| {"novel_id": "n0008gd", "chapter": 15, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0008gd/15/", "title": "2-9", "content": " 次の日の朝。\n\n 何時の間に眠ったんだっけ、という思考の元、昨夜の出来事思い出し、昨日の朝と同じく心の中で悶絶する事になった。\n またも誰に対しても無く、熱く火照った顔を両手で覆い隠していた所でふと気付いた。\n パンツが酷い事になっていた事を思い出したのだ。\n 慌てて確認しようと、顔を隠していた両手をどけた所で、僕の顔を覗き込んでいたレオナ姉様と目が合った。\n\n「ひゃああっ!?いいいつからっ!そこにいたんですかっ!?」\n「うん?今さっきだけど、ドアを開けて挨拶しても返事が無かったから」\n「え?あ、そうですか……。すいません、考え事をしていました……。おはようございます」\n\n さてどうしたものか……。\n ゆっくりと体を起こそうとした所で、何時もの様にレオナ姉様が自然と背中に手をやって手助けしてくれた。\n\n「あ、ありがとうございます」\n「ん……。ところで、どうかした?何か、落ち着きが無いような……」\n「ふぇっ!?いえ!そんなことは……」\n「そう?ならいいけど……」\n\n お礼を言った後、ソワソワと落ち着かない僕に対して、レオナ姉様は首を傾げつつも僕の制服を出す為に衣装棚の方へと歩き出そうとしたところで、これはチャンス、とササッと布団を捲って中を確認する。\n\n「あ、そういえば……」\n「ひゃぃっ!?」\n「うん?んー、やっぱり変……」\n「い、いやですね……。そんな事ないですよ……」\n\n 慌てて捲っていた布団を戻した僕に対して、レオナ姉様は少し離れた所から、またベッド傍まで戻ってくる。\n ドキドキと早鐘の様に打つ心臓が痛い……。\n どうやって誤魔化せば……。\n そんな心境を他所に、ゆっくりと近づいて来たレオナ姉様は、腰を曲げて僕の耳元に顔を寄せてくる。\n 何時ものレオナ姉様の匂いが鼻孔を擽り、昨夜の事がフラッシュバックする様に脳裏に浮かんだ。\n 顔が熱くなるのを感じ、目を伏せてレオナ姉様の顔を見る事が出来ない。\n そんな僕の耳元で、レオナ姉様が口を開いた。\n\n「パンツなら、昨日クレアが寝ちゃった後に着替えさせたよ?」\n「ふぁっ!?そ、そう、ですか。ありがとうござい、ました……」\n「風邪ひいちゃうと行けないからね。汗が凄かったから……、ね?」\n「あ、あせ……。そ、そうですよね……。汗です汗……」\n「ん……、クレア、こっちむいて」\n「は、はい?」\n\n 言われた通りに、耳元に口を寄せていたレオナ姉様の方へと顔を向けると、少し横に向いたレオナ姉様の顔が、唇が、文字通り目と鼻の先に……。\n 顔を向けた瞬間に目が合い、続けて視線がレオナ姉様の柔からそうな唇へと視線が映る。\n\n「クレア、あーん」\n「あ、ぁー……んむぅ♡」\n「ん、ちゅっ♡ちゅるっ♡じゅるるっ♡」\n「んちゅっ♡んんんむっ♡ちゅぱっ♡」\n\n 言う通りに口を開けた途端に、レオナ姉様に唇を奪われ、同時に舌が侵入してくる。\n 一通り口内を舐め回した後、舌を軽く吸い上げ、最後に唇をペロッと舐めて、レオナ姉様の顔が離れていく。\n 熱に浮かされた様に思考の覚束ない頭で、キスの余韻を感じつつ、何時もとは違う何処か妖しい笑みを浮かべるレオナ姉様から目を離せない。\n\n「んっ♡ふふ……、昨日の口内洗浄の確認」\n「はふっ♡んっ♡そ、そういえば、口の中がスッキリしてるような……」\n\nレオナ姉様に見惚れてボーっとしている僕を他所に、まるで何もなかったかのように口を開くレオナ姉様の言葉にようやく少し思考する頭が戻って来た。\n\n「ん、丸一日は清潔に保つという謳い文句だった……。それにしても、クレアが何時もより素直」\n「はっ!?そ、そういえば……、か、確認というなら、べ、別にキスしなくても……、良かったのでは……?」\n「ん?確認は次いでだから問題ない。朝からクレアに甘えてほしかっただけ、それと懐かしのおはようのキス」\n「えぇっと……そ、それは、小さい頃の話ですし……」\n「むぅ、そう言ってキスさせてくれなくなった……。でも今のは子供のキスじゃない」\n「ぅ……も、もういいですから……、着替えましょう!アテナ姉様もそろそろ来ますよ!」