| {"novel_id": "n0007ht", "chapter": 179, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0007ht/179/", "title": "蝶と槍", "content": "「待って!!待って!!待て待て待て待て!!!!!」\n\n 汗と涙と湯がないまぜとなるアスリの快楽の奥に、右隣からうるさい女の声が割り込んでくる。うるさいのは右だけで、左隣の親友は、さすがだ。ティサは何の声もあげずに、アスリを見つめているようであり、そのアスリは愛する人と向き合って、いや、愛する人はアスリの性器と見つめ合っていて、アスリは一生懸命なユニスの顔だけを見つめながら、自慰をしている。アスリはユニスの自慰の手元も目にしたいが、アスリに集中する本気さは、アスリの自慰をも加速させている。\n\n「ちょっと待って!!!ちょっと待って!!!止めて!!!」\n\n 右が、うるさい。アスリが見つめていたいところを、手を上下左右に振って遮り、待てやら止めやらを命じてくる。アスリも気が散るし、じっくり見つめているユニスの表情は、アスリの心中以上に気が散りだしてしまっている。\n もう、どうしようもない。ラリーヤの指示通り、アスリが手を止めれば、ユニスも手を止めるほかなかった。双方の荒い息遣いだけが、アスリとユニスをつなぎとめている。\n\n「はあ、はあ、はあ……、んもう!!!ラリーヤ!!!何!?!?」\n\n とうとうアスリが、ラリーヤに強く不快を訴えるように、求めるところを問いただした。ところが、激しい2人の動きを制したラリーヤは、焦った口調から一転して、口角を持ち上げている。\n まるでダカクに仕掛けるいたずらを思いついた時、そっとアスリの耳元に唇を近づける時のラダンのようだ。ラリーヤが、何か悪いことをしようとしている。\n\n「……んふふふふ。ちょっとユニス、ぴゅっぴゅしちゃいそうなんもあったんけどさ……。アスリはユニスにおっきなおまんこでくちゅくちゅ見せられたし、ユニスはアスリのおっきなおまんこのくちゅくちゅ見ながら、自分の皮ちんちんくちゅくちゅできたし、2人とも、夢だったんしょ?ちゃーんとできたね?ユニスんは…………、ちょっと後で男の子のくちゅくちゅ、ちゃんとしたやり方教えなきゃだけど。」\n「……やっぱり?私も横で見てて、おちんちんの皮、引っ張りすぎてない?って思った!だからおちんちん、そんなに皮びよんびよんになっちゃうんよ!昔、もっとちっちゃい頃は、そんなに皮なかったじゃん!?」\n「うっさい!アスリのやり方見て…………、それと俺んも一緒だし!」\n「いや、アスリんは……、お豆やひだんとこ、私よりめっちゃおっきいけど…………、私とそのー……。」\n「一緒なんしょ?ティサんも。アスリんやり方、結構普通だった。誰かに教わったん?」\n「いや、私はラダ……、お姉ちゃんのマネから入って…………。」\n\n 一体、なぜこんな話をしているのだろう。ラリーヤのいやらしい顔はそのままだが、今の会話が本題から逸れているのは明白だ。\n ただ、ラリーヤとティサの話から得られた情報は、有益である。アスリはユニスの顔ばかり見ていて、激しく躍動していた指先が槍をどのように取り扱っていたのか、ほぼ目にできなかったが、どうにもユニスの自慰は、あの長い皮膚をさらに伸ばすようにして行っていたようである。アスリで言えば、翼をさらに自らの手で伸ばして、快楽を得るようなものだ。それで爽快感を伴うのであれば、アスリの男女の垣根を超えた構造理論に基づく限り、ユニスの感度の範囲は、非常に広いということになる。\n つまり、この仮定を正とすれば、カインタの儀式でユニスは激しく痛まないと大人の男性になれないし、快楽も失うこととなる。背筋がゾクゾクしてくる、素晴らしい情報だ。やはり話の本筋とはラリーヤのように1本線でなく、アスリのように大きく飛び出していた方が、アスリにとって効果が大きいようだ。\n\n「んふふふふ。んでさ、私言いたいんは、くちゅくちゅのやり方んことじゃなくて……。」\n\n 話しながら途中で考え込んでしまったアスリの顔も含め、いやらしい視線が一度あたりを巡回し、止まった。結局のところ、本筋はラリーヤの持ち物でしかない。ラリーヤが、続ける。\n\n「ふたりとも、今、目の前で見てるのは夢でも、触んなきゃ夢のまんまで終わっちゃうよ?