Krixter/Repo / n0007ht /177.json
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{"novel_id": "n0007ht", "chapter": 177, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0007ht/177/", "title": "同床同夢", "content": "  ユニスが、夢を全て語りきった。そしてその夢は、今日この洞窟で、すでに達成されている。ひどくはみ出ている上に、未知の付け根まで埋もれていた根を伴った、アスリにとってコンプレックスでしかないグロテスクな肉を、ユニスが嬉々として眺めて夢のようだと述べた真相が、これでやっと明らかとなった。\n 一方、何もかもを吐き出したユニスの鼻息は荒く、雄々しく、それでいて弱く、ユニスがどうにか自我を保ちながら、記憶と胸中をまとめあげたことが、痛いほどに、正しく言えば恥ずかしいほどに、アスリにも伝わってくる。ユニスの話は、アスリにしてみれば羞恥の塊でしかないが、最後まで駆け抜けたユニスの堅い胸板を、アスリは両腕でしっかり抱えなおすと、細い線に載るたくましい背筋を、優しく撫でやっていったのであった。\n\n「……………………ありがと、ユニス。私、なんでユニスが夢って言ってたんか、良くわかった。」\n「………………ぐっ。」\n\n アスリの礼に、ユニスは喉をおかしく鳴らして返した。おそらくユニスは、ここまでの過程によって、今はうまく言葉を操れないのであろう。これからアスリがユニスと仲を深めるにあたっては、アスリも相当努力しなければならない。アスリの意識は、触れ合うユニスに傾注する。\n\n「………………ねぇ、あのさ……。」\n\n まさかの、ティサだ。いけない。アスリはまた、ユニスにのめりこみ過ぎた。\n すぐさまアスリはユニスの背を軽く2度叩くと、ユニスもアスリの意図を察して、汗だくの身体をアスリから離した。抱きしめあうほどに近かった2人が、慌ててティサの方へと振り向けば、ティサは何とも言いようのない真顔である。ティサはユニスを見つめて、続ける。\n\n「……その、また私ん話で、ラリーヤに怒られるかもだけど……。」\n「何?またティサの私?」\n\n アスリとユニスの頭越しに、早速ラリーヤがティサに牽制をかける。しかし、あらかじめ断ったティサは、ラリーヤを意に介することなく、途切れた先の言葉に向かっていく。\n\n「…………あんさ、アスリのこと、めっちゃかわいいって、私もそう思うし、実際、そう。」\n「いや、そんな、私……。」\n「いや、ホントに。私もアスリみたく、スラっとしてて、スッってしてたら良かったんにって、めっちゃ思うし、なんていうか…………、ユニスとも…………………………、ウソ!!何でもなくて!!」\n\n 一度、ティサが切った。当然、ここで終わりではない。\n\n「それで………………、私ん話になっちゃうんけど…………、ユニス。」\n「…………おっ。」\n「………………その、わっ、たしのことも…………………………、かっ、かわいいって、思うん?」\n\n さすがティサだ。綺麗な言葉の時は、先にユニスから受け取ったのはティサであり、アスリは後からいただいたのであるから、今のようなティサの疑念は生じなかった。\n だが、今度はアスリが先にかわいい言葉を受領し、ティサはまだだ。ティサとユニスは、アスリをかわいいと評価したが、はっきり言って、アスリは自身にその価値を見出していないし、言葉に不相応だ。かわいいと表現して差し支えないのは、ティサであり、ラリーヤなのである。\n\n「………………………………。」\n\n それにも関わらず、ユニスがティサに返したのは、無言であった。アスリは直前までユニスに浸りきっていたが、これだけは正しくないと断言できる。嘘はいけないが、絶対的にユニスは何かを返さなければならない。\n\n「…………やっぱ私、かわいくないんね。しょうがないか。」\n「違う!そうじゃない!」\n\n ティサの反応までは、アスリが見据えた展開だ。その先、今日のユニスは、否定が多い。ユニスが口にした判断は、今度こそ正しい。ユニスがやや間を開けて、続ける。\n\n「…………そうじゃなくて……、……………………恥ずかしい。」\n「……恥ずかしい?アスリには、めっちゃかわいいって言ってたんに?」\n「アスリに言うんだって、めっちゃ恥ずかしかったし!!」\n「……じゃあ私には?」\n「ティサそれさ、もうユニスにかわいいって言われてんのと、一緒じゃん?」\n\n どうどうめぐりが始まる直前の最適なタイミングで、ラリーヤが2人の会話を遮った。