Krixter/Repo / n0007ht /178.json
Krixter's picture
download
raw
17.1 kB
{"novel_id": "n0007ht", "chapter": 178, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0007ht/178/", "title": "天啓", "content": "「違っ…………!!!」\n\n 違いなどない。とっさにアスリの理性から飛び出した、言いかけの言葉が間違っているだけで、アスリが抱いてきた全ては、ラリーヤによって理路整然と整理されている。ゆえにラリーヤは正しく、アスリも嘘を重ねて強く主張することは不可能だ。\n\n「ん……、違うんー?」\n\n 自身の右のこめかみに、折り曲げた人差し指をあてたラリーヤが、わざとらしくアスリに問い、髪と乳を揺らす。どうにも次に何と言うべきか見当たらないアスリが、ティサとユニスの顔を、ちらりと見やるが、ティサは口を半開きにさせたまま、呆然とラリーヤの理論を自らに落とし込んでいる最中のようであり、ユニスはアスリを喜ばせるかのように、ただ恥ずかしそうにしながら、あえて3人から目を逸らしている。\n 2人の態度をもとにすれば、アスリは自分で解決するしかないということだ。汗ばむアスリが、音を立てて深く息を吸い込んで、一度止めてから、鼻から息を抜いていく。\n\n「…………じゃなくて、……………………そう、……かも?」\n\n 右隣の魔性の変態だけでなく、左隣の親友と、真正面の恋愛も、アスリの語尾に注目した。どこをどう見ても不正解のアスリは、男子と自身たる女子で交差する太もも同士の間、真下に控える皮槍に目を落とす。\n 腫れてしまっていて、苦しそうだ。その手前には、普段よりも大きくなっているようにも見える両翼と、中央に被さる皮膚から、飛び出す桃色の核先が、薄毛の下に疼いている。核の先が皮膚から頭を出すことなど、極めて異例だ。ここは、皮の内側の粘膜たる突起なのだ。アスリも腫れてしまっていて、苦しい。もっと波を被って、沖に流されたい。ユニスの唇と舌が、恋しい。\n\n「んふふふふふ…………。アスリ、もうすぐなかよしなんに、かわいそうね?」\n\n その通りだ。アスリは、自分で自分がかわいそうだ。ティサはユニスと初めて仲を深めるために、非常に厳しいところをラリーヤに切開されてしまっていたが、アスリはアスリで、ユニスにも、ラリーヤにも、そしてなぜかティサにまで優しくいじめられ、幾度も幾度も波をかけやられた上で、この裁判だ。\n かわいそうだと認識しているのであれば、もう目の前の1本を、アスリの泉に投じて欲しい。ティサの一部始終を見た限り、アスリも痛むだろうが、それで良い。もしどうしても物理的に叶わぬのなら、ティサと同じように、またはそれ以上に、翼を折るくらいの覚悟はできている。そうなれば確実に、未遂に終わったラダンの針の刑を上回るし、ティサの拡幅よりも強烈だろう。アスリの脳は与えられることも定かでない痛感で、おかしくなってしまいそうだ。\n\n「…………ねぇ、ラリーヤ。アスリに、いじわるしないでよ。」\n「えー?いじわるしてるー?んなことなくない?…………ね、ユニス?アスリのおまんこ、近くでいっぱい見たいんっしょ?アスリも見てほしいんだってよ?」\n「このっ、バカッ!!!!!」\n「……バカか?」\n\n 変態でありながら全てが理に適うラリーヤの主張を、やっと自分のものとできたティサから、ラリーヤに注意が入った。それをひらりと交わしたラリーヤは、ユニスに水を送るが、ティサの罵声に続き、ユニスからも小さく反抗があった。\n 今なら、アスリも一言挟める。しかし考慮の最中のアスリはその機会を逃し、代わって隙をついたのは、またしてもラリーヤであった。\n\n「んふふふ……。まぁどうせ、あとでティサもユニスもアスリも、最初めっちゃ恥ずかしがってて、やばかったよね?って、私がイジるだけなんけどね?」\n\n 名前の挙がった3名が、沈黙した。未来は、想像以上に性にまみれて、予見されている。そこまで口にしたラリーヤにとって、3人の反応は思った以上に手ごたえがあり、予想外であったのか、ラリーヤもやや取り繕うように、髪を触り手を広げながら本論を続ける。\n\n「…………いやっ、まぁ……、その辺は良くて。…………で、で……、でぇなんけど?なんかまだ足らんの、みんなわからん…………?アスリ?」\n「………………はっ?足らん?何?」\n\n 珍しくラリーヤに細かなミスが見られるのだから、名指しされたアスリも、ダカクに答える時のように、間を取って強く出る。それでもラリーヤは調子を立て直しながら、続けざまにティサを指す。\n\n「アスリわからん?でも、ティサならわかるっしょ?」\n「…………えっ、えっ?………………いやっ、ちょっとマジわからんかも?」\n\n さすが、真面目で純真なティサだ。