Krixter/Repo / n0007ht /185.json
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{"novel_id": "n0007ht", "chapter": 185, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0007ht/185/", "title": "ラリーヤの印", "content": "「……ねぇ、ラリーヤ……。アスリもユニスの赤ちゃん……?」\n「……アスリはアレ、まだっしょ?」\n「あっ…………!」\n\n 真上で果て切り無力化したユニスの頭と背を、アスリが撫で始めてからしばらくして、ティサとラリーヤの小声がアスリの耳に入ってきた。未だに中に入ったままのユニスの槍は、少し柔らかく小さくなったようで、今やアスリに痛みはほぼ無く、異物感も完全に安堵に置換されている。\n それでも当初、アスリは出血した。しかし、3日前にラリーヤがアスリたちに授けた知識に基づけば、入り口に小傷ができる程度の出血ではなく、泉そのものから血液が湧きだすようにならなければ、ユニスとの子は成せないそうだ。ユニスがアスリの体内に流し込んだ10回ほどの乳は、つまるところ全て空振りである。\n\n アスリに覆いかぶさって動かないユニスの息は、まだまだ荒い。また、アスリもユニスと全身が触れ合っていて、心地よい。ティサが気づきを得てもなお、アスリは余韻に浸りながら、ただただ洞窟の天然の天井を見つめて、今日ユニスと仲を深め、子を残すための行為の練習を初めて行ったとは言えど、アスリが母になる権利を得るのはいつになるのか、いつかユニスが正式にティサのものとなった時、腕の中でこうして抱くのは誰になるのか、遠く切ない将来と、熱く触れ合っている至近距離の現実とを、行ったり来たりしていた。\n\n「ねぇ、ふたりとも!」\n\n だが、この豊かで贅沢な現況が、永遠に続くことなどありえない。ほどなく、今度のラリーヤはひそひそと話すのをやめて、2人に直接語りかけて、続けた。\n\n「っていうかユニス、そろそろどかない?」\n「あっ、そうだよユニス!ずっと乗っかってたら、アスリ重いじゃん!」\n「私は平気だけど……、ユニス、動けそ?」\n「…………うん。」\n\n アスリにはユニスの重さでさえ安心感であり、今を終えることに後ろ髪を引かれる思いではあるが、ラリーヤの言う通り時間切れであるし、ティサの気配りにも応えねばならない。アスリがユニスに声をかけ、腰にしがみついていた両足をほどいて、その肩を弱くたたくと、ユニスは全力で走りこんで休んだ後のように、ゆっくりと草の山に両手をつき、まず上体を起こしていった。あわせて、アスリも両肘を草につき、身を起こそうとすれば、腹部にも力が入り、それによって力を失った槍が、アスリの中から外へと押し出されていったのであった。\n 泉の入り口からは、ユニスの乳も続く。一滴もユニスの乳を無駄にしたくないアスリは、その漏出を食い止めようと開いたままの股間にすぐさま手を置くも、大半は指の隙間からあふれて、草の山の上へと落ちていった。\n\n 触れた泉の入り口、下側のあたりには、アスリにわずかな痛みをもたらす箇所がある。傷に触れた指先を、今度はアスリが目の前へと運ぶと、そこにはもう赤はなく、半透明に近い白の粘り気だけがあった。ユニスとアスリが入り混じった狂気は、意図して吸い込もうとせずとも、アスリの頭に追い打ちをかけるかのように、強く匂っている。\n 手前の白くなった指の奥、アスリの視界には、この乳を出した将来の父の姿がある。アスリから離れて草の上に正座し、足を広げるユニスの中央には、勢いを失って小さくうなだれる、皮だらけの槍とは呼べない1本がしおれ、垂れ下がった2球を抱え込む袋の上に、だらりと隠した赤い頭を落としていた。\n アスリの指先に付着した白は、すっかり子どもに戻ってしまったユニスのつぼみの上に生える薄い茂みにも、いくらか広がって、洞窟の中のたいまつの灯りを反射している。これでアスリも、ティサが残してくれたユニスの初めてを、しっかりと受け取れたことが視認できた。\n\n「ユニス、アスリにもいっぱい出せたね?気持ちよかった?」\n\n 乳を広げるアスリの指先を目にしたラリーヤが、アスリでなくユニスへと問いかけた。ようやく息が落ち着いてきたユニスは、あの伏し目を浮かばせて、うなずきながらアスリから目を逸らした。こうされては、ユニスを喜ばせることができたアスリまでもが、改めて恥ずかしくなってくる。当然、ラリーヤの次の向き先は、アスリだ。\n\n「んふふふふ……。良かったね?アスリも気持ちよかったん?」\n「……わっ、私は……、なんか変なかんじだったけど…………。」\n「けど……?」\n「………………内緒。」\n「ウソ!?それって、痛くなかったってこと?アスリも、ちょっと血ぃ出てんかった?」\n\n 驚いたように割って入ったのは、ティサだ。先んじたティサは、ユニスとつながりながら愛を叫んでいたが、その愛でもってカバーしていただけで、つながっていた箇所は実際相当な痛みを伴っていたのだろう。アスリがティサに、答える。\n\n「最初、ちょっと痛かったけど……。なんかもう血ついてないし、切れたん、ほんのちょびっとだったんかも。」\n「じゃあ、どんなかんじだったん?」\n「えっと、なんていうか、う…………。」