| {"novel_id": "n0009cd", "chapter": 5, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0009cd/5/", "title": "第五話 手術室にて──手術開始前", "content": "「私たちは、婦人科患者の多くが外科手術に対して不安になるだろうことを知っています。しかし、私たちは患者のために彼女たちを指導し、治療としての外科手術を行わなければならないという事実は変わりません」\n 同期生たちは、サンダーソン先生の講義に頷いていた。私も湧き上がる不安を押し殺して、一言も聞き漏らすまいと先生の講義に耳を傾けていた。\n「ジョージー、あなたが治療のために受ける外科手術は、事前に話し合ったとおり、短時間で終わる単純なものです。麻酔も局部麻酔ですから、あなたも他の研修医たちと同じように外科手術の一部始終を十分に観察することができます。私は、そのための準備もしておきましたから何も心配する必要はありません」\n 私は黙ったまま、その説明を聞いていた。もちろん、事前の話し合いなどは一切なかった。気がついたときには、このベッドごと手術室に運ばれていたのだから……。ただ、今のサンダーソン先生の説明から外科手術といっても、それほど大げさなものではないらしいということが理解できたので、少し気分が落ちついてきた。\n「まず手術を始める前に、アルギン酸塩を使って、この患者の外性器の型取り作業を行います。この患者の外性器は、その形状がとてもはっきりしています。とくに陰核がどれほど大きいか、よく観察してみるといいでしょう。これには多少なりとも遺伝的なものがあるかもしれませんが、これだけの大きさになるには、間違いなく低年齢から行われていた常習的な刺激に起因しています。勃起性組織を繰り返し大きく伸張させれば、それはしだいに増大します。ジェリー、アルギン酸塩を用意しなさい。その大きな調合カップを使って──それと、冷たい水を──準備には時間がかかります」\n サンダーソン先生は、みなに指示を出しながら私の陰核を指で擦り始めた。このとき、私は初めて自分の外性器が剃毛を施されていることに気づいた。\n「陰核が充血していく過程をよく観察しなさい──このように少しずつ充血していきます……。見なさい、非常に大きく勃起しました。この陰核亀頭は、直径で十ミリよりもだいぶ大きく、また、少なく見ても十五ミリ以上の長さがあります。ほとんどの女性は、このサイズの半分もあれば、極めて幸運です。陰核亀頭は陰部神経終末が密集しており、極めて神経が敏感な性感帯です。そして、性感を刺激されることにより血液の供給が増大し、このように膨張します。今、私たちが観察したように、こうした器官の膨張によってもたらされる刺激の高まりは、患者の集中力を本当に散漫にします。──ジェリー、アルギン酸塩は、どんな具合ですか?」\n 私の陰核は、これまでになかったほど大きく膨らんだ。作業が進められている間、快楽のない刺激によって充血させられ、さらに大きくなることを熱望している私の器官は、そのまま放置された。\n「準備できています、先生」\n「ありがとう……。デイビッド、アルギン酸塩を保持するために、この楔型のボードを患者の太股に押し付けなさい。それで、ここに、私がアルギン酸塩を注ぎます」\n アルギン酸塩の冷たい感触は、若干あった心地よい感覚のすべてを瞬く間に葬りさった。私の外陰部に付着したアルギン酸塩には性的に感じるものは何もなかった。そして、それは徐々に痛み始めた。私で進行しつつある事態はとても辛いものだった。\n「さあ、ジェリー、石膏を混ぜ始めなさい。アルギン酸塩鋳型は驚くほど細部まで写し取ることができます──もっとよく混ぜ合わせて。普通なら陰毛ごと写し取ることになりますが、患者自身による細心の剃毛作業のおかげで、私たちは無毛の標本を手に入れることができます。さらに付け加えるならば、アルギン酸塩は、それがセットされた後、急激に硬化し始めます──ほら、もう堅くなっています。これから鋳型を剥がすので、よく観察しなさい──患者の外性器の細部をすべて写し取っているはずです。エリザベス、麻酔薬を注射する準備をしなさい。これから患者の外性器に局所麻酔をかけます。あなたは注射を終えたらならば、患者にカテーテルを挿入することができます。患者がカテーテル挿入で苦痛を感じないよう、挿入前に麻酔薬が効いているかどうか、しっかり確認しなさい。ゴードン、ヨウ素消毒液を準備しなさい。