Krixter/Repo / n0008jp /14.json
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{"novel_id": "n0008jp", "chapter": 14, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0008jp/14/", "title": "14.幼馴染が風呂を借りようとしてくる件", "content": "「あのさ悠里、パンツ見えてるんだけど……」\n\n 僕たちが初めてセックスをした日の翌日も、僕はいつものように悠里にそう指摘をした。\n\n「んー……?」\n\n 放課後で、僕の部屋だった。\n\n そのとき悠里はラグの上にゆるりと体育座りをしていて、いつものように漫画本を読んでいた。もう何度読み返したか分からない少年漫画だ。\n\n 悠里は家に寄らずに学校帰りにそのまま直接うちへ来たらしい。まだ彼女は制服姿のままだった。だから彼女は制服の丈の短いプリーツスカートを着用していて、その格好で体育座りをするものだから下着が見えてしまっていたのだ。\n\n 黄色。\n\n 彼女のショーツは、ひまわりの花みたいな黄色だった。実際にフロント部分には花柄の刺繍がしてあるのがチラリと見えている。セクシーというよりはキュート寄りの下着だ。それが彼女の秘部にぴったりと密着するようにしてそこを守っていて、けれどもその淫蕩さが確実に僕の目を惹いていた。\n\n 悠里が身じろぎをするたびに布地がかすかに食い込むので、その奥にあるであろう割れ目の気配が感じられた。\n\n そこに昨日の僕は自分のモノを挿入して──ようするにセックスをした。\n\n セックス自体は比較的うまくいった方だと思っている。すくなくとも悠里は苦痛を訴えたりはしなかったし、ふたりで気持ちよくなることもできた気がしている。避妊をし逃したのは気にかかるけれど、悠里いわく『明後日には生理が来る。安全日』とのことだったので、まあ大丈夫なのだろう。とはいえ、もちろん、何かあったら責任を取る所存ではある。\n\n そこまではいい。それよりも、気にかかっているのは悠里の態度だ。\n\n セックスをした後で悠里に『僕に好意があるのか』と尋ねたところ『おしえてあげない』との回答だった。そして今もってその回答は得られていない。\n\n 今日はいつものように悠里と学校に行って、授業を受けて、普通に帰ってきた。会話は多くもなく少なくもなく、いつも通りといった感じ。顔を合わせた瞬間は一瞬だけギクシャクしたのだけれど、それだってすぐに元通りになった。\n\n そしていつものように悠里は僕の部屋にやってきて、くつろいでいる。\n\n これでは本当にいつも通りである。セックスをしようがしようまいが何も変わらない、ということなのだろうか。いや、あんなことがあっても悠里が僕の部屋に来てくれているというのは嬉しいが、ショーツが見えれば悶々としてしまうのだが、しかし僕たちの関係性が進展していない気がするのだ。\n\n これはよくない、と思う。\n\n このタイミングで僕たちの関係を進めなければ、たぶん僕たちは恋人同士にはなれない。\n\n「あ」と思わず口に出した。\n\n そうか、僕は悠里と恋仲になりたいのか、と今更ながらに気が付いたからだ。悠里のことが好きだから僕は今以上の関係を望んでいたらしいのだ。そのことに僕はちっとも気付いてなかった。ただ『好き』なだけで、それ以降のことは何も考えていなかったのだ。\n\n もしも恋仲になりたいなら、ちゃんと告白しなければならないな、と思う。それはなかなか難しいけれど。\n\n けれど、このまま二人の関係性を進めずに維持しようとすると、果てはよくてセックスフレンドがせいぜいで、そのままつかず離れずに年を重ねていく未来が見えてしまっている。\n\n いや、それにもじきに終わりが来るだろうか。悠里が僕の部屋に入り浸るのもきっと学生時代限定の何かだ。社会に出たら、今みたいに生活のタイミングが合うとは思えない。すると彼女が僕の部屋に来てくれるのも今だけのモラトリアムというやつで、だとするならば……。