ラリーヤの指摘はティサに効果てきめんであったようで、直後に目をユニスから外し斜め下に向けると、それ以上何かを口に出すことはなかった。名より実ならぬ、言葉より実に、ティサも満足できたようである。\n\n「……でさぁ。」\n\n ティサが沈静化したところに一息つく間もなく、ラリーヤが見事にこの場を自らの持ち物に変える。出だしの一言に、アスリがすぐ振り返れば、そこには早くも悪が形成されている。今のラリーヤから発せられているのは、いやらしさよりも、アスリにとって嫌な、何らかの予感だ。\n\n「…………私も1つ、今のユニスん話つながりで、聞きたいことあるんよね。ユニスじゃなくて、アスリに。」\n\n 案の定、来た。それも、アスリに対してだ。\n\n「………………何?私に聞きたいん?」\n\n アスリの得た予感に、結局いやらしさも加わった。ラリーヤは怪しげな満面の笑みを浮かべると、左手の指で髪を耳にかきあげて、アスリと視線を交わらせる。一旦、視線を落としたラリーヤは、すぐにアスリに戻る。\n\n「……あんさ、前から私、気になってたんけど……、今まで聞いた話、もっかいまとめるとさ、まずアスリ、私とティサが初めてあの川で会う前…………、1回ユニスと会ってんよね?アスリんちの牛が動物に襲われて、ユニスが急に出てきて、一気に3本も矢を打って、倒したんだっけか?…………そんな話、してたんは、覚えてるってか、合ってるんよね?」\n「……そうだね。」\n\n ラリーヤの述べたことに、アスリも相違はない。今、ラリーヤが口にしたことは、3日前のラリーヤの性に関する授業の直前、アスリが嘘をつき、ユニスとの初回の遭遇時期をごまかそうとして失敗して、真相を話さざるを得なかった時に、ラリーヤとティサに伝えた内容と一致する。髪に触れた指を顎の下に触れたラリーヤは、思案しつつ、アスリが蓋しようとした事実をつないでいく。\n\n「で、その時、アスリは水浴びしてて、裸で、しかも…………、おまんこ、くちゅくちゅまでしちゃってて。やばい動物が牛んとこに来るまで、ユニスはこっそりアスリんこと見て、アスリのまねっこして、ユニスもユニスで、ちんちん、くちゅくちゅしてたんしょ?」\n「…………やめてよ、恥ずかしい。」\n「……おっ、俺は……。」\n「…………まぁ良くて、そんで、その動物が牛の方行った時、……本当はユニスもちんちん丸出しだったかもだけど、とにかく急いで矢飛ばして、退治したんしょ?ユニスはずっと前からアスリ見て、アスリのおまんこまねっこで、ちんちんくちゅくちゅいっぱいしてたんに、アスリはそん時初めて、ユニスのこと見たんよね?」\n「……………………マジで、恥ずかしい。でも、そん時はおちんちん見えんかったし、ユニスんこと、最初、女の子が弓使ったかと思った。」\n「…………俺、男だし。」\n「っ…………。」\n\n 割って入ろうとしたティサが、何かを言いかけたが、ラリーヤの2段目の取りまとめにも、問題はない。アスリがユニスと初めて認識した時、アスリは耽って開帳していて、牛を1頭諦めかけた時に、突如草の茂みから女子にしか見えないユニスが飛び出してきたのだ。\n\n「……そうなんよね。で、私聞きたいんはこっからなんけど……、私ら、アスリがあの日来てくれんかったら、みんな死んじゃってたかもだし、ホントに、ホントに…………、アスリのおかげで、みんあ生きてられるんけどさ…………。アスリって、1回、ユニスにすっぽんぽんも、おまんこも、…………おまんこくちゅくちゅしてるとこまで、あの川んとこで、ぜーんぶ全部、見られちゃってるわけじゃん?」\n「……………………。」\n\n まずい。確実にまずい。まるでラリーヤの周囲に紫色の雲でもかかっているかのように、浮かびあがる悪の笑みが、一気に濃さを増している。\n アスリの直感が、アスリの本能に警鐘を鳴らしている。しかしもう、ラリーヤを遮って止める合理的な理由など、どこにも見当たらない。いよいよ、ラリーヤが放つ。\n\n「そんならさ…………、なんでまた、あの川んとこ……、行こうと思ったん?」\n\n アスリの両脇が、熱く湿る。軽く息を吸い、アスリが理性に、そのまま耳で受けた内容を横流しする。幸い理性は、ラリーヤの攻め手が拙速であることを即座に見抜き、適切な論理を見出して、アスリへと返してくれた。\n\n「………………いっ、いやさ、今んならこの滝知ってんだから、もうここが1番だけど、あん時は水も草もあって、牛さん喜んでくれるとこなんて、あの川んとこが1番だったんし。だからさ……、別にまた行くに決まってんじゃん?」\n「でもさ、ユニスはそこでいっつも、アスリがくちゅくちゅしてんの見てたってことなんなら、アスリいっつもあの川行って、すっぽんぽんでくちゅくちゅしてたんよね?」\n「……………………。」\n\n アスリはあえて無言だが、実質的な肯定だ。