ラリーヤから振られた無茶に対して真面目に思考し、わからなければ、それ以上にむやみに回答はしない。ところが、ラリーヤはユニスには向けず、そのままティサに跳躍していく。\n\n「……ティサ、わからん?ティサも、腰につけてんじゃん?」\n「…………はっ!?」\n\n 印だ。アスリの出自はロマドウであるが、今、この洞窟の支配権を有するのは、もっとも経験豊かなカインタのラリーヤであり、アスリよりも一歩先に進んでいるのは、カインタに付随する南の森の2人である。カインタと森が件の襲撃によってむなしくも壊滅し、残ったのが2か所よりも規模の大きなロマドウだけであっても、現時点での洞窟の力関係は、カインタと森に傾く。\n つまり、アスリが今朝、何ら考慮を挟まず身に着けた腰紐は、牛を連れる時に何かをぶらさげたり引っかけたりするのに適した、機能的であると同時に質素すぎるものであり、それはカインタの教えに従えば、ユニスを誘うのには魅力が乏しいのだ。実のところ、紐だけで見れば、質感や使用感は、アスリのものとティサのものとで、近しいところがある。しかし、ティサの方は母の大きな美しい瞳が宿っているのであって、その一粒をもって、ただ実用に専念するアスリとは、まるで異なっている。\n\n「…………なかよしの印。ないと、なかよししよーよ?にならんってこと…………、よね。…………わかった!!!」\n\n ティサの行動は、早かった。即座に腰紐から母の遺品を取り外したティサは、透明で輝く一玉を、アスリの前へと突き出した。\n\n「…………え、でも、それティサのママ……。」\n「良いよ。アスリ、使いなよ。ほら。」\n「……ホントに良いん?ありがと…………、ティサ。」\n\n ありがたい好意だ。礼を述べる以前から、もう使うことが決まったかのように宝石をアスリに向けるティサを、アスリも断ることもないだろう。たき火の灯りを反射する美しい煌めきに、アスリも手を伸ばしかけた時だった。\n\n「んふふふふ……。ねぇ、ティサ。アスリにそれ、貸さんくても、良いんじゃない?」\n\n 怪しく笑い声をあげたラリーヤが、ティサの善意を否定した。どういうことだろう。たしかに、アスリはどうしてもティサの腰飾りを貸してもらわなければいけないわけではなく、むしろティサの大切な遺品を借りることに、やや後ろめたさすらある。\n ただ、ティサがアスリに向けた優しさを、ラリーヤがあえて止めるとなれば、おかしな話になってくる。無論、ティサもわかりやすい疑問を、ラリーヤにぶつけていく。\n\n「はっ…………!?なんで!?だってアスリ、腰になかよししようよの印、何もないよ?ユニスとどうするんってか、そういうん言ったん、ラリーヤじゃん?」\n「んふふふふ……、そうだけどさ、なかよしの合図は、そういうんじゃなきゃダメって思うん?」\n\n 賢いラリーヤが、意図もなく流れを止めるわけがない。ここにも絶対に、何らかの企みがあるのだ。今の一言に基づけば、アスリは印をすでに有しているということになる。\n\n つながった。アスリが確信する。絶対に、そうだ。\n\n「だってアスリ、私やティサが持ってない、超立派な飾り、持ってんよ?」\n「待って、ラリーヤ、それって…………。」\n\n 恥ずかしい。念のために、アスリはラリーヤに問う。だが、もう答えは確定的だ。\n\n「アスリ、わかったっしょ?……何だか、言ってみてよ?」\n「えっ……!?」\n「ほら、何のことなん?」\n「…………そんなん。」\n「ほら、いいから?」\n\n ラリーヤは、悪だ。そうであるにも関わらず、アスリの泉の奥で、湯気が上がる。悔しい。アスリは口に出したい。口にするしかない。\n\n「……………あっ、あの………………、おっ、おまん……、んとこん…………。」\n「おまんこんとこの?」\n「……………真ん中の…………。」\n「真ん中の?」\n「…………おっ、おちんちん、の…………、中身、みたいなん。」\n「ラリーヤ!!サイテー!!」\n\n 全てをアスリに語らせたラリーヤを、ティサが叱責した。しかし、最後まで聞かずともティサもわかっていたはずであるのだから、ティサはティサで、恥ずかしがるアスリが見たかったのかもしれない。\n いずれにせよアスリは、ただただ恥ずかしい。何より、ラリーヤの言わんとすることは、人体の一部を、仲を深めるための印として用いるということだ。どうなるのか不明であるが、どう使おうがアスリには深い羞恥がもたらされるに違いない。\n\n「ええー、だってあんなに立派なんだよ?ティサのママんのは、透明で透き通ってるけど、アスリんも桃色ってか、真っ赤な宝石みたいじゃん?」\n「ヘンタイ!!ってか、どうするん?印ってことは、紐で結ぶん!?」\n「えっ!?!?!?」\n\n とんでもない話を、今度はティサが持ってきた。あの一点を、紐で縛り上げてしまうのだそうだ。言葉がよぎっただけで、アスリのそれは結ばれたくて、背骨の中の神経が、頭の真上に向けて抜き取られるようである。\n\n「えっ!!待ってー!!