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{"novel_id": "n0008gd", "chapter": 2, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0008gd/2/", "title": "プロローグ1", "content": " 深く穏やかな眠りからゆっくり、ゆっくりと意識が浮上していくのを感じる。\n\n 段々と意識がハッキリしていくにつれて、何時の間に寝たんだっけ? という疑問が浮かんだ。\n\n 最後に記憶に残るのは、仕事帰りにお酒を飲んで、何時も通りの帰り道を歩いていた場面。\n フラフラと千鳥足とまでは行かないまでも、覚束ない足取りで歩いていた。\n もうあと数十メートルで自宅のアパートに辿り着くという時に突然鳴り響いたのは、耳を劈く様なクラクションの音。\n 後ろを振り返り、目の眩む程の車のハイビームが俺を襲った。\n そして次の瞬間に体を襲う激しい痛みと衝撃。\n それを最後に俺の意識は途切れた。\n\n なるほど。\n という事はここは病院か。\n\n しかし、それにしては滅茶苦茶豪華なベッドだ。\n 真っ白でふかふかのベッドに枕。\n しかも天蓋付きときたもんだ。\n というか天蓋付きのベッドが病院にあるのか?\n\n「んん?」\n\n 思わず首を傾げて声まで出てしまったのも仕方ない事だろう。\n いや、何か声が可笑しいな。\n 少し掠れているのはまぁ仕方ないかもしれないがやけに高い様な、子供の様な声だ。\n\n「あ、あ……」\n\n 試しに声を出してみる。\n やっぱり可笑しい。\n\n「っ!? クレア!? 起きたのっ!?」\n「んにゅ……? クレア、起きた……?」\n「え……?」\n\n 声のする方へ首だけを動かしてみるとベッドの脇に見知らぬ美少女が二人いた。\n 片方は真っ赤な髪を肩口でそろえた女の子で、驚いた様な表情のままベッドに手をついて此方へ身を乗り出している。\n もう片方は茶色のロングヘアーの女の子で隣の赤髪の女の子の声に反応し、ベッドの脇で突っ伏していた状態から眼を擦りながら顔を上げた。\n どうやら二人共俺のベッドの脇で眠っていたらしい。\n 一体どういう状況なのか全く理解が追い付かない。\n\n しかしどういう訳か自然にその二人の名前が浮かんだ。\n\n「あ、てなねえさま……れおなねえさま……」\n「わっ、私、父様と母様呼んで来るっ!!」\n「うん、お願い……」\n\n 何故二人の名前を知っているのか、それをぼんやりした頭で思い浮かべる。\n するとストンッと自然に頭に浮かんだ。\n あぁ、そう言えば二人は俺の姉様だった。\n\n あれ?\n 何で俺に姉ちゃんが二人も居るんだ?\n 確かに一人は居たけど名前が違う。\n そもそもあんな美少女に覚えは……いや、覚えはあるだけど……。\n\n モヤモヤとする疑問を浮かべつつ、バンッと思い切り音を立ててアテナ姉様が部屋を飛び出していくのを見送った。\n そして部屋に残ったレオナ姉様がゆっくりとベッドの上に昇り、俺の額へと手を当てた。\n その手はひんやりとしていてとても心地良い。\n\n「まだ少し熱い気がするけど……熱が、下がった……?」\n「ん、れおな、ねえさま?」\n「はぁ……よか、た……ひぅっ……ぐすっ……」\n\n ううむ。\n 急に泣き出してしまった。\n 言葉を察するに俺は熱を出して寝込んでいたらしい。\n しかし、女の子に泣かれるとは、どうしたらいいのか……\n こんな経験全く無いのでどうしたらいいか解らん。\n 取り敢えず涙を拭ってあげたりしたい所だ。\n そして行動を起こそうとして気付いた。\n 全く手が動かない!\n と言うか足も動かない!\n 座ろうとして身を捩るが上手くいかない。\n なんじゃこりゃ!\n 病み上がりの所為か?\n 体が動かないなら仕方ない。\n 何とか言葉だけでも……\n\n「れおなねえさま……なか、ないで。もう、だいじょぶ、だから……」\n「う、ぐすっ……ご、めんなさい。でも、もう、クレアは、た、たすからないって……」\n\n ええー。