Krixter/Repo / n0008gd /16.json
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{"novel_id": "n0008gd", "chapter": 16, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0008gd/16/", "title": "2-10", "content": " ☆エルミール☆\n\n 私がフレイヤ女学園に通い始めて一ヶ月が経った。\n 通い始めるまでは期待と不安が見事に両立した様な心境だったのだが、通い始めて三日と経たない内に想像以上の楽しい学園生活へと変貌を遂げていた。\n それもこれも、全てはクレアちゃんという天使に出会えた事と、友達という地位を手に入れた事による物だ。\n\n 当初の不安として感じていたのは、勉強や実技で付いて行けるのかという物だったが、入学後早々のテストで学年順位五番という快挙を得た事により、ある程度の不安は払拭されたと言っていい。\n まぁ慢心する事なく、今まで通り予習復習を怠らなければ何とかなりそうという目処が立ったという所だろうか。\n 実技に関して言えば、これも今まで通り、いや、実技だけは今まで以上に研鑽を積もうというやる気に満ちている。\n 私の天使であるクレアちゃんを守るという目的を得たのだ。そのための努力ならば苦である筈も無い。\n\n しかし、それとは別に、唯一点とも言っていい不安が残っている。\n それは、クレアちゃんの事を好きになってしまった事による物だ。\n 一目惚れとも言っていいこの気持ちは勿論友愛では無い。\n この気持ちが受け入れられるのかという不安。\n これだけはこの気持ちが成就するまで無くなる事は無いだろう。\n 脈は……、何となくあるんじゃないかなぁと、希望的観測の域を出ないが、無くはないと感じている。\n その理由としては……。\n 当初、クレアちゃんを手伝って階段を移動する際、アンジュちゃんがそのお手伝いを独り占めしていた。\n お姫様抱っこという羨ましいお手伝いだ。\n 数日は諦めて居たが、日を追うごとに諦めきれなくなった。\n 毎日お姫様抱っこをされながらも、慣れを余り感じさせないクレアちゃんのあの照れた表情や仕草は最早疑い様も無くアンジュちゃんを意識していると確信するに至った。\n というかお互いに意識しているのが丸わかりだ。\n ずるい!嫉妬する!羨ましすぎる!\n という事で、階段のお手伝いは日替わりにしようと提案し、無事承認された。\n そしていざお姫様抱っこという特権を手に入れた私なのだが、その事により、クレアちゃんは私の事も意識している事が解った。\n 本人はひょっとするとバレてないと思っていそうだが、それ以来、偶に視線を感じる様になったのだ。\n 端的に言うと、私のこの無駄に育った胸に……。\n 領地に居た頃は、偶に感じる男の子の視線に嫌気がさしていたが、クレアちゃんなら問題無い、どころかドンドン見て!という感じだ。\n 邪魔としか思っていなかった胸が、まさか武器になるとは思っていなかったが、嬉しい誤算だった。\n 同性同士という事で最初は羨望の感情もあるのかもと思っていたのだが、視線の泳ぐ回数と目が合った時のあの照れた様な気まずそうな表情は間違い無く……。\n\n という事で何となくクレアちゃんも私と同じく女の子の事が好きなんじゃないかなぁと思っている。\n クレアちゃんは本を読むのが好きなそうなので、今度そう言う小説をそれとなく進めて様子を窺ってみようと画策中だ。\n\n そして多分アンジュちゃんもクレアちゃんに惹かれているのは見るに明らかなので、友達であるがライバルとしても見ている。\n セラちゃんも最近ちょっと怪しい。\n 何故ならお姫様抱っこの順番に、何を思ったかセラちゃんまで最近参入してきたからだ。\n まぁ可愛すぎるクレアちゃんの所為だと諦めるしかない。\n これからもライバルは増えそうな予感がする……。\n\n まぁ一番のライバルは、クレアちゃんのお姉さん二人だろう事は疑いようが無い。\n いや、ライバルと言っていいのかどうかも解らない程、クレアちゃんと二人のお姉さんの距離が近い。\n もう既にそういう関係にまで至っていそうな気がするのだ。\n しかし、その点に関して二人はどうやら私達の事を問題視していない気がする。\n もしそうなら言葉で釘を刺したり、物理的に排除すると言った強硬手段も辞さない程にクレアちゃんを想っている事は普段の言動から嫌という程感じる。\n しかし何もしないし言っても来ない。