手術をする前に患者の外性器を殺菌しなければなりません。シンディー、あなたがやりなさい。そして、殺菌が終わったら、大陰唇を圧搾鉗子で挟んで陰門を広げなさい。──では、準備を始めなさい」\n サンダーソン先生が鋳型に石膏を注いでいる間、指示を受けた研修医たちは入り替わり立ち替わり、私の股間でそれぞれの仕事を進めた。彼らは、ピットに入ったレーシングカーに取り付いているメカニックチームのようだった。\n やがて、私の手術準備は完全に終えられた。\n「私たちは、今、外科手術を行う前に患者の外性器から鋳型を取りました。これにより、後世の研修医たちのために、この外性器の完全な石膏標本を完成させることができます。私は、本日行う性欲異常亢進症の根本的な治療──陰核切除術の性質から、それを施術する前に、このような特別な作業を行いました」\n ──陰核切除術!?\n サンダーソン先生が口にした術式名を聞いた瞬間、私は全身から血の気が引く思いがした。実際、顔色も変わっていたかもしれない。今にも震えだしそうな体を必死になって抑えこむ。\n これから行われる臨床実習で、私が受けることになる外科手術が陰核切除術であるなどとは、にわかに信じられなかった──いや、絶対に信じたくはなかった。しかし、それはまぎれもなく現実だった。今、自分が辺り構わずに泣き叫びださないのが不思議なくらいだった。\n もちろん、罰として臨床実習の被験者を務めるわけだから、私に施される処置が相当厳しいものだろうと自分なりに予想はしていた──が、まさかこれほど苛酷で容赦ないものになるとは夢にも思っていなかったのだ。いきなり陰核切除術を行うだなんて、余りと言えばあんまりな仕打ちだった。\n 陰核は女性の快楽神経の中枢であり、それへの刺激なくして満足な性感を得ることはできない。オルガズムに達するためになくてはならない存在だ。それを切除されるということは、日常的なセックスライフを失うに等しい──まだ年若い私にとっては、これはとてつもなく残酷な処罰だ。\n さらに臨床実習で陰核切除術を受けるということは、研修医たちの手によって陰核を摘出されることを意味する。それは同期生たちに私の外性器の形状を余すことなく晒すだけではなく、女性にとって最も重要な性感器官を実質的に生体解剖されるということと同義だった──よく見知っている者たちの手で外性器を切り開かれて陰核を体外に引き出され、その解剖学的構造を隅から隅まで観察されるのだ。\n そんなふうに自分の外性器を手術される情景をリアルに思い浮かべてしまった私は、突然、言い知れぬ恐怖感と心の底から湧き上がってくる絶望感、そして、筆舌に尽くしがたい屈辱感に襲われ、心が押し潰されそうになった。私は、この悪夢のような状況から何としても抜け出さなければと固く決意した。\n このあまりにも残酷な仕打ちを決定したサンダーソン先生に対して、私が抗議の声をあげようとして見上げた先には、有無をも言わせない圧倒的な威圧感を持って私の方を見返す婦人科部長の冷徹な視線があった。それを目にした途端、たちまち私の決意は砕け散った──彼女の私に対する怒りは、私が抗うことができないほど深いものだったのだ……。\n 私はサンダーソン先生の気性を見くびっていたのだ。なぜ、あの時の怒りに満ちた氷のような眼差しを忘れてしまったのだろう。あれを覚えてさえいれば、昔気質の老婦人がこのような厳しい処罰を下すであろうことは十分に予想できたはずだ。それなのに、どんな処罰でも受け入れるなどと安易に答えてしまった──完全に自業自得だった。\n そんなことをいろいろと思い悩んでいる私をよそに、サンダーソン先生は何事もないように淡々と講義を続けていく。\n「私たちは患者の性感を刺激する組織のすべてを摘出して、陰核全体を切除します。陰核海綿体を摘出した後、出血することがないよう、私たちは左右に二本ずつある動脈を静脈に繋ぎます。もちろん、幻の苦痛を最小限にするために、切り離した神経を適切に処置することも重要です。ただし、このように神経が豊富な部位では大変むずかしいことです……」\n それにしても、私は同期生たちによって陰核を切除される手術を本当にされなければならないのだろうか? それが私の婦人科医学研修の最終課程だというのだろうか? 私が婦人科医学研修課程を修了するために、それほどまで大きな犠牲を払わなければならないものなのだろうか!?\n 陰核切除術は、サンダーソン先生が言うように性欲異常亢進症の根本的な治療としては最も確実な手法だろう。