\n\n 続くティサの問いに、便意と答えかけて、アスリは立ち止まった。便意や違和感があったのは、前半のみだ。本質に近いのは、後半にかけての多幸感だろう。ただ、それを痛みが中心であったティサに率直に伝えたところで、ティサの嫉妬を生むだけだ。\n\n「……………………やっぱ内緒。」\n「何なん?それ?」\n「んふふふふふ……、良かったんね?アスリも。ティサも今度は気持ちよくなろうね?」\n「うっさい!別にアスリが良かったんなら、それで良いんだし!」\n\n このティサの言葉で、場は落ち着いた。アスリの指先に狂気は残るが、以上でアスリにとっての初めての体験は、満願だろう。\n 一息の静寂を挟んで、次に声を出したのは、ラリーヤだ。\n\n「さて、ところで。」\n\n 何か、もったいぶるかのような切り替え方だ。怪しい言葉だけを挟んだラリーヤは、草の山から降りると、持ち込んだ布の中から、細長い布の切れ端を2本取り出していった。アスリが見るに、その切れ端は白地にところどころ桃色の染めが入った、ずいぶんとかわいらしいものである。これはきっとラリーヤが布を染めて衣服を作ったあと、余ってしまったものに違いない。\n そのうちの1本の中央をラリーヤはくわえると、両手を後ろに回し、大きな胸を強調するように突き出して、別なもう1本で髪を結いだしたのであった。\n\n「わぁ!!!それかわいい!!!」\n「本当だ!!!めっちゃかわいい!!!」\n\n 大きな蝶結びがラリーヤの後頭部にあらかた仕上がると、ティサとアスリが、相次いでラリーヤの結った髪に賞賛の声を上げた。それに少し首をかしげて、もう1本をくわえたままラリーヤがにこりと微笑んで応じる。\n 今のラリーヤは、まさに完璧な女だ。美しさとかわいらしさを、たった1本の布切れで両立するラリーヤには、直前までユニスに泥酔していたアスリでさえも、心を射貫かれそうである。今はまだカインタからの避難民として、遠回しにロマドウの腫れ物とされているが、どうしようもない変態であることさえ周知されなければ、まもなくラリーヤはロマドウ1番の女になるだろう。\n 髪を結び終えたラリーヤは、立ち上がってあの1本筋をあらわにすると、口にくわえていた布も手に取って、真後ろに振り返り、ばさばさと頭を左右に振ってから、手櫛で後ろ髪をといた。そのまま、もう1本の布を軽く振り回しながら、横顔を後ろに向けて、3人に続けた。\n\n「ありがと!どう?後ろも変じゃない?」\n\n 頭だけ後ろに向けようとする横顔、うなじから背筋、手の仕草、腰紐の乗る豊満で引き締まった尻、そこから続く両太ももとふくらはぎ、何もかもが美しく、そしていやらしい。こうありたいアスリも、その所作を学びながらラリーヤに答える。\n\n「大丈夫!完璧!ラリーヤすっごい綺麗!」\n「んふふふふ、良かった。」\n「ラリーヤ、それ今度、私にも結んでよ!私ん髪じゃ短い?」\n「いいよティサ!ちゃんとティサくらいの髪でも結べるように、別んのもあるから!」\n「本当!?ありがとう!!」\n「アスリは、今の私んのでいけそね?」\n「マジ!!私も良いん!?」\n「良いよ良いよ!!」\n\n 一切れの細い布で、アスリもラリーヤの美しさが手に入るわけではないことは理解しているが、ティサが起点となった後のラリーヤの振り向けは最高だ。女子3人でお揃いの髪飾りを身に着けるというのも、楽しそうな提案である。\n ただ、ここにいるのは4人であり、うち1人は男子だ。その男子も、髪はアスリのように長い。自然と、ラリーヤもユニスへと向かう。\n\n「ユニスも結ぶ?」\n「バカ!!俺はそんなん……。」\n「えー、ユニスもラリーヤに結んでもらおうよー?」\n「絶対かわいいって!!」\n「やだよ!!」\n\n 黙っていれば女子にしか見えないユニスが、この髪紐かつ髪飾りを身に着ければ、本当に腰布をほどかない限り、女子に見えるだろう。つい先ほど、この中性的な愛する人と交わって、男子を実感したアスリにとっては、頭が揺さぶられるかのようである。\n この間、ラリーヤの頭はアスリたちの方から、視線を落とすように真下を向いて、後ろを向いたまま、何やらもぞもぞと動いている。それでもラリーヤは手を動かしながら、ユニスにつなげる。\n\n「昨日の髪紐みたく、ちんちんに結んであげよっか?」\n「ラリーヤ良いじゃん!!おちんちんの皮の先っちょ、びよーんてして、結んじゃおうよ!!」\n「アスリ、バカか!?」\n「アスリのお願いなら、ユニス聞かなきゃじゃん?」\n「ティサもバカだろ!!」\n\n 場が、煮詰まってきた。ラリーヤの手にするもう1本を、ユニスの萎びた小さな男子の象徴に、結びつけてしまおうという機運が高まった時であった。\n\n「できた!!!」\n\n 大きく発せられた一声とともに、くるりとラリーヤが振り返った。同時にラリーヤは、両足を肩幅よりも少し大きく開き、両手を腰に当てて、全身を見せつけるように小さくのけぞった。\n\n 腰紐の中央、ラリーヤのへその真下に、髪に結われたものと同じ布切れが、こちらも同じく蝶の形で結ばれていた。垂れ下がった左右の羽の間にあるのは、何もはみ出ない、ラリーヤの一本筋だ。\n\n「ユニス!!」\n\n 続けてラリーヤが、ユニスを呼ぶ。アスリは自分が呼ばれたわけでもないのに、飾られた筋を直視する。\n\n「なかよししようよの印!!ヤるよ?ユニス!!」"}

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