| {"novel_id": "n0007ht", "chapter": 170, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0007ht/170/", "title": "自己開示", "content": "「サイアク。恥ずかしい…………。」\n\n 恥ずかしいのは事実であっても、ラリーヤに返した言葉に反して、アスリは悪い気分ではない。その言葉と意図の乖離を、ラリーヤはティサが最悪だと示した時と同様に、あっという間に摘まみ上げて、詳細開示の手筈を整えていく。\n\n「なぁに?私もティサも、アスリんこと綺麗だよって褒めてんに、サイアクなん?あっ!それとも大好きなユニスにも、綺麗って言ってもらってないからぁ?」\n\n ラリーヤの尻上がりの語尾に、アスリがユニスと目を合わせれば、ユニスがまたしても伏し目だ。たしかにユニスは、ティサのような羽でなく、アスリが翼の堤の概要を提示した時点では、夢見心地である趣旨を口にしていたものの、綺麗な言葉をアスリは受け取っていない。したがって、ユニスだけは、お世辞を言わずに、アスリがこの3人の女子の中でどうあるのか、伝えようとしているようである。\n 小さく、アスリの心に痛みが生じかける。ところが、ユニスの伏し目は、なぜか羞恥を伴って、アスリを上目遣いするように合わせていく。\n\n「…………アスリ、綺麗だよ。」\n\n アスリの目の前が開け、しばし白さを帯びる。心臓が洞窟を飛び出して、一切止まらずに滝の周りを走り回って、アスリの元へと戻ってきて、また外へと飛び出していった。\n 綺麗な言葉は、ティサにもかけられていた。その時のユニスは凛々しく、気高かった。あの表情で語られたティサもまた、幸せだっただろう。\n\n では、今のユニスはどうか。伏し目から、どうにかアスリの瞳を見て、やや弱く、どういう訳か恥ずかしがっている。なんと、かわいらしく、愛おしいのだろう。森で育まれたティサとユニスの関係性が、実はユニスが主体となってティサが一歩後ろに続く形であるとするなら、アスリとユニスとの間に生まれつつある間柄は、アスリがユニスであり、ユニスがティサであるかのようで、ユニスは後衛に回ろうとしている。\n\n どうして、ユニスはティサとアスリで、綺麗な言葉の色合いを変えたのか。それはおそらく、この何とも言い難い目つきがアスリに静かに語る、アスリへと向けるユニスの性によるのだろう。ティサに向ける男性らしさもうらやましいが、ユニスにとってアスリは、性が先のはずだ。\n\n つまりユニスの綺麗な言葉には偽りはなく、ユニスはアスリに興奮している。素晴らしい。同時に恥ずかしい。\n 何より、ユニスがティサだけでなく、アスリも範疇に収めてくれているということが、アスリにとって幸せだ。ティサがユニスの初めてで、アスリは次でも、ユニスがアスリを見てくれているだけで、アスリは嬉しいし、いずれティサとユニスが家庭を築こうとも、アスリはこの記憶を忘れなければ、死を迎えるまで十分に生きていけるだろう。入り混じる想いを込めた笑みをアスリは口元に浮かべて、ユニスがアスリを見る真似をしながら、アスリもユニスの言葉に感謝する。\n\n「………………ありがと、ユニス。」\n\n 自らの意思で、アスリは上体をさらにユニスまで送りこむ。唇の位置を合わせたアスリは、軽く目を閉じて、小さく1つ、口づけをした。\n\n「……好き。」\n\n 目を開けば、ユニスがいて、ユニスは柔らかな微笑みをアスリに投げかける。ユニスが目を閉じた。アスリも目を閉じる。\n また、唇同士が小さく触れ合って、離れた。目を開く。\n\n「……綺麗だよ。アスリ。」\n「好き。ユニス。」\n\n 性の中に、ティサにも向けていた凛々しさを、ユニスがアスリにも送った。最高だ。\n\n「…………バカ、ユニス。」\n\n ユニスに没頭するアスリの左側から、やるせないつぶやきが、アスリの耳に届いた。アスリは、いけないことをしてしまった。とっさに振り返ったアスリに、はっとした顔のティサが、口元を覆い隠す。\n\n「アスリ、ごめん!!なんでもない!!」\n\n ユニスといると、アスリは馬鹿になる。ユニスの馬鹿が感染するのだ。アスリも即座に、ティサに配慮する。\n\n「ティサ、ごめん!!ティサもユニス好きなんに、私も調子乗りすぎた!!」\n「いやさ、アスリって、ホントやり手の素質あるわ。」\n\n 一貫してアスリを意味不明に称賛するラリーヤが、ここに割って入ってきた。ラリーヤはアスリに、何の素質を見出しているというのか。\n\n「だからラリーヤさ、さっきからそういうん、なんなん?」\n「いいじゃん!!っていうか、早くアスリ!ビラビラのおまんこ見せい!!さっきのティサか!!」\n「何!?さっきの私って!?」\n「うわっ!!ちょっと!!」\n\n 先ほどまでアスリの右乳首をじっくりとなめ上げていた、女子まで捕食する性の化身は、もう我慢がならなかったのだろう。弁解するティサの声がかかる中、草の上に引き倒されたアスリが、両肘を真後ろにつけるのと同時に、閉じかけて折り曲げた両膝も、自然と持ち上がる。\n\n「……ねぇ、アスリ?」\n\n 腹筋に力を入れて、姿勢をどうにか保つアスリに、右の淫女が声をかけた。あまりに大きな左右の乳が、アスリに向けて重力を受けている。\n\n「……何?」