患者が外性器の快楽中枢である陰核を奪われれば、どんなに性欲を感じていたとしてもオルガズムを得ることは著しく困難となるからだ。しかも、それは不可逆的な手法であり、一度、陰核を切除してしまえば、二度と元には戻せない──美容整形で見た目を取り戻せたとしても、それ本来の機能まで回復させることは、どのような名医をもってしても不可能なことなのだ。\n そして、このような根治的な手術、本来ならば、私が受けるようなものではなかった──私は、根本的な治療を必要とするような性欲異常亢進症など患ってはいないのだから。それにもかかわらず、この手術が施されるということは、処罰としての意味合いだけではなく、私が女性と性的関係を結ぶことを戒めるという目的もあるのだろう。\n 陰核を失うようなことになれば、私は女性との性交渉でオルガズムを得ることを諦めなければならないだろう。少なくとも、これまでのように数多くの女性たちと享楽的なセックスライフをすごすことは不可能となる。それはすなわち、私の奔放な女性遍歴にも終止符が打たれることを意味する──サンダーソン先生の意図もそのあたりにあるのだろう。\n「──OK。カテーテルは正しく挿入されています。また、局所麻酔薬は効果を現わしているようです。患者は、これから行われるすべてを見て、感じることになりますが、苦痛は最小限であるべきです。ただし、私たちが患者の陰核神経を切り離す際には激しい苦痛を感じるかもしれません」\n 今や、手術用マスクは、私の顔の強張りや虚ろな目の動きを隠すことはできなかった。\n「ジョージー、恐れを感じることに何ら問題はありません。このような手術を受ける決心をすることと実際にそれを受けることとは異なります。多少の恐怖や不安を持つのは当然のことです。ですが、あなたが、どうして、このような決心をしたかをよく思い出しなさい。そして、あなたの筋肉を緊張させないようにしなさい──それはひとえに手術をより困難にします」\n 私を取り囲む同期生たちの表情は困惑から驚愕へと変わった。彼ら全員は、これを私が準備したこと──これは私が望んでするものであると信じたようだ。\n ──違う!!\n 私は絶叫して訴えようとした。\n しかし、サンダーソン先生の険しい表情が私を押し止めた──これは私の処罰だった。私は彼女が決定したことをすべて受け入れることに同意した──そう、私は前日にそう誓っていた。私は、これを自分で選択をしたのだ──このようなことは決して受け入れることができないと考えたとしても、最終的には、この選択を選ばざるを得なかっただろう。\n「ジョージー、あなたも婦人科医学研修の最終課程として、これから行われる臨床実習──外科手術をよく観察しなければなりません」\n サンダーソン先生は、私が自分の気持ちに折り合いをつけようと葛藤しているのを知ってか知らずか、そんなことを言いながら、私の頭の横に小型のテレビモニターを置いた。そして、少し離れた所で何か操作する。\n すると、ブーンという電源が入る音ともにモニターの画面が明るくなる。最初のうちは、ぐるぐると画像が目まぐるしく入れ替わっていたが、病院用ベッドの上に小さな三脚が据えられてカメラが固定されると、それから徐々にピントが合わさり、その画面の中には無毛の滑らかな白い丘と艶やかなピンクに彩られた谷間がくっきりと映しだされた。\n じつは後で知ったことだが、術野を確保できない研修医たちのためにもう一回り大きなモニターが、たった今、サンダーソン先生がいた辺りに置かれていたらしい。先生はその画面を見ながらカメラの焦点を合わせていたのだ。\n すなわち、婦人科医学研修の指導医として、サンダーソン先生が私のために事前にわざわざ準備してくれていたというのが、このビデオモニターと超小型のビデオカメラのセットだったのだ。確かにこれなら寝ながらにして、自分に行われる外科手術の模様を観察することができる。\n 不特定多数を相手に不純な交遊を何度となく繰り返してきた私だったが、意外にも自分自身で己の『もの』をこれほど間近で見たことはなかった──たとえ鏡を使ったとしてもこのようにはっきりと見ることはできないだろう。\n 高解像度の画面いっぱいにクローズアップされた私の外性器は、左右の肉厚の大陰唇を圧搾鉗子で挟まれて大きく広げられていた。上方の大きめの陰核包皮からその下のやや開き気味の小陰唇まで完全に晒けだされていて、今や、いつでも手術を受けられる状態だった──まさに俎板の鯉だった。"} |
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