\n\n「んー……」\n\n と、そこまで僕が考えた時にいきなり悠里が伸びをして、立ち上がった。\n\n 見ると彼女は尻をぱたぱたとはたきながらスカートのプリーツを直していて、やや気怠そうにこちらを眺めていた。\n\n その目からは感情は読めない。彼女は何を考えているのだろう。\n\n「悠里……? どうかした?」\n「……えっち。わたしのパンツ、見すぎ」\n「は!?」\n\n 悠里の唐突なセリフに目を剥いていると、彼女は立ったまま自分のスカートの裾を指で摘まんでめくり上げた。\n\n「──ッ」と思わず息を飲んだ。\n\n 彼女がスカートをたくし上げたためにショーツがまるごと露わになったのだ。\n\n それはやはり黄色いショーツだった。股上は浅く、布面積は比較的小さい。彼女の骨盤の出っ張りから下くらいしか覆われていない。\n\n だから彼女のヘソだけでなく下腹部やそけい部などは生の肌が見えてしまっている。そして肌に貼り付くようなフィット感のショーツだから、恥骨の分だけ盛り上がった彼女の恥丘の膨らみまでもが隠されることなく視認できた。\n\n どうしても昨日の悠里──セックスをしているときの悠里を連想する。彼女の体の熱や肌の滑らかさ、秘部に包まれたときの締め付けなどを思い出さずにはいられない。\n\n「えっち。視線の熱で穴が開いてしまいそう。そんなに見たいんだ?」\n「う……だ、だってしょうがないだろ」\n「なにが?」\n\n「だって僕は悠里のことが好──」と言いかけて、止める。\n\n このタイミングで流されて告白をするのは絶対に違うと思ったからだ。悠里にちゃんと告白をするのは、絶対に今ではない。このタイミングでそれを言うと僕は肉欲に流された人になってしまう。\n\n いや、もしかすると悠里はそれを狙っているのだろうか。\n\n だからいきなりスカートをたくし上げてこちらにショーツを見せて誘ってきているのだろうか。おおいにあり得ると思う。悠里はそういうことをするタイプだ。\n\n「んー……?」と悠里は首を傾げた。\n「べ、べつに……」と僕は右下に視線を逸らす。\n\n 目を逸らすのだけれど、悠里は僕の視線の先に顔を差し込んできて「……?」とこちらを見つめてくる。大きな瞳だ。いつもは眠たげな彼女の双眸がこちらを捉えて放さない。\n\n「なんでもないってば」\n「ほんと……?」\n「本当だよ、本当になにもない」\n「ふぅん?」\n\n じぃー……っとこちらを見つめていた悠里は、こちらが頑としているのを察したのか、スッと身を引いて小さくため息を吐いた。やれやれ、といった表情である。\n\n そして彼女は自分の額を手のひらで拭って、それから後ろ髪をバサッとかき上げた。\n\n「汗、かいた……シャワー浴びたい。お風呂場貸して」\n「は……? シャワー? いや悠里の家、隣じゃないか。家で浴びろよ」\n「うちのお風呂壊れてる」\n「それはさすがに嘘だろ……」\n「んー……」\n\n『うん』とも『ううん』ともつかない声で悠里は返事をして、それから彼女は僕の部屋を出ていった。階段を降って、浴室の方へ向かっている気配がする。\n\n どうやらうちでシャワーを浴びるらしい。\n\n え、マジか、と思う。だってこの家の中には僕と悠里のふたりしかいない。そんな家でシャワーを浴びたら、もうその後で行われる行為はおおよそひとつだ。\n\n 僕がはっきりしない態度を取り続けているのに業を煮やして悠里はより過激な方面に移行しようとしているらしい。\n\n「それは、さすがにマズいだろ……」\n\n 半ば唖然としたまま、僕は悠里の出て行ったドアに向かって呟いた。\n\n\n◇◇◇\n\n\n「ま、また失敗した……!」\n\n その頃、日野悠里は彼の家の脱衣所で服を脱ぎながら悶絶していた。\n\n 今日こそ彼に告白をしようと勝負下着まで穿いてきたのに、また告白するタイミングを逃したのだ。それどころか自分の下着に意識が向きすぎてスカートをたくし上げて彼に見せつけてきてしまった。\n\n 彼は明らかに困惑していた。テンパった悠里が謎の挙動を繰り返したからだ。