| {"novel_id": "n0009cd", "chapter": 6, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0009cd/6/", "title": "第六話 手術室にて──手術開始", "content": "「それでは、これより臨床実習の外科手術を開始します」\n そう宣言すると、サンダーソン先生は、右手で外科用鋏を取り上げた。左手には長い外科用鉗子が握られている。\n「私は、まず陰核の周囲に切り込みを作ることから始めます──カテーテルがどれほど重要かを確認しなさい。手術部位は尿道に近いです。──私は陰核に接する小陰唇の一部も切除する予定です。陰核亀頭が独立していたとしても、神経は陰核に接する小陰唇の一番上にも広がっています。ただし、私は患者の小陰唇を適切に保つため、少し時代遅れの風変わりな接着剤を使う予定です。ゴードン、用意しなさい──そこにあります……。また、この患者で、私は陰核包皮をすべて取り去る予定です──この大きな陰核で陰核体や陰核脚を摘出するためには、とても大きい切開部を必要とします」\n 小型モニターに映しだされたサンダーソン先生の指先は、とても器用に働いて巧みな鋏使いを披露する──外科用鋏と外科用鉗子を使って陰核周辺部を素早く切り進んでいく。あっという間に陰核包皮が切り取られ、血まみれになった亀頭部が完全に露呈した。\n 血の筋が会陰を下って流れ始めたとき、剥きだしにされた陰核が急激に充血し始める。なんと、私は感じていた──モニターの中の陰核は、自分のものではないようにまったく無感覚だった。しかし、それにもかかわらず、とても大きく勃起しつつある。私は、その映像を信じることができなかった。\n サンダーソン先生は右手に握る鋏を外科用メスに持ち替えると、左手の親指と人差し指で陰核亀頭を直に摘んで引っぱり上げた。それから、長く引き伸ばされた薄桃色の肉柱の根本に鋭利なメスの切っ先をあてがうと、熟練したメス捌きでグルリと環状に切り進んだ。たちまち陰核亀頭が体表から切り離される。\n「現状は手術を行うにあたって、少々、むずかしい状況です。患者は性的に非常に興奮した状態にあります。そのため、陰核海綿体が充血し、陰核全体が大きく膨らんだ状態にあります。陰核亀頭が勃起している状態をよく観察しなさい──内部の陰核体や陰核脚は、さらに膨らんでいるはずです。陰核亀頭は体表からは切り離されましたが、陰核体は内部ではまだ繋がっています。どのような状態で繋がっているか確認してみます。ジェフリー、あなたは好奇心が強そうです。ここに来て、それに触れてみなさい」\n サンダーソン先生の細長い指先に代わって、太くてゴツゴツした指が私の陰核を摘んだ。真っ赤に膨らんでいる亀頭部は、ジェフリーの親指の先端よりも大きくなっていて、彼は、それをこわごわと、しかし、無遠慮にグルグルと動かした。\n「開創器を使って切開部を広げます──シンディー、あなたが広げなさい」\n 開創器を取り上げたシンディーは、まさに必要最小限だけ切開部を広げた──私たちは、二人とも切開部を可能な限り広げない方が手術後の治癒が、より良好だということを理解していた。\n「さあ、ジェフリー、それを外へ引っぱりなさい」\n ジェフリーは、私の陰核を上方に向かって、おそるおそる引っぱり始めた。同時に、サンダーソン先生は外科用メスを切開部へ差し込むと、白膜に包まれた陰核体を周囲の組織から慎重に剥離していく。\n「ジェフリー、もっと強く引っぱって──そう。そんな感じです」\n 私は、神経が麻痺しているはずの下腹部の体内で、何かが引っ張られるような、あるいは引き攣るような何とも形容しがたい奇妙な感覚に襲われる。そして、モニター画面に映っているサンダーソン先生のメスが器官の周囲を切り進むにしたがって、陰核体はその自由度を増し、体内に埋まっていた部分が開創器で広げられた切開部より少しずつ、その姿を現してくる。\n「指を放しなさい、ジェフリー。私が、今、それを保持しています」\n サンダーソン先生が、ジェフリーによって外に引っぱり出された陰核体をステンレス製の鉗子で確保しながら告げると、彼は名残惜しそうにそれを手放した。それに気づいた先生が苦笑いを浮かべながら尋ねた。\n「ジェフリー、それを引っぱってみて、どのように感じましたか?」\n「一見、簡単に取れそうでしたが、実際にはとてもしっかりと根が張っているようでした」\n 実際のジェフリーの感想が、どのようなものだったか計り知ることはできないが、彼は至極真っ当な模範解答で返した。\n「ジェフリー、あなたの言うとおりです。陰核は陰核脚だけでなく、陰核提靱帯によっても恥骨と繋がっています。それらを確実に切らなければ、陰核のすべてを摘出することはできません」\n サンダーソン先生は、そんなうふうに解説すると、鉗子でがっちりと挟み込んだ陰核体を上方に向かって思いっきり引っぱり上げた。すると、それはズルッという感じで外に引きずり出され、恥骨に繋がる陰核堤靱帯を露わにした。さらに切開部の血溜まりの中に、二又に分かれた陰核脚もほんの僅かだが露出した。\n「さて、これが陰核体です。そして、そこから正中線へ伸びているこれが陰核提靱帯です。どのように繋がっているかをよく見てみなさい」\n そのあからさまにされた陰核体を研修医たちに観察させながら、サンダーソン先生は説明を続ける。\n「──この陰核堤靱帯には、陰核神経は通っていないので、陰核と接する部分で単純に切断しても、なんら問題はありません」\n 私もモニターに映しだされたそれを観察する。