Krixter/Repo / n0008jp /13.json
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{"novel_id": "n0008jp", "chapter": 13, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0008jp/13/", "title": "13.ピロートークと恋心", "content": "「はぁー……はぁー……ふぅー……っ♡」\n\n いつまでも続くのではないかと思ってしまうくらいに長かった絶頂の波がようやく去って、落ち着いて目の前を見ると悠里がいた。\n\n 当たり前だけれど僕たちはまだ繋がったままで、体を重ねたまま荒い息を吐いている。冷静に考えれば今までにないくらいの至近距離だった。何しろ僕の性器と彼女の性器は結合している状態なのだから。\n\n 悠里もそのことに思い当たったのだろうか。目の前にある彼女の顔がかあぁぁ……♡と赤くなっていくのが見えた。\n\n「う……」と思わず呟いて僕は身じろいだ。\n\n なぜなら悠里は美少女なのだ。汗で額に髪が貼り付いていても、眼の横に涙の跡があろうとも、それは変わらない。それに彼女の顔が赤くなった瞬間に膣内もきゅーっ♡と収縮をして、そのせいで新たな快感が襲ってきたのだ。\n\n このままだとまた昂ぶって行為を続行してしまいそうである。さすがにそれは少しまずい気がして、僕はゆっくりと腰を引いて彼女の中から自分のモノをずるる……♡と引き抜いていった。\n\n「う……♡」と今度は悠里が声をあげる番だった。\n\n いまだに硬度を保っていたソレは悠里のヒダの一枚一枚に引っかかって、抜けていくその距離がとても長く感じた。\n\n そしてすべてが抜けきると、彼女の秘部からごぽ……っ♡大量の精液と、それから僅かな血液が一筋だけ伝ってシーツに垂れた。\n\n あ、と思う。\n\n 悠里は処女だったのだ。だから破瓜の血を流している。にもかかわらず僕は大量に彼女の中に射精をしてしまったのだ。\n\n「ご、ごめん、僕……」\n「……えっち」\n\n こちらが言い淀んでいると、悠里はスッと自分の胸と秘部をシーツで隠しながらそう言った。まだ顔が赤い。照れているような気がする、しかし表情の読めない顔でこちらを見つめてきていた。\n\n まだ快楽の余韻とかセックスの後の倦怠とかが残った顔色だ。けれどもどちらかというといつもの悠里に近い表情だった。\n\n この彼女と先ほどまでセックスをしていたのだ、と思った。\n\n 我ながら興奮してしまったもので、セックスの最中は無我夢中だった。悠里がオナニーをしているところを見つけてこの部屋に入って以降はほとんど何も考えていなかったのではないかという気がする。\n\n そして気が付けば僕は思いきり悠里に膣内射精をしていて、その結果が目の前に存在しているのだった。\n\n「わたしを襲うの、興奮した?」\n「う……」\n「わたしのことを異性として意識していないって豪語していたくせに」\n「そ、それはそうだけど……」\n\n まだ顔を赤らめている悠里が、しかしながら淡々とした様子でこちらを見つめて話しかけてくる。\n\n そういえば僕はつい先日まで悠里のことを『異性として意識していない』なんて豪語していたっけ。ここのところ悠里に誘惑されることが多くて、しかもそれが毎回クリティカルヒットすることが多かったものだからすっかり忘れていた。\n\n いや、まあアレは元から完全に強がりでしかなかったわけだけれども。\n\n けれどもこうして悠里とセックスをしてしまった以上はもう『悠里を異性として意識していない』なんて口が裂けても言えないな、と思う。\n\n「わたしを異性として意識しまくっているのは、だれ?」\n「僕、です」\n\n「んー……♡」と口癖のように頷いて、悠里はくすっと息を吐いて笑った。\n\n どうやら勝ち誇った顔をしているらしい。まんまと僕を誘導してやった、といったところだろうか。\n\n そう言われてしまうと妙に悔しい。まるでここまでの展開がすべて悠里の手のひらの上だったかのようではないか。そう思いながら僕は悠里に切って返す。\n\n「で、でも、悠里はどうなのさ。僕の部屋で勝手にオナニーしたりしてさあ、学校の僕の机でシてるところだって見たことがあるんだぞ。悠里こそ僕のことを意識しているんじゃないのか?」\n「……わたし?」\n「そうだよ。悠里は僕のことをどう思っているのさ」\n「んー……」\n\n こっくりと悠里は頷き、それからいきなり立ち上がった。\n\n ストッと彼女の肢体を隠していたシーツが落ちて、悠里のブラウスがはだけた胸や、先ほどまでセックスをしていた秘部などが露わになる。