Krixter/Repo / n0007ht /184.json
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{"novel_id": "n0007ht", "chapter": 184, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0007ht/184/", "title": "湖畔", "content": " アスリの言葉を耳にしたユニスは、わずかに表出させていた顔のこわばりを緩めた。痛みをこらえて、感じたままに興奮を優先させたアスリの判断は正しかった。\n これでユニスも、安心して前へと来られる。高ぶる本能が、アスリの泉の奥を湧かせ、それに合わせて、意図せずアスリも肛門を締めあげてしまう。\n\n「うっ!!!アスリ…………!!!」\n\n 苦悶が、ユニスの表情に浮かんだ。快楽だ。わかり切ってはいたが、アスリは猫なで声で応じる。\n\n「なぁに?」\n「中でギュッてされんの、ヤバい……!」\n「……こうで良い?ぴゅっぴゅしちゃいそう?」\n「くっ…………、大丈夫。」\n\n 再びアスリが肛門の力を抜けば、痛む入り口のあたりで、ユニスの先端がびくりとひと動きした。それでもユニスは、どうにかこらえたようだ。アスリも、痛みに耐えているのだ。ティサが残してくれた初めての半分、槍が全て入り切るまで、何とかユニスにも我慢してもらわなければならない。\n\n「ねぇ、頑張って、ユニスう。私もユニスの初めて、欲しい……。」\n「……大丈夫。まだ。」\n「来て……。」\n\n 普段なら絶対に出せないトーンの声で、アスリがユニスに改めて請うと、ユニスの眼差しが一段と強くなる。口元の汗を拭ったあと、ユニスは両手をアスリの下腹の真隣に置きやって、草の山を押しながら、背をそらせていく。\n\n「…………行くよ?」\n\n ユニスの準備が、整った。欲しがるアスリは、口を薄く開いたまま、小さく頷く。ユニスも、同じく頷く。\n\n 進む。ユニスの槍が、アスリの源泉を目指して、みちみちと狭い道を少しずつ前進する。\n\n アスリの腹部の異物感が、徐々に増幅していく。痛い。いや、入り口の痛みよりも、便意に近いような、確定的に違う何かの方が圧倒的に強い。\n まさに初めて経験する感覚に、アスリはわずかに吐き気すら覚える。思わず歯を食いしばり、眉間にしわを寄せたアスリは、また思わず肛門に力をこめてしまった。\n\n「んぁぁぁあっ…………!!!」\n\n 声を上げたのは、アスリではない。ユニスだ。首を傾げるユニスもまた、同じく眉間にしわを寄せて、半開きの口で辛そうに呼吸をしている。\n\n 愛する人が、アスリの最大のコンプレックスを使って、喜んでいる。この痛みと、内臓を掘られるかのような不快感は、ユニスが満足するための対価なのだ。\n 自ら慰めることすら罪である母の訓えに従えば、異性の性器と性器を、しかも泉の中で触れ合わせることなど、母に聞くまでもなく言語道断だろう。3日前にラリーヤから授かった知識によれば、その母の罪によってアスリは生まれ、またアスリの年上の姉2人も罪を重ね子を成し、ラダンはどうか知らないが、今アスリも罪を重ねている。今、アスリが有する苦しみは、罪に対しての性器への罰であり、あの木漏れ日の中のラダンと等しく、ただ向かう先が核か、泉か、それだけの違いなのだ。\n 愛する人に罰せられ、執行の報酬として、泉の奥へと突き進む当人もまた、悶々とする罰を与えられている。女子と、男子、それぞれが罰を受けている。アスリの性は、罰に苦しみ、どんどん歪んで、悦びにすら転換しようとさえしている。\n\n 良い。ゆっくりと槍は短くなって、アスリの視界から消えていくのと同時に、アスリの罪も大きくなっていく。\n\n まもなく、自身のものでない柔らかな毛が、両翼を広げているアスリの指先と、敏感になって腫れあがった大粒へとまず触れ、続いてユニスの鼠径部が、アスリが突き出している尻へと接触した。首を起こしても、泉の入り口の接点そのものが見えないアスリが、ユニスに問う。