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{"novel_id": "n0007ik", "chapter": 2, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0007ik/2/", "title": "突然の再会", "content": "俺は20代後半になってなお、生まれてからの地元で暮らしている。\n「あの子」とは中学までは同じだった。俺は中学2年の時にあの子にフラれてから、女性と接するのを嫌いにはなったが、女性が嫌いになったわけではなかった。普段は女子とはほとんど話さないのに彼女はほしいし人並みのことはしたい、と思っていた。\nだからモテるような努力をした。とは言っても「俺なりの」モテる努力である。今思えば近くにいる女子とたくさん話すのが最短ルートだったのだろうが、当時の視野狭窄に陥った俺がそんなことを分かるはずもなく、ひたすら自分を磨くのに勤しんだ。\n高校は男子校に行った。女に現を抜かしていては自分磨きに支障が出ると思ったからである。そんな意識のお陰か所為かは分からないが、成績は学年トップ、部活では全国大会出場、生徒会長就任という、漫画のような輝かしい成果を残した。\n将来は自分で選べた。何にでもなれただろうが、酸いも甘いも経験した学校という場で働きたいという思いが強かったため、教員を目指すことにした。大学も地元の教員養成系大学に進学し、卒業とともに公立高校に採用されて今に至る。\n\n俺は真面目に生きて来た。少なくとも「あの子」にフラれるまでは。いや、真面目に生き過ぎた。酒もタバコもギャンブルも女遊びも、少しでもレールから逸れたようなことは何もかもしてこなかった。その結果かもしれない。俺は今、学校で働いているうえで、真面目ではない生徒にも、保護者にも、同僚にも、全く理解を示してやることができない。いやそもそも、俺の物差しで測る「真面目さ」にさほど意味はないのかもしれない。彼らには彼らなりの真意があるのだろうから。\n\n俺は毎日自宅と職場の往復である。帰るルートは全く同じ。よほどの用事がなければどこかに寄り道することもないし、少し違う帰り道で帰ろうなんてことにもならない。しかしとある金曜日に俺は、何を思ったか帰り道にある牛丼屋に寄った。俺は基本的には毎日自宅で自分で調理して食べているから、この行動自体が特殊なのだが、今思えば必然だったのかもしれない。見えない何かに導かれたのだろう。俺が何のトッピングもない普通の牛丼を注文して食べていると、店内が混んでいたからか、俺が座っているカウンター席の隣に一人客の女性が座ってきた。それ自体はおそらくよくある光景だろう。しかしそこからが違う。\n「もしかして…ヒカル君…?」\n俺は隣の女性から自分の名前を呼ばれて咄嗟にその方向に振り向いた。\n隣に座っていた女性はまさに俺を女性から遠ざけた「あの子」だった。"}

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