| {"novel_id": "n0007ht", "chapter": 164, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0007ht/164/", "title": "本心", "content": " アスリも、ティサも、ラリーヤも、たしかにユニスの思いを聞き届けた。まだ静寂が、続く。\n 今のアスリは、無に近い。正確には、背景で様々な考えがよぎっているが、ユニスが珍しく口にした希望が、何であるか不明である今、ユニスの考えをアスリは予測できないのだ。それはほかの2人も同じであるのか、吸って、吐いて、呼吸を2度、3度と行っても、次の言葉は女子の誰からも出てこなかった。\n\n「…………あの……、やっぱ何でもない。」\n\n 気まずさに耐えかねたユニスが決壊し、前言を撤回した。しかし、皮肉にもユニスが取りやめたあと、アスリの右隣では、草がずれる音が生じ始めている。\n まっすぐ立った小指に、親指と触れ合うように伸びた薬指と中指、角度する人差し指が妖しくユニスに伸び、筋肉の浮き出るユニスの脇腹に触れた。ラリーヤが、ユニスを拾ったのだ。その中指とともに、ラリーヤが第一声を上げる。\n\n「……………………アスリと、何したいん?」\n「…………えっ?」\n\n 改めて、ユニスとラリーヤの短いやりとりを聞き直して、アスリは今更ながら耳を疑った。ラリーヤは、今、なんと言ったか。\n アスリの名前を出していた。その前のユニスの途切れ途切れになった吐露を、アスリは耳にしておきながら、アスリを請うていたことを、十分に認識できていなかった。ユニスは、アスリを指名していたのだ。\n\n もう、無ではいられない。ユニスは、アスリと何をなしたいのだろう。愛の求めなら、本当に心臓に直に触らせることも、アスリは容易にこなすことができる。心が、躍動する。\n\n「…………だからユニス、アスリと何したいん?」\n\n もう一度、ラリーヤがユニスを問う。すらりと中指が、浮き出た腰骨まで下降し、ユニスがびくりと体を震わせ、涙の皮もひとつ震える。\n\n「んっ…………!!!」\n「ユニス?」\n\n 次は、ティサもユニスに問う。ただ、こちらの声色はラリーヤのように性に溢れてはおらず、むしろ不安がにじみ出ているかのようなトーンである。調子をそのまま、ティサが続ける。\n\n「…………アスリとなん?」\n「こらぁ、ティサぁー。だから今はアスリの番っしょ?さっきはアスリだって我慢してたんだから、ティサもちゃんと良い子にして待たんとー?」\n\n ティサの一言に、性はそのまま、ラリーヤがたしなめ、アスリの肩を持った。ただ、それでもティサの不満は収まらない。\n\n「……でも、さっきユニス、私にはそんなん、言わんかったよ?」\n「うーん。じゃぁ…………、ねぇユニス?それって、アスリだけじゃなく、ティサにもできるん?」\n「………………いいよ。」\n「じゃあ、いいよね?ティサ?」\n\n 裁定をするのがラリーヤでなくアスリであっても、まずこの形の提案をティサに行うに違いない。当然、ティサも首を縦に振って、これ以上は異議を申し立てなかった。\n 一方、最もシンプルな同意をしたユニスは、ひどい伏し目で、また涙を先端からこぼしそうである。何をしなければならないのか、アスリはまだ見当もつかないが、なぜかすでに何かを始めているかのようだ。\n\n「で、ユニス。もっかい。アスリと何したいん?」\n「……なんでもねぇし。」\n「いいから、そういうん。言ってたじゃん?自分で。」\n「………………………………。」\n「……ほら?なに?」\n「………………んおっ!!おいっ!!」\n\n 戒めとして、ユニスの腰元で待機していたラリーヤの指先が、するりと前に回り、涙の皮先をつまみあげた。そのままラリーヤが皮を手前に引けば、固い角度は下に向き、包皮の長さも子どもとして成長する。\n\n「ほら?早く言わんと、ちんちんびろーんってしちゃうよ?」\n「っざけんな!!!」