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{"novel_id": "n0008gd", "chapter": 9, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0008gd/9/", "title": "2-3", "content": " 僕は朝、何時もの時間に目を覚ました。\n\n 多少のズレはあるだろうが、何時も同じぐらいの時間帯に目が覚めるのでズレとは言っても数分程度だろう。\n 一応時計はあるのだが見るまでもないだろう。\n 寝坊したとしても姉二人と母二人の内の誰かが起こしてくれるという安心感もあるが……\n\n それにしても昨日は初めて学園に登校したのだが結構疲れた。\n この体になってから家族以外とは殆ど接触が無かったので少し緊張したのだ。\n その気疲れの所為か意識は覚醒しているのにまだ目を開けたくない衝動に駆られる。\n このまま二度寝でもしたいという誘惑が首を擡げる。\n\n まぁただ疲れただけという訳ではなく、収穫もあった。\n 初日から友達が出来たのはデカイ。\n まだ少し固い気もするが出会ってまだ一日なのだ。\n これから仲良くなっていけばいいだろう。\n\n 固いのは僕の言葉遣いの所為というのもあるかもしれないし……\n 僕は普段から丁寧な言葉遣いを心掛けているので人と喋ると少し疲れるのだが、素で話すと男言葉が出そうで怖いのだ。\n まぁ今ではそれが功を奏して丁寧に喋るのが素になりつつあるのだが。\n\n 友達が出来るか不安だったのだが、見事入学初日にボッチからの流れる様な脱却。\n\n 日々成長する自分がやはり怖いぜ……\n\n さて、そろそろ姉二人が部屋にやって来る頃だろうか。\n ずっと目を瞑っていると二度寝の誘惑に負けそうだ。\n そろそろ目を開けて……\n\n「……アテナ姉様、何をしているのですか?」\n「んー?クレアの寝顔を見てたんだけど」\n「ほ、ほんとですか?」\n\n 目を開けると目と鼻の先に目を閉じて唇を突き出したアテナ姉様の顔がドアップで写り込んだ。\n\n「お、起きるので少し離れて下さい……」\n「はーい」\n\n 両手を僕の頭の横について、傍から見るとまるで押し倒されているかのような状態だったのだが素直に離れてくれたのでほっと一息。\n それにしても気配が全然無かったのは何故だ。\n ベッドに手までついてたのに……\n NINJYA? NINJYAなの?\n\n 体を起こした所で着替えを手伝ってもらおうかと寝間着に手をかけると、少し離れた筈のアテナ姉様がまたズズイと体を寄せて来た。\n 少し腰が引けるが余り仰け反ると僕は簡単にベッドに倒れる。\n それで離れる距離は本当に気持ち程度でしかない。一瞬で詰められる距離だ。\n\n「な、何でしょう?」\n「クレア、友達が出来たんだね」\n「え? あぁ、はい。昨日紹介しましたよね?」\n「うん、アンジュちゃんだっけ」\n「はい、とても優しい子ですよ?」\n「ふぅーん。ところでお姉ちゃんは学園にいくと授業中はクレアと会えなくなるの」\n「え? は、はぁ……まぁそうですね。登校中は一緒ですけど……」\n\n それで、何が言いたいんだろうか?\n\n「きっと途中で妹成分が足りなくなるから補充させてっ!」\n「うぅん?」\n「ほら! クレアもお姉ちゃん成分が足りなくなるよ!補充しときなさいっ!」\n「うぅん?」\n\n 僕の目の前で両手広げて良く解らない事を言い出した。\n お互いに何か良く解らない成分を体から放出しているのだろうか。\n\n まぁ大体このジェスチャーと普段の姉の発言と行動によってある程度は察しているのだが、それをするとモロに姉の胸に顔を埋める様な状態になるのだが……\n しかも自ら……\n\n「……」\n「わ、わかりましたよ……」\n\n あの目はテコでも動かない時の目だ。