\n\n「…………はっ、入った?」\n\n 相変わらず苦しそうなユニスが、うなだれるように接合部を確認する。後ろで束ねたユニスの髪が、だらりと肩越しに垂れ下がると、ティサも混じった独特の香りがアスリに届いた。\n\n「……全部、入った。」\n「すごい!!全部入っちゃった!!」\n\n ユニスの報告に続いたのは、ティサの歓声だ。横からの視点でも、確実に全てが入っているのだろう。どうにか、アスリの初めてと、ユニスの初めての残滓を、最後までつなげることができた。\n 未だにアスリが受ける罰の重みは拭い去れないが、何はともあれ、これで実績と経験をアスリは積むことができ、その心の中には安堵が広がりつつある。だが、それでもなおまだ次を促す怪しい気配が、アスリの右隣では色濃くなっていく。\n\n「んふふふふふふ……、アスリもユニスも、よく頑張ったね?…………でも。」\n\n ラリーヤの介入だ。賞賛から入ったにも関わらず、末尾に反語がついた。やりきった2人に対して、何の物言いをつけようというのだろうか。アスリが右を向けば、真上で相対するユニスは左を向き、ラリーヤは続ける。\n\n「…………ユニス、もうアスリの体でやってみたいんこと、終わり?」\n「……はぁ?」\n\n 真っ先に、物言いに対して物言いの声をあげたのは、ティサだ。どうやらラリーヤは、アスリとユニスに、もう一段何かをなさせたいようである。アスリからすれば罰を受けて頭が煮立っているが、ラリーヤから見て、ぎこちない2人はあまりに淡白に見えたのだろうか。とにかくティサは、ラリーヤ越しにユニスに思いをぶつける。\n\n「ラリーヤ、もうさっきユニス、アスリに無理言って、広げてもらってんじゃん。」\n「いや、もうないんかな、って。ユニス、どうなん?」\n「………………その、まだ……、ある。」\n「バカ。」\n\n ティサの小さな罵声が、ユニスに飛んだ。先ほど、アスリは夢の続きを叶えたが、どうやらユニスにはまだ、アスリの体で試したいことがあるらしい。ここぞとばかりに、ラリーヤがすぐにいやらしい声でつなげる。\n\n「何したいん?ユニス。」\n「…………さっきん、ティサん時みたく、アスリんこと、抱きしめたい。」\n「…………バカ。やってあげんと。」\n\n 先ほどのティサが引き合いに出されたことで、ティサはユニスを罵りつつも、むしろユニスの背を押すようにつぶやいた。ユニスとつながったまま抱きしめあったひと時は、きっとティサにとって、かけがえのないものだったのだろう。\n またティサが、アスリに配慮し、良かったものを分けようとしている。ティサはアスリの、かけがえのない友だ。\n\n「………………良い?アスリ?」\n\n ティサの気遣いと、ユニスの願いを、無下にすることなど、アスリにはできない。アスリは両手の指先を広げていた翼から離すと、そのまま今度は両腕を大きくユニスの前に広げて、ユニスを求めていった。\n\n「来て、ユニス。」\n\n そこにユニスが、丁寧にのしかかっていく。小さなアスリの両胸が、ユニスの鍛えられた大胸筋で押しつぶされた。アスリが伸ばしていた両腕をユニスの背に回せば、ユニスもアスリの頭の左隣の草に額を押し付けて、草の合間からアスリの背に両腕が回される。\n\n 全身の肌と、性器が触れ合う。熱いユニスが、アスリの中にあって、ユニスにとってもアスリがユニスの中にある。\n 今のアスリは、ユニスの鼓動を、2か所で掴み取れる。1つは触れ合う胸部、心臓と心臓同士、もう1つはアスリの泉をふさぐ槍を通じて、上部はどくりどくりと、下部はびくりびくりと、ユニスが生きていることをアスリに訴えている。\n ユニスの左耳の裏手、うなじに向けて、アスリが鼻を押し当て、ゆっくりと息を吸い込む。愛する人の、大好きな匂いだ。この匂いに満たされながら、アスリは体中でユニスと、たった1つの肉体としてつながっている。\n\n なんと幸せなことなのだろう。気づけば不快だった腹部の違和感が、どういうわけか切なくて嬉しい。もっと奥にユニスに来てもらいたいアスリは、先ほどのティサのように、広げたままの両足の先端をユニスの後方へと回し、ユニスの尻を押し込んで、足先を絡める。