\n 局部麻酔が効いた以降、私はその部分で何も感じることができなかったので、実際に自分の外性器を手術されているという気がしなかったし、モニター内のそれが自分の『もの』であるという実感もまた持てないでいた。\n「デイビッド、あなたに最初の術者としての栄誉を与えましょう。陰核提靱帯を切り離してみなさい」\n 一通りの説明を終えたサンダーソン先生は、デイビッドに対して、実際に手術を行うよう命じた。やや神経質気味でプラモデル作りが趣味の彼は、指先が異様に器用だった──手術手技は同期生たちの中では、おそらく私と並ぶほどの技量を持っているはずだ。手術実習の一番手には、もってこいの人選と言えた。\n「はい、先生」\n デイビッドはそう答えて、外科用鋏と鉗子を取り上げた。それから、鉗子で陰核と恥骨を繋いでいる細い繊維組織を少しだけ引っぱり上げて、鋏の刃先をより陰核体に近いところにあてがった。\n「──そう。そこです、デイビッド」\n サンダーソン先生の指示に従ってデイビッドが鋏を閉じ合わせると、鋭い刃先に挟まれた陰核提靱帯は鈍い音を立てて、あっけなく切断されてしまう。すかさず、先生は右手に持つ外科用メスを切開部へ差し込み、左手の鉗子に引き上げながら、左右の陰核脚の付け根へと刃先を沈めていく。\n「陰核脚は筋組織である坐骨海綿体筋によって被われています。したがって、陰核脚を摘出するためには、このように深い部分まで切り進む必要があります」\n 恥骨上部へと繋がる靭帯を切り離され、さらに恥骨弓に伸びていた陰核脚をも完全に剥出され、その自由度を大幅に増した陰核体は、先生の持つ鉗子に引かれて、ついにその全貌を研修医たち全員の前に晒けだすこととなった。\n「これら陰核体と陰核脚のすべてが陰核海綿体からなる勃起性組織です。性的に興奮状態になると、著しく充血し、このように大きく膨らみます。したがって、動脈と静脈、そして、陰核神経束を内包する陰核体の摘出には細心の注意が必要とされます」\n 私の性的な中枢器官のすべて──本来ならば体内の深い部分で恥骨に繋がっているはずの二本の陰核脚をも含め、そのほとんどを体外へと抜き出したサンダーソン先生は、研修医たちに向かって座学授業の時と同じ口調で淡々と説明し続ける。\n「陰核海綿体に繋がる陰核背動脈と陰核深動脈がそれぞれ左右に確認できます──ここです。陰核脚が分岐しているところの下です。そして、同じく陰核背神経も、そこに繋がっています」\n 要するに、今、この瞬間、私の陰核を体に繋ぎ止めているのは、その血管と陰核神経だけということだった。そして、私の解剖された外性器から視線を離すと、サンダーソン先生は研修医たちに向き直った。\n「この患者の陰核は、亀頭部から陰核脚末端部までが百五十ミリ近くあります。通常、どんなに大きな陰核でも百二十ミリくらいまでです。これは、私が今までに見た中で最も大きい陰核です。あなた方は、この患者の陰核によって、陰茎と陰核が解剖学的に、本当にどのくらい近しい関係にあるかを確認することができます。正直なところ、婦人科医でさえ、注意深く観察しなかったなら、これを陰茎切除術の標本と混同するかもしれません。──全員、よく観察してみなさい」\n その言葉に従って、同期生たちが入れ替り立ち替り私の股間を覗きこんで、その全容を明らかにしている陰核全体を順番に観察していく。私もモニター越しにじっくりと眺める──モニターの映像は患部がクローズアップされているので、かえって私の方が他の研修医たちよりもずっと詳細に観察することができるのは皮肉だった。\n 陰核体と陰核脚は、私の体から完全に切り離され、その大部分を体外に引き出されている状態だったが、まだ血管と神経が繋がったままなので、サンダーソン先生の与える刺激に対しては敏感な反応を示していた──そのぴくぴくと痙攣するように脈打つ様は、自分のものながらも見ていてとても不気味だった。\n「それでは、デイビッド。次は陰核背動脈と陰核深動脈を陰核体から切り離して、それぞれの静脈と縫合しなさい」\n そのサンダーソン先生の命令に対して、デイビッドは手にしていた手術道具を外科用ハサミから外科用メスに持ち替えると、いよいよ本格的な手術へと取りかかった。先生の方も止血鉗子を取り上げると、彼の隣に立ってアシストを務め始める。\n「──OK。私は止血鉗子で動脈を締めつけます──そこです。止血鉗子の後ろを切りなさい。そう。それで、素早く血管の端を縫い合わせなさい──これは適切に仕上げるために最も良い方法です」\n 額に大粒の汗を張り付かせたデイビッドは真剣な面持ちで陰核海綿体より切り離した動脈と静脈を丁寧に繋ぎ合わせていく。その血管を切断して縫合するという微細な作業が二回、三回、四回と繰り返されると、先ほどまで勢いよく聳立していた陰核が塩を浴びたナメクジのように小さくなっていく──血液の供給を絶たれたために、勃起状態を保てなくなったのだ。\n「先生、できました」\n「よろしい、デイビッド。とてもきれいで、しっかりとした縫合です」\n その誉め言葉に、デイビッドが誇らしげにはにかむ。\n 私も心の中で、彼に対して『グッドジョブ! ベリーサンキュー!!』と伝える──術後の治癒のことを考えれば、じつに申し分のない手際だった。そして、さらに『ソーリー』とも──私は、彼のプラモデル作りをオタク趣味と密かに馬鹿にしていたから。", "preface": "【警告】本文中には女性に対する猟奇的な虐待を克明に描写しているシーンが多々あります。人体切断(具体的には性器切除)や流血の類が苦手な方は閲覧を控えてるようにしてください。"} |
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