\n 僕は未だあの目をしたアテナ姉様の行動と発言を覆す事が出来た試しがない。\n\n 仕方なく広げられた腕に抱かれ、自らもアテナ姉様の背中に短い腕を回す。\n 普段からよく抱きつかれるというか抱きしめられるのでこの感覚は慣れた物だ。\n 感覚、感触に慣れたからと言って恥ずかしさやこの胸の柔らかさに慣れる事は未だに無さそうだが。\n\n しかし不思議と落ち着くのは確かだ。\n 顔が火照り動悸が少し激しくなるがアテナ姉様の心臓の音、匂い、そう言ったものに包まれていると自然と頬が緩み、瞼が重くなる。\n\n「はぁぁぁっ……お姉ちゃんは心配だよ、クレアは世界一可愛いから……」\n「世界一は、言い過ぎだと思いますけど……」\n「クレアは自分の可愛さが解ってないんだよっ! きっと学園中で噂になってるからね!」\n「……それも言い過ぎだと思います」\n「お姉ちゃんを信じないとは……あ、そう言えばもうすぐ良いものが届くからね! 楽しみにしててね!」\n「良いもの、ですか?」\n\n 良いものって何だろう。何だか不穏な気配がするがまぁその時に考えればいいか。\n 深くは聞くまい。藪をつついて蛇を出しては大変だ。\n それにしても相変わらずのシスコンぶりだ。\n まぁ僕も人の事は言えない気がするが。\n\n「そうそう、クレアは国の至宝。可愛いさは世界を超える……」\n「ふぁっ!? レオナ姉様っ!?」\n\n 突然ふにゅっとした柔らかいモノが背中に押し付けられビクンッと体が跳ねる。\n\n「あ! レオナ! 今は私がクレアとイチャイチャしてるんだからね!」\n「アテナ姉だけずるい……私もクレアとイチャイチャする。昨日から朝は一緒にクレアのお手伝いするって決めたはず……」\n「ちょ、ちょっと……」\n\n レオナ姉様NINJYA? 貴女もNINJYAなの!?\n と、そんな事よりも流石に朝っぱらからこの状況は刺激が強すぎる!\n\n「あの、もう二人共離れて下さい……」\n「あーあー、ほらレオナが来たからクレアが素直に甘えてくれなくなったでしょ!」\n「むぅ……アテナ姉が朝から抜け駆けしたのが悪い……」\n\n 人を板挟みにして姉妹喧嘩は止してください。\n\n 前門のおっぱい後門のおっぱい……\n\n「あの……」\n「クレアが困ってるから離れなさい、レオナ」\n「アテナ姉が先に離れればいい」\n\n\n 二人共僕の話何て聞いちゃいねぇ。\n\n「先にレオナが離れたら離れるわよ!」\n「じゃぁ私もアテナ姉が離れたら離れる」\n「……」\n「……」\n「じゃぁせーの、で離れるわよ」\n「ふむ、解った」\n\n どうやら話が付いたらしい。\n 流石にそろそろ収集を付けないと朝ご飯の時間が……\n\n「せー、のっ!」\n「せー、の……」\n「……」\n「……」\n「あのぉ……」\n\n 言葉だけで動きが無い。\n 何だこの状況っ!\n\n「いい度胸してるわね、レオナ……」\n「ふふん、アテナ姉の魂胆なんてお見通し……」\n「もう、いい加減離れてくださいっ! 着替えないと遅刻しますよ!」\n「レオナの所為でクレアが怒った……」\n「アテナ姉の所為……」\n\n ようやく離れてくれた。\n\n「しょうがない、十分妹成分を補給できたし、着替えましょうか……ちゅっ」\n「ん、しょうがない。ちゅっ」\n「っ!?」\n\n 不意打ちにほぼ同時にホッペに二人のキスが飛来した。\n キス魔め。\n\n「き、着替えるの手伝ってください」\n「はいはいー」\n「ん……」\n\n 全くもって賑やかな朝だ。\n まぁ何時も通りの平常運転とも言えるのだが。\n\n「はい、今日の勝負パンツ」\n「こっちのほうがいいよね? クレア」\n「……普通のでお願いします」"}

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