それ結構良いかもー!?アスリー、おまんこのお豆、紐で結んでも良い?」\n「ウソッ!?!?バカッ!!!そんなんしたらアスリが……、違うんならやっちゃダメに決まってんしょ!!!」\n「いや、え?えっ!?ダメだよ!!」\n\n まさかではあったが、ティサの案の方がラリーヤの想定を上回っていたようだ。冗談めかしつつ、本当に紐で結びかねないラリーヤを、ティサが制して、ラリーヤを食い止めたものの、紐で結ぶ以外の、ラリーヤの真意は見えない。まずは拒否するアスリに、ラリーヤが続く。\n\n「んふふふふふ…………。アスリあんまりやーやーしないんにね、ユニスの剥き剥きした真っ赤と、アスリの真っ赤んとこ、紐でつないで。」\n「バカ!!!!!ヤメロ!!!!!」\n\n こういう局面では黙る傾向にあるユニスが、声を荒げた。守られているような錯覚か、または本物かを、アスリは抱き、熱がこもる。ラリーヤは止まらず、仕上げに入る。\n\n「はいはい。もうさ、とりあえず私言いたいんは、ユニスはアスリのくちゅくちゅ見たい、アスリはユニスにくちゅくちゅ見せたい、なかよししよーよの印は、アスリのお股に、すんごいのがついてるってことなんよ。」\n\n 熱い。ラリーヤがアスリに、何かを求めてくるのだ。絶対だ。\n 鼻の下と唇の上にたまった汗を、アスリが右手で拭い、目の周りの汗も払う。複数のたき火が灯るものの、洞窟はもともと涼しく、本来は自宅より快適なほどだ。この汗は、性と、焦りと、ユニスと、ティサの視線と、ラリーヤの翻弄、あと何であろう、そういった複数により、アスリの体表に湧き出ている。\n ラリーヤが、攻めてくる。アスリは愛する人に触れ、心の姿勢を防御に変える。\n\n「……………………ユニスが、見るの夢だってよ?…………アスリ?」\n\n 言葉が、ラリーヤから降った。ラリーヤは、たしかに悪だ。しかし、アスリから見て、ラリーヤはあまりにも高いところにいる。その高さは山を越え、空を越え、天にある。つまり、天からアスリに、声が降った。\n\n ラリーヤはアスリに、任せている。どうにもならず、本能とほぼ融合しつつある理性は、それでもラリーヤの意図を汲み、文字の壁に天啓を求め、瞳は右へ左へ、上へ下へと、一帯を捜索する。\n\n あった。読めないばかりの文字の中に、1つ、今もロマドウで使われている文字があった。\n\n 開く。ここに扉はない。まだアスリは探す。もう1つあった。\n\n 狩り。開いて、狩る。2つの言葉の位置は離れていて、直接的な意味はなさないことは明白だ。\n それは、アスリも理解している。それでもこの内なる熱を統御するには、アスリは開いて、狩るしかなかった。\n\n「わかったよ…………。ユニス、お口。」\n\n あっという間に、アスリに唇から幸せがもたらされた。まぶたを閉じた奥に見えるティサには、申し訳ないことだ。アスリが自ら離れると、ユニスもアスリから離れる。\n\n「みんな…………、ごめん。」\n\n アスリが、周囲に謝罪する。全員に困惑が顔に浮かんだことを掴んで、アスリは安堵し、上半身の力を抜いて、草の山の上へ、身を横たえる。\n\n「……………………ごめん。」\n\n せり上がってくる何かによって、涙が先行してしまった。これではティサが、動いてしまう。その前に、アスリは天啓に従う。\n\n あの日のラダンのように、アスリが折り曲げた両膝を開き、全てを晒す。その中央、あのはみ出た大粒に、アスリは手慣れた手つきで元々暮らしていた皮膚を右手で覆いかぶせると、そのまま小指は立て、中指、人差し指、薬指でもって、危険な川辺で慣れ親しんだ、アスリとなった。\n\n「あああああああああああああああん!!!!!恥ずかしいよぉおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!」\n\n 開くまで、これはアスリの足だ。狩り、今のアスリにとって狩りとは、もうこれ以外に思いつかなかった。\n\n 正しかった。狩りは、成功した。\n\n「…………アッ、アスリ!!!!!ごめん!!!!!俺も、もう、我慢無理!!!!!」\n\n かかったのは、愛する人だ。アスリの折り曲げた両膝の間から見えるユニスは、有り余る皮膚の先端を右手の人差し指に中指、親指で摘まみ上げると、顎を真上に向けて、手元に動きを加えていった。\n\n アスリと、ユニスの、自分なりの頂が近い。夢が、共存する。"}

Xet Storage Details

Size:
17.1 kB
·
Xet hash:
4b7dfdaa49cee7eee8fa089889cbe0bef79aea6a95bc6aaccaf3a8d94a8f05b0

Xet efficiently stores files, intelligently splitting them into unique chunks and accelerating uploads and downloads. More info.