\n\n「うぅぅ……」と悠里は唸りながらスカートを脱ぎ落とし、ブラウスも脱ぎ捨て、それから上下揃いのブラジャーとショーツも取り去って裸になる。\n\n 脱衣所の鏡には全裸の悠里が映っていて、彼女はスン……とした表情をしているのが見て取れた。本心では大混乱をしているのだが、顔に出ないタイプなのだ。\n\n どうして自分はこんなところで裸になっているのだろう、と思う。\n\n いや、理由は分かっている。パンチラ程度では彼を誘惑しきれないと悟って、こうなったら裸で誘惑しなければならないと覚悟を決めたのだ。また彼とセックスをして、その勢いで告白をしようと。\n\n けれどもセックスの前にシャワーを浴びたい女心が生じて、それで『シャワーを浴びたい』などと口走ってしまった。実家の風呂が壊れたと嘘まで吐いて。アホである。明らかに見え見えの嘘だった。\n\n「なにやってんだろ、わたし……」\n\n 彼の家の風呂に入るのなんて、もう十年ぶりくらいだ。本当に小さな子供だった頃に泊まりに来て、その時に彼と一緒に入って以来。その頃と脱衣所のレイアウトは変わらないけれど、自分も彼もあの頃とはずいぶん変わった。だって、もう大人だ。\n\n 脱衣所の鏡に映った自分の肢体を見る。\n\n まず目に入るのは丸い胸だ。これはクラスの中でもなかなか大きい方で、手のひらで持ち上げればたぷんっ♡と擬音が聞こえるようなサイズ感だ。柔らかくて、鷲づかみにすると指のすき間から肉が溢れてくる。\n\n 正直なところ巨乳はコンプレックスである。他人からの視線を集めるところが好きになれない。だからいつも大きめのカーディガンでシルエットを隠している。\n\n 彼に見られるのは、まあ、構わない。興奮してくれるならもっと良いと思うけれども、彼の趣味は分からない。\n\n お風呂上がりにバスタオル一枚を巻いた状態で出て行ってみようかな。胸の谷間を見せつけてみたりなんかして。\n\n そういえばバスタオルはどこにあるのだろう……。\n\n 悠里がそう思った瞬間に、脱衣所のドアがガラリと開いた。\n\n「……あ」\n「……あ」\n\n 彼だった。\n\n そこに立っていたのはバスタオルを抱えた彼で、その目が大きく見開かれていくのがスローモーションのように見えた。\n\n どうして彼がこんなところにいるの、と閃光のように一瞬で考え、ここは彼の家だったと思い出し、それから自分がシャワーを浴びる直前だったということを思い出す。自分の体を見下ろす。裸だ。胸も、股間も丸出し。\n\n「~~~~~~ッッ」\n\n と悠里は声にならない悲鳴を上げ、慌てて自分の両胸を抱きしめるように腕で隠しながらしゃがみ込んだ。\n\n 裸を見られた、という羞恥心が遅れて襲いかかってくる。\n\n「ご、ごめん、バスタオルを届けようと思って……!」\n\n そう言いながら彼が脱衣所のドアを慌てて閉めるのが遠くに聞こえた。\n\n\n◇◇◇\n\n\n やってしまった……と僕は思った。\n\n 悠里がいきなり『シャワーを浴びたい』とか言い出して浴室へ行ってしまったので、彼女にバスタオルを届けるために脱衣所へ行った。すると脱衣所にはまだ悠里がいて、全裸の彼女を目撃してしまった。\n\n ノックをするべきだったのに、ここが自分の家であるせいでうっかりしていた。\n\n『~~~~~~ッッ』と声にならない悲鳴をあげる悠里のしなやかな肢体が今も目に焼き付いている。\n\n 服を着ていなかった。胸が大きかった。お腹は平らで、秘部には当たり前だけれどペニスが生えていなかった。つまり女性の裸だった。それも、とても魅力的な。\n\n「ご、ごめん、バスタオルを届けようと思って……!」\n\n そう言い訳をしながら脱衣所のドアを閉めるのと、彼女が裸を隠すようにしゃがみ込むのがほとんど同時だった。閉まっていくドアのすき間から真っ赤になっている彼女の顔がはっきりと見えた。\n\n それで今、閉まった脱衣所のドアの前で僕は呆然と立ち尽くしていた。\n\n うっかり悠里の裸を見てしまった罪悪感からだ。なんてことをしてしまったのだろう。\n\n 悠里はかなりの恥ずかしがり屋で、自分の肌を見せるのに抵抗があるタイプの女子で──\n\n「──いや? おかしいな……?」