\n\n「──ッ」と思わず息を飲んで目を背けると、彼女がクスッと笑う気配がした。\n\n そしてしゅるっ、しゅるりと衣擦れの音が聞こえてくる。横目で悠里の方を見ると彼女はちょうど前屈みになってブラジャーを着け直しているところで、それを着け終えると今度は白いショーツをするりと穿いた。\n\n そしてこちらを見て、またクスッと笑う。\n\n「……えっち、ジロジロ見すぎ」\n「み──ッ」\n「見てない……?」\n「見てた、けど……悠里が見せてたんだろ……」\n「んー……?」\n\n その間にも悠里は服を着続けて、いつものサイズ感の大きなカーディガンも羽織った。\n\n するともう完全にいつもの悠里である。といってもまだ顔も呼吸も甘くて、情事のあと特有の淫蕩な空気だけはまとっているけれども。\n\n「悠里は、僕のことをいったいどう思っているんだよ?」\n\n そう尋ねると悠里はベッドに座っているこちらにズイッと身を乗り出して、人さし指でツンとこちらの唇を突いた。クスクスと笑っている。\n\n「おしえてあげない」\n\n「──なッ」\n\n そして悠里はくるっとその場でターンをして、後ろ手を組みながら僕の部屋から出て行った。去り際にドアから顔だけを覗かせて「……またね」とだけ言い残して。\n\n 彼女が立ち去っていく際の後ろ髪がふんわりと揺れるのが残像みたいに見えた。\n\n「な、なんなんだよ、もう……」\n\n ひとり取り残された自分の部屋で、僕はベッドに仰向けに倒れてそう呟くしかないのだった。\n\n\n◇◇◇\n\n\n「あああああ、やっちゃったぁ~~~ッ」\n\n ダウナー系の美少女、日野悠里はその晩ベッドの中で悶絶していた。\n\n 思い切り大胆にした誘惑が功を奏してついに彼とセックスを達成したのだ。こちらへ一歩踏み出してきたときの彼の顔、悠里にペニスを舐められて思わず漏れてしまった彼の声、そして悠里に覆い被さって射精をした時の彼の表情といったら、もう!\n\n まだ彼の熱が胎内に残っている感じがする。あの燃えさかって滾るような熱の塊が。\n\n 実際、精液は悠里の子宮めがけてぶちまけられていて、だから入浴を済ませた今も悠里の胎内に残存していることだろう。といっても予定通りならば三日後には生理が来るだろうから妊娠する可能性は低いと言っていいレベルであるのだが。\n\n それでも下腹部をするりと撫でればそこにまだ彼が居るようで、そのことを思うたびに彼の顔がチラついて胸と下腹部がきゅーっ♡となってしまう。とくん、とくん、とくんと彼の脈拍を感じるような気さえする。\n\n いや、しかし、悠里が悶絶をしているのは彼と初めてセックスができたから『だけ』ではなかった。\n\n「ほんと、やっちゃったよ……おおぽかだよ、おおぽか」\n\n ごろん、ごろんと悠里はベッドの上で何度も寝返りを打つ。そのたびに彼女の長い髪がベッドの上で乱れるのだが、そんなことを気にしているだけの精神的な余裕が今の彼女にはなかった。\n\n 何しろ、告白できるタイミングをフイにしてしまったのだ。\n\n せっかく彼が抱いてくれた。優柔不断な彼にしては激しく抱いてくれて、悠里は何度も何度も達してしまった。\n\n 彼にイッているところを見られるのは恥ずかしくもあったが、それ以上に脳髄が蕩け落ちるほどに幸せで、繋がっている最中はもうずっとこうしていたいと思うほどだった。実際、深く達する瞬間に全身で彼の体にしがみ付いてしまったほどだ。\n\n まさか処女であるはずの自分があれほど乱れるとは思っていなかった。噂では初めてのときは痛いものだと聞いていたのに、そんなことは一片もなかったのだ。確かに破瓜の血が出ていることは後から確認したが、それだってほんの僅かな量だった。\n\n 初めてのセックスは圧倒的に『気持ちいい』『ずっとこうしていたい』という感情が強かった。\n\n そのせいだろうか。\n\n 彼がペニスを引き抜いた瞬間に途方もない恥ずかしさが襲ってきたのだ。\n\n それで思わずシーツをたぐり寄せて体を隠して『……えっち』などと口走ってしまった。本当は『すっごい気持ちよかった!』とか言いたかったところなのであるが。\n\n 元から悠里は口下手で、思ったことを口に出して言えないタイプではある。\n\n だからずっと彼のことを体を使って誘惑していたし、今回だって彼の部屋でオナニーをするという暴挙に臨んでみた。愛の告白をするよりも彼にオナニーを見せる方がマシだ、というレベルで悠里は思いを言語化するのが苦手な少女なのである。\n\n 今回もその例に漏れず、よく分からない態度を取ってしまった。