\n「……私ら、アスリのおっきなおまんこ、見ていいんよね?」\n\n 今更、ラリーヤは何をのたまっているのだろう。もうアスリは羞恥に苦しみぬいて、3人に最大のコンプレックスの拝観を、許可したのだ。\n\n「うっさい!もうさ、さっき見て良いっていったんだから、そんな見たいんなら、…………早く、見ればいいじゃん?」\n「じゃあさ。」\n\n 上半身をより近づけたラリーヤの乳房がアスリの腕に当たり、ラリーヤの髪がアスリの髪とも接する。もしかすればラリーヤの兄が鎮座しているかもしれない、長いまつげの奥の美しい瞳を、アスリは見る。\n\n「…………ちゃんと自分で、おまんこのくぱぁ、できるよね?」\n「……………………は?」\n\n 知ったばかりの、女性器を開く時のための音を示す言葉だ。怪しいばかりのラリーヤの動きを、アスリは読み切れない。解は、何か。\n\n 悩めるアスリに熟達するラリーヤが与えたのは、無言の時間であった。この時間、アスリはラリーヤから目が離せないし、介助が必要であったティサも、何度もこぼしたユニスも、一切口を挟めない。\n ただただ、アスリは自身に向き合い、何をなすべきかを探る。続く無言は焦りとなって、アスリの脇をさらに湿らせる。\n\n ラリーヤは、自分でできるどうかを問うている。できなければ、ティサと同じく、アスリも加担した強制執行だろう。では、ティサがされたように、堤の内側まで見せるべきか。\n 不可能だ。それは、自らの翼を伸ばすことにしかならない。もう、どれほど大きいかを自覚しているアスリとて、あまりに無様だ。切迫するアスリは、今一度ティサに焦点が当たった際の流れを振り返る。\n\n 膝裏だ。アスリとラリーヤで、共同して押し広げて、性器を丸出しにさせた、膝裏だ。\n もう、あれしか道はない。絶対に性器は丸出しになる。ただユニスも、ティサも、ラリーヤも、アスリの大きな性器が見たいだけなのだ。もう、それだけで苦しく嬉しいが、アスリのように大きければ、ティサのような源泉や尿の出口、さらには中央で皮膚に包まれて控えている、ユニスがなめ上げた大粒さえ、煙にまけるかもしれない。ティサは何らかの液体を先ほどの時点で指摘してはいたが、賭けるアスリは勝負に出る。\n\n「……いいけど。別に。」\n\n ぶっきらぼうにアスリはラリーヤに放つと、草につけていた両肘を自由にし、背中全体から後頭部までを、草へと預けた。一方で、解放されたばかりの両腕を、自らの両ひざの裏側へと回し、両膝を強く内側へと引き込んだ。\n\n「………………!!」\n\n 大好きなユニスの、吐息が聞こえる。もう、アスリの真正面にいるユニスには、尻の穴まで丸見えだ。まだ閉じてはいるが、ユニスの夢は、ほとんどユニスの目の前にある。\n\n 両腕を、大きく開く時だ。恥ずかしい。あまりに恥ずかしい。恥ずかしくて、しかも大好きな人の前だ。恥ずかしい。恥ずかしい。\n\n「…………またちっちゃくイッてる。」\n\n 無情なラリーヤが、観測結果を口にする。何たることを言うのか。アスリは沖には流されず、浜辺で足を水につけただけだ。\n\n「うっさい!!バカ!!」\n「……ねぇ、アスリ、無理なら…………。」\n「ティサ……、あんがと……。でも!」\n「またちょっとイッった。」\n「バカ!!!!!」\n\n 悔しい。時間が、ない。もう、ほとんど見えているだろうし、アスリ自身も頭を揺らしながら、何を見ているかわからないが、理性と本能が、珍しく下した合理に、従うしかない。\n\n「………………んぐっ!!!!!」\n\n 開く動きを、アスリの両腕が行った。あわせて草に沈みこみながら、アスリは尻を突き上げていく。\n 涙は、誤解されるから流せない。今の姿勢なら、涙は鼻奥から喉に流れて、アスリのために道を開く。\n\n「アスリ!!!!!」\n\n ティサが、アスリに呼びかけた。改めてアスリが、自主によって、自己を開示する。固く伸びにくいように感じていたアスリの体は、両脚の付け根を大きく見せることには一切の抵抗もなく、アスリの生まれ持った翼と、打ち克った自己の証拠を、左右の女子とユニスの面前に、これまでになく開放した。", "afterword": " いつも『アスリのルビーは砕けない!』をお読みいただきまして、ありがとうございます。これまで連続公開日を除いて、毎週金曜日の21:00に新しいエピソードを公開してまいりましたが、諸般の事情により、今後当面の間、不規則な形での投稿になる可能性がございます。(これまで通り、金曜日の21:00に公開する場合も、あるかもしれません。)\n\n 詳しくは私のX活動報告にて記載させていただきましたので、ご確認のほどよろしくお願いいたします。\n\n また、ここまでに皆様よりいただいてきました、ご評価やブックマーク、リアクション、ご感想、XなどのSNSでの交流等、大変励みになっております。ありがとうございます。\n まだ小説家になろう&ノクターンノベルズアカウントをお持ちでない皆様、このご機会にアカウントを作成されまして、もし私の作品がお気に召されましたら、何らかのご反応をいただけますと幸いです。\n\n アスリの物語は、もちろんまだまだ続いていきます。引き続きご愛読のほど、よろしくお願いをいたします。\n\n 音葉玲雨"} |
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