\n\n そうだっただろうか。\n\n 悠里はどちらかというと見せたがりというか、僕の前でスカートをたくし上げてショーツを見せたり、オナニーをしているところを目撃させたり、そういうことをするタイプの子ではなかったか。\n\n そうして彼女が見せてくる肢体にここのところ僕は翻弄されていたのではなかったか。彼女が『シャワーを浴びたい』とか言い出したのもその一環だったはずではなかったか。\n\n いや、それにしては、先ほどの悠里はあまりにも恥ずかしそうだったけれど……。\n\n「悠里、ごめん、大丈夫?」とドア越しに、僕は彼女に尋ねてみた。\n\n「……うん」\n\n 数秒の間ののちに聞こえた返事はとても小さかった。まだうずくまっている位置からの声のように感じた。\n\n やはり悠里は恥ずかしがっているらしい。\n\n そのことになんだか疑問を覚えて僕は必死に考えを巡らす。今この場で何かの結論を出さなければ悠里が二度と手の届かない遠いところに行ってしまうような気がしたのだ。だからドアの前に陣取ったまま考える。\n\n 思えば悠里が今みたいに恥ずかしがっているタイミングはこれまでに何度かあった。\n\n 一度目は屋上で悠里と会話をしていて風で彼女のスカートがめくれたとき。あのときのショーツはピンクで、悠里は『えっちバカ見るなアホっ』とか口走っていた。\n\n 二度目は悠里にフェラチオをされた直後。『悠里が僕のモノでオナニーをしていたときに僕が目を覚ましていた』ことをうっかりバラしてしまったときに彼女は悶絶していた。\n\n 三度目はセックスをしているときに寝バックの状態の彼女の体を僕がやや強引に正常位の姿勢に裏返したときで、四度目は今さっき脱衣所で僕が覗いたとき、だ。\n\n 悠里が恥ずかしがるタイミングの共通点はなんだろう……と考えて、ハッとした。\n\n それらは、悠里の意思とは無関係に僕が覗いたとき、だ。悠里が『僕に見られる』と意識していないタイミングで僕が彼女の恥ずかしいところを覗いたときに、悠里は恥ずかしがってしまうらしい。\n\n 恥ずかしくて、それで思わず素で反応してしまうのだろう。\n\n でも、だとすると。\n\n その恥ずかしがってしまうのが悠里の『素』だとするのならば、彼女が普段から僕の部屋でくつろいでパンチラが見えたり、あるいは僕にオナニーを目撃させたりするのはすべて彼女が意識してそうしていた、ということになってしまうのだけれど。\n\n いや、実際に、そうなのかもしれない。\n\n 悠里はずっと僕にアピールをしていて、僕に悠里のことを異性として意識させようとし続けていたのかもしれない。僕が何度も『悠里のことは異性として意識していない』と豪語し続けていたから。\n\n それで彼女は躍起になって、ずっと不器用なアピールを繰り返してきたのではないか。口下手な彼女のことだから、口で言うことができずに、ずっと態度でしか表現できていなかったのではないか。ずっと、ずっと、ずっとそうやっていつ届くともわからないアピールをし続けていたのではないか。\n\n だとしたら、僕たちは両思いではないか。\n\n すれ違い続けていただけで、すれ違いの果てにセックスまでしてしまったけれど、僕たちは両思いではないか。\n\n「あはは……」と思わず乾いた笑いが出た。自分の鈍感野郎加減に呆れてしまったのだ。\n\n そして、告白するなら今だ、と思った。\n\n というか今を逃してしまったらもう二度とタイミングが掴めない気がする。だから今、ここで、悠里に告白しなければならない。\n\n「悠里、話があるんだけど……」\n\n 脱衣所のドアをノックして、僕はそう言った。\n\n するとドアの向こう側で身じろぎをする気配がした。返事はない。けれども辛抱強くそのまま待つ。\n\n たっぷり三十秒待って、それから悠里が「……ん」と小さく返事をするのが聞こえた。\n\n そして脱衣所のドアが内側からゆっくりと開いた。\n\n そこには裸のままの悠里が、こちらをまっすぐ見て立っていた。"}

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