いいん?それで?せっかく一緒にくちゅくちゅすんなら、一緒にくっつけて、くちゅくちゅすればいいんじゃん!」\n\n 言葉の矢で、アスリはラリーヤに射貫かれた。強い言葉だ。\n 触れなければ、夢は、夢でしかない。この手で掴み、初めて夢は現実となるのだ。\n 叶えた夢は、すでにある。絶え間ない欲求と、そそのかすラリーヤによって、次の夢もすぐに生じる。新たな夢を、アスリは実現させねばならない。\n\n あくまでいやらしさが中心であるにも関わらず、鮮明な発信を直に受けたアスリは、心の奥、背骨の内側で今の言葉を受け取る。上体を完全に起こしたアスリは、すらりと両手をユニスの両頬へと伸ばすと、瞼を閉じて、唇を突き出した。\n\n 触れ合った。次は、舌だろう。これがラリーヤがアスリとユニスに対して求めた、解であるはずであった。\n\n「…………いや、あの。アスリ、ユニスんこと、すっごい好きなんは、すんっごいわかんだけどさ。」\n\n ラリーヤの言い方をもとにすれば、ティサへの配慮不足への指摘か。それは、このあとティサにも同じことをしてもらって、補償しよう。頭を傾け、唇を伴う深い交信に進むアスリは、自らの唇で、やや力を帯びているユニスの唇を和ませる。\n\n「………………私言いたいんは、アスリみたいにおっきいおまんこなら、おまんこの穴に入れる前に、おっきなお豆とひだひだで、ユニスのちんちんくちゅくちゅし、」\n「んんぐっ!!!!!」\n「おごぉおおお!!!!!」\n\n 2人の前歯が、衝突した。夢を叶えきったはずのアスリに向けられたのは、結局ラリーヤの淫らな夢、というよりも思いつきだ。そこにアスリも反応してしまったし、ユニスも動いたということであれば、アスリとは一心同体だ。この点に関してのみ、良い。\n\n「え……!?ちょっと大丈夫!?カツンッって鳴った!!!」\n\n 両手で口元を押さえるアスリとユニスを前にして、すぐにティサが脇から入る。目尻で捉えたラリーヤも、あまりのんびりしていないようだ。まだ前歯の付け根に違和感はあるが、口内を舌でアスリが一周する限り、歯が欠けるようなことはなかったようだ。\n\n「…………俺は、大丈夫。アスリ?」\n「私も。平気。」\n「バカ、ユニス!」\n「なんで俺なんだよ!?」\n\n 安堵を軽い罵倒に引き換えたティサに、ユニスが口元を押さえながら、眉をひそめる。ここで事故の原因である滅茶苦茶を放っていた、本来ティサに責められるべき張本人も、胸をなでおろしたのか、大きく息を吐いて豊かな両胸をたゆらせた。\n\n「…………あっ、あんさ。歯と歯はくっつけなくていいから?ってか、ふたりとも、私がさっき言ったん、聞いてたん?」\n\n 一拍置いて、先にユニスが、ごく小さくうなづいた。アスリも続く。ラリーヤは、続ける。\n\n「……じゃあ、おまんこにちんちん、包んでくちゅくちゅ、やってみようよ?」\n\n ラリーヤの進め方が、試行系だ。もしかすると、百戦錬磨の経験を持つラリーヤでさえ、アスリとユニスの異形の性器は、未経験なのかもしれない。\n そうであるのだと仮定すれば、これからアスリとユニスが経験することは、ティサに限らず、ベテランのラリーヤにとっても初めてになる。故に、現場の主導権はアスリとユニスの2人にあるのであって、もうどうなってしまっても、先ほどのように止められる筋合いはない。\n\n「…………アスリ?」\n\n 愛する人が一言、アスリを呼んで、上目遣いを見せた。なんと美しいのだろう。この顔が、先ほどまでアスリのグロテスクな一面を直視し、夢と語り、自慰をしていた。\n\n 狂う。狂気だ。だからユニスは、あのたるんで余った皮膚の真下から、狂気の香りを発してしまうのだ。\n\n やってみたい。やりたい。\n アスリとユニスを動かすのは、悪のラリーヤの、おそらくの思いつきだ。それでも良い。アスリは翼で、ユニスを包んで抱きしめたい。\n\n「ユニス……。」\n\n 口づけを挟む。口づけを挟む、口づけを、挟む。\n\n 幸せだ。詫びねばならない。\n\n「ティサ、ごめん。」\n\n たったそれだけの短い謝罪に、脇からティサは、ユニスへの口づけで応えた。笑みは、満足だった。\n\n「……ごめんね。」\n\n ユニスでなく、アスリを見て伝えられた一言は、合図に近い。アスリがユニスを捉える。