\n\n 彼が『悠里のことを異性として意識している』と明言したにもかかわらず、それはほとんど愛の告白に近い態度だったにもかかわらず、悠里はその返答をはぐらかしてしまった。\n\n なにが『おしえてあげない』だ!\n\n 好きだと言えばよかったのだ。愛していると言ったって構わないくらいだったのだ。なのに悠里はその二文字、たった二文字の『すき』が言えなかった。\n\n ずっと、ずっと言いたかった二文字なのに。\n\n それを言うために、自分を追い込むために彼の前で恥ずかしいことをたくさん、それはもうたくさんしてきたというのに。\n\n「あああ、もう、どうして……どうしていっつもこうなんだろ……本当に、ばか……」\n\n ごろん、ごろん、と悠里はベッドの上で寝返りをうつ。\n\n 明日からどういう顔をして彼に会えばいいか分からない。嫌われていないだろうか。嫌な女だと思われていないだろうか。不安である。\n\n 今すぐ彼に会いたい。会いたいが、しかし、今はもう午前零時に近い。深夜だ。こんな時間から彼に会いに行ったら非常識な女だと思われるだろう。いや、今でも充分に非常識な女だと思われている可能性はあるが。\n\n「あああああ……」と悠里が頭を抱えていると、その時──ブブッとバイブレーションの音が鳴った。同時にりんっと鈴の音も。\n\n 目線を上げると枕元のスマートフォンにメッセージが届いている。緑色のランプが明滅しているのが見えた。\n\n 差出人は、彼だ。\n\n 悠里のスマホにおいて鈴の音がしたときは彼からのメッセージと決まっている。彼からの受信のみ鈴の音が鳴るようにしているのだ。\n\n 仰向けのまま慌ててスマホを手に取ろうとして、つるっとそれを滑らせて顔面を強打し、鼻を押さえながら悠里はメッセージアプリを立ち上げた。\n\n『明日も来る?』\n\n 届いた文面はシンプルだった。挨拶もなく、絵文字もスタンプも何もない。けれども悠里にとっては何より嬉しい言葉だった。\n\n『行く!』とすぐさま文字を打って、送信ボタンを押そうとして……手を止める。\n\n 文面があまりにも喜色満面であるような気がしたのだ。これではまるで悠里がずっと彼からのメッセージを待っていたかのようではないか。\n\n いや、こんな深夜にもかかわらず即、既読を付けてしまっている時点で今更ではあるのだが、しかしさすがに恥ずかしい気がした。\n\n だから悠里はスマートフォンを枕元に置き、自分の顔をひたひたと叩いた。乱れた髪を撫でつけ手櫛で漉いて、そのままふらふらと窓際まで歩いていく。\n\n 窓からは彼の部屋が見える。お隣さんだからだ。といっても間に庭があるので彼の部屋との距離は少しある。大声を出さなければ会話できない距離だ。\n\n そんな彼の部屋の照明は消えていて、しかし窓が開いているのが見えた。レースのカーテンが揺れていたのだ。\n\n そしてそこがぼんやりと光っているのが見えた。\n\n 窓辺に彼が立っていて、片手に持ったスマートフォンの画面をぼんやりと眺めているのだ。つまり悠里にメッセージを送った後、こちらの部屋を眺めていたらしい。その不安そうに眉を下げた彼の顔までもが見えるかのようだ。\n\n くす、と悠里は笑った。\n\n 心の底からホッとしたのだ。きっと彼の方もこの時間までメッセージを送るかどうか逡巡していたのだろう。そして一歩を踏み出してくれたのだ。だから少なくとも彼からは嫌われていない、そのことだけは明らかだった。\n\n だから悠里はもう一度ベッドのところまで戻ってブラシで素早く髪を梳かした。そして後ろで髪を縛って、それから寝間着の上に黄色いカーディガンを引っかける。鏡を見た。うん、大丈夫、可愛い。\n\n それから悠里はスマートフォンをまた手に取って窓辺まで歩いていった。カーテンも窓も開けて彼の部屋の方を見る。\n\n 彼と目が合った。\n\n 遠目でもそれが分かる。悠里の大好きな彼の目だ。その目を見つめたまま、悠里は送信ボタンを押した。\n\n『行く!』\n\n 結局、文章は変えなかった。なぜなら悠里はそういう気持ちだったから。\n\n その文面を見た彼が大きく頷くのが見えて、悠里は彼に手を振った。彼もまた小さく手を振ってくれる。そのまましばらく何も言わずに見つめあって、それから悠里の手のひらの中で鈴の音が鳴った。\n\n『そろそろ寝るか』\n『うん』\n『また明日』\n『また明日』\n\n 文面は、やはりシンプルだった。けれども悠里は嬉しくて仕方がなかった。\n\n だからお互いに示し合わせたかのように窓を閉めて、悠里は自分のベッドに潜り込み、スマートフォンを抱きしめたまま、眠った。\n\n 明日こそは彼に告白をしよう──そう思いながら。"}

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