\n 死にかけてたの?\n 俺?\n もう大体今の状況がどういう事が理解が追い付いて来たんだけども。\n これって俺、転生してるよね?\n 事故った場面から記憶が飛んで今の状況ってもうありきたりな感じの転生物語に入っちゃってるのは何となく解る。\n しかし前世の記憶?が戻った矢先に死にかけてるってどういうこっちゃっ。\n まぁでも山は越えたっぽいので大丈夫なんだろうか。\n\n「ん、だいじょうぶ、お……ぼく、はもうだいじょぶだから」\n\n 一瞬俺と言いかけたのを何とかぼくに言い直した。\n どうやら記憶が戻る前は僕と言っていたらしいのでこれで大丈夫なはずだ。\n この第二の人生の記憶から俺が女の子に転生しているのは確かなのだが、僕っ娘というやつか。\n ひょっとしたら奥底に眠っていた俺の男としての記憶が関係しているのかも?\n まぁ細かい事はいいか。\n\n そうして暫く泣き止まないレオナ姉様を大丈夫大丈夫と、動かない四肢に四苦八苦しながら言葉であやしていると、バタバタという足音と共に三人の大人に続きアテナ姉様が部屋に飛び込んできた。\n\n「クレアっ! ほ、ほんとうに? 本当に目が覚めたのかっ!?」\n「あぁ、クレアちゃんっ! よかった……ほんとに、ぐすっ……」\n「クレアッ! あぁっ! よかったっ!」\n\n ワラワラと近くに寄ってくる三人の大人たち。\n おっとりとした雰囲気の赤髪の美人さんと茶髪でイケメンの男性。\n そして、黒髪で切れ長の目元が印象的な美人さん。\n 黒髪の人は記憶によると俺の母親だ。側室らしい。\n 赤髪の人がアテナ姉様とレオナ姉様の母親で正室らしい。\n まぁ皆仲良しな記憶があるので二人共俺の母親として認識している。\n まぁクレアとして過ごした七年の月日の記憶に基づくとそうらしい。\n\n 俺はどうやら前世の記憶を思い出したというだけでクレアとしての記憶が無くなった訳では無い様だ。\n 言葉もどうやら違う様なのでそこは有難い。\n\n こうして一頻り父様と母様二人に撫でられたりした後、未だ本調子ではない俺を休ませる為に皆部屋を出て行った。\n 明日医者が朝一で来るらしい。\n\n 姉二人はかなり渋々という感じで出ていったがさっきまで傍で、しかも無理な態勢で眠っていたのだ。\n 今度は二人が体を壊してしまっては元も子もない。\n 両親に説得されて出て行ったのだった。\n\n そしてさっき家族全員で喜びあっている時にポロリと父様が零していたのだがどうやら俺、一度息が止まったらしい。\n そんな状況の中、俺の傍から離れたがらなかった姉二人の内の一人、アテナが俺の目が覚めたという報告をしてきたもんだから大慌てという感じだ。\n\n 転生したのに気が付く前に死にかけるとかどんなハードモードだよ。\n まぁ助かったからとりあえずはいいか。\n\n ようやく俺の記憶とクレアの記憶の同期が完了したのか、思い出した事がある。\n\n この病気の所為で一時的に動かないだけかと思っていた両手両足は元からだった。\n\n どうやら俺は生まれつき体が弱く、更に四肢に障害がある様だ。\n 足は膝から下は全く動かない。\n 腕は多少マシではあるが少し持ち上げるのも辛い。辛うじて指がなんとか動く程度だ。\n その他の体、上半身、首から上は正常に動く。\n\n どうやら前途が非常に多難な転生物語の様だ。\n\n 少し落ち込みつつもまぁ、死んだ筈が第二の人生が始まったのだ。\n それは素直に幸運と呼べるだろう。\n\n 取り敢えず今日はこの怠い体が欲する休息を取るとしよう。\n\n おやすみなさい……", "preface": "久しぶりの執筆になります。\n間が大分空いてしまったので、リハビリ中です……。\n落ち着いたら連載中の作品の続きを書きたいと思っております。\nお待ちいただいている皆様には誠に申し訳ありませんが、もう暫くお待ちくださいませorz", "afterword": "結構人を選ぶ作品になりそうな予感がします……。"}

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