティサが、ユニスに抱く本当の思いを連呼し、痛む性器までユニスに捧げて、この発言だ。\n 対して、ここで黙るユニスは言葉を学ぶべきだ。今、凛々しいユニスを、ティサの立場であればアスリは見たいし、自身に基づけば見たくはない。達人のラリーヤだけは、口調の温度感を一段引き上げていく。\n\n「アホか!?!?ティサがユニス大好きなんはわかったけど、私らどうなってんか、わかってんの!?!?」\n「はぁ!?!?!?別にいいじゃん……!!!ラリーヤ教えてくれたんだし!私、ホントにユニスの赤ちゃん作りたい!!!ラリーヤさっき、私のおま……んのとこ、切ったんしょ!?今もマジで信じられんくらい痛いよ!!!でも、でも………………、でも!!!ユニスんなら大丈夫な気がする、かも…………。」\n\n たとえ全裸であっても、ラリーヤがどれほど真剣であるかは、アスリも理解できる。そこに、こちらも理解できるティサが、愛をまっすぐぶつけていく。アスリも裸のままではありつつ、軍配を上げたいのは愛のティサだ。実直なティサの愛を前にすれば、ラリーヤの理論は補強不足だと言わざるを得ない。\n\n「…………ティサ、いいけどさ。」\n\n 性でなく、理性でティサと対話するラリーヤが、草の山から静かに降りた。そのままラリーヤは、先ほどユニスの槍に塗りつける際に適当に放り投げた器を、丁寧に拾っていった。器も、ユニスに蹴られ、ラリーヤに投げられ、散々だ。\n\n「私ら、今、アスリのロマドウにお世話になってんだよ?族長さんたちに。今、赤ちゃんできたら、どうなん?」\n「……どゆこと?」\n\n ラリーヤが視線を、手元の器に落とした。美しく完璧な女に、哀愁がまとう。\n\n「……………………カインタって、ロマドウみたいじゃなかったじゃん。わかるっしょ?ティサも、ユニスも?」\n「…………正直、……わかる。ロマドウはすげぇよ。マジで。カインタとは、全然、マジで全部違うわ。」\n「私も、森にいた時とは全然違う……。今もまだビックリすることあるし。でも、私は、カインタはママに行くなって言われてたから……、カインタんこと、よく知らないんよね。」\n\n アスリは、カインタを知らないし、ティサもカインタを知らないようだ。ラリーヤと、ユニスの知るカインタは、ロマドウと違うらしいが、文脈に基づけば、ロマドウが全般的に優れているということだろう。それ以上はまだ、アスリもラリーヤの真意がどこにあるのか、見定められない。\n\n「…………そっか、ユニスは昔来てたからわかるけど、ティサはあんま知らんか。……………………じゃあいいや!!」\n「いや、ちょっと待ってよ!?どゆこと!?」\n\n 不意に流そうとしたラリーヤに、ティサに代わって、アスリもここぞとばかりに食いついた。髪をかき上げ、左手を柔らかそうな自らの腹に置きやったラリーヤが、一息置いて続ける。\n\n「…………その、カインタは、森ん中だからさ、……いっぱい増えても、食えんの。」\n「…………えっ?」\n「でも、ロマドウは周り砂しかないんに、すごいよ。水もあるし。森のおかげって聞いて育って、そう思ってたんに、ロマドウ来たら、全然しょぼかったなって思った。」\n\n ラリーヤがまた、視線を落とす。ラリーヤの胸中を追うアスリは、その深い視線に突き放され、次の言葉が続かない。\n\n「でも、頭から抜けんし。カインタ……、ってか、お兄ちゃんのこと……。」\n\n 涙は、なかった。ラリーヤは、ここにいる。\n\n「…………ごめん、せっかくティサとユニスの初めてのあとなのに、変な風になっちゃったね…………!!でも!!とにかく!!赤ちゃん作ったら、その子がおっきくなるまで、大変なんは、みんなわかるっしょ?…………なんだかんだ、1回ぴゅっぴゅくらいだと、なかなかできんから、さっきのユニスのぴゅっぴゅでティサにできちゃうか、わからんってか、多分できんと思うけどさ。」\n\n アスリも、ティサも、ユニスも、黙して頷いた。カインタでは、むやみに子を成すことが許されなかったのだろうか。\n 軽く息を吸ったアスリが、疑問を声にしようとする。しかし、性の達人はその間を許さない。まばたきをし終えたアスリの前に、もはやカインタのラリーヤはおらず、代わりに著しく悪い笑みを浮かべた、どうしようもない変態がアスリでなく、ティサを見つめていた。