\n\n 2人の時間に、ひとつ加えたいことが、アスリにも生じてきた。アスリもユニスに、願って良いだろう。\n\n「…………ねぇ、ユニスぅ。」\n「…………なに?アスリ。」\n\n ユニスは凛々しいのに、またアスリは甘ったるい声を出してしまった。恥ずかしい。しかし、もう声色を変えることすら、アスリはできない。\n\n「………………お口も欲しい。」\n\n その言葉に、ユニスの頭がすらりと応じて、鼻と鼻を斜めにしながら、アスリの唇を奪った。目を閉じたアスリはすぐに舌を伸ばして、ユニスと続きの対話を開始する。\n\n 両手で、ユニスの背もなでる。アスリの背も、草の中で撫でられる。ユニスの髪が、アスリの肩をくすぐる。外の滝から水が落ちる音、洞窟の中のたき火の音、唾液と唾液が混ざり合う音、それぞれが一体となって、自然と調和している。\n 罪は、転じて多幸感だ。アスリは今、波を受けているわけではない。ただ穏やかな湖の岸辺で、ユニスと肉体を共有しあい、転がっているだけのようなものである。それにもかかわらず、波の後の余韻のような高ぶりが、延々と続いている。舌と手だけしか動きがない中で、全てが入ったっきりの男子と女子は、互いの性の手をつなぎあったままだ。\n\n アスリにとって美しく、聖なる時間が流れていく。愛する人とひとつになることが、これほど幸福であることを初めて知ったアスリは、今ほど生きていて良かったと思ったことはない。これが、生きる目的の大きな1つとして、アスリにユニスが刻み込まれていく。\n\n 満足に嬉し涙をこらえるアスリは、閉じた目からこぼれないよう、ユニスをより一層、きつく抱きしめた。同時に、熟れてぐずぐずになっている泉に通じる道にも、力がこもってしまった、その時であった。\n\n「…………んんんんんんっ!!!!!!!!」\n\n 突如、口づけの奥で、ユニスが大きくうなり声を上げた。あわせて、ユニスの腰回りが硬直する。\n\n アスリは直感した。ここまでの時間は、アスリにとってはユニスと静かな湖畔で過ごす平穏なものであったが、ユニスからしてみれば、実のところ暴風雨の中、波にさらわれまいと必死にアスリにしがみついていた、辛く悶々としたものであったのだ。それがとうとう、アスリが不意に泉に力をこめてしまったことで、ユニスに大波が襲いかかり、まさに今から波にさらわれて、沖に流されそうになっているのである。\n かわいそうなことをしてしまった。これからユニスは、乳を漏らし、泉に投じるのであろう。そうであるのであれば、アスリはユニスの全てを、無駄なく搾って、自らの腹を満たしきってしまいたい。\n\n 瞬時に思いを固めたアスリは、さらに強く尻を締め上げるようにする。直後に、アスリの体内で、1回、2回、3回と、槍は躍動していった。\n 4回、5回と続く。まだ、躍動は止まらない。徐々に弱くなりながらも、6回、7回、8回、9回と槍は飛び上がり、10回目、ようやくユニスは沈黙した。\n\n「ぷはっ!!!」\n\n 全てを出し切ったユニスは、アスリから唇を離すと、荒々しく呼吸をしながら、再びアスリの頭の横の草に自らの頭を放りやって、全身の力を抜いていった。脱力したユニスの重さまでも、アスリは受け止めながら、自身も尻にこめていた力を抜き、右手はユニスの頭を抱え、左手は汗だくになったユニスの背を優しく撫でやっていった。\n\n「ユニス……、好き。」\n\n 直前まで舌から舌で送っていた思いを、アスリがユニスの耳元に向けて小さくつぶやくと、草に顔を押し付け息を吸っては吐くユニスも、わずかにうなずいた。思いを、ユニスは受け取ってくれた。\n\n 結局、アスリに波は来なかった。しかし、この尊い初めての出来事は、アスリの心の奥、アスリがアスリたるところに、一生忘れえない記憶として焼き付けられた。腰飾りの誘いの印として、アスリが用いた自身の大粒は、未だにユニスの薄い茂みに押されながら熱を発し、アスリの湖に深く沈んでいくユニスを、輝き照らし出すようであった。"}

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