\n「ちゃんと言えんなら、さっきティサん切ったみたく、ユニスのここも切っちゃおっか?」\n「痛たたたたたっ!!!ヤメロ!!!」\n\n ラリーヤがユニスの皮に、爪を立てた。これにはユニスも、伸びた先端に手を向かわせるが、ラリーヤもユニスを掴んだまま放さない。予断を許さないアスリはユニスを待つ間、余計な口は利かないに越したことはないが、この遊びは楽しそうで、アスリも混ざりたい。\n\n「じゃあ、早く言ってよ?アスリと、何したいん?」\n「………………………………痛たたた!!!爪ヤメロ!!!マジで痛い!!!」\n「ほら、ホントに言えんの?ちょん切って、大人にならんと言えん?」\n「言うから!!!言うから!!!ラリーヤ放せよ!!!」\n\n 歪んだユニスの表情が、弛緩した。尋問するラリーヤの指先が、ユニスが覆い隠す手の下で、一時的に優しさを見せているのだろう。\n だが、ユニスが言わなければ、すぐにラリーヤによる罰は再開される状態に変わりない。秘めたる願望を言葉で表現できないユニスが、またしてもひどい伏し目で、どこかに視線を逸らす。\n\n「で?アスリと何なん?」\n「…………だから、…………その、………………。」\n「アスリにちんちんの皮、切ってもらいたいん?」\n「バカ!!!じゃなくて!!!」\n\n それは結構なことだ。任せてもらえるなら、アスリはぜひやりたい。その際、自慰もしたい。\n\n「じゃあ何?アスリと?」\n「………………アスリの。」\n「アスリの?」\n「…………………………アスリの。」\n「アスリの何?」\n\n 男と女の変態に、アスリの名前が、連呼される。愛する男の変態は、アスリに何を求めるのか。こうして待つ間に、アスリは狂ってしまいそうだ。そろそろ、ユニスも佳境だ。\n\n「……………………アスリの、……………………おまん……………………の。」\n「アスリのおまんこ?」\n「ウソッ!?!?」\n「ちょっ!?!?ユニス!?!?」\n\n 平然と述べたラリーヤの響きに、アスリが点火し、ティサはユニスを呼ぶ。性器だそうだ。本能は喜びに叫んでいるが、理性は激しく混乱している。ついアスリと顔を見合わせたティサは、驚いているにも関わらず、どこか心の奥がいやらしい。\n 2人の反応にも、性の魔人であるラリーヤは動じない。ラリーヤはユニスに、またアスリの名前と、あの呼称をつなげる。\n\n「で、アスリのおまんこが?」\n「………………………………そこん…………………………、ビラんとこ。」\n「アスリのおまんこのビラビラ?」\n\n 脳天が、かち割れそうだ。まさかの、アスリの究極のコンプレックスだ。一気にアスリの体温が、外のサバンナを優に超えていく。もう驚きの声すら、アスリは上げられないし、ティサも続けられない。\n また、アスリがティサを見る。少し笑っているのだろうか。この笑みは、恥ずかしさだ。ティサまで共感して、温度をともにしているのだ。\n\n「…………………………。」\n「で、アスリのおまんこのビラビラが、何?」\n\n ユニスが息を吸って、吐き出し、また黙った。ユニスも、恥ずかしがっている。ラリーヤだけは厳しく、ユニスを許さない。女の変態の言葉は、アスリも許さない。\n 部位はもう、アスリもわかった。これだけで苦しいのに、ユニスは何がしたいのか。考えたくもないし、考えたいが、考えがまとまらない。\n\n「…………何?」\n\n ラリーヤが責める。もう、時間はいっぱいだ。まもなく、ユニスがアスリに、自らの欲望を語る。\n\n「………………………………見たい、近くでいっぱい。」\n「うわぁああああ!!!!!」\n「わぁああ!!!ユニスえっちー!!!!!」\n「ウソでしょ!?!?変態だぁあああ!!!!!」\n\n 洞窟が、爆発した。ティサが叫んで、ラリーヤも変態を指摘し、再びティサが文字通りの変態を指摘した。しなやかに、ラリーヤが続く。\n\n「え!?!?待って!!!そしたらユニス、さっきの話だったら、ティサのビラビラもまた、近くでいっぱい見るってことじゃん!?」\n「バカ!!!!!私は無理!!!!!」