\n「クレアが拗ねた」\n「拗ねてません……」\n\n 何を自然にキスしてるんだ僕は……。しかもディープな……。\n 確かに小さい頃はふざけて軽いキスぐらいならあった記憶があるが……。\n しかし、条件反射だろうか、あーんと言われてつい口を開けてしまった。\n 習慣と言うのは恐ろしい。\n 気を付けよう……。\n\n しかし、姉妹でキスをするなんて、良いのだろうか。\n まぁ頬や手の甲にキスぐらいなら、この世界でも往々にして行われているのは何となく知っている。\n 頬は家族なら両親にもされたことあるし。\n シスコンと過保護の延長線上と考えれば有り得ない事も無いのかもしれない。\n 前世でも小さい頃なら頬にキスぐらい、前世の姉と経験した事はあった様な気がするし。\n\n しかし、何れ、もっと大人になって、妹離れして、と想像する。\n この世界では彼氏何てモノはすっ飛ばして婚約になる事が多い。\n いつかはアテナ姉様もレオナ姉様も、二人共僕から離れて男の人とそういう事をする様になるのか。\n そう考えると何だか嫌な気分になる。\n まるで子供の我儘だ。\n 僕も大概シスコンだなと自覚しつつ、それ以上考えない事にする。\n 僕も何れはという覚悟をしなければいけないが、幸いまだ時間はある筈だ。\n その時になってから考えよう……。\n\n 嫌な考えに蓋をして、学園へと向かい、アテナ姉様と別れた後は、レオナ姉様と一緒に学年別の廊下に張り出されている成績発表のボードへと向かう。\n\n 1番から10番までが張り出されるらしい。\n 流石に60人いる人数の順番を全て公開する事は無い様だ。\n 教師の間では10番以下の順番も把握しているが、生徒の間では1番から10番までしか公開されない様になっている。\n\n 10番から順に見ていくと、早速10番にレオナ姉様の名前があった。\n 強い上に頭も良いとは……、家の姉様は凄いな……。\n 称賛を口にすると、「まぁまぁだね」と何時もの調子で返ってくる。\n\n 更に9番、8番と見ていくと、5番に知った名前があった。\n エミだ。さすが委員長!と心の中で称賛を送る。\n 当の本人はと、キョロキョロと発表を見に来ている人混みの中を探すと、僕の三人の友達全員が固まってボードを見ているのを見つけた。\n レオナ姉様もそれを確認したようで、そちらへ向かって車椅子を押してくれる。\n どうやらボードの一番端を見ている様子だった。\n\n「あ!クレア!」\n「お、クレア!こっちだこっち!」\n「わわっ!クレアちゃん!ちょっとちょっと!こっち来て!」\n\n 何やら慌てた様子で手招きされ、首を傾げつつレオナ姉様と三人の元へ急ぐ。\n ある程度近づいた所で、何かあったのか尋ねてみる事に。\n\n「三人共、おはようございます。あ、エミはおめでとうございます。5番の所に名前がありましたよ?すごいです!……所で、何かありましたか?」\n「お、おはよう!ってそんな事よりも!」\n「あ、ありがとう!そ、それよりこれ見て!」\n「クレア!お前一番だぞ!すごいな!」\n「うん?」\n\n 三人そろって指差す方向、ボードへと目をやると、1番の所に僕の名前が書いてあった。\n まさか1番を取れるとは予想外だ。\n 確かに結構簡単だったけど。\n\n「ホントですね……。まさか一番が取れるとは思いませんでした……」\n「反応薄いな!学年主席だぞ!」\n「お、おめでとうございます!クレアちゃん!」\n「すごいね!クレア!」\n「流石私の妹……。クレアえらい」\n「ありがとうございます。嬉しいです」\n\n 思い思いに称賛を送ってくれる友達とレオナ姉様にお礼を言い、自然と頬が緩む。\n しかし、これに慢心する訳には行かない。\n ハードルがかなり上がってしまった事は否めないが、成績下がったね、等と言われる訳には行かないのだ。\n 五年間主席を守り通す等と大それた事は言えないが、それ相応の成績は取り続けなければ行けなくなった。\n もっと頑張らねば……、と決意を新たにする僕だった。\n そんな僕を、後ろから身を乗り出してジーっと見つめるレオナ姉様に気付き、首を傾げる。\n\n「また……、もっと頑張ろうとか思ってる顔だね」\n「そ、そんなことは……」\n「ほどほどにね?」\n「はい……」\n\n やはり僕は考えている事が表情に出やすいらしい。\n 毎回思ってる気がするが、気を付けよう……。"} |
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