\n\n「まぁ、この話は、これで終わり!!それよりさ!!ティサ、初めて気持ちよかった?」\n「ごめん…………、でも、めっちゃ痛かった。なんか変なとこ、切られたし。ビラビラんとこ、切ったん?」\n\n 謝罪はあったが、その後はためらいもなく、率直な感想をティサが吐いた。刃に痛みがないわけがなく、ティサもラリーヤに切られた事実は忘れない。\n\n「違う違う、入り口の丈夫だったとこ、ほんのちょっと!でも、じゃあティサは、もうユニスとはなかよし、やらん?」\n「…………またやる。」\n\n 弁解から流れるラリーヤの次の質問に、今度はティサもためらいつつ、肯定した。どうしても普段は素直に伝えられない愛をユニスに告げたのだから、何もないサバンナで大声でこっそり愛を叫ぶよりも、実のところ精神は穏やかになるのだろう。\n\n「よしっ!!じゃあ、ユニス!!もっかいちんちん!!」\n「おっ……!?」\n「いや、待って待って待って!!今からすんの?今日はマジで、もう痛いから無理だよ!?」\n「痛くて今日できないんに、またやりたいん?」\n「うっさい!!!なんでもいいじゃん!!!痛くなくなったら…………、その……、ユニス。また、してあげても、……いいよ?」\n\n アスリが見ているだけで共感する羞恥のまなざしが、ティサからユニスへと飛ばされた。やはりティサが今日得たのは、痛み以上の幸福だったのだ。\n\n「……いいよ。またやろう、ティサ。」\n\n 応じるユニスも、ティサと羞恥を分かち合う。この様子では、ティサが本当に子を成しても、おかしくはない。アスリはティサが、羨ましい。十分すぎるほどにいやらしいラリーヤも、さらにいやらしさを深めて、まだ進む。\n\n「じゃあティサ、今日はもう、いいんね?」\n「……痛いから。もう今日は無理。」\n「そしたら次、私の番でもいいかな?」\n「はぁ!?!?!?いっっっっ……!!」\n\n 貪欲にユニスをうかがうラリーヤに、がばりとティサが体を全て起こそうとして動き、股に手をやって痛がる素振りを見せた。痛みよりも、物言いが先なのだろう。ティサが問う。\n\n「何!?!?私とユニス終わったら、もうラリーヤ、ユニスのこと食べちゃうん!?」\n「なぁに、ティサ?だってティサこの前、ユニスと初めて終わったら、あとはユニスのこと、何でもして良いって言ってたじゃん?」\n「いや、そうかもだけどさ…………、終わってすぐって思わんじゃん?」\n「大好きなユニス、取られたくなくなっちゃった?」\n「うっさい!!!!!」\n\n もう十分すぎるほどにユニスに思いを伝えたにも関わらず、ティサが何もない方向の草に目をやった。ユニスの槍が抜けてしまうと、ティサの勇気も抜けてしまうのかもしれない。ユニスもティサから抜けてしまって、ただの伏し目である。ラリーヤが、つないでいく。\n\n「……んふふふふふ。ティサ、かわいいね?」\n「バカ!!!ほんっと、信じられん!!!!!そんなにすぐヤりたいんなら、ヤればいいじゃん!!!ユニス、次はラリーヤだってよ!!!」\n\n アスリに対しては、何も間に挟まれない。ただただ、場の流れに、アスリは身を置くだけだ。ユニスが次々に、ティサとラリーヤに上書きされていく。\n\n「よーし!!ユニス!!ティサが良いってよ!!ちんちんだ!!ちんちん!!」\n\n ユニスへと向き直って歓声を上げたラリーヤが、両手を大きく一度叩き、乳房が弾けるような音がした直後であった。ゆっくりとユニスが頭を持ち上げて、じっくりとラリーヤを見つめていく。\n\n「ラリーヤ……、あと、ティサ……、ごめん……。」\n\n ティサと、ラリーヤが動かなくなった。洞窟も、静寂の向こうの滝と、燃える火だけが、4人の耳に音を届ける。ユニスが、ラリーヤからアスリへ、顔を傾けた。\n\n「…………俺、次、アスリとする、約束なんだ。」\n\n 静かに、力強く、ユニスがアスリを指名した。アスリがユニスと交わした、ティサに続く2番目の約束を、ユニスは忘れていなかった。\n\n 次はアスリの番だ。"} |
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