\n 私達を初めてお姉さんに紹介して貰った時の、あの二人の私達を値踏みするかのような冷たい瞳は印象的だった。寒気を覚えるほどに……。\n 何か考えがあるのかもしれないが、それを教えてもらうにはもっと信用を得るしかないのだろうか。\n まぁ今はクレアちゃんとの仲を進展させるために頑張ろう!\n それにしても、まるで創作のお話の様な、姉妹同士の禁断の恋!燃える、いや、萌えますね!\n\n さて、考え事もほどほどにして、そろそろクレアちゃんが来る時間なので、用意しないといけない。\n まずは読みかけの本を用意して、図書室の個別スペースに持って行く。\n 個別スペースは勉強や読書に集中する為に、図書室の隅に備え付けられた場所で、衝立によって周りからは余り見えない様になっている。\n 小さい机と、三人が楽に座れる程の大きいソファーが置いてあり、別名カップル席と呼ばれているらしい。\n 全部で3カ所しかなく、早い者勝ちなので私が場所取りに来たのだ。\n クレアちゃんは後からレオナさんに連れられてここ、図書室にやってくる予定である。\n\n どういう事かと言うと、まず私は師団に入る予定は無く、図書管理委員という各学年から一人ずつ排出する事になっている委員会の方に立候補した。\n アンジュちゃんは騎士剣術師団に、セラちゃんは弓術師団に入団している。\n そして、レオナさんは将来を有望視される唯一の武術試験Aランクという事で、一年でありながら風紀委員会に見習いとして推薦された。\n アテナさんも同じく風紀委員会に身を置いていて、帰りの馬車を二人の時間に合わせているので必然的にクレアちゃんも活動が終わるまで学園で時間を潰さないといけないのだ。\n それで、私達3人の友達の師団や委員を日替わりで回る事に決まったという経緯だ。\n\n それで今日は私の所、図書室にやって来るという事だ!\n\n そしてやってきました、私の天使!\n\n「じゃぁ、終わったら迎えに来るから」\n「はい、解りました」\n「じゃぁエミ、クレアをよろしくね」\n「はい!任されました!」\n\n ビシッと敬礼してレオナさんを見送り、早速クレアちゃんを連れて個別スペース、否!カップル席へご案内!\n\n そして早速ソファーに車椅子から移ってもらう訳ですが、その間、体や腕等が私の胸に当たる度に視線が泳ぎ、照れた様な表情を浮かべるクレアちゃんに鼻息が荒くならない様に気を付けなければ……。\n もう少しわざとらしく密着しても平気かも等と考えつつ、何時も通りソファーに隣り合って腰かけた。\n 膝と膝が当たる程の近距離で、ハードカバーの本を手に取り、ページをめくる。\n 最初はお互いに違う本を読んだりしていたのだが、少しページをめくりにくそうにしていたのに気付いた私が今の状況になる様に申し出た結果だ。\n 最初は渋々だったが、これによって更に密着度が増したので役得だと思っている!\n\n ここからはほぼ私達に会話は無い。\n お互いに密着した状態で、クレアちゃんが見える様に本を寄せ、ページを捲り、そのページを読み終わると、チョンと可愛らしくクレアちゃんの指が私の手に触れる。\n そしてまたページを捲る。その繰り返し。\n 人によっては苦痛に感じる程の静寂かもしれないが、私にとっては幸せな時間だ。\n 好きな子が私に寄りそう様に座り、その温かさを感じられる程密着しているのだ!\n ご褒美以外の何物でもない!\n\n と、そんな幸せを噛み締めていると、ふと読み終わるのが何時もより遅い事に気付いた。\n 何かあったのかと隣を見ようとしたところで、不意に肩に重さが加わる。\n 跳ねそうになる体を何とか押さえつけ、隣を見ると、クレアちゃんが私の肩に頭を乗せて寝息を立てていた。\n 寝顔も天使!尊い……。\n\n 何れ、この体勢はちょっと疲れるよね?という自然な流れの元、クレアちゃんをお膝に抱っこして本を読もう。そうしよう。\n 寝顔を堪能しながらそんな事を考えつつ、幸せな時間は過ぎていくのだった。\n\n「ふぁっ!?あ……、ご、ごめんなさい、寝てしまいました……」\n「大丈夫ですよ!クレアちゃんの可愛い寝顔を見れたので役得でした!」\n\n 重くなかったか、涎を垂らしてなかったかという心配を照れた表情で問うクレアちゃんは可愛かった。\n クレアちゃんは寝ても覚めても天使です。涎?ご褒美です。\n\n「眠くなったら無理せず言って下さいね?学園に居る間はずっと車椅子に座ってるんですから疲れるでしょう?」\n「そう、ですね……。確かに少し……」\n\n うんうん。\n 今度は膝枕で寝て貰いましょう。そうしましょう。"}

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