\n「いや、いいじゃん!!もうさっき初めてのなかよししたんだし!!」\n「ホントバカなん!?さっきラリーヤ切ったんから、痛くて足広げられんよ!?」\n「じゃあまた今度見せる!?」\n「見せるわけな………………、きっ、気が向いたら?」\n「うわぁああ!!!ティサもへんたーい!!!」\n「バカッ!!!!!ラリーヤと違うし!!!!!」\n\n 発した言葉に対して、2人の声は弾んでいる。喜んでいるのか。楽しんでいるのか。\n\n アスリは、灰だ。爆発で、骨まで灰になってしまった。\n 嘘だ。灰になったのは理性だけで、本能は2人と同じく、最高に弾んでいる。\n\n 盛り上がる声を聴きながら、アスリの理性は考える。ユニスは、何を言っているのだろう。なぜ、あんなに外側に大きくはみ出して、色づいている2つの肉を、見てみたいのだろう。ユニスは口に出していないが、確実に中央の大粒まで丸出しだ。それも、近くで、長時間とのことだ。変態は、頭がおかしい。\n\n 本能も、考える。嬉しい。あんなところを、ユニスは見たいのだ。最高だ。最高で最高で最高だ。しかし、なぜユニスは、あのはみ出しを目にしたいのか。\n\n「………………………………なんで?」\n\n ちょうど、会話の切れ目となったところで、アスリの本能がそのまま、ユニスに向けて震えを抑えながら声を出した。気づけば両手は、たたんで座った股間の真上を、きつく押さえている。この奥を、なぜユニスは見たいのか。\n\n「…………………………………………。」\n\n ユニスが、恥ずかしくて喋れない。それでもアスリは、もう嬉しくてたまらない。本当に最高の人を、アスリは愛することができた。\n\n「ほら、アスリがなんで見たいん?って聞いてるよ?」\n「変態だから見たいんしょ?へんたーい!!」\n「バカ!!!ティサ!!!うっさい!!!」\n「じゃあなんでなん?私にはそんなん言わんかったくせに!!」\n「ティサん…………、綺麗だったよ。痛くなくなったら、また見せてよ?」\n「……バカッ!!!…………いいけど?」\n「このバカ2人!!!!!アスリがなんでって言ってんしょ!?ってか、ティサにまた見せてなんて言うなら、アスリにも答えられんじゃん!?」\n「あっ、たしかに!!!アスリともちゃんとおしゃべりしてあげてよ!!!」\n「……………………恥ずかしい。」\n「なんで私に言えんのに、アスリには恥ずかしいん!?!?」\n\n もうろうとして、1人で完成しかけているアスリが、3人に置いてきぼりにされながら救われる。ラダンの罰の日よりも、今日の刺激はアスリにとって強い。\n それでも、あの日のように気絶してはならない。まだ、見届けなければならないアスリの本能は、ユニスが意図して最後のティサを無視して生じたのであろう無言に、もう一度疑問を挟み込む。\n\n「…………ねぇ、ユニス?」\n「…………何?」\n\n 次を、アスリが迷った。自身に、ユニスが恋をしているか、聞くべきか。自分を、好きでいるのか、聞くべきか。\n\n いけない。ユニスのことをどんなに愛していても、ユニスには、ティサだ。アスリが問いの、原初へと立ち返る。\n\n「…………なんで、………………なんで、………………私のあんなとこ、近くでいっぱい見たいん?」\n「………………………………。」\n「こら、ユニス?」\n\n 黙ったユニスを、ティサがけしかけた。改めてアスリが、ユニスを問う。\n\n「ねぇ、ユニス。なんで?」\n「………………アスリの、……………………アスリの!!!!!」\n\n 恥じらいが、アスリとユニスの4つの瞳を行き来する。アスリの左右からは、別な4つの瞳が、ユニスの口元を注視する。\n もう、ユニスは沈黙できないし、ごまかせない。伏し目が、大きく息を吸ってから、唇が動いた。\n\n「…………………………ホントは………………、ホントはずっと……………………、前からずっと……………、見たいって思ってた!!」"} |
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