草の山の上、アスリの腰が一歩前へと進み、ユニスが突き立てた皮の塔と際限なく近くなる。\n\n「…………良い?ユニス?」\n\n 頭を左右に振って長い髪を後方に放りやると、ユニスがしっかり、頷いた。アスリの口元に、寂しさが現れる。\n\n「…………ちゅっちゅしていい?」\n「あの…………。」\n「…………ん?」\n「もうちょい…………、ここ…………、見てたいかも。」\n\n そうであった。アスリにとっては肉でしかなくとも、ユニスにとって、この場は夢だ。その夢で、ユニスの根本を包もうという、壮大なラリーヤの発想をこれから執り行うのであるから、ユニスの意見は真っ当だ。\n アスリはユニスを尊重し、ユニスの頭を右手で一度撫でる。ユニスはもっと下を向きつつも、頭から胸下まで赤くなって、アスリに喜びを伝える。優しくされて、恥ずかしくなると、ユニスは喜ぶのだ。アスリは、ユニスが好きだ。\n\n いよいよアスリも、目を下に向ける。2つの、異なる性が、非常に近い位置で直面している。ユニスのものは当然アスリの指よりも、ダカクよりも太く、かといってラリーヤに入ったイケメンほど太くも無い。それがガチガチに固まって、今にも飛び上がってしまいそうになっている。\n 陰毛はやはり、アスリに比べて薄い。そしてなんと言っても、先端の皮膚の余りが長く、その先に露がしたたろうとしている。\n 対するアスリは、信じられないほど興奮しているせいか、普段絶対に見えない中身の頭が、少し外に飛び出ている。この赤色が、ユニスの見せない皮下にも備わっているのだ。\n\n 滴る。厳しい。\n 肉も充血しすぎている。これで、ユニスの槍をくるむのだ。どういう思考をすれば、そこに発想が至るのであろう。ラリーヤは、偉大であり、頭がおかしい。\n\n 恥ずかしい。少し、ユニスの目線をそらしたい。唇を、アスリは勝手に奪った。\n\n 幸せとともに、アスリは両手で左右の翼を広げる。草の山の上であと1歩、腰を前に進める。今だ。\n\n「んーっ…………!!」\n「んっく…………!!!!!」\n\n 触れた。唇を離した。見た。ユニスも見ている。\n\n 包んでいる。皮と皮の間に、ぬめる皮が突き出して、中に熱い芯がある。恥ずかしい。あまりにも恥ずかしい。\n\n 動けない。これ以上、動くことができない。自然とアスリの目は、右隣の達人へと向かう。\n\n 凝視と、羨望があった。夢を叶えたばかりのアスリは、ここにラリーヤの夢を見出さずにはいられなかった。\n 今、できるのはアスリだけである。アスリが、ラリーヤの夢を推定し、叶える。\n\n「あっ、んっぐ!!アスリ…………!!!!!」\n\n 声を上げたユニスが、アスリの両太ももを掴んだ。今のアスリの皮と、ユニスの皮を超えた二重の動きは、十分ユニスに伝わっている。今日は飛び出てているアスリのあの一核にも、苦しいほどに伝わっている。\n 伝わっている。伝わっている。伝わっている。\n 好きだ。好きだ。好きだ。好きだ。好きだ。\n\n そうだ。皮を伸ばしていたと、ティサとラリーヤが言っていた。アスリはもう、これ以上伸びたところでどうということはない。左右を押さえて擦るアスリは、先端の皮膚から核だけを中心に、ユニス由来の皮膚だけを伸ばすように上下する。\n\n「んうぉうううおおっぉああおあああ!!!!!!やばいよぉおおお!!!!アスリぃいいいい!!!!!きもちいいよおぉおお!!!!」\n\n これは、アスリの核も摩擦する。苦しい。もう無理だ。咆哮しかけるアスリは、息を飲む。\n\n ちょうどだ。\n\n 唇と唇をつなぎ、舌と舌で、アスリがユニスに愛を伝える。2人の分厚い皮膚からこぼれた熱さが、淡い茂みの上に広がったあと、草の上で力強く抱き合う2人の距離は、より近くなった。"} |
Xet Storage Details
- Size:
- 15 kB
- Xet hash:
- d9ba36de77ac414b404db82ffb98036daee8ca5917452166bb829f265c77a549
·
Xet efficiently stores files, intelligently splitting them into unique chunks and accelerating uploads and downloads. More info.