あの川辺は、アスリのお気に入りの場所だった。それでも理性は、これでもラリーヤがアスリを攻めきれないことに気づいていて、まだ目標の見えないラリーヤの追及を、煙に巻ける可能性が残されていることを告げている。\n 一方、アスリの無言の肯定を受け取ったラリーヤも、全く余裕を失っていない。次はどう仕掛けてくるのか。\n\n「……そしたら、あの日、アスリはくちゅくちゅってか、水浴びもしないつもりだったってことなん?」\n「…………は?」\n「だって、ユニスに1回見られてんよ?またユニスどっかにいるかもなんに、アスリ恥ずかしがりなんから、裸になんかなんの、無理だったんじゃないん?」\n「………………べっ、別に。水浴びなんて、家帰ってから、井戸の水でもできるし。」\n「…………………………ふーん。じゃあ、アスリが大事にしてる牛さん?また襲われちゃうかもなんに、なんで襲われたことあって、危ないとこ、また行ったん?」\n「そっ、そんなん………………………………。」\n\n 苛烈な攻めだ。アスリの理性が、とうとう音を上げた。その通りだ。牛たちにとって不満でも、父とダカクを伴った時のように、牛たちを連れていく先は、安全な東の平原でも良いし、もと別な場所でも良いのだ。論理で詰めるラリーヤに返せる言葉が、何1つとして見つからない。ここぞとばかりに、ラリーヤは一気にアスリに畳みかける。\n\n「……ねぇ、アスリ。これ、もしかしてだけど…………、もしかしてだけど……?……アスリって、ホントはユニスに、おまんこくちゅくちゅ…………、見せたかったんじゃないん?」\n\n 図星だ。あまりにも図星だ。獣に牛を襲われかけて1週間、アスリは悶々とした挙句、見ないでほしいという思い以上に、もう一度ラダンが針を刺されそうになったほどに許されない行為を見てもらいたい、消えてしまいたいほど、とびきり恥ずかしいと感じたいという、相反する願望を煮立たせて、どうにもならなくなって、牛たちの危険すら忘れて、背景でカインタと森が襲撃されていたあの日、川辺へと向かったのだ。\n 仮にもあの日、襲撃がなければ、アスリはどこかに当時は名も知らぬユニスがいるかもしれないことを思い浮かべながら、母への謝罪を行いつつ、思いっきり楽しんでいたことであろう。やはり、アスリはクズである。\n\n「しかも、その頃ってさ……、アスリってユニスんこと、女の子だと思ってたんじゃん?女の子にくちゅくちゅ見せたいって…………、アスリも私と一緒なん?男の子だけじゃなくて、女の子にもえっちな気分になるん?」\n\n また図星だ。それも、アスリがこの自我を捉え切り、本能を論理だてて自身の内部で説明できるようになったのに対して、かなり時間が浅いのだ。アスリは見たこともなく、思うだけで何か嫌な気がするが、少なくともそういったものが生じない、姉のラダンの性器でなく、双子の兄たちが、まだ遠い昔にダカクであった頃を思い、自慰をすべきであった。\n もっと言えば、アスリは弟とは言え、ダカクの男性器で自慰をすべきであったし、あの1本と2玉で楽しんで、痛めつけるべきだった。ダカクの荷は、今後は愛するユニスに背負わせるしかない。\n\n「うっ……ウソ!?!?ウソ!?!?マジ?????アスリ……、そうなん!?!?」\n\n 最悪だ。驚くような声を上げたティサが、右手で乳房を隠して、身を引くような素振りを見せた。アスリはティサに幻滅され、信頼まで失ってしまったに違いない。\n\n「いや、ティサもさっき、アスリとめっちゃちゅっちゅして、気持ちよさそうにしてたじゃん。」\n「うっさい!!バカ、ラリーヤ!!アスリんなら良いんって!!…………アスリなら、…………見たいとか、えっ……、えっちなんとか、私、なんでも私良いよ!!!」\n「はいはい、ティサもアスリなら良いんね。なんでもいいけど、そういうことなんならさ、…………アスリ?」\n\n どうにか最低限、ティサの心象だけは悪くなっていないことはわかったどころか、ティサも狂ってしまっているようで安堵できるが、なんともアスリはラリーヤに返す言葉がない。人は、あまりに核心を突かれると、言語を失ってしまうのだ。考える時間を作るために、アスリは理性が突貫工事で用意した一言を、ひとまずラリーヤに突き返す。\n\n「………………待って。ラリーヤが私に聞きたいんって、だからさ…………、結局何なん?」\n\n 悪の笑みの中に、ラリーヤの白い歯が光る。おもむろに両手を合わせ、斜め下方に開いたラリーヤが、弁を総括する。\n\n「だから、ユニスはアスリのおまんこ見るのが夢だったんけど…………、アスリもユニスに、おまんこ見てもらうのが夢だったってことで、…………いいんよね?」"}

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